俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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芋掘りは任せろ‼︎

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 …なんて感慨深いのだろうか‼︎

 あの日、非常識にもサツマイモ畑になるとは知らずに踏み荒らしてしまったに再び足を入れる事になるとは⁈


 東京での就活に失敗した私は、で募集の有った【臨時バイト(社員雇用もアリ)】に一理の望みをかけるも、社員寮の居心地の良さにだらけてしまい、色々と社内ルールやのマナーを乱してしまった。

 結果的に東京にある【富士見ケミカル】が所有する大きな【備蓄倉庫】の倉庫管理作業部にさせられてしまったのだけど。


 同様な立場に有った二人のバイトは、すでに耐えきれず逃げた様でその後会っていない…。


 …不思議なのは、はクビにならないドコロか、(仮)では有るが【準社員】として働かせてもらえる事になったのだ⁇

 「バイトのままだと、社の規則での【拘束】や【罰則】など受けさせるのに、色々と不都合が有りそうなので、そうしました。

 …フランチェシュカお嬢様に良く御礼を言っておきなさい。」


 …そう上司に言われて、今日は【富士見ケミカル】のとして今回のパーティーの【お手伝い】に来ている。

 

 …あの時のご迷惑を謝らないと!

 そう上司に言って、今回のお手伝いを買って出たのだけど…



 「オイ、サボるなよ⁈」

 早速、あの時揉めた男の子と嫌な雰囲気になってしまったのだった⁈

 男の子はこのお宅の長男で【アキト君】、新しいのお母さんや妹さんの面倒もよく見ている、とても真面目で良くできた高校男子だ⁈

 「さ、サボってませんよ!

 ホラ、もうこの【石焼き芋窯】の使い方だってマスターしましたし、汚名しますよ!」

 「ソレを言うなら、【汚名返上】な。
…挽回するのは名誉、【名誉挽回】な。

 アンタ、ホントに大学出てるのか?」

 …良い子のハズなんだけど、ワタシにはが強い⁈

 「ちょ、ちょっとした間違いじゃない⁈」


 …い、いけない⁈

 本当なら、このアキト君にも謝らないといけないのに、からこの調子なのだ⁈

 「…そろそろ次のを焼き始めてよ?

 今【芋掘り体験】している人がこの後でを食べられる様に。」

 「もうやってますよ!」


 …あっ、いけない…

 今のは『わかりました。』と答えるべきだった…、つい、…



 コチラに来た日に、早々にフランチェシュカお嬢様に今までの詫びと御礼を言った…ら、


 「…あ、あのね、…アッキーにも…ちゃんと謝ってね、……あのお芋畑は、亡くなったお母さんとの思い出や…今まで面倒を見てくれた…サクラさんとの思い出の場所でも有るの…。」

 アキト君はこの五年間、異世界に囚われたお父さんの帰りを最初は一人きりで待っていたそうだ、途中から【異世界管理局】の職員でもあるサクラさんが家政婦として同居してくれらしい?

 本当のお母さんはアキト君がまだ幼い頃に亡くなったそうだ。

 あの場所は、お母さんと家庭菜園でトマトとか作っていた場所らしい。


 …正にそんな場所を私(たち)は、土足で踏み荒らしたのだ…

 もちろんお嬢様に言われ、直ぐに謝罪しに彼の所に行ったのだけど、顔を合わして数秒で最悪な空気になってしまった?


 「シャーーッ‼︎」

 彼と一緒にいた猫耳の幼女に私は威嚇されてしまったからだ⁈


 私はこの子の事を覚えていなかったのだけど、この幼女もあの時にその場にいたらしく、どうやら私の事を『敵』としてされてるのだとか、そうアキト君に説明された?

 「…この子が落ち着かないので、一度離れてもらえます?

 ココに来たはフランさんから伺ってますから。」


 当たり前だけど、ここまでハッキリ【壁】を作られると流石のも凹んでしまう…



 「、アナタには当日【焼き芋係】をお願いする事にしました。」


 …落ち込んでいる加東カトウ 亜美アミ】の元に来て、そう告げたのは、


 「…カトウさん、…この人が【サクラさん】だから、……この人の指示に…従って…ちょうだい…、

 有る意味、……ココで1番【エライひと】…だからね!」

 そうフランお嬢様に紹介された!

 こ、このすんごい美人が、サクラさん⁈

 いや、ココ美人多すぎでしょ⁇

 このサクラさんもだけど、お腹に赤ちゃんがいるエルフの奥さまとか、身長2メートルくらい有りそうなポニテの褐色美人とか、たくさんの異世界美少女隊とか?

 いや、さっきの猫耳幼女も美幼女だったけど?


 コレではワタシみたいなが更に悪目立ちしてしまう⁈

 何気に今まで就活が上手くいかなかったのは、この【悪役令嬢】の様な顔の所為かなとも思っているくらいで、ソレこそお金が有れば、整形したいくらいなのだから?


 「…この【石焼き芋窯】はが生まれる前から使われていた物です。

 実際にに積まれていた物をワタシのが元の持ち主の方からで譲って頂いた物だそうです。

 あちこち痛んでいた箇所は、皆んなで修理して使様にしたんですよ。」



 …この後、サクラさんの『親切・丁寧』な指導でこの窯の使い方を教わると、当日失敗しない為とサツマイモ以外に何かバリエーションを増やせないかと、鬼連チャンで試し焼き試食会が始まってしまった⁇

 「…そうですね、この鍬に刺さって見栄えの悪いお芋から焼いていきましょうか?

 他にもジャガイモにリンゴ、バナナに唐もろこし、…焼き蜜柑って有りませんでしたっけ?

 そうそう、浦島さんから『キノコ』を頂いたんでしたわ!」


 …た、楽しそうだな、サクラさん?

