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華ちゃん会長の真意! 邪魔モノは駆逐しますわ!

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 それは、

 私と五道くんがお付き合いする事となった翌日。

 例の「福祉部再生」の件で行動している全生徒を生徒会室に呼び集めた華生徒会長。

 
 『どうかしら、捗ってる?』

 意味深に聞いてくる華ちゃんに、


 『思いの外、反応は良い。良いんだが…?』

 なんとも歯切れの悪い兄、

 『何故か皆んな、福祉部に協力すると言うより、各部自主的に施設に慰問なり、寄付なりするって言い出してるんだよね。』

 後に続くまこっちゃん、言いながらも予想していた様?



 『フフフ、私の予想通りね!
 今年の「山代学園」を甘く見ないで!
 今までの活動がちゃんと実になって来たんだから!』

 家ではよく見る華ちゃんのドヤ顔⁉︎

 『これまで舞斗には、
 商店街はもちろんの事、
 町内の「奉仕活動」を超頑張ってもらえた事で今回の布石になっているのだから!』

 『何だよ、俺の手柄ジャン!』

 もっとも華ちゃんの発案で行動してたから、お兄ちゃんは「孫悟空」を演じてた訳ね!

 本人も気付いたみたい。
 ウッキィー!


 『それでね、皆んなに来てもらったのは、聞いて欲しい事が有るからなの。』

 『まぁ大体予想はついているぞ、華、いや生徒会長!
 「福祉部再建から手を引け」と言うのだろう!
 お前がそんな薄情者は思いたくないぞぅー!』

 早くも情緒不安定な華月ちゃん、もはやクールな男装の麗人のカケラも無い。

 『華月ちゃん、多分違うと思うよ。私、分かっちゃったかも?』

 ひなたちゃんが華月ちゃんを落ち着かせながら答える。

 さすがは名探偵の娘?


 『私たちの協力、高橋さんミーコが辞退したんじゃないかな。』

 『そんな馬鹿な~?だって舞斗たちに最初に協力を頼んだの彼女だろ?』

 敢えてワザと煽る様、池本くんが話すと、

 『皆さんが来られる前に高橋さんがココに訪れて、
 「ネコ部」の協力を辞退したいとおっしゃって行きました。』

 千道副会長こと界くんが答える。

 『何でだよ!何か面白くなって来たのに!』

 お兄ちゃんが吠えた。

 そう言えば、ミーコちゃんと最近話して無いかも?「森猫」の方が忙しくてコッチにあまり参加してなかったし、公私共々色々有ったし。

 思わず士くんを見ると士くんもコッチ見てた。 ぽ。


 『俺、ミーコを探してくる。』

 『舞斗!任せたからね!』

 意外にもお兄ちゃんに「激」を飛ばしたのは華ちゃんだった。

 『おう、任された!』

 二人とも凄いカッコイイ!



 次にカッコよくあんずちゃんが華ちゃんに質問した。

 『ソレで、私たちは何をするのかしら?生徒会長さん。』

 美少女対美少女!

 視線バチバチに応戦…では無く?

 『え?別に。今まで通り「児童福祉部再建」に協力してもらうケド? 但し私のやり方でね!』



 

 
 舞斗は少し前に、ゆたかから過去の「高橋 美波」の事を聞いていた。

 かなり酷い環境から施設に保護されたらしい。

 出会った当初は会話が成立しないとか、空想の物事を事実の様に話しては周りを引かせていたとか。

 大人たちは辛い現実からの逃避行動だろうと不憫に思い、最初の内は話しを出来る限り合わせていたらしい。

 ゆたか達のいた養護施設が火事に成り、火の中から助け出された辺りから、彼女がそれまでの状態から徐々に普通の子供の様に行動出来る様になった。

 ただそれも何か違和感を感じるらしく、しばらくしては誰かの真似をしていたのではと思ったそうだ。

 『ある時、僕と同じ口調で話してるミーコを見たり、かと思えば施設の先生が褒めた子の真似をして、その子とケンカになったり。』

 酷い虐待を受けて、心が壊れない様に複数の人格を作ってしまった子供の話しを聞いた事がある。

 彼女もそう言う事なのか?

 施設に慰問に来た女性を「崇拝」していた様な節がある。

 俺の母親を、実際は叔母だったが、長年の「憧れの人」が、全くの別人だった。

 彼女から話しを聞くまでこの件から降りるかどうか決められない!

