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途中経過の落とし穴〜アッチでコッチで、ハプニング?

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 俺、「北代 舞斗」は双子の妹が店長をしている、
 猫カフェ「森の猫さま」でバイトを始めた女子大生の「尾北 蒼李」さんに付きまとい始めた、某有名大学の学生「野中 登」を、同じく「森猫」でバイトしている「鈴木さん」の協力を得て、居所をさぐり、身柄を確保した。

 とにかく「ムカムカする」奴だ。

 『おい、どこに連れて行くつもりだ!お前たちの部室じゃないのか?』

 学外に出ようとした時に、不審に感じた野中が騒いだ。

 『行き先は美味いコーヒーとオムライスが有る店だス!
特別に俺が奢るっス!』

 「まかしとけ」とばかりに張り切っているが、今一つ釈然としない俺。

 『実家から借りて来たんだ。』

 丹沢さんがワゴン車を用意して、運転してくださり助かった。

 行き先は勿論、羽柴ビル!

 さてと、「楽しい話し合いパーティー」の始まりだ。

 『んじゃ、丹沢さん「秘密基地」までお願いします!』
 
 『心得た!同士「舞斗」よ!』

 
 『…チッ…馬鹿かよ!』





 そんな事無視して、
 ネコ耳コスプレ大会の中間結果が発表されたの。

 あ、舞華店長でありますケロ。

 それでね、これまでを「予選」として、ここまでの「上位10人」を決勝進出として発表したんだ。

 但し、この10名間の順位は伏せているぞ!

 ちなみに十位以下は桁が違う程、投票数が離れているのだ!


 大人の部の十人は以上です。

 「一文字 華月」(猫)
 「高城 ゆたか」(猫)
 「狛田 ミハル」(狼?)
 「足立 マミ」(猫)
 「堀部 栞子」(猫)
 「滝井 ひなた」(猫)
 「羽柴 アキラ」(犬)
 「尾北 蒼李」(犬?)
 「音森 優子」(猫)
 「錦織 雅」(?)の十人。
 


 ちなみに「子供の部」ではあえて「順位」を公表せずに、「優秀賞」とか「敢闘賞」とか出来るだけ波風の立たない形にする事にしたよ。
 
 そして、子供たちには参加者全員に記念品やら、何やら贈呈して「子供の部」は終了としました。

 (大人の事情で。)

 …あの、なんでお二人の名前が無いのデスか?

 「北代 舞華キタシロ マイカ」と「山王院 華サンオウイン ハナ」のお名前が! な、無いよ?


 『マミちゃん、声に出て無いけど、こう叫びたいんだよね?』

 バイトの同僚の顔色を見て、彼女の心情を推理するヒナヒナ。

 『さすがっスね。明智くん!』

 そんな後輩ちゃんに、私当人が答える。
 『ん、だって私達「主催者」側だから「コスプレ」はしたけどコンテスト自体は辞退したよ。』

 『しょ、しょんな酷い!』
 ステージに立つ、お姉様の猫耳コス、めっちゃ楽しみだったのに!

 『だから、「森猫」からは「マミマミ」と「ヒナヒナ」と「ゆたか君」と「アオイちゃん」だけが「コスプレ参加」してたの。私、今回は完全「裏方」ですから!』
  
 まぁそれでも私や華ちゃんに投票した奇特な方もいたけど、無効票にしましたのよ。

 でね今回、予選落ちした参加者からクレームが来たよ、マミちゃんが言うには、そこそこ名の売れた「コスプレイヤー」の方らしいけど。

 『私が予選に落ちるなんて、不正が有ったに違いない!』

 違わないよ!

 だって、アナタ「地元」の人じゃないジャン!

 そう、これはとある下町の町おこしなイベントなの!

 いくら超イケてるレイヤーさんでも、
 何処の誰かは知らない美人さんより、
 町の誰もが皆んな知ってる地元の看板娘に投票するよね。

 そうゆーイベントですから!

 って言ったら、呆れられた。

  まぁ、惜しいところでは有ったのだけど、「何処かの看板娘たち」には敵わないのよ、圧倒的に支持が!

 そもそも「ネット投票」とか無い、「投票用紙」に名前書いて段ボール箱に突っ込んでるだけだから!

 恐らく、素人レベルのコスプレコンテストなら余裕で上位に勝ち残ると思ったんだろうって、洋海さんと「ヒメヒメ」さんがおっしゃってた。

 あまい!甘いよー!

 衣装審査に「わるぷる」全面監修だよ!

