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意外と気が付かないモノ。
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俺のスマホがブルった。
それはほぼ買い出しを終わらせ、家に戻る途中の事だ。
メールでは無く通話だった。
母さんから?
「京多、姫乃ちゃんが倒れた!」
駆け足で家までもどる!
家の前に見慣れない四輪駆動車が停まっていたが、構わず中に駆け込む。
「もう大丈夫ですよ、お兄さん。」
「…いすず…ちゃん?」
「今、私の父と姉が姫乃お姉さんの手術をしてます。」
「しゅ、手術って、ココでか⁈」
「京多、うるさい。」
「姉さん、帰ってたのか?」
「母さんが泣きながら電話して来たから。」
いすずチャンのお父さんとお姉さんは医者らしくて、今ウチの空いている和室を使って、緊急手術を行っているそうだ。
まさか闇医者?
「お姉さん、もしかすると腸内にポリープが有るかもしれないって?」
「ポリープって…腫瘍の事だよね?
まさか…。」
「今までにお姉さん、大きな手術を何度かしてますよね?
もしかするとポリープが出来やすい体質なのかも…って、メイメ…じゃなくて私のお姉ちゃんが言ってました。」
ポリープって、アメショじゃないんだから…!
他の皆んなはリビングにいた、玲子さんも来ていた。
「…まさか、手術をなさっているのが、あの五道先生だなんて…。」
有名なのか?
「お知り合いなんですか?」
「凄腕の天才外科医よ、何処の病院にも属さない、高額の報酬さえ払えばどんな難しい手術も引き受ける出張専門のスーパードクターなの。
本当はあの時、姫乃の手術は五道先生にお願いするべきだったのに!
当時の当主が反対したの、桜庭の主治医に任せておけば間違いないって!
結果、姫乃のカラダには大きな傷痕がいくつも…
五道先生は子供の身体に負担をかけない方法で手術を行うからって、おっしゃるのに…ソレをあのクソジジイが…」
玲子さんはココぞとばかりに、溜め込んでいたモノを吐き出した様?
つまり、そのう〇こお爺さんが手術代ケチった訳か?
…今回はウチがモツのか?
いや、そんな問題じゃねー!
「おーい、終わったぞ~。」
「えっ⁈
もう、終わったのですか?」
まるでトイレの電球取り替えた様なノリだ?
このオッさんがいすずチャンのパパさんか?
あの時会った時とはかなり印象が違うが?
そこへ、
「姫乃は?
姫乃は無事か⁈」
カズ兄さんが飛び込んで来た。
「カズくん、落ち着いて。
大丈夫だから。
手術は無事に済んだから。」
「…一真、アナタどうしてココに?」
「オバ様、じつは私とカズ君は…その、交際してまして…黙っててすいません!」
「はぁ、出来れば別の日に聞きたかったわ。
はっ、いけない!
五道先生、姫乃は?
手術は成功したのですか?」
「オレが娘の友達の手術でヘマする訳が無かろう。
但し、一度ウチの長女の務める病院に検査入院してもらう。
状態が安定したら、すぐにだ、どうしても確認しないと。」
治療費、入院費は受け取らないそうだ、娘さんの友達からはもらえないらしい。
検査が必要な訳を告げられた玲子さんは、酷く怒っていた。
五道先生が検査入院させてまで確認したかったのは、これまで姫乃さんが受けた手術の施術方法とその経過らしい?
手術の翌日には、姫乃さんは眼を覚ましたそうだ。
姫乃さんは命に別状はなかったが、暫くの入院で俺は会う事が出来なかった。
何故なら姫乃さんが俺に会いたくないと言って、見舞いに行くのを母さんと玲子さんに止められるからだ。
しかも、検査は終わっているはずなのに、もうしばらく入院したいと姫乃さんが希望しているそうだ。
ナニがあった?
姫乃さんが俺に会いたくないなんて、何かあるに違いない。
決して自惚れでは無くて、初めて会った日から、そのまま同じ家で暮らしてずっと一緒にいた。
母さん曰く、姫乃さんは俺に一目惚れしたと言われ、俺だってソレに近い感じだ。
姫乃さんが倒れた日、俺は嫌われる様なことは絶対していないから、手術後に何かあったんだな?
ここは、仕方ないので頼りになるお兄ちゃんに聞こうっと?
「ごめん ケイタ君、実は僕も面会させてもらえないんだ?」
「何でかは、聞いてませんか?」
「全く教えてくれない。
…何か見られたくないって、コトなんじゃないかな?」
嫌な予感がした。
その数日後に玲子さんから婚約を見直さないかと提案されたからだ。
それはほぼ買い出しを終わらせ、家に戻る途中の事だ。
メールでは無く通話だった。
母さんから?
