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続•森猫のリリちゃん、一日店長日誌?副店長は二葉じゃないの? 頑張れリリちゃん、子猫の冒険!
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今日はネコカフェのお手伝い!
カッコイイ服でバリバリお仕事をする「舞姉ちゃん」と「華姉ちゃん」!
リリも二人みたいになれるかな?
なれるとイイな?
なりたいな!
なので、二葉に誘われて「森の猫さま」のお手伝いをする事にしたよ。
この間は「コスプレ」って言うのをしたのだ。
(その時の写真、婆っちゃに送った。二葉と並んで写したのを、ママ殿が届けてくれたよ。)
凄かった!みんな大騒ぎしてた。ネコ達も驚いてた。アレレ、優斗がいない?
気配はするけど、おかしい?
ニャン-バロンにも見せたかった?
今日はニャン-バロンも一緒に「森猫」でお手伝いなのだ!
久しぶりに「ロン毛」に有った!
「ロン毛」はパパ殿の友達で、「ヒナヒナ」の「パパさん」だった。
あと、「ロン毛」と呼んではダメなんだって。
じゃあ、何と呼べばいい?
『あのねお父さん、私、お父さんに紹介したい人がいるの!』
娘に衝撃的な告白をされ、俺は未だかつて無い動揺を体験した!
そう、例えるなら
「相棒と呑んでいたら、酔って知らない内に「外泊届け」にサインしたのが、「傭兵部隊入隊契約書」だった」くらいの動揺だ!
まぁ、違約金くらい三日で稼いでやるがな!
『お父さんってば!』
『あ? あぁ、悪い。それで合わせたい人って誰だい?』
至って平静を装うも、…いや、やめとく。
言葉に出来ないなぁ。
『ヒナヒナ、「マチ子さん」来たのだ!』
アイツのところのロシアっ子が、一人の初老のご婦人の手を取り、近づいてきた?
『ありがとう、リリちゃん!
いらっしゃいませ、「マチ子さん」! 今日は「父」もいるんデスよ!』
『「マチ子」?…?』
誰だろう?俺が知っている方だろうか?
マチ子 マチ子? ……
てんてんてん 「…天…川…」
『フフ、わからないかしら?お久しぶりぶりね、「一の字くん」。』
『お懐かしい、先生。「天川 マチ子」先生。』
その人は高校時代の恩師、俺やひなたの母「真名」の担任だった人だ。
リリ介が腰掛けを持ってきた。
『マチ子さん、コレ使ってなのだ。』
『ありがとうね、リリちゃん。』
あの頃と変わっていません、とか言えない。
当時、竹刀片手に悪餓鬼どもを追いかけてた勇ましい熱血女教師の面影は、感じられない。
只々、品の良いご婦人だ。
たしか、その時の悪ガキ一人が卒業式に、押しまくりのプロポーズに負けて、結婚されて幸せにされてると聞いた様な。
『ヒナパパも座る?椅子いる?』
小鳥が首を傾げる様な感じで、リリちゃんが俺の顔を覗き込んだ。 …ん?「ヒナパパ」
『ヒナパパって、俺の事かい?リリちゃん?』
『「ヒナヒナ」の「パパさん」だから「ヒナパパ」なのだ!…ダメなの?』
何だ、可愛いじゃないか。
ん、今 誰かの横顔が脳裏に浮かんだ?
『いいよ。「ヒナパパ」で。 おっと、天川先生、失礼しました。』
『あら、私も「ヒナパパさん」ってお呼びしようかしら?』
『勘弁してくださいよ。』
可愛い呼び名が出来て良かったな?
なんて、揶揄うまでもなく
相棒のほっこりシーンを目撃した俺。
本当は小さい娘たちの「お手伝い」の様子を見に来たのだが。
『武士の情けだ、見なかった事にしよう。』
『あら、お父様ではありませんか?如何なさいましたの?』
『おぅ二葉か、来い来い。』
『ハイ? 』
すりすり、ナデナデ。
『え! もう~イヤですわ、お父様ったら♡ 』
何故か、一文字とリリのやり取りを見ていたら、娘っ子のあたまを撫でたくなった。
『ふむふむ、二葉は可愛い~なぁ。お手伝い、頑張ってる二人にお父さん「キュン」としてしまったよ。』キモいかな?
艶やかな黒髪に「りぼん付き猫耳カチューシャ」がキュートな三女の頭を「ナデナデ」する、至福である!
まぁ、二葉の事だ。
イヤだったら絶妙に、気の利いたツッコミを入れてくれそうなので…安心して…
あれ?
