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京多、なつかれる?
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あけました、めでたいですか?
そうですね。
では、本編を…
…?
「何やってんのかしら、遅いわね?」
かれこれ二十分経過している?
ケイちゃん、弟をどこまで探しに行ったのよ?
中々戻って来ない京多たちに嫌な予感がするルナさん?
皆んなで見てこようかって事になり、玄関先まで行ってみると?
「兄ちゃ~ん、コレどうすればいい?」
「あ、バカ!
ソレはお前には未だ早い!
火は俺が付けるから、エイジは飯盒に水を汲んでこい。」
「水はさ、そこの水道からで良いのか?」
「いいぞ。
まさか近くの川の水って訳にもいかんだろ。」
「だな!」
「でも、山の中の上流だったら大丈夫だからな、ソレこそキャンプの醍醐味だ。
最近は行ってないから、そのウチ行ってみるか。
…なんならエイジ、お前も行くか?」
「良いのか⁈
行く、絶対行くよ!」
…オヤオヤ?
ログハウスの横でテントが設営されているよ?
ガレージセールで使っているイベント用の大きなテントじゃない、普通のキャンプとかアウトドアで使うテントだね?
「…アンタたち、ココで何してるん?」
「あ、姉ちゃん!
あのな、兄ちゃんがアウトドアを教えてくれるって!」
「なんで?」
「いや、キャンプとかした事ないって、言うからさ。
あ、エイジ ソレこっちだ。
ランタンは今使わないからな、椅子とかテーブルとか後で良い。
お前は薪を割れ!」
何やらキャンプ道具が、色々置いてある?
「コレ、ログハウスに置いて有ったヤツじゃない?
那由多サンのでしょ?
勝手に使って良いの?」
「大丈夫、俺も使って良い事になってるから。
皆んなも一緒にどうだ?
コレからコメ炊いて、カレーを作るつもりなんだけど?」
「俺、薪割りなんてやった事ないぞ!」
「だろうな、俺が手本を見せるから、真似してみろ。」
「お、おう!」
…た、楽しい。
弟もイイかも?
この後、飯盒で米を研ぎ、焚き火台で米を炊き、レトルトカレーを別の飯盒で温めて、一緒に卵も茹でた。
茹でた卵の殻を剥いて、登山ナイフでゆで卵を半分に切って、カレーに乗せた。
「か、かっけー!
こ、コレ【サバイバルナイフ】だろ、兄ちゃん?」
「ちゃうちゃう、コレは【登山ナイフ】な、そんな物騒なモンと違うぞ。」
「俺、レトルトカレーがこんなに美味いとは思わなかったよ!」
「だろぅ~、その分初めから作る時間が短縮出来て、別な事が出来るからな、コレはコレで良いのだ!」
「ケイちゃんってば、すっかりエイジになつかれたな?」
「お兄ちゃん、楽しそう。」
「本当ですね。
京多サンってば、子供みたいデス。
可愛いデス♡」
「アレだとタダの【ガキ大将】だよ、ウチの弟たちと変わらないよ。」
女性たちからは呆れられていた。
しかし、
「お兄さん、コレ何ですか?」
「ソレは【ファイヤースターター】だ、少し削って薪の上において、ナイフの背で擦ると火花が出るから…」
バチっ!
「アー、火がついたよ!」
「スゲー!」
…うむむ、所詮弟たちも男の子だったか⁈
可愛い女の子や子猫じゃなくて、【兄貴】に惹かれていったよ。
多分、ヒデが居なくて寂しい思いをしていたかもしれない。
ソレはソレで良いけどね。
「ほらほら姫乃ちゃん、ケイちゃん取られちゃうぞ?」
「えっ、何のことデス?」
…もうこの子は⁈
こういうトコロはヌケてるのよね、恋の障害は別に可愛い女の子だけとは限らないのに⁈
「ソレにしても、このログハウスはお兄さんが作ったって、姉さんから聞いたんですけど凄いですね、本当ですか?」
焚き火台で沸かしたケトルの湯で、コーヒーを淹れてくれたタク。
この子もこのログハウスが気になるのか?
「えっとな、俺は少し手伝っただけだ。
大体は俺の兄貴とその友達が、組み立てたんだ。
何でも、このログハウスの元々の持ち主からタダ同然で譲ってもらったとか。
何でもコレを建てて、【管理小屋】するつもりだったキャンプ場予定地が使えなくなったとかでさ。」
「えっと、詳しく聞いても良いですか?
