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元〇〇なんです!

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 「おーい、お袋ー?」

 しーーーんっ!

 「母さーん、ママァー、お母さまァー!」



 昨日から自室仕事場にこもって出てこない。

 多分、筆が乗っているのだろう?


 「姉さん、お袋への報告は後にするか?」


 「ダメ、報告は早いウチに済ませるのよ!
 後々、揉めない様にね。」



 「晩御飯の匂いで釣れないかな?」

 妹の提案?

 「「それだ!」」




 晩御飯のおかずに母の好きなモノを一品追加した。

 「ヒカリ、お袋に…?」

 『ほら、ケイタ!

 早く座りなさい!
 
 よし、ソレでは、

 いただきまーす‼︎』


 いつの間にか食卓で俺たちが作った晩飯を食べ始めている母。



 「お母さん見て、ハイ!」

 妹が子猫をに乗せて、母の隣りに?

 「んがっごく!

 はぁ~、おや子猫かえ?」

 「母さん、実はケイタが…」

 姉がわかりやすく母にしてくれた。


 「トライアウトかぁ、話しには聞くんだよね?

 実際関わるのは初めてだけど。」

 「お母さんあのね、この子の名前「ヒメ」に決めたんだよ!」

 「ヒメねぇ?

 お姫様はピカりんだけで足りてるけどね。」


 そう、母も末娘には甘い。


 ただ、最近はネットに投稿した漫画がそこそこウケて、出版の話しが来ている?

 なのでちょっと忙しい?

 父さんが使わなくなったペンタブで試しに描いただけなのに?

 強運の持ち主なんだよな、お袋も姉さんも?

 
 「うーむ、ねぇこの子の事、漫画にしても良い?」

 「エェ~!
 ヒメのマンガ見た~い!」

 妹はきっとお袋の思惑を理解していないだろう?

 元ヤンのお袋は、中坊の頃から雨の日に捨て犬や捨て猫をよく拾ってきた経験が有ると父さんから聞いている。

 お袋とは小3から高校卒業まで同じクラスだった漫画家志望の父さん。

 今は何故か副業でラノベ作家、本業は実家の輸入品雑貨店を切り盛りしている店長だ。


 店長の祖母ちゃんが隠居するまで店は続けるそうだ。

 ちなみに、店には過去にお袋が拾った黒ネコが、人気看板ネコとして常連客を日々増やしている。


 アイツ、名前なんだっけ?


 「早速、スマホの検索でマンチカンなのに別の品種だっての、ネタにしたい!」


 「ヒメ、人気出る?」

 「人気出たら、ヒメをくれ…とか言われるかもな?

 やらんけど。」


 「えぇー⁈

 ダメだよ、ヒメは大和のお嫁さんにするから!

 ソレで幸せなネコ家族のお話しが始まるの!」

 …何だ、そんなドラマでも放送してるのかい?

 「大和、子供作れないけどな。」

 年齢的にではなく、彼のタマタマが偽タマタマなのだ。


 「いいモン、養子をもらうから!」

 よくわからない?


 とにかく、コレで我が家に新しい家族が増えた訳だ。

 父さんが帰ったらヒメの事、紹介しないとな。

 「おばあちゃんにも、ヒメ会わしてあげない?」

 父方の祖母、猫好きのルーツは祖母かも?

 「そのウチな、

 でも、あの人なら「ネコなんてお金を出して買うモンじゃない!」とか言いそうなんだよな?」


 
 
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