あれれ?
オーイ、二葉さーん?ツッコミ待ちですよ!
何故か、俺に為すがままに頭を触らせている我が家で最強の才女、モジモジしながら上目遣いで俺を見る。
『お、お父様。嬉しいのデスけど、皆さんが観ている前では、は、恥ずかしいですの!わ、私もぅ、そんなに「子供」じゃ有りませんのよ。でも、もう少しこのままでも…。』
よし!二葉もリリも「優斗の嫁」にしよう!
日本の法律を改正する為に、「裏家業」を再開するか?
手始めに、何処かの政党を手懐けるとか?
『お、お父様?何かお考えデスか?』
い、いけない!
二葉の「ナデナデ中」に邪な事を考えるなんて!二葉が穢れてしまう!
『いや、大した事でないよ。さぁ、「お手伝い」頑張ってきな。』
名残り惜しいが、二葉の頭から手を離して、愛娘を送り出す。
『ハイ、お父様! 二葉、頑張ってお手伝いしてきますわ! それと、今お考えだった事も、私が「大人」になったら、「お手伝い」出来るかもデスので、待ってて下さいませ!』
そう言って、ぴこぴこ(足音)とフロアーに戻って行く。
え?俺、声に出したのか?
いやいやいやいいやいゃ~ん!
『ふ、二葉、今のは忘れてな?』
俺に見えない角度で「ウフフ」と笑ってる二葉、 娘って、良いな。
さて、店長と副店長が不在なので留守を預かっている人物の労を労いに来たのだが。
『お連れさん、綾乃。調子はどうだ?』
『いやはやなんとも!面白い⁉︎ 良い「ネタ」に成るかも⁉︎』
丁度、「仕事」が終わったところだったので、店長代理を頼んだら、
『ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイ…』と無限返事で引き受けてくれた。
『次回作は「猫カフェ」が舞台のミステリーでも考えてみるかな? 「猫カフェ探偵 依頼人は子猫。」とか? どうかな?』
『それ、売れそうも無いな?』
『だよね。でも、二葉とリリ介の「迷コンビ」なら「ラノベ」としてイケる気がする。』
『主役、あの二人なのかよ!華と舞華じゃないのかよ!』
『華だともう「少女探偵」として育ち過ぎなのよ?
舞華はどっちかで言うと「高木刑事」のポジションかな?
兄さん、「幼女」はね、昔からのお約束で、最終手段に「大人に変身」が有るのよ!』
『古いな。あの子の最終手段は「キグルミ実装」だぞ。
二葉は「ハミングバード」、
リリは「メテオストライク」って、必殺技が有って…!』
『ナニソレ、ワタシキイテナイヨ? また、翔太を唆して危ないモン作ったでしょ!』
フロアでは、ヒナパパさんとマチ子先生が思い出話しに盛り上がりながらも、子猫と戯れていた。
『あの頃も、北代くんが捨て猫を拾っては校内で飼い主探しに奮闘して、大騒ぎだったわね。』
『廊下で子猫が粗相して、大変でしたよ。でも大体、そんな騒動の後で、飼い主になりたいって生徒が現れるんですよ。不思議とね?』
『実は主人も一度子猫を譲ってもらった事が有ってね。もう、亡くなってしまったけど、沢山の「幸せな時間」をもらったわ。』
『娘もココでバイトを始めて、家でもココでも「猫三昧」ですよ。』
『真名さんは「イヌ好き」だったのに?』
『そうでしたか?覚えてませんよ。』
真名の好みは割と把握していたつもりなのだが、「犬」に関する記憶は北代の愛犬「シグマ」と、夜壱が北代から譲り受けた「アックス」ぐらいだ。
『それに、同じ犬好きの「姫宮さん」とよく図書室で、
「仔犬や子猫」の写真を見て癒されてたみたいよ。
まるで仲の良い姉妹の様で微笑ましかったわ。』
『「姫宮」?誰です、クラスメイトですか?』
(あ!その写真は「池の字」が「北代の家」で写したモノに違いない!)
クラスメイトは正直、親が「金持ち」なのを自分のチカラの様に自慢するバカばかりで、
同じレベルで話しが出来たのは、同級生では留学生の「ミハエル」とクラスメイトの「真名」、「伊吹」くらいで、
逆に「下級生」の「明神」や「竹下」「風間」「池本」「朝霧」達とは、自分の「矜持」をしっかり持っている「変わり者」の方が、
話しが通じるので連んでいても飽きなかった。
(一人、別格な「馬鹿」が居たけどな。)
さて、「姫宮」って?