何で使えなくなったんですか?」
「オ、オレも知りたいぞ!」
「ボクも!」
「そっか、まぁ兄貴の友達から聞いた話しでは、
破格の値段で売りに出されていた山奥の廃村になった平地にキャンプ場作るつもりだったんだ。
けどな、色々整地したりしていたらさ、畑跡から土器やら土偶やらが見つかったそうでさ、
でも、コレはキャンプ場のウリになると思って、その人は正直に役場に報告したんだ。
でもさ、何処かの有名な大学の教授が来て、その場所全体を調査し始めて、
『この場所は貴重な出土品が出てくる可能性が高い!』ってさ、
調査隊関係者以外立ち入り禁止されたんだ。
そんなだから訳アリな土地は売り主である山村を管理していた市に叩き返し、何とか金は取り戻したけど、
海外のメーカーに注文したログハウスのキットはそうもいかない…って、後輩だったウチの兄貴が
『なら、オレんちの敷地に建てますか?
一度、そういうの作ってみたかったんで。』
って、勢いで言ったらこんな事になったんだ。」
……言ってるオレもバカ馬鹿しい話しだが…
その先輩さんも災難だよな。
「なんか凄いお兄さんですね。」
「まぁな、お陰で苦労する。
でも、退屈はしないなぁ。」
コレは本当。
「なぁ兄ちゃん、今晩このテントで寝ていいか?」
「いいぞ。」
「いやいや、泊めるならお家に泊めてよ、ケイちゃん。」
まぁ、コレがエイジとの出会いなのだけど、その数年後コイツとは二人でキャンプ行ったり、野良猫の保護活動したりと、社会人になってからガチでよく遊ぶ様になるのだが、その前から…
「なぁ兄ちゃん、ココ広いからココでキャンプしてもいいだろ?
今みたいに?」
「別にいいけど、火を使う時は俺がいる時じゃないとダメだぞ。」
「いいのか、じゃあ来週な!」
こんな調子でちょくちょくココに遊びに来るよ!
てな訳で、俺はひょんな事で【弟分】を手に入れた。
だけど、
「光里サン、弟がお兄さんにご迷惑をかけると思いますけど、なるべく自分もエイジの事を見張りますので、安心して下さい。」
「えぇ~、心配し過ぎだよ、タクくん?」
…なるほどな、この中坊はガチで光里を狙っているかも知れないな?
「ねぇ、お兄ちゃん、ボクもエイちゃんと一緒に【キャンプ】やりに来てもいいですか?」
一番歳下で光里と同じ歳の男の子が質問して来たので、
「キミの保護者の方からお許しを取って来な?
そうしたら考えとくからな。」
「うん、わかりました!」
この件とはほとんど関係無いが、サクラバフーズから新製品が発売された。
花園チーズ工房監修
【ナチュラルチーズ缶】
そうですね。
では、本編を…
…?
「何やってんのかしら、遅いわね?」
かれこれ二十分経過している?
ケイちゃん、弟をどこまで探しに行ったのよ?
中々戻って来ない京多たちに嫌な予感がするルナさん?
皆んなで見てこようかって事になり、玄関先まで行ってみると?
「兄ちゃ~ん、コレどうすればいい?」
「あ、バカ!
ソレはお前には未だ早い!
火は俺が付けるから、エイジは飯盒に水を汲んでこい。」
「水はさ、そこの水道からで良いのか?」
「いいぞ。
まさか近くの川の水って訳にもいかんだろ。」
「だな!」
「でも、山の中の上流だったら大丈夫だからな、ソレこそキャンプの醍醐味だ。
最近は行ってないから、そのウチ行ってみるか。
…なんならエイジ、お前も行くか?」
「良いのか⁈
行く、絶対行くよ!」
…オヤオヤ?
ログハウスの横でテントが設営されているよ?
ガレージセールで使っているイベント用の大きなテントじゃない、普通のキャンプとかアウトドアで使うテントだね?
「…アンタたち、ココで何してるん?」
「あ、姉ちゃん!
あのな、兄ちゃんがアウトドアを教えてくれるって!」
「なんで?」
「いや、キャンプとかした事ないって、言うからさ。
あ、エイジ ソレこっちだ。
ランタンは今使わないからな、椅子とかテーブルとか後で良い。
お前は薪を割れ!」
何やらキャンプ道具が、色々置いてある?
「コレ、ログハウスに置いて有ったヤツじゃない?
那由多サンのでしょ?
勝手に使って良いの?」
「大丈夫、俺も使って良い事になってるから。
皆んなも一緒にどうだ?
コレからコメ炊いて、カレーを作るつもりなんだけど?」
「俺、薪割りなんてやった事ないぞ!」
「だろうな、俺が手本を見せるから、真似してみろ。」
「お、おう!」
…た、楽しい。
弟もイイかも?
この後、飯盒で米を研ぎ、焚き火台で米を炊き、レトルトカレーを別の飯盒で温めて、一緒に卵も茹でた。
茹でた卵の殻を剥いて、登山ナイフでゆで卵を半分に切って、カレーに乗せた。
「か、かっけー!
