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お兄様たち、見損ないましたワ!
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「ホラ、聞いたかい、イオ!
それにアマネ⁈
僕の味覚も満更じゃないだろ?」
嬉しそうにはしゃぎ出して、元級友に話しかけるジーク?
「…たまたまだ、その辺のコンビニの抹茶オレと、格式ある【京抹茶】と【和三盆】を同一で語るな、この【お子様舌】がっ⁇」
つい、昔の様な辛辣な言葉でジークを落ち着かせるアマネ?
「…ふん、またアマネのイヤミが始まったか、ナンだ少しくらいコッチの世界に詳しくなったからって偉そうな!
そのイヤミなところは元の世界と変わらないな?」
と、割と冷静に見ているイオ?
以前なら、
「なんだと!
表に出ろっ、拳で白黒つけてやる!」
って感じだったのに?
コチラの世界に来て、少し精神的に大人になったか?
そう思えたアマネ、上司やサクラさんの手前、荒っぽいことは避けたい。
そう、二度と同じ過ちはしないのだ…
…と言うか、脳筋で野生的で本能で行動し、三人の中では【危機回避能力】だけはずば抜けていたイオがこの上司にナンの警戒もしていないとは?
…まさか、女に現を抜かして腑抜けたか⁈
などと考えていると、
「…どうぞ、我が家で収穫したサツマイモで作った【和服ケーキ】デス!」
日野家二女のメイヤ、三女マイヤ、五女サリーたちが小皿にシメの茶菓子を乗せて運んできた。
愛娘たちの愛らしい和服姿にウチの上司も御満悦だ…と思っていたら⁈
「…なぁオッサン、このケーキってのは子供の食いもんだろ?
だったら、オレはいいからよ?
この娘っ子たちに食わせてやれよ、オレは甘いモンより…
あ、そうだ!
あっちにオークモドキの揚げた肉が有ったよな?
俺はソレでいい、もう残ってないのか?」
「うむ、なるほど【トン唐】の事かな…酒のアテには申し分ないな?」
…この脳筋バカが⁈
やっぱり本能で喋りやがる!
折角娘サンらが運んで下さったお茶菓子にケチをつける様な事を?
しかも肝心の上司も割とノリ気味だ?
「大丈夫だよ、ルゥくんのお兄ちゃん!
メイヤたちの分もたっぷりあるし、お兄ちゃんも美味しかったらおかわりして良いよ!」
天使(エルフだが)の様な微笑みで自分達が作ったケーキを薦めるお嬢さんたち、
「娘もああ言っている、ひと口ぐらいは味見してくれないか?
まぁその後で大人のお楽しみと言う事にしないかな?」
おそらく娘の力作を「美味い!」と言わせたいらしい上司だか、呑みの誘いも継続している様だ?
「おっと! まさか【酒】か⁈
俺は酒には、ちょっとうるさいぞ!」
「ハハハ、それはいい。
ウチの倅はまだ呑ます訳にはいかないのでな、アハハ!」
…えっと日野室長?
何気に野良犬相手に好感触な?
ワタクシ、まだアナタ様からこの世界では部下との仲を円満かつ親睦を深めると言う【上司のお誘い】に誘われた事も無いのに、よりによってこの駄犬王子にこの世界の酒を振る舞うのですか?
「…あ、あの~、すいません、ボクは【お酒】は全く飲めないので、出来たらこのお茶のおかわりを……ください…ますか?」
時々ジャイアントレッドトードに飲み込まれたりしているアオトカゲ王子が何やらモジモジして、子供の様な事を言っているっ‼︎
そんなんだから、妹に舐められるんだゾっ!
…妹か、そういえば確か?
「…では、ジークさんの【お茶】は彼女に立ててもらいましょうか。」
「…彼女…ですか、そう言えばコチラのお宅にはまだお嬢さんがいらっしゃいましたね、その方で…す…かって、えっ、ええぇ~⁇」
すると、本宅の方から一人の着物を着た女の子がシャナリシャナリとお淑やかに歩いて、野点の席に現れた?