『あら、冷たいのね?貴方達「ネコ部」が「ミハエル君」と「姫宮 夢乃さん」の仲を取り持ったんじゃない!』
ん? あ!思い出した!
アレか!
『それ、俺は余り関わって無いんですよ。確か「姫宮くん」は北代たちの「クラスメイト」ですから。』
『そうよ、そして「リリちゃんのお母様」でしょ。』
『は?』
は?
あのロシっ子の横顔、まさか姫宮くんに似ていたのか?
『まさか、本当に知らなかったの?』
『はぁ、姫宮くんが母親と言う事と、あの「ミハエル」の娘だと言う事実は今知りました。』
『まぁ、それでも「有名な名探偵」なの?「一の字君」⁉︎』
『面目無いです。』
(アイツと同じく、
「学生時代のあだ名」で呼ばないで下さい。)
単なる「いつものように」知人の子供をお預かりしているくらいにしか認識していなかった!
しかしながら親日家で留学してきた、北欧で大手貿易会社の御曹司が学生の頃、俺と「悪い遊び」をしたり、北代たちと馬鹿騒ぎをしていた事は、
先生は何処までご存知だろう?
ほら、俺「生徒会長」だったし。
『ミハエル君が祖国に帰る時、姫宮さんの背中を押したのは、
他ならぬ「滝井さん」なのに、
…それも聞いてないの?
竹下さんや池本君に?』
『北代の名前が出てきませんね?』
『北代君は反対派だったのよ。まるでその先の事がわかっていたかの様に。』
俺はわかりませんよ!
(その先ってのは、何だ?)
ん、待てよ?
その頃って、アレか!
何処ぞの「秘密結社」と戦っていた時か?
『マチ子さんとヒナパパさんは何のお話しをしているのだ?』
『アッと⁉︎』驚くヒナパパさん。
『あのね、リリちゃんのパパとママのお話しをしていたのよ。ヒナパパさんはリリちゃんのパパ達とお友達なの。』
『知ってるのだ!
ママ殿が教えてくれたモンっなのだ!』
知ってたのかよ!
俺だけ知らなかったのかよ!
『先生、俺は「友達」が信じられなくなりました。』
『『まぁ、あらあら。』なのだ?』
『フフフ』と笑うのは二葉サマ。
フロアでお子様と子猫を上手くコミニケーションさせながら、
そちらの様子を見ていた。
自分の「半身」とも想うリリちゃんの活躍振りが、尊く癒されるから。
そう、いつか二人で
優斗を支える存在になる日を夢見て、日々精進しているのだから…。
なので、リリの父「リリパパさん」がこの「森猫」に出資しているのも、近いウチに日本に亡命、いや移住するつもりなのも知っている。
古くから受け継いできた家財などを少しずつ処分と売却と譲渡を行なっているから。
なるべく、祖国の物を他国に持ち出さない様に。
見方の拠っては、「あの家の財状は相当ヤバい」と思われてるかも知れない。
その時は山王院では無く、「二葉」が助けてあげますの!
既に「二葉専属メイド部隊」が、山王院から出奔して「ツインリーフ」と言う輸入雑貨の店を始めている!
(お姉様たちにはナイショですの。)
『さて、他にニャンコと触れ合えて無いお客様はいないかしらデス?』
と、店内を見回して見る。
本来なら無理矢理ネコを抱っこしたり、捕まえたりするのはNGだけど、全く近づいて来ないのも不憫なので、ちょっとだけ手を貸してあげている。
見ると一人、余り「猫カフェ」に来た事が無い感じの女性客がいた。
顔を隠しているのか、おっきなサングラスとマスクしているが、不思議と「不審者」感が無い。
(花粉症かしら?猫アレルギーなら来店されないでしょうし?)
サングラスだけでも外せば良いのに?
アレでは怖がってネコ達も近寄らない。
等々、強がって備え付けの本棚から「猫の本」を借りて読みだすも、時折、猫と戯れてる他のお客様をチラ見している。
『お姉さん、大丈夫?猫さんと遊ばないの?』
あえて「お客様」と呼ばずに「子供らしさ」を強調したのは、相手を警戒させない為、リリを参考にしてみたのだけど、
『え⁉︎ あ、あの大丈夫よ、お嬢ちゃん。ご、ご心配無く。』
『お姉さん、もしかして「猫カフェ」は初めてですか?』
『えっ、ええ、そうなの。
だからどうしたらいいか分からないの。』
『なら「二葉におまかせ!」デスの!お姉さんがニャンコと仲良しになれる「お手伝い」をしますね!』
普段のリリちゃんの口調を二葉也にリスペクトしてみる?