 校内にいない!

 もう下校したのか?







 『やぁ、しばらくだったね!ケンちゃん!』

 『本日の営業は永遠トワに終了しました。又の閉店時にお越しください。』


 『ハハハ、また冗談ばかり!』



 『で、何なん? つまらん事ならスピカで奢らすぞ!』



 ここは羽柴ビルの地下一階、いつもの「古本屋」。

 いつもの事だけど、店番をしている北代のパパさん。

 やって来たのは風間さん。

 お巡りさんの偉い人!


 『実は、「白いアルピノの少女」が目撃された。』

 『?そりゃ、世界には何人かいるだろうけど、それが?』


 『僕らがよく知っている「少女」の事だよ。』

 『幽霊の目撃談なら、他で頼む。彼女が成仏出来なくで…』

 
 『生きていて、足も有って、実際に複数の目撃者や話した人がいる。』


 『白骨には施術跡が有って、身元確認したって!』

 『なぁ、サナエさんが帰って来たって娘から聞いたんだが?』


?なぬ



 『あ~ぁ!そっちか!そうゆー事なのか?』

 何か頭の痛い思いだ!
 
 『かも知れないし、違うかも知れない。
 でも、その価値は有るよ、何せ同日同時刻に全く別の場所で目撃されてる。』


 『「妹たちシスターズ」とか言わせねぇぞ!』


 でも「白い幼女最後の注文」は愛でたい気がする。

 
 『何だい、ソレ?』

 

 『あの日、オレたちが助けた子じゃないかも知れないし、って事も有るよな?』


 『今の段階では何とも言えない。だからこその「サナエさん」だ!』

 

 サナエさんが昔いた「悪の組織」では、「優秀な怪人や兵士」の細胞から「複製体予備パーツ」を作ったりしていたのだ!

 あの「白い少女」もまさか「コピー商品」なんてオチなのか!
 
 『今、サナエさんは昔の「アジト跡地秘密基地」に使えそうなモノが無いかと探索しに出掛けるが、今日の夕方には戻る予定だ。
 良平さん、ちょっと「時村邸」に連絡したら?』

 『ソレなんだが?』

 『ん?何なん?』

 『電話口に「若い女性」が出たんだが、翔太くんが不在なので掛け直すと告げておいたんだ。
…その、大丈夫だろうか?』


 『最近、住み込みの家政婦を雇ったみたいだな?よく知らん。』

 『そ、そうなんだ。  いや、翔太くんも隅に置けないと思ってしまったよ。ハハハ、ははぁ~。あの翔太くんがなぁ~?』

 
 『隅に置いとけよ?その事は!  あー!面倒だ!店閉めるから一緒に行こうぜ。』

 この時北代パパさん、やな予感フラグしかなかったと言う。







 『そう言えば、ミーコの家とか知らないぞ?』
 
 校内にはもう居ない様で校門まで出て来たが、見当たらない。
 彼女のメアドすら知らない舞斗は、恥ずかしながら華や舞華に確認しようとカプロボフォンを取り出すも、

 『ま~い~とっくん、つっかまえたー!』ガバッ!

 後ろを取られた!

 俺の後ろを取るなんて⁉︎

 あの人しか‼︎
 

 『岬姐さん、お胸が当たってます。』

 今日の服装はメイド服では無く、薄ピンクのジョギングウェアで、「健康の為、先程までジョギングしてました。」みたいな装いだ。
 普段のメイド服に比べて布地が薄いので、体温すら伝わってくる!
 