…や、やられた、してやられたぞ、コレは⁈
「…あ、あの、サクラお姉様、シェラお姉様、どうでしょうか、聖歌お姉様に手伝って着付けてみたのですが…
そ、その、へ、変ではありませんか?」
長い髪を軽めに結い、珊瑚玉の簪や鼈甲の櫛を髪にさし、恥ずかしそうにモジモジと話す女の子、そう彼女は…
「うわぁ~、ソニ子お姉ちゃんスゴくキレーだよ!」
「…ソニアさん、…さすが…【お姫様】デス、…このまま【成人式】が出来ま…す!」
メイヤたちやフランチェシュカがやんやと褒め称える…
ドラゴニュートの姫、ソニアの和服姿にその場にいた者、目を奪われていた…
日野鉄人氏に至っては、亡くなった前妻の面影と重なって見えていた…かな?
実はサクラやソニアたちが着ている着物や装飾品は全て彼の前妻のモノなのだ、なんでも代々母親たちから受け継いできたモノで、出産が済めば現在の妻メイデールが受け継ぎ、袖を通したいと言っている。
金髪エルフの着物姿…エキゾチックかつ魅惑的な気も…
いや、そんな不謹慎な気持ちでは無い!
おそらくそこには何か妻同士の…いやいや何を言っているのだ、オレは⁇
とにかくジークの妹君が着物姿で現れて、これからお茶を我々に振る舞うそうだが?
そもそもこの娘とイオの奴が、この近くの商業施設で再開し、騒ぎを起こしたのか今回の始まりなのだが…
「…ほう、またコレは美しい娘っ子だな、オッサンの家には何人娘がいるんだ?」
…オイ馬鹿犬王子、ナンでお前が気が付かんのだ!
「…イオ王子、お戯れはやめて下さい!」
「…ん、なんだお前【跳ねっ返りのお転婆ドラゴン】じゃないか⁈
…いや、本当に気がつかなかったゾ…へぇ~、いや美しい、化けたなお前⁈」
イオの奴、本当に失礼極まりないなぁ、またサクラさんに殴られれば良いのだ!
「…イオ様、女性の褒め方を少し学ばれた方がよろしいかと…
ソレではソニアさんの【勇気】
に対して礼が欠けています。」
…しかし、サクラさんは意外と言うか、今度は【言葉の拳】でイオの奴に殴りかかった様だ?
なるほど、あの時もこんな感じで事が起きてしまったのだろう?
「よ、よいのですお姉様、このイオ王子という方は、こんな言い方しか出来ない【粗忽者】なのですから!」
負けじと言い返すソニア姫、しかし着慣れない和服の所為か、今ひとつ普段の迫力が無い様だが?
日野室長のご家族の目を気にしているのだろうか?
「まぁまぁ皆さん、今日は折角の見合いの席です。和やかに行こうじゃないですか?
日野さん、こんなモノを持って来たのですが…」
何処で仕入れて来たのか、我孫子道サンが【越乃寒梅】なる日本酒と数人分の【ぐい呑み】を運んで来たのだ、しかも自分も和服に着替えて来た?
「おおっ!
その酒はこの国では特に美味いと評判の酒ではないか!」
別にイオ王子に尻尾は無いが、多分尻尾が生えていたら、間違い無くブンブンと振っているのだろうなぁ?
…それにしても今、「折角のお見合いの席」って、言っていたでは無いか?
しかも、
「そうだサクラくん、イオ王子にお酌をしてくれないかな?」
なんて言っているぞ、この自称【サクラの二人目の父】は?
「…そうですね、お詫びも兼ねて一杯くらいなら構いませんよ。」
まさかのサクラ嬢も満更嫌がって無い様だが?
…野点の席は、日野家の【日常】の様な状態に成り下がり始めた?