『え?そんな? 大丈夫なの? えっと、「ふたばちゃん」?』
「えへっ」と笑うとお姉さんの目の前に腰を落として、ぺたっと直に、床へ座ってしまう。
『えっ!ふたばちゃん!』
『大丈夫ですよ。見てて下さい。』
床と言っても、土足厳禁のフローリングで、お客様用の和座布団やクッションが有るけど、そのまま座ってしまった!
動きやすいショートパンツからスッと伸びた細い脚が眩しい。
お姉さんもちょっと「ドキっ」とする。
『え、えっと大丈夫? ふたばちゃん、床冷たくない?』
二葉は返事をする代わりに、「ニコッ」と微笑んで、そっと目を瞑る。
チョコんと「体育座り」して…
『♪~la~la~ la~la la~ la la la~la~~♪』
と歌い始めた!
小さな声だけど、「朝を告げる小鳥の囁き」の様に優しく綺麗な歌声は、自然と耳に入る。
そして他のお客様もその歌い手が天使の如き少女で有る事に気付き、当然だが目も奪われる。
すると、少女の側に興味津々に猫達が近づいてきた。
すると、少女は足をくずして、太ももから爪先まで「ピンっ」と伸ばしてみる。
一匹の「トラ猫」が少女のひざにそっと乗り、
『ゴロにゃ~。』
っと、ひざ枕で寝てしまい、ゴロゴロ鳴いてる。
『お姉さんも、お歌を歌えばニャンコたちが寄って来ますよ。
猫って、
「とっても目が良い」って思われてるけど、本当は人間ほど綺麗に視えていないだって。
なんとなくボンヤリして見えてるみたいなの。
だけどその分、
「とっても耳が良い」の。
だから興味がある「音」に近づいて来るんだって。…って、お父さんが言ってたよ。』
なるほど、そう言えば
「好奇心は猫を殺す」って聞いた事ある?
思わずサングラスを外して、
『でも、やっぱり駄目だよ。お姉さん、「音痴」だから。』
しかし、
『みゃ~、みゃ~ん。』
『え!』
お姉さんの前にも、子猫が近づいて来た、恐らくはサングラスを外した事で、怖く無くなったのかも知れない。
『お姉さん、下からそっと喉の辺りを撫でてあげてみて。』
頭を撫でるのでは無く?
でも、言われた通りにそっと優しい触れてみると、
『み~。』
子猫から手に擦り寄ってきた!
『ね!仲良しになれそうで、良かった!』
この子となら「よかった探し」がフルコンプリート出来そう!
『さぁ虎ちゃん、捕まえた!
お前、又「外」に遊びに行ったのね! ひっつき虫付いてるモン!』
天使だ!愛天使 ふたばちゃんだ!
『ん?あの人、どっかで見た事有るっス?』
二葉に暑い視線を送る女性客に、何か見覚えが有る様な、無い様な?
一瞬気に留めたマミマミだったが、お客様が二葉サマやリリちゃんにヤラれちゃうのは珍しく無いので放置する。
だって、まさか同じ学校の上級生とは知らなかったし?
『二葉ちゃんって凄いね!ナニ者なの?』
つい、立ち止まって二葉を見てしまった後輩に、
『何だ、ゆたか君?同じ家にいて知らないで有りますか?』
『足立さんは知ってるの?二葉ちゃんの詳しい事?』
ちょっと悔しかったゆたか君、
『そりは、当然っス!
何たって私は「二葉さまファンクラブ」会長ですから!』
『えー?ナニそれ?逆に引くよ。』
『ネタですから。引かないで下さい。でも、色々聞いてるっスよ。例えば「未来の「森猫」の副店長」だとか。初恋のお相手は舞斗先輩とか。あと華先輩とは…おっと!コレは、この件だけは舞華お姉様に「口止め」されてたんだった。』
『例えばの情報が、多方面に「重要機密」っぽいんだけど!』
『二葉~!「シオリン」が休憩してねって。』
『あら、もうそんな時間デスの? では屋上で「お弁当」にしましょう、リリちゃん!』
『ハイなのだ!ママ殿とニーナママが作ってくれた「特製お弁当」なのだ!』
ナニソレ、超オイシソウ!
『待っておったぞ!童どもめ! ほら、妾にも「久美と新名」が作ったお弁当を分け与えるがよい!』
『やなのだ!』
『心配しなくても、「は虫」の分はママ殿達が作ってくれているから、リリのは分けてあげないのだー!』
『コラ羽虫、言うなー!』
カッコイイ服でバリバリお仕事をする「舞姉ちゃん」と「華姉ちゃん」!
