俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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子生意気な天使でしたヨ?

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 子供の頃から恵まれた環境で育てきたアマネ。

 産まれた瞬間から【天上天下唯我独尊】なオレ様チャンだったのに、最初の挫折を味わったのは意外にも、なんとこの世界に訪れた時だったそうた?

 元の世界では、ソレまでの生活こそが最高のモノ、自分こそが至高な存在と思ってきたから……?

 翼人族の長の息子として生まれたアマネは自分たち以外の種族を下に見ていた。

 特にひ弱なヒト族や空を飛べない獣人族を…

 何故なら古くから翼人は【神の眷属】と呼ばれているからだ。

 知性や知能、戦闘力は神に次ぐモノだと言われていたし、そう思っていたのだが…

 強いてあげるなら、翼人と同じく【神の眷属】と呼ばれてるの龍人や人狼ぐらいが精々足元に及ぶ知れないと認識だけしていたが、ソレでも自由に天空を舞う自分たちが絶対的に至高の存在だと思っていたのだ…

 何故なら、アマネの周りにいた【お世話教育係】がそう言っていたから…。

 まぁわかりやすく言ってしまうと、甘やかされて育った金持ちのボンボンの様な環境だったのだ。

 加えて、アマネが幼少期から使の様に可愛いかった所為もあるが?

 だがアマネも馬鹿では無い、成長するにつれて、ソレは先人が積み上げてきた【過去の栄光】に寄りかかっているな体質だと気付き始めた。

 ソレでも自分は、自分は【特別】な存在だとしていた。

 
 この世界であの男に会うまでは…

 アマネは子供の頃から難しい書物を一度読めば内容は全て理解し、剣術なども直ぐに指導係を上回る実力が身につく程の【天才児】だったからだ。

 便宜上、人族ら一緒にゴブリンやオークの群れの討伐を行なった時も一番多く倒したのはアマネだった。

 ちなみに【アマネ】と言う名は、以前からやって来た女剣士から賜わった名だ。

 先代族長が同じく【異世界】から召喚された【勇者】とパーティを組んでいた時のパーティメンバーだった女剣士が、名付け親になってくれたらしい?

 女剣士も【勇者】と共に【異世界】から召喚された存在だったそうだ?

 邪神の眷属だった魔王を倒し、元の世界に帰る【勇者】と【女剣士】が、共に戦った戦友ともが頼まれてそれぞれの子供たちに名付けたらしいが、そのパーティの中には龍人や人狼の戦士、ヒト族の王族もいたらしい?


 「…お嬢さん、つかぬ事をお訊ねしますが?」

 アマネは先程から給仕をしてくれている獣人の少女…マイヤに訊ねてみたい事があったのだが?


 「はい、何か?」

 「アナタは何か武術の様なモノを身につけているのでは?」


 「…そのご質問にはお答え出来かねます、……乙女の秘密はヒミツのままが良いと、姉サマサクラから教わってますので。」 


 「…成る程、ソレはそうかも知れませんね。

 いや、失礼しましたお嬢さん、あまりにもアナタの動きに無駄が無いと言いますか、美しかったモノでつい…、無作法をお許し下さい。」


 …馬鹿な事を聞いたかも知れない、あえて聞くまでも無かったのに、ついこの少女と会話を楽しみたかったのだが、


 「…お気持ちは嬉しいですが、褒められる様な事でも、褒めてもらえる内容の教えでも有りません。

 …お気になさらずに…。」


 この年頃の少女とは思えない所作に何らかの【専門的】な教育は受けているだろうと思ったが、どうも悪いクセが出てしまったたアマネは申し訳無さそうに詫びた。

 少女の方も気にしていない様だ。


 「…先程美しい歌声を披露してくれたのは、【演目】だったそうだけど他にも何か披露して頂けるのですか?」

 「はい、後ほどとで、ご来席のお客様(お子様)にもお手伝いをお願いして【手品】をする予定です…まぁ【お遊戯会】みたいなモノと思って下さい。」


 

 日野家の敷地にわはソレなりに広い、普段から暁人が妹たちや友人たちとで、バーベキューだの、お庭キャンプだのしてワイワイやっているのだが、今回の【ホームパーティー】は駐車スペースも使っての【お祭り】なのだ、ちょっと企画の段階ではもう少しした内容だったが、暁人が


 「このサクラさんの、大騒ぎして有耶無耶にするからな!