実は初めに秘書の服部くんから今回の【お見合い】の落とし所を聞いていたのだが、どうも聴いていたモノと違って来ている様だ?
…そう、こんな場面で我孫子道氏が【酒】を持って現れるなんて聞いていないのだ。
…確か、イオとソニア姫が幼い頃から極々親しい間柄とは知らずに、コチラの世界で偶然再会し、つい動揺して乱暴な態度になってしまったイオを見て、嫌がる女の子に不埒な事をしようとしている【来訪者同士】のトラブルだと思ってしまったサクラ嬢があの日の事をイオ王子に詫びる…そんな事を聞いていたのだが?
(まぁ、そう勘違いされても、仕方無さそうな言葉使いだったのは簡単に想像が付くし。)
…いつの間にか、野点の席は酒盛りに変わり始めていた?
イオと室長は差し向かいで、日本酒を手酌で呑み出して、ジークはジークで少女たちとケーキバイキング状態⁈
何故かワタシは…
「…もう、兄様たちには呆れてしまいましたわ!」
「…まぁそうおっしゃいますな、この世界での慣れぬ生活で、今日はつい羽目を外されたのでしょう?
こんな日も無いと、やってられないのは自分も同じです。」
「…我孫子道さま…、やはり男の方はアナタや日野のオジサマの様に【人生経験】がお有りでないといけませんねぇ…
それを兄たちに求めるのはワタシのワガママでしょうか、ねぇアマネ兄様ぁ?」
と、コレとはそこそこ長い付き合いだが、初めてみる【色香】の様なモノを漂い出してる龍人の娘にちょっと戸惑った自分?
「…ワタシに聞かないでくれたまえよ!」
何故かワタシの目の前で、小さなお茶会を開いてるソニアたち?
…ソニア姫、まさかキミ飲酒を…
後で確認したところ、僅かに香り付けで【いも焼酎】なるモノをこの【サツマイモのケーキ】に使っているらしい、あくまでも少量だそうだが?
もしかするとソニア姫は酒に弱いのかも、そんな事を思っていると…
「オーイ、お子様たち~!
もうウチのホームパーティーはお開きだから、町の収穫祭に行って見ないか?
山バァのトコロの【キビ団子】が絶品らしいぞ!」
「あっ、お兄ちゃんだ!」
「アッキーの…おごりね?」
…どうやら、ご長男が気を利かせてくれたらしい?
酒が入ってしまっては、何かと子供達がいない方が良いかも知れない…
すると子供たちと入れ替わりで、見知った顔がやって来たのだ?
(いや、一応顔と肩書きは知っているけど。)
「やぁ、やぁ、やぁ、久しぶり日野さん!」
この町の名物町長が一升瓶をぶら下げて、野点の席に割り込んで来たのだ?
「…五田島か?
お前、呼んでないぞ?」
なんでも町長と日野室長は高校の同級生らしいのだが、あまり親しくないと服部君が個人的に作ってくれた資料にそう有った。
その理由は高校のクラスメイトだった室長の亡くなった奥方に町長がフラれたとか、相手にされなかったとか、まぁよく有る話しだ。
室長が異世界に転移してから、どうやらこのお宅には何かあると顔を出して、無意味な激励(嫌がらせ)をしていた節がある?
例えば、
「君のお父さんはどうせ帰って来ないのだから、この広い家は町で買い取って【古民家カフェ】なんかにして町に貢献しないかい?」的な事を言っていたとかいないとか?
現在では、見事なまでに(本人はそう思っている)手の平を返して、厚かましくも何か恩恵にあやかれないかと現れるそうだ?
…ったく、警備員は何をやっていたんだ、誤射でも良いからゴム弾の一つや百粒をおケツに撃ち込んでくれれば良いものを?
「…んん、おや、コレはコレはゴダジマ町長では有りませんか、急に町を挙げて大収穫祭を強行なさるソノ手腕には驚きましたよ!」
ハッキリ嫌味と分かる様に、アマネが笑みを浮かべて話しかけた?