リリも二人みたいになれるかな?
なれるとイイな?
なりたいな!
なので、二葉に誘われて「森の猫さま」のお手伝いをする事にしたよ。
この間は「コスプレ」って言うのをしたのだ。
(その時の写真、婆っちゃに送った。二葉と並んで写したのを、ママ殿が届けてくれたよ。)
凄かった!みんな大騒ぎしてた。ネコ達も驚いてた。アレレ、優斗がいない?
気配はするけど、おかしい?
ニャン-バロンにも見せたかった?
今日はニャン-バロンも一緒に「森猫」でお手伝いなのだ!
久しぶりに「ロン毛」に有った!
「ロン毛」はパパ殿の友達で、「ヒナヒナ」の「パパさん」だった。
あと、「ロン毛」と呼んではダメなんだって。
じゃあ、何と呼べばいい?
『あのねお父さん、私、お父さんに紹介したい人がいるの!』
娘に衝撃的な告白をされ、俺は未だかつて無い動揺を体験した!
そう、例えるなら
「相棒と呑んでいたら、酔って知らない内に「外泊届け」にサインしたのが、「傭兵部隊入隊契約書」だった」くらいの動揺だ!
まぁ、違約金くらい三日で稼いでやるがな!
『お父さんってば!』
『あ? あぁ、悪い。それで合わせたい人って誰だい?』
至って平静を装うも、…いや、やめとく。
言葉に出来ないなぁ。
『ヒナヒナ、「マチ子さん」来たのだ!』
アイツのところのロシアっ子が、一人の初老のご婦人の手を取り、近づいてきた?
『ありがとう、リリちゃん!
いらっしゃいませ、「マチ子さん」! 今日は「父」もいるんデスよ!』
『「マチ子」?…?』
誰だろう?俺が知っている方だろうか?
マチ子 マチ子? ……
てんてんてん 「…天…川…」
『フフ、わからないかしら?お久しぶりぶりね、「一の字くん」。』
『お懐かしい、先生。「天川 マチ子」先生。』
その人は高校時代の恩師、俺やひなたの母「真名」の担任だった人だ。
リリ介が腰掛けを持ってきた。
『マチ子さん、コレ使ってなのだ。』
『ありがとうね、リリちゃん。』
あの頃と変わっていません、とか言えない。
当時、竹刀片手に悪餓鬼どもを追いかけてた勇ましい熱血女教師の面影は、感じられない。
只々、品の良いご婦人だ。
たしか、その時の悪ガキ一人が卒業式に、押しまくりのプロポーズに負けて、結婚されて幸せにされてると聞いた様な。
『ヒナパパも座る?椅子いる?』
小鳥が首を傾げる様な感じで、リリちゃんが俺の顔を覗き込んだ。 …ん?「ヒナパパ」
『ヒナパパって、俺の事かい?リリちゃん?』
『「ヒナヒナ」の「パパさん」だから「ヒナパパ」なのだ!…ダメなの?』
何だ、可愛いじゃないか。
ん、今 誰かの横顔が脳裏に浮かんだ?
『いいよ。「ヒナパパ」で。 おっと、天川先生、失礼しました。』
『あら、私も「ヒナパパさん」ってお呼びしようかしら?』
『勘弁してくださいよ。』
可愛い呼び名が出来て良かったな?
なんて、揶揄うまでもなく
相棒のほっこりシーンを目撃した俺。
本当は小さい娘たちの「お手伝い」の様子を見に来たのだが。
『武士の情けだ、見なかった事にしよう。』
『あら、お父様ではありませんか?如何なさいましたの?』
『おぅ二葉か、来い来い。』
『ハイ? 』
すりすり、ナデナデ。
『え! もう~イヤですわ、お父様ったら♡ 』
何故か、一文字とリリのやり取りを見ていたら、娘っ子のあたまを撫でたくなった。
『ふむふむ、二葉は可愛い~なぁ。お手伝い、頑張ってる二人にお父さん「キュン」としてしまったよ。』キモいかな?
艶やかな黒髪に「りぼん付き猫耳カチューシャ」がキュートな三女の頭を「ナデナデ」する、至福である!
まぁ、二葉の事だ。
イヤだったら絶妙に、気の利いたツッコミを入れてくれそうなので…安心して…
あれ?
あれれ?
オーイ、二葉さーん?ツッコミ待ちですよ!
