猫カフェは探偵事務所ではありません〜女子高生店長の奮闘記〜仕方ないなぁ、今回だけですよ。

猫寝 子猫

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回るケモ耳と転がる鉄小人!〜お姫様がいっぱい!

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 最近、鶴亀神社には可愛い三人の「姫巫女かんなぎ」がいるって大評判なの。


 『ねぇ、舞華? 妹が「三人になった!」って、幸せな事なんだね? 私、「妹萌え」とか無いと思ってたけど、「三人」って、破壊力凄いのよ!分かる?可愛いのが通常の三倍なのよ!』


 私の知らないあんずちゃんがいる、覚醒して「NEWあんず」になってるし?

 

 『参拝客が増えて、正直「危険なお仕事」を減らしてもいいかもって。
 なので新しく「恋愛成就」や「学業向上」の御守りとか増やしてみたの。』
などなど。
 
 美幼女JSの朱野あけのちゃんと、美少女ケモっ子の伽羅きゃらちゃんと神楽かぐらちゃんの三人に加え、美人JKの杏樹あんじゅちゃんが境内に揃うと絵的な破壊力パナいと鶴亀町の老若男女が騒いでいる。

 久しぶりにお昼をご一緒した「あんずちゃん」こと「朝霧あさぎり 杏樹あんじゅ」サマがやや興奮気味で話している。

 『足立さんも、ありがとう! あの「巫女服」、とっても素敵! な・の・で♡、私のも「特別仕様」でお願いしたいのだけども、今お店って大変忙しいのよね?』

 購買の焼きそばパンを貪り食べてるマミマミに、妖しくお伺いを立てるNEWあんず。

 だけど、

 『ん、大丈夫じゃないかなっス。もぐ。
 朝霧先輩が直接行けば、喜んで引き受けると思いますよ。もぐもぐ。』

 っと、わりと塩対応?

 『マミマミ、あんずちゃんの事、苦手? 華ちゃんに匹敵するくらいの美人さんなのに?』

 『はひ?んあ、ぐび。 そんな事無いっスよ。 ただ、自分の「百合百合センサー」に反応無いって言うか、男性を従えそうなオーラが出てるので、創作意欲が湧かないので、 なんかすいません。』

 焼きそばパンは飲み物とでも言うかの如く、飲み込んでから答えるマミマミ。

 そっか、マミマミの目には、私と華ちゃん、私とパティ、私と二葉ちゃん、etc…って風に見えてるのね?

 『えっと、ごめんなさい?お役に立てなくて。』

 何故か謝ってしまうあんずちゃん。なんか可愛い。

 『でも、「森猫」でも「○○っぽい猫」って事で、天使や忍者を模したネコ娘のコスプレ衣装作ったよ!』

 華月ちゃんとお揃いのお弁当箱にお揃いのおかずが美味しそう、作ったのがヒナちゃんってバレバレなのに、

 『この「白身魚のフライ」が難しいのだ。』とか言って、

 そこは、魚の「名前」を言えって!(冷凍食品だってバレバレ!)

 ちなみに今、ヒナちゃんは「探偵風」なネコ娘コスを着てカフェで接客している。

 たまたま、TVで美少女探偵モノのアニメが放送されているので、ちびっ子の人気もドラゴン登り!

 『ウチの「コナン」に因んだデザインなんだけどね。』

 うんうん、可愛いから良きですわ!

 『舞華もコスプレするの?店長なんだから当然だけど、 ホラ、「アの件」も有る事だし?』

 あんずちゃんが心配していたのは、「あの錦織さん」の件ね。

 パティや「七神 美咲」さんからの情報だと、

 錦織さんは「楓河家」の「元跡取り息子」さんの妹の娘さんで、幼馴染さんと結婚した錦織さんのお母さんが現在の社長さんらしいのだけど、

 『手頃な価格と丁寧な縫製で定評のあるメーカーですが、最近ではあまり新しいデザインが生まれていない様で、口コミ評価がイマイチだとか。』

 これ、絶対にマミマミのお姉さんが「メイプル」辞めたのと関係なく無い?

 『それと、山王院に多くの「メイド」を世話して頂いてきた「十末家」のご当主は楓河家からの「入婿」なので、その辺りが「誤解」の元かと?』

 パティ、私たちにお茶を振る舞ってくれてる?