「おや、どなたかと思えば【異世界職業紹介所】のアマネさんではないですか⁈
アナタもいらっしゃるとは?」
「ええ、色々とありましてね…」
…そりゃいるだろうよ、一応私もサクラ嬢とお見合いと言う事になっているのだから!
(但し、二人が不始末を起こさない様、私自身が道化師になるつもりで参加したのは私と服部くんしか知らない事だ…)
…まさか、このハゲ何も知らないでココまでやって来たのか?
「…申し訳ないが町長、今日はコチラの若いモノが縁あって茶の席をもうけたんだ、遠慮してくれないか?」
「ハハハ、何を言う?
オレたちの間に遠慮なんて無いだろ?
まぁ硬い事言わないで、オレも混ぜてくれよ。
実はお前さんに…」
室長こと【日野 鉄人】氏がコチラの世界に帰還した事で、この村…いや、この町は日本のみならず世界から注目を受けているのだ、過疎化とまでいかない田舎町が急激に栄え出したのはそんな理由なのは子供でも分かる事だ。
今、この人を味方に付けて置く事が自分に利があると思っての行動だろう?
「…町長、あまりハメを外す様なら…この先はありませんよ。」
我孫子道氏が睨みを効かして、町長のその先の言葉を遮った。
「な、何を物騒な事を言うんだ、福祉課の木端役人が町長に生意気な…」
…やはり、このお目出度町長は我孫子道氏を何か福祉関係の職員だと勘違いしている様だ?
我孫子道氏もご自分の身分をちゃんと明かしていないのか?
「…町長、アナタが今回この町を巻き込んでの【五つ塚地区収穫祭り】を盛り上げているのは構いません……が、今日の日野さん宅での【ホームパーティー】を巻き込むのはやめてもらいたい……私が言わんとする事、分かって頂きたい…。」
「ハ、な、何を言っているんだ⁈
そ、そんな事は全く考えてはいないぞ!」
それにアマネ⁈
僕の味覚も満更じゃないだろ?」
嬉しそうにはしゃぎ出して、元級友に話しかけるジーク?
「…たまたまだ、その辺のコンビニの抹茶オレと、格式ある【京抹茶】と【和三盆】を同一で語るな、この【お子様舌】がっ⁇」
つい、昔の様な辛辣な言葉でジークを落ち着かせるアマネ?
「…ふん、またアマネのイヤミが始まったか、ナンだ少しくらいコッチの世界に詳しくなったからって偉そうな!
そのイヤミなところは元の世界と変わらないな?」
と、割と冷静に見ているイオ?
以前なら、
「なんだと!
表に出ろっ、拳で白黒つけてやる!」
って感じだったのに?
コチラの世界に来て、少し精神的に大人になったか?
そう思えたアマネ、上司やサクラさんの手前、荒っぽいことは避けたい。
そう、二度と同じ過ちはしないのだ…
…と言うか、脳筋で野生的で本能で行動し、三人の中では【危機回避能力】だけはずば抜けていたイオがこの上司にナンの警戒もしていないとは?
…まさか、女に現を抜かして腑抜けたか⁈
などと考えていると、
「…どうぞ、我が家で収穫したサツマイモで作った【和服ケーキ】デス!」
日野家二女のメイヤ、三女マイヤ、五女サリーたちが小皿にシメの茶菓子を乗せて運んできた。
愛娘たちの愛らしい和服姿にウチの上司も御満悦だ…と思っていたら⁈
「…なぁオッサン、このケーキってのは子供の食いもんだろ?
だったら、オレはいいからよ?
この娘っ子たちに食わせてやれよ、オレは甘いモンより…
あ、そうだ!
あっちにオークモドキの揚げた肉が有ったよな?
俺はソレでいい、もう残ってないのか?」
「うむ、なるほど【トン唐】の事かな…酒のアテには申し分ないな?」
…この脳筋バカが⁈
やっぱり本能で喋りやがる!