 彼女が高校生の頃から今まで、色々と抱きつかれてるがその成長は日々更新されている様だ。

 『当ててるんだも~ん!てへへ!』

 ん~、よく似た光景を華と優斗で見た事有るな。


 『お困りの様だね?舞斗くん。』

 『ええ、なんで早く離して下さいよ。俺みたいなガキ、相手にしないで姐さんなら、「引くて数多」でしょ?』

 『ん?舞斗くん以外は只のホモサピエンスの雄だよ。…あ!優斗ちゃんは「天使」ね!』

 『姐さんのお兄さん九院さんは?』

 『只の変態よ。執事としては有能だけど。…そんな事はどうでもいいのよ!  舞斗くん、「高橋 美波」って子の事、探してるでしょ?』


 『何でソレを?…もしかして、「監視」されてる?』

 『無い無い!普段は「山王院邸」でお仕事なんだから!
 実は彼女、山王院系列の食品会社「サンオー製菓」の「社長令嬢」さんなのよね。』

 『へ?』



 『ちなみに、この事は華お嬢様もご存知なんだけど、聞いてない、舞斗くん?』

 
 俺、心が折れそう。

 いや、ならば話しが早い。

 『岬姐さん、彼女の家、案内お願い出来ますか?』

 『かしこまり、マァくん!』

 『マァくんは辞めてください!』




 多分、華の差金だろう。
 俺たちはミーコ美波の家に向かった。



 割とデカい社屋兼自宅で10階建ての上二階が自宅やら社宅で、
 下が「お菓子工場」やら「事務所」の様。

 正面入り口は岬姐さんのお陰で「顔パス」だった?

 俺たちは、何故か社内の「応接室」に通された?

 最初に現れたのはここの社長、ミーコの義父さんだった⁉︎

 やや痩せ型の苦労人、白髪もチラホラ見える、余り「山王院」ぽく無い人当たり良さそうな社長さんだ。

 『やぁ、ようこそ!
 私がここの社長、美波の父だ!君が「北代 舞斗」君だね!噂は良くも悪くも聴いているよ!』

 『恐縮です。今日は…』

 『美波の事だね?少しだけ待って欲しい。
 いま着替えているんだよ、女の子の着替えを急かすのは余り良くないからね。』

 何かな?言葉の節々に若干の凹凸が感じられる。

 嫌われてる?

 『高橋さん、舞斗さまは「山王院総帥後継者候補」の一人、「山王院 華」お嬢様の「婚約者」です。そこをお忘れなく。』

 近所の気さくで優しいお姉さんの顔から、「山王院メイド部隊 行動隊長」の顔に変わる岬姐さん。


 『こ、これは失礼した。そうですか!既に婚約しておるのですね!なら安心です!』

 何か分からんが空気が和らいだ?
 (何か安心なんだ?)

 『高橋社長、舞斗さまはこちらのお嬢様の事をご心配をされてるんです。その御心をお察し下さい。』

 畳み掛けるかの如く!

 「出来るメイド」モードの岬姐さんは頼もしい!

 いつも邪険にしてゴメンね。


 『それはアレですか?「児童福祉部」の事ですか?』

 『ご存知なんですか?』

 『ええ、あの頃取引の有った企業様から「募金」を募られましたよ。これだけね。』

 と、言って指を1本立てる、俺には分からないので後で姐さんに聞こう。

 『まさか、理事会の一派が寄付金を着服していたとは。
 私も迂闊でした。』


 『だから今度こそ、真っ当な部を作るんです。』



 『お待たせしました、お父さん。 え!北代くん⁉︎』

 応接室に来た美波ミーコは学校で見る「ジミ子」サンでは無く、白を基調とした「上品なお嬢様」調のワンピース。
 もしかして、少しメイクもしてる?

 『お父さん、とっても大事なお客様だからって⁉︎』

 『いや、すまない、美波。 お父さん、つい勘違いした様だ。』

 お父さんはどんな勘違いをしたのだろう?

 『岬お姉さんも?どうして二人が?』

 なんと岬姐さんとも顔見知りか?

 『あのね!私、舞斗くんとは子供の頃、一緒にお風呂に入った仲なの!』
 
 う、うそでは無い!
 でも何故そのチョイスを⁉︎


 『こ、子供の頃だから!何にも知らない幼児の頃だから!』

 『最近も入りましたよ、』


 『き、北代くん!』

 『一緒に「風呂掃除」しただけやんか、姐やん!』

 

 『ブハハハハハ!噂通りで面白い奴だなぁ、北代くんは。』

 なんとかお父さんにはウケた。

 でも相変わらずミーコの視線が痛い。

 
 『突然押しかけてすいません。どうしてもお嬢さんに確認したい事がありまして!』

 『わ、私、会長にちゃんとお願いしたのよ!「ネコ部の皆んなには申し訳無いけど、福祉部の再建は私一人でやります!」って!』

 
 『聞いた、だから確かめに来た。ソレと伝えにも来た!』


 『伝えるって何を?』

 『一度引き受けた以上、押し付けてでも「依頼」は果たす。おそらく「華月」もだろう。 
 そもそも華に言うんじゃなく、直接「俺たち」に言ってくれよ。水臭いな、友達に遠慮すんなよ!』

 
 『友達?私と北代くんが?』

 何か自問自答している様な、不安な表情をするミーコ。


 『そうそう、美波と北代くんは「友達」!友達だからね!ね!』

 やたらと嬉しそうに肯定する高橋社長。何でだ?