 『私のおばあちゃんも「山王院華さんの実家」とは、骨董品の除霊で何回かお仕事したって言っていたけど、あそこと親類だなんて、かなりの高待遇よね?  なのに貴女や舞斗くんは、その辺分かってる?』

 『さぁ?だって華ちゃん、ウチにいる時は「普通の」お姉ちゃんだし、本当は「天然ボケ」をこじらせる達人だし。』

 『学園の生徒全員が信じないから。』

 先日同様に屋上でランチタイムな仲良しグループ。

 遠巻きに私たちをチラ見している生徒諸君?
 私たちの会話の内容が気になるらしい?

 『今日は「鶴亀神社の巫女」の朝霧先輩もいるわ!』

 『皆さん、何を話されているのかしら?』

 『今度、商店街の仮装大会に出るらしいゼ!』

 とかね、


 『そうそう、「ののっち」から聞いたんスが、尾北さんって、辞めるかもって? 本当っスか?』


 『へ?いや、私聞いて無いよ? てか、「ののっち」ってだれ?  あ!「東雲シノノメ」さんか!  ん?でもなんで彼女が?』

 『偶然、駅で有った時にそう言ってたらしいっス。』

 『う~ん、心配だ。私も後で尾北さんに連絡してみるよ。』

 『何々?揉め事かな? お姉ちゃんに相談しなさい。』

 萬揉め事相談事承ります!
 (特に心霊関係!)
 
 『あんずちゃん、お高いからダメ。それに既に華ちゃんが調べている筈何だけど?』





 コロコロ、

 『ニャん!』

 コロコロロロロロロロー!

 『ニャーーー!』

 『まてまてー!』

 『わふわふん!』

 子猫と幼児と大型犬のコンボは、平和の証かも知れない。

 ココは北代さんちのダイニング。
 リビングで遊んでいるのは天使かも知れない?


 お隣りのルンナさんが愛息子の修くんを連れて、ウチのお母さんとお茶してる。

 最近、神出鬼没のビックフットに跨って、ネコたちと一緒に球体状のメテオと鬼ごっこしているのはもうすぐ四歳の修くん!

 まだ大好きなリリお姉ちゃんや二葉お姉ちゃんが学校から帰って来て無いので、ワンコとニャンコに遊んでもらって大はしゃぎ!

 でも、修くんが落ちない様にスピードを出さない小走りのビックフットは町内では「イヌのお巡りさん」とか「神のお使い」とか「炎の○ぬ」とか「魔犬○イナー」とか勝手に呼ばれてる。


 『アレ、翔太くんが作ったロボットですね?今回は小さいですね、お姉様?』

 結婚しても、お互いの呼び方は高校生の頃と変わらず「ルンナ」「お姉様」なのと、二人の見た目が実年齢より若く見えるから今だに私と姉妹と勘違いされる。

 『ルンナのウチにもどう?色々と「頑張り屋さん」だから、頼もしいわよ。』

 『でも、翔太くんが作ったんですよね。「迷走期」を知っているだけにちょい心配で?』

 『そう?修ちゃんのお友達に、良さそうだけど。』

 『お隣りにこれだけ「ユニーク」なお兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、すでにキャパオーバーでは?』

 確かに、最近また増えましたから。

 『毎度の事で、騒がしくてゴメンね。さぁ私の分のお煎餅も食べて良いよ。』

 
 『姐さん、私にもくれ、あと小遣いもくれるなら晩飯の買い出しにも行くぜ!』

 いつの間か不良幼女ユニークな十六夜ちゃんがテーブルの下で「自家製かき餅」を盗み食べてる。

 『晩御飯のお使いなら、もうゆたかが行ってくれてるのよ。
 なら灯火ちゃん、お風呂掃除してくれたら五百円あげる。』
 
 『おぅ、まかせろ!』

 『安いのか、高いのか、よくわからないけど上手く手懐けてるのね、お姉様。
 千円出すから、ウチもお願い出来ないかしら?』

 そもそも、十六夜 灯火も「山王院のメイド」で、家事代行など容易くこなす。(そう見えないけど)

 おそらくだけど、金銭の要求は「本気」で言っている訳じゃない、その方が頼み易くなるって思ってるから。

 実際のところ、ノーギャラでコスプレとかさせてるし、
(ゴメンねm(_ _)m)

 『あ、そうだ!ねぇねぇ、お姉様。今度の土曜日、お暇かしら?』

 『土曜日はお父さんと釣り堀に行くお約束が有ります。何、どうしたの?』

 すると、ルンナさんはポシェットから何か取り出して目の前でヒラヒラさせた。

 『お姉様と一緒なら行こうと思ってたけど、誰かにあげるかな?舞華ちゃん、こう言うのどうかな?』
 
 ルンナさんが取り出したのはチケットの様、

 「メイプル 新作発表会」

 そう印刷されているイベントの招待券は、「VIP専用」のチケットらしい。

 (転売出来ないかしら?)