折角娘サンらが運んで下さったお茶菓子にケチをつける様な事を?
しかも肝心の上司も割とノリ気味だ?
「大丈夫だよ、ルゥくんのお兄ちゃん!
メイヤたちの分もたっぷりあるし、お兄ちゃんも美味しかったらおかわりして良いよ!」
天使(エルフだが)の様な微笑みで自分達が作ったケーキを薦めるお嬢さんたち、
「娘もああ言っている、ひと口ぐらいは味見してくれないか?
まぁその後で大人のお楽しみと言う事にしないかな?」
おそらく娘の力作を「美味い!」と言わせたいらしい上司だか、呑みの誘いも継続している様だ?
「おっと! まさか【酒】か⁈
俺は酒には、ちょっとうるさいぞ!」
「ハハハ、それはいい。
ウチの倅はまだ呑ます訳にはいかないのでな、アハハ!」
…えっと日野室長?
何気に野良犬相手に好感触な?
ワタクシ、まだアナタ様からこの世界では部下との仲を円満かつ親睦を深めると言う【上司のお誘い】に誘われた事も無いのに、よりによってこの駄犬王子にこの世界の酒を振る舞うのですか?
「…あ、あの~、すいません、ボクは【お酒】は全く飲めないので、出来たらこのお茶のおかわりを……ください…ますか?」
時々ジャイアントレッドトードに飲み込まれたりしているアオトカゲ王子が何やらモジモジして、子供の様な事を言っているっ‼︎
そんなんだから、妹に舐められるんだゾっ!
…妹か、そういえば確か?
「…では、ジークさんの【お茶】は彼女に立ててもらいましょうか。」
「…彼女…ですか、そう言えばコチラのお宅にはまだお嬢さんがいらっしゃいましたね、その方で…す…かって、えっ、ええぇ~⁇」
すると、本宅の方から一人の着物を着た女の子がシャナリシャナリとお淑やかに歩いて、野点の席に現れた?
…や、やられた、してやられたぞ、コレは⁈
「…あ、あの、サクラお姉様、シェラお姉様、どうでしょうか、聖歌お姉様に手伝って着付けてみたのですが…
そ、その、へ、変ではありませんか?」
長い髪を軽めに結い、珊瑚玉の簪や鼈甲の櫛を髪にさし、恥ずかしそうにモジモジと話す女の子、そう彼女は…
「うわぁ~、ソニ子お姉ちゃんスゴくキレーだよ!」
「…ソニアさん、…さすが…【お姫様】デス、…このまま【成人式】が出来ま…す!」
メイヤたちやフランチェシュカがやんやと褒め称える…
ドラゴニュートの姫、ソニアの和服姿にその場にいた者、目を奪われていた…
日野鉄人氏に至っては、亡くなった前妻の面影と重なって見えていた…かな?
実はサクラやソニアたちが着ている着物や装飾品は全て彼の前妻のモノなのだ、なんでも代々母親たちから受け継いできたモノで、出産が済めば現在の妻メイデールが受け継ぎ、袖を通したいと言っている。
金髪エルフの着物姿…エキゾチックかつ魅惑的な気も…
いや、そんな不謹慎な気持ちでは無い!
おそらくそこには何か妻同士の…いやいや何を言っているのだ、オレは⁇
とにかくジークの妹君が着物姿で現れて、これからお茶を我々に振る舞うそうだが?
そもそもこの娘とイオの奴が、この近くの商業施設で再開し、騒ぎを起こしたのか今回の始まりなのだが…
「…ほう、またコレは美しい娘っ子だな、オッサンの家には何人娘がいるんだ?」
…オイ馬鹿犬王子、ナンでお前が気が付かんのだ!
「…イオ王子、お戯れはやめて下さい!」
「…ん、なんだお前【跳ねっ返りのお転婆ドラゴン】じゃないか⁈
…いや、本当に気がつかなかったゾ…へぇ~、いや美しい、化けたなお前⁈」
イオの奴、本当に失礼極まりないなぁ、またサクラさんに殴られれば良いのだ!
