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姫乃、新しい自分を見つけたかも?
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ふあぁ~~~っと!
やっとコレで厄介払いが出来る!
大学時代の先輩から、なんか押し付けられて、いろいろ雑用だの無理難題を与えて、可哀想だけど諦めて逃げ出すのを待っていた…
アイツ、無駄に有能なんだよ?
語学堪能だし、博学だし?
パソコンとかノールックで使い熟すし、和訳英訳完璧以上だしさ?
なのに、いざとなると使えないんだな、コレが?
あがり症とでも言うのか、肝心な時にヤラかすんだよね?
相手が人間だと!
自分から買って出たマネージャー職なのに、
ベテラン名脇役の衣装にお茶こぼしたり、
某ロケ地ではウチの事務所のタレントじゃない無関係な若手お笑い芸人に間違えて、ウチで頼んだ弁当渡して、数が足りなくなり、モブのエキストラ要員怒らせてしまったり…etc
だから、コレはアイツの為なんだ。
ココはアイツがいるべき場所じゃない!
少なくとも、ウチの事務所では無いぞ!
「しゃ、社長!」
ん、来たか?
「あー、アカギくん、今までご苦労様。
コレ、今までのバイト代ね、少しイロ付けといたから。
次の職場でも頑張れ!
…で、その人たちは?」
あ~、やっぱりココだったか⁈
先代社長は本当に良い人だったので時々お世話になった事も有るけど、二代目は嫌々引き継いだからザルなんだよねぇ~?
経営が。
アーシが所属している事務所の社長はココの元タレントだし、先代社長に心酔して自分でもタレント事務所を立ち上げたんだから。
「社長、け、見学の方々をお連れしました!」
「お邪魔します。」
「しま~す!」
「…ども。(あ~ぁ、相変わらず雑然としてるなぁ?)」
「…えっ?
…えっと、いらっしゃい!
ワタクシ、ココの社長で「西堀 カナエ」です!
見学だったわよね、隣の部屋でセリフ合わせしている役者さん達がいるから、見てみて!」
…うん、悪くない!
ううん、良い!
可愛い~じゃない?
今、ウチ子役いないから丁度良いかも…って、いやいや、それじゃアイツを辞めさせられないじゃないの⁈
深々とニット帽を被った女子は中々の美形じゃない?
育ちが良さそうね、姿勢が良いし?
…もう一人はオタ女子かぁ?
なんかアンバランスな組み合わせね?
取り敢えず様子見ね、赤城には適当な理由をつけて不合格にすれば良いし。
「しゃ、社長、コレで… 」
「慌てないで!
彼女たちにはっきりとココでタレントとして所属してくれなければ、アンタは不合格だからね?
先ずは、何か興味を持ってもらわないと話に持ち込めないわ?
この先は私に任せて、アンタは一度家に帰って休みなさい!
目の下、凄いクマよ!」
「えっ、でも…」
「そんな顔だと、上手くいく話も纏まらないから。」
「そ、そうですよね、わかりました…
後は社長にお任せします。」
ふふふ、後でコイツには、ダメだったと伝えて、それから…
社長めー!
何か企んでるな?
目の下クマちゃんの女の子、なんかやり遂げた感出しながら、どっか行こうとしてるし?
「…あの人は何処へ行くのです?」
予想は付いてるけど、あえて聞く。
「あ~ぁ、彼女は体調が優れないのでお休みをあげたのよ。」
ふ~ん?
とっても長いお休みなんだろうなぁ?
隣の稽古場では二人の男女が、正にセリフの練習をしている様だった?
「…〇〇では〇リカールに会って来ましたよ。」
「まぁ、パ〇カールに!」
「えぇ、それと男性の様なご婦人…」
ん、何のシーン?
妙にオーバーな動きで白々しいけど?
「うわぁ、お芝居みたい!」
ピカりん、素直に喜んでる!
その素直な気持ちで、素敵に育ってね。
アーシみたいに薄汚れないでね。
「ねぇ、お嬢さんたちは今まで、何かお芝居とかお歌とか興味有るかしら?
学校で何か発表会とかで、練習したとか…」
「あのね!
皆んなとこの間コスプレしたよ!
ゲームに出てくるお姫様とか、ヒーローのお洋服を来て撮影会したよ!」
「ほ、本当?」
社長の目が怪しい動きをしたのを、アーシは見逃さない!
おそらくこの後は…
「あのね、今ウチの事務所で、お嬢さんたちくらいの人に、芸能界とか演劇とか、何処くらい興味が有るかアンケートを取っているのね?
良ければ、協力してくれるかな?」
「アンケートですか?」
「ええ、今後の参考にしたいから。
良ければ、後でウチの事務所がどんな事をしているのか資料も送りたいから、住所と名前も記入してくれると助かるかな?」
「…個人情報は簡単に教えられません…。」
「あー、もちろん嫌ならいいのよ、出来ればで…?」
「光里は別にいいよ、お手紙が来たら、お母さんやお父さんに見せるから。」
「本当~! じゃぁ、このアンケート用紙の最後のところに…
そう、そこに記入…」
『突入ーー!』
社長がピカりんの前にやたら重ねた用紙の束を置いたその時、アーシは合図を送り、その紙束を押さえつけた!
