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兄 帰還!
しおりを挟む「レイモンド」
「……………思い切り突き飛ばしてしまって、その…怪我をさせてしまったから、時間がかかってしまって…遅く、なったんだ…」
レイモンドの声はどんどん小さくなっていく。エレノーラは彼が悪い訳ではないとわかっているし、日頃から彼女に拒絶を示しているのは知っている。今回も、彼は抵抗している。それでも、いい気分はしなかった。
「…レイモンドが悪い訳じゃないのは、わかっているわ」
エレノーラの言葉に、レイモンドはほっとしたように胸をなでおろす。しかし、彼女は今、とても気分が悪かった。
(ここは唯一、私が安心できる場所だったのに…こんなに出られないことが嘆かわしいなんて)
「…エ、エレノーラ…?」
彼女のその気分の悪さを感じ取っているのか、レイモンドが恐る恐る声をかける。エレノーラは、彼は悪くない、あたってはいけないと自分に言い聞かせる。
「レイモンドを責めるつもりなんて、ないわ」
「エレノーラ…」
「でも」
エレノーラはレイモンドをベッドに押し倒し、四つん這いで上に覆い被さった。彼は抵抗することなく、彼女の様子から大人しく従った方が良いと判断したようだ。彼女は彼の少しかさついたその唇を指でなぞり、唇を重ねてにやりと笑う。
「ここに触れていいのは、私だけよね」
レイモンドはごくりと喉を鳴らして、こくこくと頷いた。エレノーラはそのまま、彼のぬがしやすい前開きのシャツの釦を外して開けさせ、唇を這せる。彼女が彼の肌を舌先でなぞり、胸の頂きを唇で食んで軽く吸い付くと、レイモンドがふっと息を吐く。それを見ながら、エレノーラはズボンの上から彼の陰茎を優しく手で覆った。熱くなっているそこを形を確かめるように指でなぞっていると、レイモンドが呟く。
「そこも…エレノーラ、だけだ…」
彼の言葉に、エレノーラは今までの嫌な気持ちが吹き飛んでいく。満たされた気持ちで笑いながら頷くと、羽織っていたナイトガウンを脱ぎ捨て、今日という日のために用意していた透けた黒の下着姿になる。その彼女の姿に、レイモンドは首を傾げた。
「…それ、下着って言えるのか?」
「言うのよ」
エレノーラが笑いながらレイモンドのズボンに手をかけると、彼はぬがしやすいように腰を浮かした。そのまま引きずり下ろして放り投げると、彼女はテントを張っているレイモンドのそこに跨り、下着越しに擦り付ける。熱い息を吐くレイモンドを眺めながら、エレノーラも同じように熱く息を吐いた。
「レイモンド…」
エレノーラはレイモンドの手を取って自分の胸に押し当てる。彼はその大きな手で、彼女の胸を揉みしだいた。この二週間、触れて欲しくて仕方がなかった手に漸く触れられ、エレノーラは歓喜に震える。
「…ここに触れていいのは、僕、だけだよな」
「…うん…」
彼女が腰を揺らしながらその言葉に頷くと、彼もまた満足そうに笑んだ。
「……………思い切り突き飛ばしてしまって、その…怪我をさせてしまったから、時間がかかってしまって…遅く、なったんだ…」
レイモンドの声はどんどん小さくなっていく。エレノーラは彼が悪い訳ではないとわかっているし、日頃から彼女に拒絶を示しているのは知っている。今回も、彼は抵抗している。それでも、いい気分はしなかった。
「…レイモンドが悪い訳じゃないのは、わかっているわ」
エレノーラの言葉に、レイモンドはほっとしたように胸をなでおろす。しかし、彼女は今、とても気分が悪かった。
(ここは唯一、私が安心できる場所だったのに…こんなに出られないことが嘆かわしいなんて)
「…エ、エレノーラ…?」
彼女のその気分の悪さを感じ取っているのか、レイモンドが恐る恐る声をかける。エレノーラは、彼は悪くない、あたってはいけないと自分に言い聞かせる。
「レイモンドを責めるつもりなんて、ないわ」
「エレノーラ…」
「でも」
エレノーラはレイモンドをベッドに押し倒し、四つん這いで上に覆い被さった。彼は抵抗することなく、彼女の様子から大人しく従った方が良いと判断したようだ。彼女は彼の少しかさついたその唇を指でなぞり、唇を重ねてにやりと笑う。
「ここに触れていいのは、私だけよね」
レイモンドはごくりと喉を鳴らして、こくこくと頷いた。エレノーラはそのまま、彼のぬがしやすい前開きのシャツの釦を外して開けさせ、唇を這せる。彼女が彼の肌を舌先でなぞり、胸の頂きを唇で食んで軽く吸い付くと、レイモンドがふっと息を吐く。それを見ながら、エレノーラはズボンの上から彼の陰茎を優しく手で覆った。熱くなっているそこを形を確かめるように指でなぞっていると、レイモンドが呟く。
「そこも…エレノーラ、だけだ…」
彼の言葉に、エレノーラは今までの嫌な気持ちが吹き飛んでいく。満たされた気持ちで笑いながら頷くと、羽織っていたナイトガウンを脱ぎ捨て、今日という日のために用意していた透けた黒の下着姿になる。その彼女の姿に、レイモンドは首を傾げた。
「…それ、下着って言えるのか?」
「言うのよ」
エレノーラが笑いながらレイモンドのズボンに手をかけると、彼はぬがしやすいように腰を浮かした。そのまま引きずり下ろして放り投げると、彼女はテントを張っているレイモンドのそこに跨り、下着越しに擦り付ける。熱い息を吐くレイモンドを眺めながら、エレノーラも同じように熱く息を吐いた。
「レイモンド…」
エレノーラはレイモンドの手を取って自分の胸に押し当てる。彼はその大きな手で、彼女の胸を揉みしだいた。この二週間、触れて欲しくて仕方がなかった手に漸く触れられ、エレノーラは歓喜に震える。
「…ここに触れていいのは、僕、だけだよな」
「…うん…」
彼女が腰を揺らしながらその言葉に頷くと、彼もまた満足そうに笑んだ。
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