こ、コレ【サバイバルナイフ】だろ、兄ちゃん?」
「ちゃうちゃう、コレは【登山ナイフ】な、そんな物騒なモンと違うぞ。」
「俺、レトルトカレーがこんなに美味いとは思わなかったよ!」
「だろぅ~、その分初めから作る時間が短縮出来て、別な事が出来るからな、コレはコレで良いのだ!」
「ケイちゃんってば、すっかりエイジになつかれたな?」
「お兄ちゃん、楽しそう。」
「本当ですね。
京多サンってば、子供みたいデス。
可愛いデス♡」
「アレだとタダの【ガキ大将】だよ、ウチの弟たちと変わらないよ。」
女性たちからは呆れられていた。
しかし、
「お兄さん、コレ何ですか?」
「ソレは【ファイヤースターター】だ、少し削って薪の上において、ナイフの背で擦ると火花が出るから…」
バチっ!
「アー、火がついたよ!」
「スゲー!」
…うむむ、所詮弟たちも男の子だったか⁈
可愛い女の子や子猫じゃなくて、【兄貴】に惹かれていったよ。
多分、ヒデが居なくて寂しい思いをしていたかもしれない。
ソレはソレで良いけどね。
「ほらほら姫乃ちゃん、ケイちゃん取られちゃうぞ?」
「えっ、何のことデス?」
…もうこの子は⁈
こういうトコロはヌケてるのよね、恋の障害は別に可愛い女の子だけとは限らないのに⁈
「ソレにしても、このログハウスはお兄さんが作ったって、姉さんから聞いたんですけど凄いですね、本当ですか?」
焚き火台で沸かしたケトルの湯で、コーヒーを淹れてくれたタク。
この子もこのログハウスが気になるのか?
「えっとな、俺は少し手伝っただけだ。
大体は俺の兄貴とその友達が、組み立てたんだ。
何でも、このログハウスの元々の持ち主からタダ同然で譲ってもらったとか。
何でもコレを建てて、【管理小屋】するつもりだったキャンプ場予定地が使えなくなったとかでさ。」
「えっと、詳しく聞いても良いですか?
何で使えなくなったんですか?」
「オ、オレも知りたいぞ!」
「ボクも!」
「そっか、まぁ兄貴の友達から聞いた話しでは、
破格の値段で売りに出されていた山奥の廃村になった平地にキャンプ場作るつもりだったんだ。
けどな、色々整地したりしていたらさ、畑跡から土器やら土偶やらが見つかったそうでさ、
でも、コレはキャンプ場のウリになると思って、その人は正直に役場に報告したんだ。
でもさ、何処かの有名な大学の教授が来て、その場所全体を調査し始めて、
『この場所は貴重な出土品が出てくる可能性が高い!』ってさ、
調査隊関係者以外立ち入り禁止されたんだ。
そんなだから訳アリな土地は売り主である山村を管理していた市に叩き返し、何とか金は取り戻したけど、
海外のメーカーに注文したログハウスのキットはそうもいかない…って、後輩だったウチの兄貴が
『なら、オレんちの敷地に建てますか?
一度、そういうの作ってみたかったんで。』
って、勢いで言ったらこんな事になったんだ。」
……言ってるオレもバカ馬鹿しい話しだが…
その先輩さんも災難だよな。
「なんか凄いお兄さんですね。」
「まぁな、お陰で苦労する。
でも、退屈はしないなぁ。」
コレは本当。
「なぁ兄ちゃん、今晩このテントで寝ていいか?」
「いいぞ。」
「いやいや、泊めるならお家に泊めてよ、ケイちゃん。」
まぁ、コレがエイジとの出会いなのだけど、その数年後コイツとは二人でキャンプ行ったり、野良猫の保護活動したりと、社会人になってからガチでよく遊ぶ様になるのだが、その前から…
「なぁ兄ちゃん、ココ広いからココでキャンプしてもいいだろ?
今みたいに?」
「別にいいけど、火を使う時は俺がいる時じゃないとダメだぞ。」
「いいのか、じゃあ来週な!」
こんな調子でちょくちょくココに遊びに来るよ!
てな訳で、俺はひょんな事で【弟分】を手に入れた。
だけど、
「光里サン、弟がお兄さんにご迷惑をかけると思いますけど、なるべく自分もエイジの事を見張りますので、安心して下さい。」
「えぇ~、心配し過ぎだよ、タクくん?」
…なるほどな、この中坊はガチで光里を狙っているかも知れないな?
「ねぇ、お兄ちゃん、ボクもエイちゃんと一緒に【キャンプ】やりに来てもいいですか?」
一番歳下で光里と同じ歳の男の子が質問して来たので、
「キミの保護者の方からお許しを取って来な?
そうしたら考えとくからな。」
「うん、わかりました!」
この件とはほとんど関係無いが、サクラバフーズから新製品が発売された。
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