社長が取り上げて隠さない様に!
幸い、ピカりんが住所の「東京都」と書いた直後だった。
名前はまだ記入していない!
「な、何?」
バンっ!
「ハイ、動くな!
田所、書類を調べろ。」
「承知しました、咲様。」
「ハイ、他の人もそのままね!」
稽古場に咲っちと明日っちとミスターが凸入してきた!
ミスター田所は相良家の執事みたいな人だ?
「あっお姉ちゃん!」
「ふむ、やはり細工してありました。
アンケート部分で隠してありましたが、この事務所と契約すると言う内容の文面です。
この部分を剥がすと、光里お嬢様がこの事務所と無償で契約すると言う内容の書類にサインした様に成るところでした。」
実はもしやの為に、顔が知られた二人は近くで待機していてもらい、社長が怪しい行動を起こしたら踏み込んでくる様、作戦を立てていたのだ。
一応、咲っちは頼りになりそうなミスターも同行をお願いしたらしい。
「あ、いやコレはじょ、冗談ですよ!
ちょっとしたイタズラ、ドッキリですから!」
効果絶大みたい!
慌て出した社長?
小物だよ、でも許さん!
「(弁護士の)叔父に連絡する、コレは詐欺行為だど!」
姫っちから連絡をもらった明日っちが名刺に印刷されていた「西堀事務所」の名前を聞いて、以前アーシとトラブった事務所だと覚えていたのだ。
急な事だったけど、作戦が上手くいって良かったのだ!
しかし、この後に事態は思いもよらない方向にすすんでしまうのね?
「光里、姫乃、二人とも無事⁈
何か如何わしい事されてない!」
「そんな事はアーシがさせないし、許さんし!」
アーシはヲタ女子の変装を解除すると?
「あ、あんたは⁈」
「フフフ、思い出したか、このスカポン狸め!」
「…誰だっけ? 顔は何となく覚えているのよ?」
「こ、このポンコツ社長めっ!」
すると、
「す、すいませ~ん、社長~、このパフェ代経費で落ちますかぁ~?」
あのスカウトさんが申し訳無さそうに現れた?
「アレ、こちらの皆さんは?」
ソレは最悪で最良のタイミングで?
この少しズレてるヒトが私たちを騙してるとはとても思えない?
ソレに実は私、ちょっと考えていた事があって、もしかしたらこの件、上手く纏められるかも?
やっとコレで厄介払いが出来る!
大学時代の先輩から、なんか押し付けられて、いろいろ雑用だの無理難題を与えて、可哀想だけど諦めて逃げ出すのを待っていた…
アイツ、無駄に有能なんだよ?
語学堪能だし、博学だし?
パソコンとかノールックで使い熟すし、和訳英訳完璧以上だしさ?
なのに、いざとなると使えないんだな、コレが?
あがり症とでも言うのか、肝心な時にヤラかすんだよね?
相手が人間だと!
自分から買って出たマネージャー職なのに、
ベテラン名脇役の衣装にお茶こぼしたり、
某ロケ地ではウチの事務所のタレントじゃない無関係な若手お笑い芸人に間違えて、ウチで頼んだ弁当渡して、数が足りなくなり、モブのエキストラ要員怒らせてしまったり…etc
だから、コレはアイツの為なんだ。
ココはアイツがいるべき場所じゃない!
少なくとも、ウチの事務所では無いぞ!
「しゃ、社長!」
ん、来たか?
「あー、アカギくん、今までご苦労様。
コレ、今までのバイト代ね、少しイロ付けといたから。
次の職場でも頑張れ!
…で、その人たちは?」
あ~、やっぱりココだったか⁈
先代社長は本当に良い人だったので時々お世話になった事も有るけど、二代目は嫌々引き継いだからザルなんだよねぇ~?
経営が。
アーシが所属している事務所の社長はココの元タレントだし、先代社長に心酔して自分でもタレント事務所を立ち上げたんだから。
「社長、け、見学の方々をお連れしました!」
「お邪魔します。」
「しま~す!」
「…ども。(あ~ぁ、相変わらず雑然としてるなぁ?)」
「…えっ?
…えっと、いらっしゃい!
ワタクシ、ココの社長で「西堀 カナエ」です!
見学だったわよね、隣の部屋でセリフ合わせしている役者さん達がいるから、見てみて!」
…うん、悪くない!
ううん、良い!
可愛い~じゃない?
今、ウチ子役いないから丁度良いかも…って、いやいや、それじゃアイツを辞めさせられないじゃないの⁈
深々とニット帽を被った女子は中々の美形じゃない?
育ちが良さそうね、姿勢が良いし?
…もう一人はオタ女子かぁ?
なんかアンバランスな組み合わせね?
取り敢えず様子見ね、赤城には適当な理由をつけて不合格にすれば良いし。
「しゃ、社長、コレで… 」
「慌てないで!