 皆んな、頑張ってくれ⁈」


 と、何をどう頑張るのか、よくわからない盛り上げ方をしている?

 実のところ、【組織】の方々には日頃からお世話になっている、おそらくこれからも…

 出来れば【組織】では、我が家日野家の事でトラブルを起こしたく無いと苦肉の策として収穫祭を【ホームパーティー】と称して、今回のたちを招待したのだけど…


 「…やぁアマネくん、楽しんでおられるかな?」


 「……ひ、日野

 ハ、ハイ!もちろんです!」


 「…やはり、お義父さんのお知り合いの方なのですね。」


 「うむ、彼は今回サクラ君に【お見合い】を申し込んだ内の一人、【来訪者専用ハローワーク】でのお父さんオレの同僚のアマネ室長さ。

 アマネ君、紹介しよう、

 舞野マイヤだ。」



 ……。


 「……娘…さん?

 日野室長…のお嬢…さんですかッ?」


 それは只者ではないはずたよ⁇


 「コレは知らない事とはいえ、大変失礼な事を!

 ワタクシ、翼人族の【アマネ】と言います、お父様には日頃から大変お世話に…」


 …まさか、この少女がこの自分を挫折のに叩き落とした男の養女だったなんて⁈

 いや、多少の予測はしていたのだが、日野室長はどれだけ【来訪者】を養女として受け入れているのだ?


 エルフを後妻に迎えて、早々に身重にしたらしく職場の女性たちが色々と良い意味での噂話しをしているのがでも耳に入るのだ?


 その度に思い知らされる、が狭い世界そらで飛び跳ねていた事かと…。



 「……ネ様、……マネ様⁇」

 「アマネくん、どうした?」


 「はっ、いえ、ちょっと、この焼き菓子の美味さに心奪われておりました…ハハ…。」

 つい、苦しい言い訳をしてしまった…のが、意外な事が起こってしまう?

 「…ソレはが焼いたモノ…なんです。」


 幼い【クールビューティー】が年相応の愛らしい表情を見せてくれた…⁈

 「いやぁアマネくん、中々舌が肥えているねぇ?

 このクッキーはな、この子が試行錯誤して作った【稲子クッキー】なんだ。

 原型がわからなくなるまで石臼で粉末にして、小麦粉やスリゴマなどの配合が絶妙だと、サクラさんも褒めていたぐらいなんだ。

 しかも栄養豊富でカラダにも良いそうだよ!」


 …親バカなんだな、娘が作った物をで褒めたとは思っていない訳でもないだろうに、本気で喜んでおられる様だ⁈

 ……イナゴ…175だろうか?

 まぁに美味いのだから問題ないだろう…

 後で服部くんに聞いてみようか?


 「…あ、あのな部下にも食べさせてあげたいので、もし差し支えなされは、少しこのクッキーを分けて頂けませんか?」


 「ハイ、喜んでッ‼︎」


 …そう言うとまるで天使の様な笑顔で舞野さんは答えてくれた。

 …天使の様な…か…?