「…イオ様、女性の褒め方を少し学ばれた方がよろしいかと…
ソレではソニアさんの【勇気】
に対して礼が欠けています。」
…しかし、サクラさんは意外と言うか、今度は【言葉の拳】でイオの奴に殴りかかった様だ?
なるほど、あの時もこんな感じで事が起きてしまったのだろう?
「よ、よいのですお姉様、このイオ王子という方は、こんな言い方しか出来ない【粗忽者】なのですから!」
負けじと言い返すソニア姫、しかし着慣れない和服の所為か、今ひとつ普段の迫力が無い様だが?
日野室長のご家族の目を気にしているのだろうか?
「まぁまぁ皆さん、今日は折角の見合いの席です。和やかに行こうじゃないですか?
日野さん、こんなモノを持って来たのですが…」
何処で仕入れて来たのか、我孫子道サンが【越乃寒梅】なる日本酒と数人分の【ぐい呑み】を運んで来たのだ、しかも自分も和服に着替えて来た?
「おおっ!
その酒はこの国では特に美味いと評判の酒ではないか!」
別にイオ王子に尻尾は無いが、多分尻尾が生えていたら、間違い無くブンブンと振っているのだろうなぁ?
…それにしても今、「折角のお見合いの席」って、言っていたでは無いか?
しかも、
「そうだサクラくん、イオ王子にお酌をしてくれないかな?」
なんて言っているぞ、この自称【サクラの二人目の父】は?
「…そうですね、お詫びも兼ねて一杯くらいなら構いませんよ。」
まさかのサクラ嬢も満更嫌がって無い様だが?
…野点の席は、日野家の【日常】の様な状態に成り下がり始めた?
実は初めに秘書の服部くんから今回の【お見合い】の落とし所を聞いていたのだが、どうも聴いていたモノと違って来ている様だ?
…そう、こんな場面で我孫子道氏が【酒】を持って現れるなんて聞いていないのだ。
…確か、イオとソニア姫が幼い頃から極々親しい間柄とは知らずに、コチラの世界で偶然再会し、つい動揺して乱暴な態度になってしまったイオを見て、嫌がる女の子に不埒な事をしようとしている【来訪者同士】のトラブルだと思ってしまったサクラ嬢があの日の事をイオ王子に詫びる…そんな事を聞いていたのだが?
(まぁ、そう勘違いされても、仕方無さそうな言葉使いだったのは簡単に想像が付くし。)
…いつの間にか、野点の席は酒盛りに変わり始めていた?
イオと室長は差し向かいで、日本酒を手酌で呑み出して、ジークはジークで少女たちとケーキバイキング状態⁈
何故かワタシは…
「…もう、兄様たちには呆れてしまいましたわ!」
「…まぁそうおっしゃいますな、この世界での慣れぬ生活で、今日はつい羽目を外されたのでしょう?
こんな日も無いと、やってられないのは自分も同じです。」
「…我孫子道さま…、やはり男の方はアナタや日野のオジサマの様に【人生経験】がお有りでないといけませんねぇ…
それを兄たちに求めるのはワタシのワガママでしょうか、ねぇアマネ兄様ぁ?」
と、コレとはそこそこ長い付き合いだが、初めてみる【色香】の様なモノを漂い出してる龍人の娘にちょっと戸惑った自分?
「…ワタシに聞かないでくれたまえよ!」
何故かワタシの目の前で、小さなお茶会を開いてるソニアたち?
…ソニア姫、まさかキミ飲酒を…
後で確認したところ、僅かに香り付けで【いも焼酎】なるモノをこの【サツマイモのケーキ】に使っているらしい、あくまでも少量だそうだが?
もしかするとソニア姫は酒に弱いのかも、そんな事を思っていると…
「オーイ、お子様たち~!
