上 下
65 / 69

間話 その後

しおりを挟む
 「我らが同志、青木氏が我々の天使【アッちゃん】こと【木野 朱音】サンにイケナイ事を教えた挙句に、にすると言う暴挙に出た!」

 「許されない!」

 「オレ達への裏切りだ‼︎」

 …初手から飛ばしているなぁ~?


 ココはいつもの居酒屋、いつもの面子でいつもの様にイベント後の打ち上げ…では無くて、木野さんとアオさんの婚約をヲタ仲間と祝ってる訳なんだが、一部の男性陣が悪ノリし出したのだ?

 「もう、うるせ~ぞ、コノキモヲタ共めっ!

 女なら他にもいるだろがっ!

 アッちゃんだけがオンナじゃ無いぞ、コラ!

 …わたしとか。」


 「お主の様なサークルでも職場でも【御局様】なのと、純真可憐な【アカネたん】を同一視する事はあり得ないで有り〼!」


 「…バーカ、朱音はもうじゃないぜ、もうとっくにお腹にアオさんのがいるんだよ!」

 …多分酔って口が悪くなっているであろうお局様が新婦の秘密をバラしてしまった⁈


 「な、なんですってッ⁈」

 固まるキモキモ軍団たち⁈


 …アオさんの子なのに、アカちゃんとはコレいかに?

 まぁアカネさんの子なのは間違いない、アカちゃんだけに。


 …って、そんな話しはどうでも無くいいんだけど、ショタBL作家でアイリさんやアッちゃんとは旧知の友、御局様ならぬ【大上 翼】先生がキモヲタ軍団をイイ感じで足蹴に煽っている⁈

 …ツバサ先生、平日とイベント時ではメイクが違うと未確認情報アリ?

 平日眼鏡の地味子さん、イベント日は可愛くてゴメンなさい系推し活女子メイク…ってよくわからないよ?
 

 …放っておこう、巻き込まれたらお終いだ?


 「…アッちゃん、お式はやらないって本当?」

 アッちゃんの隣に座って紹興酒のホット炭酸割り飲んでるウチの嫁が質問する?

 「はい、籍だけ入れて、来月からと同居します。

 なんだか美咲先生と似てますよね。」

 「ほだね、義母に甘やかされると嫁としては幸せだけど、としてはダメダメなんやよ?

 まぁ、アッちゃんはもう赤ちゃんいるから多少ダラダラしても怒られないかもね?」


 「…先生はダラダラしていたんですが?」

 「…ほら、ワタシ実父らと上手くやれて無かったからさぁ、でも旦那様のお母さんとはなんかが絶妙に丁度良かったのよさ。」


 なんて話しをしている嫁達。

 絶妙ってなんだよなぁ?



 一応、アオさんには弟サンが過去にアッちゃんを虐めていたらしい事は教えておいたが、ほぼ解決して様な生き霊云々の件は黙っていた。


 どうやらアオさんも当時弟が悪い友達と同級生をイジメをしていたのではないかと薄々気付いてはいたらしい?


 ただ、弟が高校生の時にその悪い友達の一人がイジメていたに【闇討ち】にあって、かなりの大怪我をしたとかで、学校にイジメの事実が明らかになってしまった事があるそう?

 

 その事がキッカケで[その少年]をイジメていたグループの少年少女は学校を転校、一応イジメは無くなったらしい?

 偶々弟はそのグループには属していなかったが、アオさんはその時はバレなかっただけで、おそらく弟も何かしら関与していると思っていたそうだ?


 ちなみにアオさんと弟は中学高校は別々だそうで、弟は私立で中高一貫の超進学校?

 アオさんは普通に地元の公立中学にほぼ男子校の工業高校卒だ。


 アオさんが言うには学校ってが溜まるから、そんな事をして発散するんだろうと言っていた。



 「…ソレとなく弟には『実家には帰ってくるなよ。』って、伝えてあるよ。」

 そうアオさんがボソッと言ってから、酎ハイのグラスを一気に開けた。

 ユズっちが言うにはアッちゃんは【母親】になった事で精神的に強くなれば、子育てに追われて生き霊を飛ばしているドコロでは無くなると言っていた。

 元々無意識でやっている事らしいので、お互い顔さえ合わさなければもう心配ないそうだ?

 (ホントかよ?)




 「…しっかし、アオさんいつの間にアッちゃんとそんな事になったんだね?

 オラ、全然気が付かなかったゾっ?」

 「……実はな、半年くらい前のイベントの打ち上げでさ…、」


 「うんうん?」

 「…彼女の事、酔い潰して…」

 「うん…うむ?」

 「…彼女を部屋まで送って…

 そのまま【お泊まり】したんだ…

 ソレが初めてかな?」


 「…オイ?」

 「まぁ待て、待ってくれ⁈

 不可抗力なんだ、彼女から告白されて、そのまま情熱に押し流されてだな… 。」


 なんかアホらしくなってきた?






 宴はお開き、あとは各自カラオケ行くなり、深夜アニメ見るから自宅に帰るなり、風俗行くなり解散となった?

 

 「…あのね、旦那さま?」

 「…ん、どうした?」

 オレたち夫婦はサッサと家路についた、どうもカラオケだの飲み直しだのとかの気分にはなれなかったからだ?


 家に着くとエリとユズが居間でTVを観ていた。

 「あ、お兄ちゃんたちおかえり~!」

 「…なんだ、土産は無しか?

 気がきかんな~。」


 日に日に態度がデカく成りつつある居候だな?


 「…冷蔵庫に冷凍のピザ有ったろ、食べようぜ?」

 「そだね。」


 「あ、じゃあ
ワタシエリがチンするよ、あとタコ焼きも食べちゃおうよ!」


 「この時間でそんなに食べたら太ってしまうぞ?」

 「じゃあユズちゃんは食べないんだね?」

 「食べないとは言ってないだろ!」




 まぁウチはこんな感じで落ち着くのだ。


 オレたちが出来る事は終わった。

 あと他所のウチの事は、他所のウチのヒトが解決するだろう?

 願わくばアッちゃんが元気な赤ちゃんを産んで、アオさんの家庭が幸せである事を…


 しかしこの先、その中にアオさんの弟が加わる事は無いだろうけど?

 そう思うと何か釈然としないのだ…?



 
 間話(その1)終了
しおりを挟む

処理中です...