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小さい君は愛で出来ている。
しおりを挟む「…う、う~ん、アレ、ココは何処?」
…ソレは彼女にとって二度目の突然だった?
気がつくと見知らぬ場所に居た…気を失って地面に倒れていた様だ?
…見知らぬ場所?
でも、なんとなくこの地面の感触に覚えが有るのだ?
ううん、違う?
ワタシ、本当にココ知ってるかも?
見渡すと周りは木々が生い茂っているが、今倒れていた場所は森を貫く様に長く伸びた硬い平らな道で、所々に灯が灯されている?
木々の間から遠くに見えるのは…
「…えっ、あれって高層ビルだよね、ソレに電灯…地面はアスファルト…」
遠くで聞こえるのは自動車のクラクション?
次第に記憶と意識が覚醒する⁈
「ま、まさかワタシ、元の世界に帰って来たの‼︎」
自分は勇者達と悪き邪竜と戦っていたハズだ⁈
「…まさか、アレが夢ってコト無いよね?
そ、そうよ、だってワタシ、飛べてるし、サイズもアッチのママだし?」
その来訪者は東京の割と大きな街で保護された。
「す、すいませ~ん、どなたか救急車読んで下さいますか~?」
大丈夫かな、でもどうやら体があちこち痛いのだ、怪我をしている様だが、ポーションなんて持ってないし、仕方がない!
偶然にもソコは勇者と来た事が有ったデートスポットの公園だった…。
「…偶然だよね?」
「先日はお疲れ様でした、日野室長。」
「あぁ、アマネ君か。
いや、君こそ大変だったそうだね?」
コチラの世界に帰って来て、随分と似合わない役職をもらってしまった…なんて考えている日野室長こと暁人くんのパパさん?
今日はこの世界で永住を決めた【来訪者】と面接して、適性のありそうな仕事を紹介すると言う、割と緩い仕事の日なのだ。
実のところ、いざと言う時のもう一つの別の仕事は、今現在まで一度もお呼びがかからないのだ?
「全くです…あ、いえ、大した事ではありませんから。」
まぁ色々あったが、アマネ自身としては意外な【交友関係】が築けた事が今回の収穫だった。
「室長、今日は二人の【来訪者】と面接してもらいますが、決して【同情】とか【選り好み】しないで下さいね!」
「ソレはキミだろ、アマネ君?」
以前より砕けて話せる様になったが、まだ【上司のお誘い】は無い、そのうちそのうち?
「…ソレとですね、面接とは別に【相談】に乗って欲しい来訪者の女性の方が来られるそうです。」
「女の子かぁ?
種族は?」
「…ソレが妖精族なんです。」
「…ソレは珍しいね、ワタシもアチラの世界でも数回しか見かけた事がなくてね、どう接したらいいかな?」
「…ソレなら心配無用かと?
どうやら元々はこの世界からの【転生者】の様です。」
「…ソレはまた複雑なケースだな、…一人だけかい?」
「保護されたのは彼女一人だけでした。
一応、その付近を調べているそうですが、今のところは…」
ここでの日野鉄人氏とアマネの仕事はコチラの世界で暮らす事を決めた来訪者に生活基盤として適性のありそうな仕事を斡旋する事にある。
他にも住居や、学びたければ学校なども。
異世界で暮らした経験者だからこそ出来る仕事だと我孫子道に頼まれた、そして多種族の生体に詳しいアマネはその補佐なのだ。
勿論それだけではなく、その後のフォローもしている、あくまで其方は別スタッフを派遣したりになるけど、概ね大きな問題は起きていないそうだ、…今のところは。
その日の最後に件のフェアリーの女性と面談となった。
「本当ですか、アナタは自分の意思で異世界から戻って来たって?
ソレなら又、異世界に行く事は可能ですか⁈」
自己紹介も済ませないで、開口一番にそう言われた?
「まぁ落ち着いてくれたまえ!」
何か訳ありとは思っていたが、コレは👨の自分たちが聞いてどうにかなる話しでは無いかも知れない?
「…妖精のお嬢さん、向こうに恋人でもいるのかな?」
「……えぇ~~⁈
な、なんでそうなるんですかー?」
顎髭生やしたオジサンが思いがけない事を言われて慌てる🧚サン⁈
「…なに、そんな顔してた若い冒険者を知っているだけだよ。」
「室長、若い女性を揶揄わないでください、セクハラで訴えられますよ!」
「…セクハラ…はぁ、なんかソレを聞いて、戻って来たんだなぁ~って実感しました。」
落ち着きを取り戻したところで自己紹介することに。
「…千葉 智恵です、アチラの世界では【ファム】って呼ばれてました。」
「日野だ、こちらの時間で5年ほど異世界にいた、自分の体感では10年ぐらい経っていた様だけとね。」
「副室長のアマネです、今は収納してますが白き翼を持つ翼人族です。」
そして、
「秘書の服部です、女性の立場から【ファム】さんのサポートを担当しますね。」
「はい、よろしくお願いします?」
この日、日野家には二人の女性客がやってくることになった?
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