彼女たちにはっきりとココでタレントとして所属してくれなければ、アンタは不合格だからね?
先ずは、何か興味を持ってもらわないと話に持ち込めないわ?
この先は私に任せて、アンタは一度家に帰って休みなさい!
目の下、凄いクマよ!」
「えっ、でも…」
「そんな顔だと、上手くいく話も纏まらないから。」
「そ、そうですよね、わかりました…
後は社長にお任せします。」
ふふふ、後でコイツには、ダメだったと伝えて、それから…
社長めー!
何か企んでるな?
目の下クマちゃんの女の子、なんかやり遂げた感出しながら、どっか行こうとしてるし?
「…あの人は何処へ行くのです?」
予想は付いてるけど、あえて聞く。
「あ~ぁ、彼女は体調が優れないのでお休みをあげたのよ。」
ふ~ん?
とっても長いお休みなんだろうなぁ?
隣の稽古場では二人の男女が、正にセリフの練習をしている様だった?
「…〇〇では〇リカールに会って来ましたよ。」
「まぁ、パ〇カールに!」
「えぇ、それと男性の様なご婦人…」
ん、何のシーン?
妙にオーバーな動きで白々しいけど?
「うわぁ、お芝居みたい!」
ピカりん、素直に喜んでる!
その素直な気持ちで、素敵に育ってね。
アーシみたいに薄汚れないでね。
「ねぇ、お嬢さんたちは今まで、何かお芝居とかお歌とか興味有るかしら?
学校で何か発表会とかで、練習したとか…」
「あのね!
皆んなとこの間コスプレしたよ!
ゲームに出てくるお姫様とか、ヒーローのお洋服を来て撮影会したよ!」
「ほ、本当?」
社長の目が怪しい動きをしたのを、アーシは見逃さない!
おそらくこの後は…
「あのね、今ウチの事務所で、お嬢さんたちくらいの人に、芸能界とか演劇とか、何処くらい興味が有るかアンケートを取っているのね?
良ければ、協力してくれるかな?」
「アンケートですか?」
「ええ、今後の参考にしたいから。
良ければ、後でウチの事務所がどんな事をしているのか資料も送りたいから、住所と名前も記入してくれると助かるかな?」
「…個人情報は簡単に教えられません…。」
「あー、もちろん嫌ならいいのよ、出来ればで…?」
「光里は別にいいよ、お手紙が来たら、お母さんやお父さんに見せるから。」
「本当~! じゃぁ、このアンケート用紙の最後のところに…
そう、そこに記入…」
『突入ーー!』
社長がピカりんの前にやたら重ねた用紙の束を置いたその時、アーシは合図を送り、その紙束を押さえつけた!
社長が取り上げて隠さない様に!
幸い、ピカりんが住所の「東京都」と書いた直後だった。
名前はまだ記入していない!
「な、何?」
バンっ!
「ハイ、動くな!
田所、書類を調べろ。」
「承知しました、咲様。」
「ハイ、他の人もそのままね!」
稽古場に咲っちと明日っちとミスターが凸入してきた!
ミスター田所は相良家の執事みたいな人だ?
「あっお姉ちゃん!」
「ふむ、やはり細工してありました。
アンケート部分で隠してありましたが、この事務所と契約すると言う内容の文面です。
この部分を剥がすと、光里お嬢様がこの事務所と無償で契約すると言う内容の書類にサインした様に成るところでした。」
実はもしやの為に、顔が知られた二人は近くで待機していてもらい、社長が怪しい行動を起こしたら踏み込んでくる様、作戦を立てていたのだ。
一応、咲っちは頼りになりそうなミスターも同行をお願いしたらしい。
「あ、いやコレはじょ、冗談ですよ!
ちょっとしたイタズラ、ドッキリですから!」
効果絶大みたい!
慌て出した社長?
小物だよ、でも許さん!
「(弁護士の)叔父に連絡する、コレは詐欺行為だど!」
姫っちから連絡をもらった明日っちが名刺に印刷されていた「西堀事務所」の名前を聞いて、以前アーシとトラブった事務所だと覚えていたのだ。
急な事だったけど、作戦が上手くいって良かったのだ!
しかし、この後に事態は思いもよらない方向にすすんでしまうのね?
「光里、姫乃、二人とも無事⁈
何か如何わしい事されてない!」
「そんな事はアーシがさせないし、許さんし!」
アーシはヲタ女子の変装を解除すると?
「あ、あんたは⁈」
「フフフ、思い出したか、このスカポン狸め!」
「…誰だっけ? 顔は何となく覚えているのよ?」
「こ、このポンコツ社長めっ!」
すると、
「す、すいませ~ん、社長~、このパフェ代経費で落ちますかぁ~?」
あのスカウトさんが申し訳無さそうに現れた?
「アレ、こちらの皆さんは?」
ソレは最悪で最良のタイミングで?
この少しズレてるヒトが私たちを騙してるとはとても思えない?
ソレに実は私、ちょっと考えていた事があって、もしかしたらこの件、上手く纏められるかも?
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