 確かにソレはあの子にこそ相応しい形容詞だと思ってしまった。



 お土産用に包んでくると彼女が家の中に入っていく、当然その場に取り残された自分アマネと日野室長お父さん


 「…アマネくん?」

 「ハイ、日野室長!」

 「そう硬くならずとも…

 まさかと思うが、サクラさんとの【見合い】の前にの娘にも手を出そうと言う訳ではないだろうな?」


 「…室長、いくらワタシでも、あの様に可憐で幼い少女に事をすると、本気で思われるのですか?」

 「…いや、念の為だよ、念の為。」


 「…お嬢さんを心配されるお気持ちはわかりますが、いくらなんでも…。」

 「すまんすまん、そう怒らんでくれよ。

 娘を心配する親心から……」

 「確かに、あと数年もすればとても素晴らしい【レディー】になるのは間違いないでしょうが、今はまだ事をさせてのがよろしいかと?

 でないと、の様な小生意気な使になってしまうかも知れませんよ?」
 
 「…どう言う意味かね?」

 「お嬢さん、特殊な訓練をされてますね、そして右眼は義眼では?」


 「流石だな、この世界に来る前のあの子は【暗殺者アサシン】として義父に育てられていたそうだよ。

 だからこそ、ウチの子供たちと分け隔てなくに育てているつもりなんだかなぁ…中々難しいのさ。」


 …この世界に来たばかりの頃、前の世界とあまりにもかけ離れている事に、ウンザリしていた?

 先ずは【魔法】に関する学問が全く無かった事だ……。

 ソレもそのハズ、この世界では【魔法】を使う為の【魔素】が著しく少ないのだ、ソレでよくこの世界の者は生活出来るなと思ってしまったが、この世界には【魔法】よりも簡単で、誰でも同じ様に使える【科学】が存在していたのだ⁈

 ソレならばと、剣に覚えがあると言う日野室長と【訓練】と言うカタチで模擬戦をしてみれば、もう話しにならないならない⁈

 強すぎる、おそらくはの勇者並みの強さだ!

 故郷から持ち込めた唯一の宝剣に対して棒切れ木刀で挑む室長に、ものの数分で叩きのめされたのだ!


 聞けばワタシたちの世界とは別の【異世界】でしばらくの間、冒険者をされていたらしく、グリフィンやドラゴンと素手で戯れあった事もあるとか、魔神とアームレスリングをしたとか、様々ながあるらしい⁈

 どこまで本当がわからないが、その後も度々模擬戦を申し込み、リベンジを試みたが、今だに一勝も出来ないのだ⁈

 室長もまた言い方を変えれば【来訪者】とも呼ばれる存在なのだが、異世界に転移し再び【元の世界】に帰れた人物の話しなんて殆ど聞いたことが無いし、その当人に出会ったなんて初めてで知れば知るほど、自分が本当は狭い【世界】で甘やかされ育ち、愚かで【無知】であったと思い知らされるばかりだった……。


 「…流石アマネ君だ、その見識にはいつも驚かされるよ。

 まぁソレはソレとして、まさかと思うが…

 舞野の事が、気になるのかな?

 随分とよく見ている様だが?」


 …しばらくなんて事もない会話をしていたのだが、突然日野室長がお嬢さんの事について質問されたのだが…

 …もしや、何か疑われているのか?


 「…あ、あの室長?」

 何故か肌がチリチリする、何か身の危険を感じる所為かが立ってきた?


 「…アマネ君、舞野はまだ若い、そういう対象としては早ずぎると思うのだよ…、いくらサクラ君との【旗色】が悪そうだからと、舞野に乗り換えるとか……」

 日野室長、顔は笑っているが【圧】が凄い⁈


 「室長、心配し過ぎて可笑しな事を仰っていますよ⁇」 


 「…ははは、いやスマンスマン。

 考え過ぎたかな?」



 どうやら室長はの事には怒りの沸点は低いようだ?


 をからかうつもりで、この【お見合い】に横槍を入れたのは間違いだったかも知れない?



 「お待たせしました!」

 小さな包みを持ってマイヤさんが戻ってきた、その瞬間空気が和らいだ?

 助かった…直感的にそう思えた。

 その時見えたマイヤ嬢の表情は決してクールビューティー冷たい微笑などではなく、正に【天使の微笑み子供らしい笑顔】であった…
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