 『あ、それなら私たちも釣り堀にお供します!修が一緒ならおじいちゃんも楽しいでしょ?』

 幼児が一緒で釣りに集中出来るか怪しいけど、喜んではくれるかも?

 
 『一応、舞華やゆたかに聞いてみるね? 華はなんか招待されてそうだし。』

 
 そんな会話が聞こえてしまう「地獄耳」の灯火ちゃん!

 『これ、フラグだよな? ここの住人、「引き」強いな。 ゴシゴシ。』
 
 しっかり浴槽掃除をしている灯火ちゃんなのでした。









 
 もうヤダ!


 子供の頃からの夢だった「声優」になる事!

 あのメイド喫茶でバイトしている「声優志望」の子は、不思議と「良い仕事」に恵まれ「声優デビュー」していると噂されていた。

 だからこそ、東京の大学に進学して、上京してあのメイド喫茶でバイトを始めたのに…

 ある先輩から聞いた、このメイド喫茶に伝わる「伝説」、

 数年前に、
 このメイド喫茶である人気の「妹系メイド」が本当にお使えしたい「マイマスター」と出会ってしまい、
 ここを辞めて「本当のメイド」になった 
 っと、古参の先輩(既に社員)から聞いた。

 その人は新しい「生き甲斐」が出来たのだろう。

 その人も当初は「声優」を目指していたのかな?

 一応、養成所にも通うつもりだったが、ある事がキッカケで私はそのメイド喫茶を辞める事にした。

 そして、「声優」になる事も怖くなってしまった!



 大学の学費は親が出してくれたけど、東京での一人暮らしは自分でバイトして何とかしてみせると約束して許してもらっているので、卒業するまでは頑張らないと!

 幸い、東京の親類が使って良いと言う「マンション」を家賃無しで貸してくださっているので、食費や光熱費などの「生活費」は稼がないと。

 おそらくだけど親に謝れば、出してくれそうだけど、心配かけたくない。


 そんな時、あの伝説を教えてくれた先輩が「本当に良いバイト」を進めてくれた。


 「猫カフェ 森の猫さま」


 ネットでも調べたら、
 何故か1人だけメイドがいたり、
 経営者の小さなお嬢さんが可愛いコスプレでチラシ配りをお手伝いしていたり、

 もちろん、ネコ達も可愛い!

 楽しそうで、今の自分を勇気付けてくれそうだ。

 
 幸運にも採用が決まって、同期採用された人たちとも仲良くなれた。
 バイトの先輩が年下なので、やり難い事が有るかと思えば、


 『あ、尾北さん!アニメとかイケるヒトっスよね!今期の覇権は何だと予想します?』

 っと、濃ゆいネタ振りするメイドさんや、

 『お父さん、また「事件現場」で犯人わかっちゃったみたいで、顔見知りの刑事さんからお礼のお菓子頂いたので、休憩室に置いておくから皆んな摘んでね!』

 とか、


 『愛に性別は関係ないよね?』

 とか?

 それまでの悩み事が思い出せないくらい、

 楽しい職場だった。




 だったのに!


 「森猫」には体調を崩したので、しばらく休みたいと連絡した。

 このまま、何の連絡もしなければ自然消滅しないかな?


 ついに、今日は大学も休んでしまった。
 
 

 ピンポーン ピンポーン!


 ん? ウチ? この部屋かしら。

 ピンポーン ピンポーン!
 
 『尾北く~ん、バイト行っこう~! ニャンコが待ってるぞー!』

 え!

 『もう舞斗!ふざけないで!
 尾北さ~ん、山王院です。大丈夫ですか~?倒れてませんか~?』

 『除け!華!ドアを蹴り破る⁉︎  もはや一刻を争う事態かも!』

 ええっ、ちょっと待って!

 ドア、壊さないで!

『は、はーい、いま出ます。』

 あの声は、副店長と舞斗くんだ。

 彼なら本当にやれそうだし?



  
 『お待たせしました。副店長。』


 鍵をあけて部屋へ招き入れる。

 『私、クビですか?』
 自分から聞いてしまえ!