 「エロ可愛い」も、「エロカッコいい」も、勿論「エロエロい」も、お子様にちょびっとでも「有害なモノ」は「指導」して、聞き入れてくれない人は「不参加」にしたし、

 (例えば「パパ、あのお姉ちゃんの服、お胸がいっぱい見えて、お風邪をひいちゃうよ?」とか聞かれたら、何て答えるんだよ?)

 それにしても?

 まさか、このレイヤーさん、来年の今頃に鶴亀町に引っ越して来ないよね?


 ま、まさかね?


 あっと!ナイショの話しね!

 子供の部の一位は、ぶっち切りで二葉ちゃんでした!

 黒髪美しい二葉ちゃんは我が家の愛猫「ノワール」をイメージした「黒猫系」のネコ耳コスプレ。
 ゴシックロリータ調で「厨二」っぽいけど、ソレがイイ!
 
 (実は、私の夢の中に人の姿で現れた愛猫ヒメノワールの母の姿を再現したコスなの!)

 二位の十六夜ちゃんや
 三位のリリちゃんら、三巨頭は何たって、この町での「知名度」が違うからね!

 メイの長毛種特有の「ワイヤーヘアーくせっ毛」がリリちゃんの銀髪の毛先と似ている。
 元気いっぱいの「ふたりリリとメイ」のコラボも最高!

 メイド服がエレガントな十六夜ちゃん?
アメリカンショートヘアのミコをイメージした「マーブル柄」のスカートが大人っぽい?
 
 正に鶴亀町のご当地アイドル的な……アイドル?
 あぁそう言えば?



 『しゃ、社長~!あっちゃん、コスプレ大会、予選落ちだったよ~!』

 『だから、あれ程「たれ犬耳」にしろって言っただろう!
 いくら「ケモ耳」でも「バニーガール」はエロいから止めろと言ったんだ!
 町おこしのイベントなんだ!ファミリー層を狙わんと上位に食い込めんと言うたろうが!』

 『猫耳は「でじ○」でブーム終わった感が有ったから!』

 『古いって!2000年問題並に! お前、幾つだ?』


 って、やり取りがあった様な?


 ご自分の趣味の発信の場として利用するのは構わないけど、このイベント自体の主旨を理解してから参加してよ!

 一応、「大人の部」の順位は三十人まで投票数も加えて発表した。

 中学生は大人の部で参加してもらい、健闘惜しく上位十人の中には、はいれなかったけど、

 『新しい自分を発見出来ました。』とか言う子もいたよ。


 色々情報が入ってくるけど、

 『個々のクレームや問い合わせはワタクシが処理・対応しますのでお二人は最終日のイベントまでの業務にご専念下さい。』

 私の凄腕メイドのパトリシア、まさに「敏腕パティ」ちゃん!

 『お願いね、パトリシア! 舞華、商店街のオジサマ達は当てにならないから、「タツっさん」に設営の手伝い、お願いして来て!舞華から‼︎ 』


 『私から? 何で?』

 『ん?えっと、「モチベーション」が上がるんじゃない、「可愛い子」からお願いされたら!』

 
 嘘では無い、嘘じゃないよ?

 『え⁉︎ もうしょうがないなー! んじゃ、ちっと行ってくる!』

 ふふ、チョロいわ。

 もっとも、既に「ゴンパパ」から「許可」はもらっているし。

 彼らにお願いしたのは、鶴亀公園にステージ舞台を設置を始めてもらうのと、イベントに乗じた「不埒者」の捕獲や牽制を兼ねた「パトロール」だ。

 『期待してますよ、「北代舞華親衛隊」のみなさん!』


 

 でね、


『いいかー!お前ら!』

 『~『オー!兄貴ー!』~』

 『舞華お嬢がオレ達みたいな半端モンに「アタマ」下げてくれた以上、半端は出来ねーゾっ!
 いや、オレが許さネーっ!』

 『~『ウォー!舞華ちゃん、任せてくれーー!』~』

 『た、タッちゃん?お手柔らかにね?怪我とかしないでね?』

 タッちゃん、いつの間にか、ウチの学校の「名だたる猛者」を弟分にしているし⁉︎

 この人達、よくお兄ちゃんと喧嘩してるから知ってるよ。

 前に、ほっぺやオデコに絆創膏貼ってあげた事あるよ?

 それから、よく挨拶してくれるから、悪い人達じゃないのは知ってるよ!