もうウチのホームパーティーはお開きだから、町の収穫祭に行って見ないか?
山バァのトコロの【キビ団子】が絶品らしいぞ!」
「あっ、お兄ちゃんだ!」
「アッキーの…おごりね?」
…どうやら、ご長男が気を利かせてくれたらしい?
酒が入ってしまっては、何かと子供達がいない方が良いかも知れない…
すると子供たちと入れ替わりで、見知った顔がやって来たのだ?
(いや、一応顔と肩書きは知っているけど。)
「やぁ、やぁ、やぁ、久しぶり日野さん!」
この町の名物町長が一升瓶をぶら下げて、野点の席に割り込んで来たのだ?
「…五田島か?
お前、呼んでないぞ?」
なんでも町長と日野室長は高校の同級生らしいのだが、あまり親しくないと服部君が個人的に作ってくれた資料にそう有った。
その理由は高校のクラスメイトだった室長の亡くなった奥方に町長がフラれたとか、相手にされなかったとか、まぁよく有る話しだ。
室長が異世界に転移してから、どうやらこのお宅には何かあると顔を出して、無意味な激励(嫌がらせ)をしていた節がある?
例えば、
「君のお父さんはどうせ帰って来ないのだから、この広い家は町で買い取って【古民家カフェ】なんかにして町に貢献しないかい?」的な事を言っていたとかいないとか?
現在では、見事なまでに(本人はそう思っている)手の平を返して、厚かましくも何か恩恵にあやかれないかと現れるそうだ?
…ったく、警備員は何をやっていたんだ、誤射でも良いからゴム弾の一つや百粒をおケツに撃ち込んでくれれば良いものを?
「…んん、おや、コレはコレはゴダジマ町長では有りませんか、急に町を挙げて大収穫祭を強行なさるソノ手腕には驚きましたよ!」
ハッキリ嫌味と分かる様に、アマネが笑みを浮かべて話しかけた?
「おや、どなたかと思えば【異世界職業紹介所】のアマネさんではないですか⁈
アナタもいらっしゃるとは?」
「ええ、色々とありましてね…」
…そりゃいるだろうよ、一応私もサクラ嬢とお見合いと言う事になっているのだから!
(但し、二人が不始末を起こさない様、私自身が道化師になるつもりで参加したのは私と服部くんしか知らない事だ…)
…まさか、このハゲ何も知らないでココまでやって来たのか?
「…申し訳ないが町長、今日はコチラの若いモノが縁あって茶の席をもうけたんだ、遠慮してくれないか?」
「ハハハ、何を言う?
オレたちの間に遠慮なんて無いだろ?
まぁ硬い事言わないで、オレも混ぜてくれよ。
実はお前さんに…」
室長こと【日野 鉄人】氏がコチラの世界に帰還した事で、この村…いや、この町は日本のみならず世界から注目を受けているのだ、過疎化とまでいかない田舎町が急激に栄え出したのはそんな理由なのは子供でも分かる事だ。
今、この人を味方に付けて置く事が自分に利があると思っての行動だろう?
「…町長、あまりハメを外す様なら…この先はありませんよ。」
我孫子道氏が睨みを効かして、町長のその先の言葉を遮った。
「な、何を物騒な事を言うんだ、福祉課の木端役人が町長に生意気な…」
…やはり、このお目出度町長は我孫子道氏を何か福祉関係の職員だと勘違いしている様だ?
我孫子道氏もご自分の身分をちゃんと明かしていないのか?
「…町長、アナタが今回この町を巻き込んでの【五つ塚地区収穫祭り】を盛り上げているのは構いません……が、今日の日野さん宅での【ホームパーティー】を巻き込むのはやめてもらいたい……私が言わんとする事、分かって頂きたい…。」
「ハ、な、何を言っているんだ⁈
そ、そんな事は全く考えてはいないぞ!」
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※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
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〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
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あぁ、よくあるやつか。
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面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
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ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
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HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
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日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
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太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
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