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…ちなみにぃ〜?

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 炎の料理人、鉄板の魔女、【大神 響】が支配するテーブルの前から動けなくなっているオークの青年がいた⁈

 「ブヒブヒ、このお肉の焼き方絶妙ブヒ!

 間違いなく中はなのに、しっかり熱が通ってるブヒ?

 だから肉汁がジューシーなのブヒね‼︎

 こちらのも美味しいブヒよ!」


 …ちなみにぃ~?

 最近この地域に引っ越して来た【オークの猪原サン(17歳)】はこの近所の養鶏場で働いてる。

 後継ぎがおらず、養鶏場を廃業しようと考えていた農家さんの元に研修生として働いてくれているのだ。

 他にも同じ様に様々な種族の方々が【後継ぎ問題】を抱えてる農家サンを助けてくれる様だ?

 猪原サン、後々その養鶏場を継げると良いね。

 ソレこそ可愛いでも貰って…

 オークのお嫁さんかぁ~?

 そう都合の良くオークの女の子が転移してくるかなぁ?

 「ねぇ、この沢庵も食べてみてよ!

 ウチのおばあちゃんの特製なんだから!」

 「じゃあ、コレも食べてみる?

 イナゴの佃煮だけど?」

 「うん、ありがとうブヒ。」

 招待されたメイヤちゃんのクラスメイトにモテモテの【イノっち】こと【猪原 トオルサン】⁈

 オークと言っても、凶暴なモンスターでは無く、気は優しくて力持ちで優しい笑顔が今日もイケてる好青年なのだ。

 見た目も体格は小柄なお相撲さん、顔もちょっと大きな鼻が少し上を向いてるだけで、古い【西遊記】のドラマに出演していた【猪八戒】みたいな感じで、ちょっこと見えてる八重歯が可愛い⁈

 とても働き者だと、農家サンの間でも評判良いです。

 だからって、まさかねぇ?




 どうやら【農家】に強い労働意欲を持ったが集まりつつあるみたいで、この地域もかなり活気出してきた様だ⁈


 その中でも、猪原サンは珍しいケースの様で、他国の話しだけども、実際に凶暴なモンスターがコチラの世界に転移して、会話等コミニュケーションが取れずに、仕方なくした件も有るそうだ。

 
 現在では転移して来た【来訪者】の方々の協力で【翻訳ツール】の開発が進んでいるらしい?

 コレで会話が出来無くて、悲しい結果になる事が減るだろうと考えているらしいが実際の所、割とコチラの言葉が通じてる、いや、アチラから来た【来訪者】の方々も普通にコチラの【言語】を理解し、会話出来てるのだ?


 コレはとても不思議で、研究家の間でもかなり興味深いと話題になっているそうだ。

 ある研究家の意見では、異世界を渡った事で何らかの【進化】が【来訪者】に起きたのではないかと、ラノベ小説の様な事をで言っている人もいるそうだ?

 魔王を倒しに来た勇者でも有るまいし…と、失笑する研究家もいるそうだが、もし【来訪者】の方がコチラに来たのが、【災害】では無くて【神の意思】だとしたら、その理由は何なんだろう?

 
 「ブヒ~、もうお腹いっぱいブヒ。

 もぅ食べられないよぉ~ブヒブヒ?」


 「へぇ、その割にはザッと[三十人前]は食べてるゼ、ブタのお兄さん⁈」

 さすがの響も驚いてる様だ?

 「お嬢さんの料理が美味しかったからブヒよ。

 いつもはこんなに食べられ無いブヒし、の世界でも、こんなに美味しいモノは無いブヒ、きっと…。」


 何かを思い出してる様な猪原サン?

 何か元の世界に、辛い思い出でも有るのか?
 

 「なぁ、ブヒブヒ兄さん、シメに特製の【豚バラチャーハン】が有るんだが、どうする?」


 「な、なに!

 特製チャーハンだってブヒ!

 絶対食べるブヒよ!!」



 …おい、もうお腹いっぱいじゃないのかよ?


 「…その特製の[豚バラチャーハン]とやら、このワタシにも食べさせてもらえないだろうか?」


 「…ブブヒ、き、君はっ⁇」


 猪原サンと同時期にこの地域に移住して来た【来訪者】は少なくない…

 「へぇ~、立派な角があるけど、【オーガ】で間違い無いかな、?」

 再び響のヤル気に火が付いた?

 この、只者では無いとっ⁇

 自分と同じがする、まさか…フードファイターか?


 「…も。」

 「…も?」

 「…もう~、すんごくお腹が空いてるのダァ~~⁈

 ココまでくるのに飲まず食わずで歩いて来たのだあ、早く何か食わしてくれ~‼︎」


 …はぁ?

 すると呆れ顔で我孫子道が近づいてくる?

 「…角田サン、コチラへの移住が決まったとは言いましたか、貴女の住まう【来訪者マンション】は来月完成なのですよ、まだ東京いるとばかり…

 …ん、歩いてきた?」

 「おぉ、我孫子道殿!

 そうなのだ、いただいた金銭は駅前でご婦人たちに差し上げてきたのだが……、」

 「…差し上げた?

 …やれやれ、【募金活動】の事ですかな?」

 「た、多分ソレだと思う、何でも幼な子の為にに難しい手術の費用を集めているとか…で、誤って貰った金銭全てに突っ込んでしまったのだ、今更返してくれたも言えないので歩いて来たのだが……」


 「…角田サン、その募金活動は何処の駅前で行われていたのですか?

 まさか東京、いや上野…?」

 「ん、我孫子道殿の家の側だと思うが…」


 「…何故、私の家の側何です?」

 「ん、いや、この間貰った煎餅とやらが美味かったので、また食べたくなってな、自分で買いに行ったのだが…」



 「…アビコさん、あんたンチって何処なん?」

 疑問に思った響が訊ねると、


 「…千葉県の野田市と言う所ですよ、醤油の町とか言われてますね、ソレもあってか【手焼き煎餅】のお店が盛んだったんですよ、…昔はね。」

 「ああ、聞いた事あるさ…で今は?」

 「…昔ほどは多く有りませんが、その分、名店が残りましてね。

 …えっ、すると千葉からここまで歩いて来たのですか?」


 「うん、だから腹ペコなのだが…

 いや、走っても良かったんだが、周りに迷惑をかけそうなのでな……で、早く食わせてくられろらろ……がくっ!」



 「ああ、オーガの姉ちゃん、しっかりしろ!

 何だ何だ、腹が減り過ぎて目を回しちゃったぜ?」




 …やたらと高スペックな人材もいれば、なんか色々と残念な人もいる様だ?


 この後、体格だけならオーガと見違う聖歌サンに抱き抱えられて、オーガの角田サンは臨時の救護室に寝かされる事になった。


 何がどっちがどっちなんだか?

 
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