 『おぅおぅ、舞華、お前も罪作りなオンナだな!たこ焼き食うか?モグモグ。』

 何故か隣りにほっぺに青のり付けた十六夜さんちの灯火ちゃんが「タッちゃんのたこ焼き」を頬張っていた。

 『あ!十六夜ちゃん、コスプレ大会「子供の部」二位だったよ!おめでとう!』

 『~『ウォー!姐さん、おめでとうーございますー!』~』

 『うっせー!馬鹿ども!』

 『慕われてるね!「灯火姐さん」!』


 『ウッセー!この舞華のお気楽馬鹿が! 
 …ったく、イベント当日の警備とか、ステージの設営だろ?
仕方ないから、私がコイツらの面倒見てやる!任せとけ!』

 『わーい!十六夜ちゃん、大好き!』

 『こら!抱きつくな!この舞華の「胸デブ」が!』


 『いいな~、灯火姐さん。羨ましいっス!』







 『ココっス。どうぞ入って下さい、野中さん。』

 着いたのは、羽柴ビルの地下一階。


 『その古本屋の中に「個室」が有りますから、そこで話し合いをましょうか?』


 父さんには事前に奥の部屋を貸して欲しいと頼んでみたら、快諾してくれた。

 今は休憩しに「スピカ」に行ってくれてる。


 なのだけどさ、


 『…斗君、ここ…』

 『ん?何スカ、トシさん?』

 『ここの本って、「購入」出来るんだよね?』

 トシさんが当たり前の様な事を聞いてきた?
 
 『ハイ、もちろん。何か欲しい本有りま…』
 『いくらだい!ソッチからコッチまでで?』

 真剣な眼差しで聞いて来るので、

 『ちょっと待って下さい。分からないので、父を呼びますね?』と、
 俺専用カプロボ「流星丸」に、

 『父ちゃんを呼びだせるか?』
って聞いてみる。

 すると

 「プルプルぷる、プルプルぷる、お兄ちゃまにお父さまからお電話デスの♡   
 プルプルぷる、プルプルぷる、お兄ちゃまにお父さまからお電話デスの♡  えへ!」

 オイ?
 何でまた、二葉の声がする?
 またもや幻聴が聴こえる程に、
俺の「妹萌え」がこじらせてしまったか?
 しかも前回より恥ずかしい。様々な方面で!

 皆んな、様々な表情で俺を見ている。

 『も、もしもし‼︎』

 『ん?どした?何か有ったか?俺の「ピータン」がお前に連絡しろって、言うから?
 悪い、もしかして間違って鍵閉めて来ちまったか?』

 『父ちゃんのも「喋る」のか?まさか二葉の声で?』

 『二葉?いや、ボカロっぽいけど。で、何か有ったのか?』

 お、俺は手短に事情を話すと、

 『20分くらいで戻るわ。多分売っても問題無い本なら、金は後でもいいしな?』

 『だ、そうですよ、トシさん。』


 『う、売れない本も有るのかい?「禁書」とか?』

 『まだ、値段が決まらない本とか、先約が有るとかじゃないっスかね。とにかく「コッチの件」を進めましょうか。』



 ここに来たのには訳が有る、

 あわよくば、尾北さんにちゃんと詫びさせる為に、今日彼女がシフトに入っているので、反省した流れでそのまま誠心誠意土下座させる目論見なのだ!

 『なんか、「あーるおーでぃー」みたいな?「かみつかい」のおねいさんとかいる?巨乳やロリっ子の?』

 と、ひよりさん。

 『猫使いのお姉さんが、軍団でいますよ。』

 さて、店の奥、親父が休憩に使っている「八畳和室」に俺を含めて六人が脚を崩して座る?

 ?六人っスよ、最初から。

 『き、北代くん?ここにある「天使ちゃんの恋渡し!」って初版?』
 
 ココに来たのは、俺と「トシさん」こと「膝肩 俊彦」さんと親父と趣味が近そうな「丹沢 透」さん、先程から急に控えめになった「小鳥遊 日和」さん、事の元凶「野中 登」 …そして、

 『こ、この本の続きって有る!』と、急に存在感出しました「清楚なお姉さん」ぽかった女性、ひよりさんの隣りで控えていた同サークルのメンバー。


 『落ち着いて、十鐘くん!』

 なんか暴走中の「足立くん」の様だ!

 あ、そういうヒトか!