何故か、俺に為すがままに頭を触らせている我が家で最強の才女、モジモジしながら上目遣いで俺を見る。
『お、お父様。嬉しいのデスけど、皆さんが観ている前では、は、恥ずかしいですの!わ、私もぅ、そんなに「子供」じゃ有りませんのよ。でも、もう少しこのままでも…。』
よし!二葉もリリも「優斗の嫁」にしよう!
日本の法律を改正する為に、「裏家業」を再開するか?
手始めに、何処かの政党を手懐けるとか?
『お、お父様?何かお考えデスか?』
い、いけない!
二葉の「ナデナデ中」に邪な事を考えるなんて!二葉が穢れてしまう!
『いや、大した事でないよ。さぁ、「お手伝い」頑張ってきな。』
名残り惜しいが、二葉の頭から手を離して、愛娘を送り出す。
『ハイ、お父様! 二葉、頑張ってお手伝いしてきますわ! それと、今お考えだった事も、私が「大人」になったら、「お手伝い」出来るかもデスので、待ってて下さいませ!』
そう言って、ぴこぴこ(足音)とフロアーに戻って行く。
え?俺、声に出したのか?
いやいやいやいいやいゃ~ん!
『ふ、二葉、今のは忘れてな?』
俺に見えない角度で「ウフフ」と笑ってる二葉、 娘って、良いな。
さて、店長と副店長が不在なので留守を預かっている人物の労を労いに来たのだが。
『お連れさん、綾乃。調子はどうだ?』
『いやはやなんとも!面白い⁉︎ 良い「ネタ」に成るかも⁉︎』
丁度、「仕事」が終わったところだったので、店長代理を頼んだら、
『ハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイハイ…』と無限返事で引き受けてくれた。
『次回作は「猫カフェ」が舞台のミステリーでも考えてみるかな? 「猫カフェ探偵 依頼人は子猫。」とか? どうかな?』
『それ、売れそうも無いな?』
『だよね。でも、二葉とリリ介の「迷コンビ」なら「ラノベ」としてイケる気がする。』
『主役、あの二人なのかよ!華と舞華じゃないのかよ!』
『華だともう「少女探偵」として育ち過ぎなのよ?
舞華はどっちかで言うと「高木刑事」のポジションかな?
兄さん、「幼女」はね、昔からのお約束で、最終手段に「大人に変身」が有るのよ!』
『古いな。あの子の最終手段は「キグルミ実装」だぞ。
二葉は「ハミングバード」、
リリは「メテオストライク」って、必殺技が有って…!』
『ナニソレ、ワタシキイテナイヨ? また、翔太を唆して危ないモン作ったでしょ!』
フロアでは、ヒナパパさんとマチ子先生が思い出話しに盛り上がりながらも、子猫と戯れていた。
『あの頃も、北代くんが捨て猫を拾っては校内で飼い主探しに奮闘して、大騒ぎだったわね。』
『廊下で子猫が粗相して、大変でしたよ。でも大体、そんな騒動の後で、飼い主になりたいって生徒が現れるんですよ。不思議とね?』
『実は主人も一度子猫を譲ってもらった事が有ってね。もう、亡くなってしまったけど、沢山の「幸せな時間」をもらったわ。』
『娘もココでバイトを始めて、家でもココでも「猫三昧」ですよ。』
『真名さんは「イヌ好き」だったのに?』
『そうでしたか?覚えてませんよ。』
真名の好みは割と把握していたつもりなのだが、「犬」に関する記憶は北代の愛犬「シグマ」と、夜壱が北代から譲り受けた「アックス」ぐらいだ。
『それに、同じ犬好きの「姫宮さん」とよく図書室で、
「仔犬や子猫」の写真を見て癒されてたみたいよ。
まるで仲の良い姉妹の様で微笑ましかったわ。』
『「姫宮」?誰です、クラスメイトですか?』
(あ!その写真は「池の字」が「北代の家」で写したモノに違いない!)
クラスメイトは正直、親が「金持ち」なのを自分のチカラの様に自慢するバカばかりで、
同じレベルで話しが出来たのは、同級生では留学生の「ミハエル」とクラスメイトの「真名」、「伊吹」くらいで、
逆に「下級生」の「明神」や「竹下」「風間」「池本」「朝霧」達とは、自分の「矜持」をしっかり持っている「変わり者」の方が、
話しが通じるので連んでいても飽きなかった。
(一人、別格な「馬鹿」が居たけどな。)
さて、「姫宮」って?