 『美波ちゃん、訳だけでも話してくれないかしら?
 この舞斗くんは「推して駄目なら推し破る、拳も硬いが頭も堅い」んだから、せめて美波ちゃん自身で話して上げて。』

 随分と親しい様なミーコと姐さん?
 

 『わかりました。…北代くん、ゆたかちゃんから何か聞いてるよね?』

 『空想癖の事か?』

 『そう言うふうに思ってくれてきたのね? …実際にはかなり酷い依存症で、ここのお父さんの養女になるまで、医師に診断された事も無かったと思うの。』


 『私が聞いた話しだと精神科医に診てもらえる程、当時の施設の経営は余裕が無かったそうだ。
 その事を妻が酷く心を痛め、美波をウチの子に迎えて、信頼出来る医師のカウンセリングを受けたんだ。』

 ミーコの親父さんが遠くを見つめる様、思い出しながら話してくれた。

 『その頃、「高橋食品」は山王院系列の化が決まり、「サンオー製菓」になったンデス!』

 ドヤ顔の岬姐さん、なんかイラッとする。

 『でも私は火事の時に、
 実の両親の事やそれまでの辛い事を大部分忘れてしまったの。
 その所為で子供の頃の記憶は継ぎ接ぎだらけ、ゆたかちゃんの事も辛うじて覚えていただけなの。』
 
 『それじゃ、「慰問に来た福祉部」の事は!』

 『その記憶こそ、鮮明に覚えているの!アレは私に取っての真実だから!』

 その時、俺は親父さんと岬姐さんを見た、 親父さんは静かに目を閉じ、姐さんは優しく頷いてた。


 知らないだ! ミーコは⁉︎

 親父さんが騙されて、施設に寄付した金を着服された事を!


 『それで「福祉部の再建」に入れ込んでたのか。それなら尚更…』

 『あのね、北代くん。私、今でも時々夢に出て来るの、慰問に来てくれた「お姉さん」の事。とても優しい顔なのに、瞳は悲しそうだった。』

 
 『その事を娘から聞いて、私が「部の再建」を薦めてみたんですよ。どうやら現在では活動していない様だったのでね。』

 俺は一つ、疑問に思って、

 『君が火事の所為で記憶を部分的にわすれているのはもしかして、ゆたかや施設の人は気付いていないんじゃ?』

 答えてくれたのはミーコのお父さん、

 『その通りだよ、ウチに迎えてからカウンセリングを受けている時に分かったのでね。
 施設の院長先生にだけ、後で私から伝えたんだ。
 ウチに養子に来るのは火事の前から決まっていたからね。
 様子が変わっていたのは直ぐ気付いたよ、私たちはね。
 しかし、院長先生は気付けなかった事を本当に悔いていたよ。
 でもね、悲しみや辛い思い出はお互いに遺したくないから、私が他の皆んなに口止めをお願いしたんだ。』
  

 …相当の恐怖だった筈だ。

 ただ、その記憶は他の辛い記憶と共に燃えてしまったのだろうか?
 
 『姐さんは此方と随分と親しい様だけど?』

 『高校生の頃、ココでバイトしてたの!よく駄菓子のお土産、「まぁくん」に持って来てたでしょ!アレはココのお菓子よ!』


 あ、アレか!覚えてるよ!


 『そうだったンデスか!その節は大変美味しく頂いておりました!ありがとうございました‼︎』

 俺は椅子から立ち上がって、頭を下げる!

 『フハハハ! 君は本当に愉快な青年だね! 気に入ったよ!何か持っていくかい? 今、新作を開発中で岬ちゃんにもアイデアをもらっているんだが?』

 『ソレ、面白そうですね! …ん? どうした、ミーコ?』

 彼女が何か不思議そうな表情でこちらを見ている?

 『北代くんって、岬お姉さんに「まぁくん」って呼ばれてるの? 可愛いのね!私も呼んでも…』

 『勘弁して下さい。』



 ここまでの事は華は知っているのか?

 彼女の「記憶障害」は結果的に「辛い過去」だけを消し去って、


 …なんて事が都合よく起こるモノだろうか?



 いや、そっとしておこう。

 この時、俺の脳裏に「奈落親父の技」が思い浮うが…  まさかね?