 『ちーちゃん、落ち着いて。早々ちーちゃんが好きな「昭和テイストの少女漫画」なんて有る訳…』

 『有るっスよ。これ「エンジェルタウンの名医さん。」っスよね。』

 『ちがうの!「天使ちゃんの恋渡し」だってば! 確かに「天使」被ってるけ…ど…?被ってる?』

 『続きって言うから、 コレ「続編」っスよ。「天使ちゃん」の孫の話しっス。』

 『どう言う事なの?』

 『作家さんが別の名前で続けてるんです。ギリギリで試練が達成出来無かった「天使ちゃん」は「動物」にされたんです、「人間」って動物に。 神様から見たら、「人間」も「只の動物」って事で、いわゆる「神様の粋な計らい」ですね!それから五十年後の話しっスよ。』


 『ナニソレ!買います⁉︎はうまっち!』


 『舞斗! じゃなくて、「まいど!」』



 『いい加減にしろ‼︎ 』


 まぁ、当然だよな。
 野中が声を荒げて激怒する!

 『ご、ごめんなさい。』

 『すいませんっス、野中さん。』

 俺と「十鐘 千鶴」さんが謝罪する。

 一応、場は収まった様。


 鈴木さんはシフトの時間なのでそのままバイト森猫に向かった。


 『それでは本題に入ろうか。』

 トシさんが口を開いたが、俺が遮る様に、

 『野中さん、その前に「さっきの暴言」を訂正して下さい。
 ひよりさんに謝罪してから
「本題」を始めましょうか!』

 『舞斗くん、君はやはりウチの大学を受けるべきだ!何なら僕らが君の学力を伸ばしてみせるさ!』

 『その話しも、後です。
 自分、この件がスッキリしないとこの先冷静になれません。』

 ウチの「家訓」と言うか、俺なりの「志し」みたいなモノ。

 「女の子を虐める男はクズだ、容赦するな!」みたいな?

 母さんの武勇伝で、

 後輩の女子に付きまとっていた「ツッパリ」ニィちゃんを、5メートル蹴り飛ばしたとか。

 信号無視して、横断中の幼女を轢きそうになった「族」を壊滅させた等。

 親父に至っては、

 『少女の犠牲に成り立つ世界なんざ○○だ!音に消えろ!』って、某国を海に沈めるぐらい追い詰めたとか?

 アニメの話しか?

 まぁ俺に取っては、そんだけ「女性や子供」に「暴力」を振るう「クズ」は遺伝レベルで「即駆除」するのが「当たり前」なのだ!

 しかしながら世の中、それでは「法律」が許してくれないのですよ。

 なので、致し方なく我慢して相手を更正させるのですよ。

 気に入らないからとぶっ飛ばしてきたガキだった「北代 舞斗」はもういない、口笛吹いてどっかに行ったのだ!

 

 『ふん、その「○ンラン女」が処女だって、お前本気で思ってるのか?何ならお前が確認したらどうだ?一石二鳥だろ?』

 『な!馬鹿言ってんじゃないよ! 舞斗くん、わ、私の事はいいから、最初の話しを進めて。ね、ね、お願い!このままだと私、「恥ずか死ヌ」から!』


 野中の裏付けの無い自信が不快だ。けど、ひよりサンの反応が可愛いから癒やされた。

 『そんな事、尾北さんにも言ったのですか、野中さんは?』

 『は?そんな訳ないだろう!』


 『ですよね!貴方は彼女の前で「突然、サイリウムを振り回して暴れた!」だけで、会話すらしていないそうですね。
 警備員を呼ばれて、逃げ出したとか? 一体ナニがしたかったんですか、野中さん?』


 何と、野中氏は尾北さんがバイトしていた「メイド喫茶」で、他のお客さんの接客中、彼女の前で突然徐に「オタ芸」を始めたのだ!

 時々、店内のミニステージでメイドの子達が歌ったり、何らかのパホーマンスを披露する事がある。
 その時、尾北さんがステージに現れると必ず野中さんは「暴れる」様にサイリウムを振り回す。

 つまり、「オタ芸」と呼ぶには余りにも無茶苦茶な動きで見るに堪えない。

 終いには、握っていたサイリウムがぶっ飛んで、他のお客にぶつかったり、料理や飲み物をテーブルから落としてしまうなど騒ぎを起こしていた。

 しかも、謝罪もせずにその場から逃げてしまうので、出入り禁止にされてしまうも、今度は店の出入り口で彼女を見かけると「彼独特のオタ芸」を披露しようとして警備員から注意を受けて揉め騒いだらしい。

 訳分からん?「コミ症」か?