『あら、冷たいのね?貴方達「ネコ部」が「ミハエル君」と「姫宮 夢乃さん」の仲を取り持ったんじゃない!』
ん? あ!思い出した!
アレか!
『それ、俺は余り関わって無いんですよ。確か「姫宮くん」は北代たちの「クラスメイト」ですから。』
『そうよ、そして「リリちゃんのお母様」でしょ。』
『は?』
は?
あのロシっ子の横顔、まさか姫宮くんに似ていたのか?
『まさか、本当に知らなかったの?』
『はぁ、姫宮くんが母親と言う事と、あの「ミハエル」の娘だと言う事実は今知りました。』
『まぁ、それでも「有名な名探偵」なの?「一の字君」⁉︎』
『面目無いです。』
(アイツと同じく、
「学生時代のあだ名」で呼ばないで下さい。)
単なる「いつものように」知人の子供をお預かりしているくらいにしか認識していなかった!
しかしながら親日家で留学してきた、北欧で大手貿易会社の御曹司が学生の頃、俺と「悪い遊び」をしたり、北代たちと馬鹿騒ぎをしていた事は、
先生は何処までご存知だろう?
ほら、俺「生徒会長」だったし。
『ミハエル君が祖国に帰る時、姫宮さんの背中を押したのは、
他ならぬ「滝井さん」なのに、
…それも聞いてないの?
竹下さんや池本君に?』
『北代の名前が出てきませんね?』
『北代君は反対派だったのよ。まるでその先の事がわかっていたかの様に。』
俺はわかりませんよ!
(その先ってのは、何だ?)
ん、待てよ?
その頃って、アレか!
何処ぞの「秘密結社」と戦っていた時か?
『マチ子さんとヒナパパさんは何のお話しをしているのだ?』
『アッと⁉︎』驚くヒナパパさん。
『あのね、リリちゃんのパパとママのお話しをしていたのよ。ヒナパパさんはリリちゃんのパパ達とお友達なの。』
『知ってるのだ!
ママ殿が教えてくれたモンっなのだ!』
知ってたのかよ!
俺だけ知らなかったのかよ!
『先生、俺は「友達」が信じられなくなりました。』
『『まぁ、あらあら。』なのだ?』
『フフフ』と笑うのは二葉サマ。
フロアでお子様と子猫を上手くコミニケーションさせながら、
そちらの様子を見ていた。
自分の「半身」とも想うリリちゃんの活躍振りが、尊く癒されるから。
そう、いつか二人で
優斗を支える存在になる日を夢見て、日々精進しているのだから…。
なので、リリの父「リリパパさん」がこの「森猫」に出資しているのも、近いウチに日本に亡命、いや移住するつもりなのも知っている。
古くから受け継いできた家財などを少しずつ処分と売却と譲渡を行なっているから。
なるべく、祖国の物を他国に持ち出さない様に。
見方の拠っては、「あの家の財状は相当ヤバい」と思われてるかも知れない。
その時は山王院では無く、「二葉」が助けてあげますの!
既に「二葉専属メイド部隊」が、山王院から出奔して「ツインリーフ」と言う輸入雑貨の店を始めている!
(お姉様たちにはナイショですの。)
『さて、他にニャンコと触れ合えて無いお客様はいないかしらデス?』
と、店内を見回して見る。
本来なら無理矢理ネコを抱っこしたり、捕まえたりするのはNGだけど、全く近づいて来ないのも不憫なので、ちょっとだけ手を貸してあげている。
見ると一人、余り「猫カフェ」に来た事が無い感じの女性客がいた。
顔を隠しているのか、おっきなサングラスとマスクしているが、不思議と「不審者」感が無い。
(花粉症かしら?猫アレルギーなら来店されないでしょうし?)
サングラスだけでも外せば良いのに?
アレでは怖がってネコ達も近寄らない。
等々、強がって備え付けの本棚から「猫の本」を借りて読みだすも、時折、猫と戯れてる他のお客様をチラ見している。
『お姉さん、大丈夫?猫さんと遊ばないの?』
あえて「お客様」と呼ばずに「子供らしさ」を強調したのは、相手を警戒させない為、リリを参考にしてみたのだけど、
『え⁉︎ あ、あの大丈夫よ、お嬢ちゃん。ご、ご心配無く。』
『お姉さん、もしかして「猫カフェ」は初めてですか?』
『えっ、ええ、そうなの。
だからどうしたらいいか分からないの。』
『なら「二葉におまかせ!」デスの!お姉さんがニャンコと仲良しになれる「お手伝い」をしますね!』
普段のリリちゃんの口調を二葉也にリスペクトしてみる?