 もしかして見かけに寄らず、かなりの『食いしん坊』なのかしら?



 明日のパーティーの準備の為に駆け付けていたサクラさんのも試食に加わり、その間にワタシはひたすら様々な食材を焼き続けた…⁈

 最初こそワタシも試食出来たが、中盤からは今ナニを焼いているのかわからないくらい様々なモノを焼いていた様な…



 「…倉庫の隅に捨てるつもりでにしてあったモンも焼いたのか?」


 アキト君が青い顔して私たちの所にやって来ると、誰が持ってきたのか分からない段ボール箱を差し示した?

 「…あ、ソレ俺だ。

 でも美味かったぜ、まぁ多少傷んでいても、【熱を通せば大丈夫だ!】ぜ‼︎」

 ……昔、ウチのおばあちゃんもそんな事言っていた様な?

 昭和なご意見を耳にし、アキト君は呆れて、

 「…お腹痛くなった人は言って下さいね、から良く効く薬をもらって来ますから…。」


 そう言って、自分の担当箇所に戻って行った?

 「…えっと、カトウさんは大丈夫かな?」

 大丈夫発言した男性から心配されるも、

 「はぁ、まぁ途中から焼くのに夢中で、食べていませんでしたし?」

 「そ、そっか⁈

 まぁ俺たちは我孫子道から『特攻野郎』も顔負けなサバイバル訓練を受けてるからな、多少の毒性には耐性がある‼︎」


 「…それ、試食の意味有ります?

 毒味にもなって無いですよ?」


 こんな事もあり、食材はアキト君が吟味した物を使う事になった……当然だけど。


 ちなみにご近所のお爺さんからもらった『キノコ』は【ブナシメジ】と言うキノコで毒キノコでは無かった。

 ただ、私が知っている『シメジ』とは随分とサイズが大きく、肉厚だった!

 …食べたかったなぁ~。



 そんなこんなでパーティー当日、私は地味な作業着を着てひたすらサツマイモやバナナ、リンゴなどを焼いていた。

 もちろん各食材毎に火加減は違うし、燃料は廃材を利用したし、前日にひたすら割った薪だったりするんで、煤だらけになっている。

 しかも熱い!

 疲れたが……なんだろう、何か充実感が有るのだ⁈



 「…加東さん、そろそろしますよ。」


 来客のお子様たちとサツマ芋掘りを終えたアキト君が、芋焼きを交代してくれるそうだ?


 「はぁ、ありがとうございます?」


 「…着替えも用意してありますから、良かったらウチの【温泉】入って来てくださいよ、ずっと入りたかったんですよね?」


 ……?

 「え、えっと、良いんですか⁈」

 「…あの、ガキっぽい態度を取ってしまってすいませんでした。

 加東さんがあの時の事を反省して、今回手伝いに来てくれたとフランさんに聴いてはいたんですが…

 俺、ホントにガキでした、スンマセン!」

 アキト君、深々と頭を下げて謝ってくれた⁈

 …そもそも悪いのはワタシだから、アキト君がそんなに謝る必要は無いのに…

 よく見るとアキト君、可愛い顔してるのよね?

 こんな弟がいたら、楽しそうだなぁ、時々ケンカしたり、オカズの取り合いしたりとか…

 「え、いや、その、わ、私こそ、その節はごめんなさい!

 こんなに美味しいお芋が育つ畑を踏み荒らしたり、色々とマナーやルールを守れなかったりと、ご迷惑をかけてしまって!」


 「あとは代わりますから、ゆっくり浸かって来て下さい!」

 貸してくれた着替えとは、なんと女物の浴衣だった。

 落ち着いた色合いで、おそらく藍染と言うのだろう?
 なんか良い感じに着古した、ソレでいて古そうだけどな浴衣だったよ。

 誰のだろう、あのエルフのママさんやサクラさんの物とは思えない、そんな感じがした?


 …まさか亡くなったお母さんのとか…

 「良いの、こんなの借りて?」

 「えぇ、この手のモノは使い込む事で、がでるそうですよ。

 さぁ、この後はそのままパーティーに参加して下さい、他の『お手伝い組』の人も交代でパーティーに参加してますから。」




 お言葉に甘えて、ワタシは入浴を希望していた日野家の【露天風呂】へ向かった!

 おそらくワタシ同様にお手伝いにきていたが【サツマイモ掘り】に参加したであろうのちびっ子達を連れて脱衣所に入って行った。


 まぁあのくらいのちびっ子なら、に入っても問題無いかな?
 

 私はその後を追う様に脱衣所で服を脱いで、念願の天然温泉に…


 「…えっ⁈」 







 暁人は加東に代わってサツマイモや、希望に応じて【焼きリンゴ】や【焼きバナナ】を焼いていた。

 「…ふう、カトウさん今頃は温泉を堪能してるかな……?」


 暁人自身もパーティーに訪れた【来訪者】のお子さんやルゥたちと【サツマイモ掘り】をして、そこそこ土で汚れていたし、ちびたちと入浴したかったが、彼女の方が朝からずっと熱い窯の側で芋を焼いていたのだ、水分補給はしていたハズだが女の人が長時間汗だくでは申し訳ない。

 そう思ってサッパリして欲しかったのと、何か仲直りのキッカケが欲しかったのだ…が?


 「…あれ、何か忘れてる様な?」

 加東の汗だくの顔を見て、咄嗟に思い付いた案だったのだが…



 「…フゥ、なぁゼン?」

 「…フゥゥ~~…、なんですか?」

 「フフ、どうやらお前もココの湯が気に入った様だな?」


 日野家自慢の露天風呂の湯にすっかりリラックスしているイケメン獣人のお二人だった。
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