 確か、「森猫」でも同じ事をしようとして、十六夜ちゃんや小町ちゃんに取り押さえられてる。

 
 『う、うるさぁーい!
 アレは中々「声優デビュー」出来ない彼女を奮い立たせる為に、僕がアレンジした「戦いの舞」だ! 有る部族はあの舞を踊ってから「狩り」や「戦」に赴くのだ!
 だからこそ僕は気弱な彼女の為に全身全霊で「アキバ風」に舞って見せたのだ!
 分かるか、素人が!』


 『名前に「舞」の字が使われてる舞斗くんに「素人」って、アンタの方が「どんだけ」だよ?』

 『舞斗くん、もしかして「中国拳法」とか詳しいかな?』

 『相手を撹乱させる「舞闘術ぶとうじゅつ」の事ですか?「酔八仙拳すいはちせんけん」みたいな奴?ええ、幼馴染とガキの頃、教わりましたから出来るっスよ?それが?』


 『野中氏、彼は多分「ストリートダンス」とかもイケる筈だよ。所謂「キレッキレ!」って感じだ。』

 良く分からんが、トシさんが俺を誉めているのは分かったよ?

 見せた方が良い?

 『う、上手い下手の問題じゃない!「気持ち」!そう、彼女を応援したい気持ちの問題なんだよ!分かるか?』

 『彼女が気が弱いって知っていて、怖がらす様な事して「気持ち」伝わってない以前に「彼女の気持ち」分かってないよな?矛盾してるだろ、アンタ?』

 部族の踊りとか、独自の「正当性」を語るなら、なぜその場で説明しない?何で逃げ出した?


 『五月蝿い!素人が!
 あの「メイド喫茶」はアニメ関係者が頻繁に通ってるから、目立てば彼女が「劇場版」の「ヒロイン声優」にスカウトされるのだ!目立ったモノ勝ちなんだよ!分かったか!』

 『そんな事実は無いよ、野中さん。
 だって、あの「カフェ」に通っている「アニメ関係者」だと、
 「3D映像監督」の「下嶋 博士」監督には、出演者の決定権なんて無いし、
 「キャラクターデザイン」の「武部 真幸」さんは「オム焼きそば」目当てで通ってるだけで、
 お二人共、個人の趣味と仕事を混同しないプロの方だよ。』

 そう、あり得ないんだ。

 父さんの元「サークル仲間」で、実際に野中氏の奇行を目にして「憩いの場」を荒らされたと、怒っていたそうだ。

 『ダメじゃん!アンタ、バッカじゃないの!アンタがその子のデビューの妨げになっているじゃないの!』

 俺が事情を説明すると、ひよりサンは容赦なく野中を責めた。

 『五月蝿い!そんなの信用出来るか!僕は「ネット」で細かく調べたんだぞ、間違いない!』

 『ネットが常に正しいとは限らないよ、野中くん。

 多くは言わないけど、君は顔も知らない人物の「虚言混じりの書き込み」と直ぐそばで叩き付けられた「肉声」では何方が真実かな?』

 トシさんが諭す様に話しかけるも、

 『だから!あの「カフェ」出身の声優が何人もいるんだ!
 それが証拠だ!』


 『それは普通に「事務所」に所属していて、常にオーデション受けてたからでしょ? 
 別に関係者とコネが有ったとか無いです!
 そもそも、彼女は未だ声優になる為の「養成所」にすら通えていないのだから。
 バイトはその資金稼ぎなのに、野中さんがあんな事するから辞めてしまったんですよ!』


 何だろ。正論言うのがこんなにつかれるなんて?
  
 俺、普段もっとバカなのに?

 優秀な成績じゃなきゃ入りれない大学に、非常識な自論で行動する様なこの人が在籍している事に、違和感や不快感を感じでいる。

 以前、鈴木さんが言っていた事を思い出す。


 『話したところでお前たちに理解出来ないなら、意味が無いな!彼女も僕の「支援」が理解出来な…』
 
 『お前さんの「支援」が誰一人も理解されて無いなら、その「アニメ関係者」だって理解してないさ。
 つまりは「無意味」、更に言って「妨害」してんじゃないか。 そう言う事だろ、野中君とやら?』

 野中の言葉を遮って、「現実」を突きつける。

 『叔父さまは、もしかして♡』

 十鐘さんがおかしい?

 『邪魔するよ、舞斗の父だ。で、例のカフェ常連のアニメ関係者は元同人誌サークル仲間さ。』
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