『え?そんな? 大丈夫なの? えっと、「ふたばちゃん」?』
「えへっ」と笑うとお姉さんの目の前に腰を落として、ぺたっと直に、床へ座ってしまう。
『えっ!ふたばちゃん!』
『大丈夫ですよ。見てて下さい。』
床と言っても、土足厳禁のフローリングで、お客様用の和座布団やクッションが有るけど、そのまま座ってしまった!
動きやすいショートパンツからスッと伸びた細い脚が眩しい。
お姉さんもちょっと「ドキっ」とする。
『え、えっと大丈夫? ふたばちゃん、床冷たくない?』
二葉は返事をする代わりに、「ニコッ」と微笑んで、そっと目を瞑る。
チョコんと「体育座り」して…
『♪~la~la~ la~la la~ la la la~la~~♪』
と歌い始めた!
小さな声だけど、「朝を告げる小鳥の囁き」の様に優しく綺麗な歌声は、自然と耳に入る。
そして他のお客様もその歌い手が天使の如き少女で有る事に気付き、当然だが目も奪われる。
すると、少女の側に興味津々に猫達が近づいてきた。
すると、少女は足をくずして、太ももから爪先まで「ピンっ」と伸ばしてみる。
一匹の「トラ猫」が少女のひざにそっと乗り、
『ゴロにゃ~。』
っと、ひざ枕で寝てしまい、ゴロゴロ鳴いてる。
『お姉さんも、お歌を歌えばニャンコたちが寄って来ますよ。
猫って、
「とっても目が良い」って思われてるけど、本当は人間ほど綺麗に視えていないだって。
なんとなくボンヤリして見えてるみたいなの。
だけどその分、
「とっても耳が良い」の。
だから興味がある「音」に近づいて来るんだって。…って、お父さんが言ってたよ。』
なるほど、そう言えば
「好奇心は猫を殺す」って聞いた事ある?
思わずサングラスを外して、
『でも、やっぱり駄目だよ。お姉さん、「音痴」だから。』
しかし、
『みゃ~、みゃ~ん。』
『え!』
お姉さんの前にも、子猫が近づいて来た、恐らくはサングラスを外した事で、怖く無くなったのかも知れない。
『お姉さん、下からそっと喉の辺りを撫でてあげてみて。』
頭を撫でるのでは無く?
でも、言われた通りにそっと優しい触れてみると、
『み~。』
子猫から手に擦り寄ってきた!
『ね!仲良しになれそうで、良かった!』
この子となら「よかった探し」がフルコンプリート出来そう!
『さぁ虎ちゃん、捕まえた!
お前、又「外」に遊びに行ったのね! ひっつき虫付いてるモン!』
天使だ!愛天使 ふたばちゃんだ!
『ん?あの人、どっかで見た事有るっス?』
二葉に暑い視線を送る女性客に、何か見覚えが有る様な、無い様な?
一瞬気に留めたマミマミだったが、お客様が二葉サマやリリちゃんにヤラれちゃうのは珍しく無いので放置する。
だって、まさか同じ学校の上級生とは知らなかったし?
『二葉ちゃんって凄いね!ナニ者なの?』
つい、立ち止まって二葉を見てしまった後輩に、
『何だ、ゆたか君?同じ家にいて知らないで有りますか?』
『足立さんは知ってるの?二葉ちゃんの詳しい事?』
ちょっと悔しかったゆたか君、
『そりは、当然っス!
何たって私は「二葉さまファンクラブ」会長ですから!』
『えー?ナニそれ?逆に引くよ。』
『ネタですから。引かないで下さい。でも、色々聞いてるっスよ。例えば「未来の「森猫」の副店長」だとか。初恋のお相手は舞斗先輩とか。あと華先輩とは…おっと!コレは、この件だけは舞華お姉様に「口止め」されてたんだった。』
『例えばの情報が、多方面に「重要機密」っぽいんだけど!』
『二葉~!「シオリン」が休憩してねって。』
『あら、もうそんな時間デスの? では屋上で「お弁当」にしましょう、リリちゃん!』
『ハイなのだ!ママ殿とニーナママが作ってくれた「特製お弁当」なのだ!』
ナニソレ、超オイシソウ!
『待っておったぞ!童どもめ! ほら、妾にも「久美と新名」が作ったお弁当を分け与えるがよい!』
『やなのだ!』
『心配しなくても、「は虫」の分はママ殿達が作ってくれているから、リリのは分けてあげないのだー!』
『コラ羽虫、言うなー!』
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