「京多、姫乃ちゃんが倒れた!」
駆け足で家までもどる!
家の前に見慣れない四輪駆動車が停まっていたが、構わず中に駆け込む。
「もう大丈夫ですよ、お兄さん。」
「…いすず…ちゃん?」
「今、私の父と姉が姫乃お姉さんの手術をしてます。」
「しゅ、手術って、ココでか⁈」
「京多、うるさい。」
「姉さん、帰ってたのか?」
「母さんが泣きながら電話して来たから。」
いすずチャンのお父さんとお姉さんは医者らしくて、今ウチの空いている和室を使って、緊急手術を行っているそうだ。
まさか闇医者?
「お姉さん、もしかすると腸内にポリープが有るかもしれないって?」
「ポリープって…腫瘍の事だよね?
まさか…。」
「今までにお姉さん、大きな手術を何度かしてますよね?
もしかするとポリープが出来やすい体質なのかも…って、メイメ…じゃなくて私のお姉ちゃんが言ってました。」
ポリープって、アメショじゃないんだから…!
他の皆んなはリビングにいた、玲子さんも来ていた。
「…まさか、手術をなさっているのが、あの五道先生だなんて…。」
有名なのか?
「お知り合いなんですか?」
「凄腕の天才外科医よ、何処の病院にも属さない、高額の報酬さえ払えばどんな難しい手術も引き受ける出張専門のスーパードクターなの。
本当はあの時、姫乃の手術は五道先生にお願いするべきだったのに!
当時の当主が反対したの、桜庭の主治医に任せておけば間違いないって!
結果、姫乃のカラダには大きな傷痕がいくつも…
五道先生は子供の身体に負担をかけない方法で手術を行うからって、おっしゃるのに…ソレをあのクソジジイが…」
玲子さんはココぞとばかりに、溜め込んでいたモノを吐き出した様?
つまり、そのう〇こお爺さんが手術代ケチった訳か?
…今回はウチがモツのか?
いや、そんな問題じゃねー!
「おーい、終わったぞ~。」
「えっ⁈
もう、終わったのですか?」
まるでトイレの電球取り替えた様なノリだ?
このオッさんがいすずチャンのパパさんか?
あの時会った時とはかなり印象が違うが?
そこへ、
「姫乃は?
姫乃は無事か⁈」
カズ兄さんが飛び込んで来た。
「カズくん、落ち着いて。
大丈夫だから。
手術は無事に済んだから。」
「…一真、アナタどうしてココに?」
「オバ様、じつは私とカズ君は…その、交際してまして…黙っててすいません!」
「はぁ、出来れば別の日に聞きたかったわ。
はっ、いけない!
五道先生、姫乃は?
手術は成功したのですか?」
「オレが娘の友達の手術でヘマする訳が無かろう。
但し、一度ウチの長女の務める病院に検査入院してもらう。
状態が安定したら、すぐにだ、どうしても確認しないと。」
治療費、入院費は受け取らないそうだ、娘さんの友達からはもらえないらしい。
検査が必要な訳を告げられた玲子さんは、酷く怒っていた。
五道先生が検査入院させてまで確認したかったのは、これまで姫乃さんが受けた手術の施術方法とその経過らしい?
手術の翌日には、姫乃さんは眼を覚ましたそうだ。
姫乃さんは命に別状はなかったが、暫くの入院で俺は会う事が出来なかった。
何故なら姫乃さんが俺に会いたくないと言って、見舞いに行くのを母さんと玲子さんに止められるからだ。
しかも、検査は終わっているはずなのに、もうしばらく入院したいと姫乃さんが希望しているそうだ。
ナニがあった?
姫乃さんが俺に会いたくないなんて、何かあるに違いない。
決して自惚れでは無くて、初めて会った日から、そのまま同じ家で暮らしてずっと一緒にいた。
母さん曰く、姫乃さんは俺に一目惚れしたと言われ、俺だってソレに近い感じだ。
姫乃さんが倒れた日、俺は嫌われる様なことは絶対していないから、手術後に何かあったんだな?
ここは、仕方ないので頼りになるお兄ちゃんに聞こうっと?
「ごめん ケイタ君、実は僕も面会させてもらえないんだ?」
「何でかは、聞いてませんか?」
「全く教えてくれない。
…何か見られたくないって、コトなんじゃないかな?」
嫌な予感がした。
その数日後に玲子さんから婚約を見直さないかと提案されたからだ。
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