  『なぁミーコ、福祉部の再建の事だけど? 何故、俺の協力を取り下げた?俺としては面白くなって来たのに、びっくりしたゼ。』


 『その件は山王院会長に話したわ。だから、もういいの。忘れて、北代くん。』

 『勝手だぞ、ミーコ!
 俺、お前みたいにじゃねぇし、無理だな。
 舞華とかは知らんけど?』

 
 『では、こうしましょうか?
 お互い、勝手にすると言うのは?』
 澄まし顔で何言ってんだ、この人岬姐さんは?









 帰る際に、ミーコの親父さんが俺たち二人に袋いっぱいの駄菓子を持たせてくれた。

 俺は素直に喜んで、
 『ありがとうございます、弟や妹たちが喜びます!』と言ってしまい、

 『何だい、ソレならこれじゃ、足らないじゃないか!』と更に三倍もらってしまった。

 前が見えない!
 
 そんな俺たちの前に迎えの車が止まった。

 『舞斗兄さん、迎えに来たよ!』

 ソレはキッチンカーに擬態したニャン-バロンだった!


 『ぼくも、「たこ焼き屋さんスナック」、受け取りに来たんだ!』

 『そっか。んじゃ、ウチまで頼むよ、ニャン-バロン!』


 もちろん、家につくとリリ達は袋いっぱいの駄菓子を見て大喜びだ!


 『さて明日から、また大変だぜ。』



 また明日から、「福祉部の再建」に励むか!


 明日、ミーコを誘って新名叔母に会いに行こう。何かヒントが見つかるかも?

 
 
 『…って、舞斗なら考えてる筈だから、私達はそれと別に学園内の「職人マイスター」を募るの。』

  …我が家自慢の大きなお風呂で、舞華と華ちゃんが久しぶりに仲良く入浴中に、打ち明けられた。

 『ソリが華ちゃんの「福祉部の再建」?』

 『名前は変えるけど、志しは引き継ぐつもりよ。舞華は強力してくれるよね!』

 『ん!それ、私も「アテ」があるよ! あと、マミちゃんの同人誌同志に「絵本作家」志望の子がいるんだけど…あれ、文化祭がバザーるでござる?』

 『そうなるのが第一段階なの、じゃないと「残党狩り」が出来ないからね!』

 『え? それも組み込まれてるの?』


 『お金の気配する所なら、連中は黙ってられないもの、その為の「おとり」だもの。協力してね、舞華!』

 『私、文化祭当日は「文化祭デート」したいですのよ。ウフ♡』

 『一人幸せにしないわよ、私と舞斗はしばらく、そう言うの無いもん!だから五道くん共々色々頼んじゃうからね!』

 『婚約してたんでしょ!華お姉ちゃん!妹の幸せに祝福しなさーい!』

 『うるさーーーーい!お風呂場で騒いでないで、さっさと出なさい!のぼせるわよ!』

『『は~い、お母さん!』』





 『あいつら、何怒られてんだ?』

 
 華にミーコと話した事を聞こうと思ったら、風呂に舞華を連れて逃げられた。

 生徒会室で話しているなら、界が聴いていないか確認したが、華から退室を言い渡され知らないそうだ。

 追々聞き出す事にしよう。


 あと、ウチの親父殿にもお伺いを立てないと?

 何か有るだろうと思ったら、ゆたかやミーコがいた養護施設が火事に襲われた時、親父殿は山王院の「お家騒動」に巻き込まれて、大怪我して入院していた時期なんだと思い出した。

 駄目だ、俺の「知能データベース」じゃ答えは出ない!

 『うむ、ここは「義兄」の権限で士に考えてもらうか!』

 もしかして、士と義理の兄弟に成るかも?

 親父殿と叔父みたいな付き合い方を俺達もするのだろうか?

 『な~。』

 ふうなの子、「ニタ」がいつの間か俺の膝の上で「へそ天」している。
 俺の事を信頼している証拠だ。
でも、腹を無防備にしていいのは家の中だけにしてくれ。

 外には危険がいっぱい!
 常に外ではカラスとか外敵に備えないとね。




 外敵?備える?

 ミーコが家に来た時、猫達は誰一匹も近づか無かった?

 アレはなんだったんだ?

 『お~い、ふうな~!』

 『にゃんだ?舞斗。ニタが悪さでもしたか?』

  『それは無い。実は聞きたい事が有るんだが、この前来た……。』
 
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