 『え?何故、 ひとまず、無事なのが確認出来て安心したわ。』


 本当に私を心配して来てくれたみたい。

 『では、早速で悪いんだけど、一緒に来てくれる?』
 

 『え?何ですか?』

 副店長が優しい笑顔で話しかけてくれる、
 私の事を考えて、何かしてくれようと来てくれた。

 胸が痛い! 辞めるにしてもキチンとしないと!

 『あぁ、オキタさん、突然来てしまったけど、迷惑だったよな?兎に角、華が行くって聞かないんだ。』

 副店長を呼び捨てにしているのは、たしか店長の双子のお兄さんで「舞斗くん」だっけ?

 なんか副店長と馴れ馴れしい、年下のクセに女性を呼び捨てにして、やんちゃが過ぎない?

 『あの、何処へ出掛けるのですか? 私、今外に出るのが怖くて…。』

 私を元気付ける為に
 「何処か食事しながらでも。」なんて誘われても、
 又あんな事が起こったら!


 『大丈夫!その為の「用心棒」
を連れてきたのよ!ね、舞斗!』

『用心棒、要らないだろ?お前なら。』

 『いいの、私だって「女の子」なのよ!偶には「騎士ナイト役」くらいしてよ!男の子でしょ!』

 あれ?

 副店長、舞斗くんを見る目が…

 なんだ、そう言う事か。

 副店長、年下好き?なのね。


 『尾北さん、今から「わるぷるKiss」で採寸するので、そのつもりで支度して! 
 ホラ、舞斗は外で待ってなさい!』

 『へいへい。それじゃ軽く、その辺見回ってくるから、支度出来たらコレで呼べ。』

 そう言うと、ボールのようなモノを取り出すと、副店長も同じモノを取り出して、

 『凄いでしょ!お揃いなんだよ!
 スマホにもなるし、スタンガンにも、それに子猫のお世話も出来るお利口さんなんだよ♡!』


 え?


 何に対して質問していいか?
 
 スタンガンは今欲しいかも?
 

 『あの副店長、「採寸」って?』

 すると、
 これでもかってくらいの優しい笑顔で、

 『出てもらいますよ。
「コスプレコンテスト」に! 
 ここから「反撃開始」なんだから!』

 ナニソレ?
 ホレテマウヤロ?




 華が本気で怒ると、
 「怒り」を顔に出さないどころか、真逆の方向で表すので、
 身内の俺達でないと華の心中はわからない。


 『マンションの周りにはいないみたいだな? ガチのストーカーって感じでも無いのかな?』 


 すると

 「プルプルぷる、プルプルぷる、お兄様にお電話デスの♡   
 プルプルぷる、プルプルぷる、お兄様にお電話デスの♡」

 オイ?
 何処からか、二葉の声がする?
 ついに幻聴が聴こえる程に、
俺の「妹萌え」がこじらせてしまったか?

 ではなく、

 いつの間にか、ポケットに入れていたカプセルが「小人さん」に変形し、這い出して俺の肩にちょこんと座っている。

 『流星丸か? この「着声」は二葉の仕業だな?』

 ったく、可愛い事をする!
俺が知らないウチに色々インストールしてる様で、
 もっとも、周りに人がいなくて良かった。 
 流石の俺でもコレは恥ずかしいかも。
 あと、勿体無くて他の奴に聞かせたくないし!

 俺が胸の前に掌を構えると、その上に「流星丸」が飛び降りた。

 彼の胸部に腕時計程の液晶パネルが有り、「着信 鈴木」と表示されている。


 「流星丸」 勇気に染まる希望の小人さんな彼に、何故か「ナントカ丸」って名前を付けたかったので、母さんの「メテオ」に肖ってコレにした。

 着信を確認し、指先に愛と熱気を込めて、液晶をタップする!

 『舞斗っス! 鈴木兄やん、何か分かりましたか?』

 『え!兄やんって? 舞斗くん、君って人は…。 そうそう、分かったよ、例のお騒がせ男の事。どうする?』

 『決まってます!行きますよ! 用心棒変わってもらうんで。 で、場所何処っスか?』

 『古巣だったよ。
 後輩だったよ、同じ大学のね。』


 二人を「わるぷる」に送った所で、灯火姐さんと用心棒を変わってもらい、俺は鈴木さんとの待ち合わせ場所に向かう。

 用心棒って言っても、
 実際の話し、華には陰ながら護衛している「七神」の手練れが何処かにいるハズなので必要無いんけど、
 視覚的に尾北さんを安心させる為に居るだけだし。
 


 『舞斗くん、行っちゃいましたよ。いいんですか、副店長?』

 『えぇ、アイツには別件で動いてもらうから! それと、尾北さんは「十六夜ちゃん」とは初めてかしら、ウチの「最終兵器」よ!』

 『あんな~、お嬢、私も一応「女の子」なんだから、物騒な呼び名は止めてくれないか?』

 『ん?コレは「森猫」的に可愛さの最終兵器って意味よ。なので十六夜ちゃんも採寸し直すわよ!』

 『へ?何の事だ?』

 『十六夜ちゃんの新作コスよ!コンテスト用のね!貴女は「森猫」の「非常勤スタッフ」なんだから、当たり前でしょ?』

 『やられた!ここまで仕組まれてたのか?舞斗の奴め!』




 あ、この子!

 「森猫」のホームページに紹介されてた

「幼女メイド姫 十六夜ちゃん」

 凄い!本物だ⁉︎

 『十六夜ちゃん、握手して下さい!』

 『なんだ、なんだ! ま、まぁイイけど。』てれりこ。


 ちょっと元気になりました!






 『鈴木さん、鈴木さんって、○大生だったの?オイラ、聴いて無い!』

 俺的には、凄い頭の良い人しか入れない大学って印象なんですけど?

 『学力と「品性」は「比例・反比例」しないと思うよ。僕がいい例さ。話しは付いてるから、コッチだよ。』

 ココに通うとしたら、俺の周りだと、華や士あたりだな?



 正門をくぐり、キャンパスを見渡す。

 『本当っスね?俺の偏見でした、いるんな人がいますね。』
 

 「普通」の服装の学生から、奇抜なファッションの集団?

 『さすが大学っスね~!ウチの高校にも金髪茶髪はいましたけど、ピンク色にオレンジ、スカイブルーはいませんでした。』

 おそらくは、ウィッグかも知れない。

 『サークル活動が公式、非公式と様々有るからね。
 舞斗くんに取っては、学内はある種の「異世界」かもね?』

 『勉強になりまス!』

 本当に勉強頑張って、ココ目指すのもアリかも?



 高校の校舎とは違う趣きの建物にウキウキしながら、

 『ほら着いたよ、舞斗くん。』

 『ウスッ!』

 クラブ棟とでも言うのだろうか? ある一室の前につく。


 「現代芸能視覚解析部」と、記入されたプレートが取り付けられたドア。

 『不思議なんだ。 本当に、もう何年も来ていない感覚だよ。』

 実際には一年も経っていないし、鈴木さんは一応「卒業」しているので、「ちょくちょく顔を出していたOB」らしい?


 詳しくは知らないけど。


 ドアを開けて部屋に入ると、

 『あれ?「鈴木」先輩ですよね?まさか「○イザップ」ですか?』

 『おやおや、「鈴木氏」!
肉体改造に成功した様だね! コレで「戦隊コス」は「イエロー」から「レッド」に格上げだお!』


 部屋には男女4、5人がいて、久しぶりに訪れたと言う鈴木さんを見ては、思い思いの感想を述べていた。

 『鈴木先輩、そちらの方は? もしかして、「例の超人高校生」くんですか? 思っていた以上の「逸材」の様ですね!』

 ん?まっ、いっか!

 『ウスッ!「北代 舞斗」です! 今回は御協力頂きありがとう存じます!』
 
 舞斗が挨拶を終えるとパチパチ拍手する女子や、「オーッ!」っと返答する男性、好感触だ。

 『まぁ、楽にしてくれよ。自分はココの現代表の「膝肩」だ!気軽に「トシちゃん」と呼んでくれたまえ!』

 なるほど、あれかな?「感激屋さん」なのかな?

 『二年の「小鳥遊たかなし 日和ひより」よ!ネェネェ、舞斗くんって、「森猫」の「猫ソムリエ」なんだよね!
実は私、カフェに行った事あるんだよ!』

 猫目当て?それとも…いや、今は考えない?

 『き、君!その「ロボ」は何だい? 最近、マニアの間で話題になっている「カプロボ」ではないか! し、しかも今動いてなかったか?』

 あ、何で未だ俺の肩に座ってるんだ!
 頼むよ!柔お…流星丸くん⁉︎

 『みんな、落ち着いてくれ。舞斗くんが困っているだろ?すまない、舞斗くん。 
 コレが「僕の古巣」さ。』
 

 『すんません!もしかしたらと思って、面倒事お願いしてしまいました。』

 『でもそれが正解だったのさ。 いたよ、例のオタ君。』







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