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パーティー前日なんだが?
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…どうした事か、弟君達が何処かへ遊びに出かけてしまったのだが?
人狼族の第三王子イオのお目付役で兄貴分でも有るゼンは、明日の【ホームパーティー】にイオが粗相をしない様にコチラの常識を再度脳筋王子にレクチャーしていた?
三つ子の小王子たちは施設内の【保育所】で色々と教わっていたのが良かったらしく、意固地な兄よりこの世界に順応しているみたいだ⁈
現在は【来訪者】を支援する【組織】が提供してくれたマンションで暮らしている。
この建物の中には入居者が無料で使える様々な【共同施設】が有る。
スポーツジムや図書室、カラオケに病院…等々と我々【異世界人】を囲い込もうとしている魂胆が見え見えだ。
単純に優遇されていると言う訳でなく、この国に有益な情報や知識、我々固有の能力を使用しての労働に対しての報酬の様なモノなのだろう?
その辺も重々承知してココに住んでいるのだが、どうもイオ王子だけがその辺りをよく理解していないのだ?
あの幼い弟君さえ、詳しい事が分からずとも何かを肌で感じていると言うのに!
おそらくだが、弟君たちはこの世界での自分たちの【テリトリー】を探しているのだろう?
積極的に表に出ては、近くの公園や商業施設を見てきている様だ?
また、兄よりも早くコチラの世界で【友達】を作っている様だ。
自分の予想では、元の世界に帰る事は絶望的だと考えている、過去に【次元の狭間】や【次元の穴】に飲み込まれて無事に帰ってきた者はいなかったのだから…。
中には片腕だけを残して、突然現れた狭間に飲み込まれた者もいるくらいだ!
本当に五人が五体満足で転移出来た事を喜ばなくてはいけない⁈
差し当たっては、自分は各異世界から訪れたばかりの不慣れな【来訪者】たちのサポートする【エージェント】と言う職を与えられた。
又、この国の職員と共に、ココとは別の国に転移し、同様の職に就いた異国の外交官らの対応などもをしている?
実は元の世界では、父と共に多種族との【調停】など行った経験もあるのだ。
新しい生活も左程困難では無いかも知れない…あの脳筋王子を除いては⁈
「…ゼン、どうした?
急に黙り込んで、ハラでも痛いのか?」
「…いえ、ちょっと一抹の不安が…
イオ、もう一度聴きますが、本当にあの女性をお妃に迎えたいのですか?」
「…フン、もう何度目だ?
アレほどのメ…オンナはそう居ないハズだ!
なら、我がモノにするのが当たり前だろう!」
…半ば、意地になっているのだろう?
確かにこの世界の女性と婚姻を結ぶのは良い事だろう、しかし何か嫌な予感がするのだ?
職場の同僚に龍人族の王子も同じ女性を妃に迎えたがっていると聞いた、しかも明日のパーティーに出席するらしい?
勿論、争い事は避けたい。
幸い、龍人族の王子は争いを好まない性格だ、問題は…
「…そう、問題はあの姫君なんだよなぁ⁈」
「………はぁ~~っ。」
「…ジークどうした、溜め息なんてついて?」
「なぁロム、明日のパーティー、体調が優れないと言って断れないかな?」
この二人、周りに誰も居ない時は心を許した【友人】として過ごしている、ソレは妹のソニアも同様で……別にBLな関係とかでは無い。
「お前なぁ、この期に及んでソレはダメだろ?
気が進まないなら進まないナリに、会うだけ会ってフラれてくればいいじゃないか?」
アッケラカンとロムが答えると、
「ソレだと妹が怒り出すだろ、ボクに⁈
…アレ、そう言えばソニアは何処に?」
「何でもコチラで親しい友達が出来た様だよ、良い事じゃないか。」
「…ソニアに…と、友達が?
へ、へぇ、不思議なこともあるモンだね?」
…どう言う反応だ?
「…ソニアが心酔している女性…どんなヒトなのか、確かに会っては見たいんだ。
ただ、結婚となると話しが複雑に成るだろ?
今はココでの生活を堪能させて欲しいんだ、この世界は刺激に溢れている!」
「…その意見はわからなくも無いけど、ソレならソレで、コチラの女性と試しにお付き合いするのもアリなんじゃないか?」
「…だから、しばらく色恋沙汰は遠慮したいんだよ、知ってるだろ!」
「…ハハ、まだあの事引きずってるのかい?」
実はこの世界に来る前に、彼は他種族の女性から【猛アピール】されていた事がある。
自分の事を好きになってくれたからでは無く、ただ【龍人の血脈】を自分の一族に取り入れたかった【戦闘民族】だそうだ。
とにかく精力的にアピールしてくるモノなので、その豊満な色香にヤラレそうになったが、あくまで彼女が欲しているのは【龍人の遺伝子】だ⁈
自分と子を成せば、また別の強い種族のオスをたらし込むのだろう?
実際、彼女も複数の種族の特徴を受け継いでいた【亜人】であった。
生まれ育ちはこだわらないつもりだった、始まりがいびつでも一生添い遂げられるなら…
しばらくドタバタした日々が続き、彼女に気持ちが傾き始めた頃に他にも取り入れたい【血脈】が在るのだと知らされた。
そう、彼女に自分だけに添い遂げる、そのつもりは無かったそうだ…
「…もう、【戦闘狂】はこりごりだよ。」
そう寂しそうに呟くと自室に篭ってしまうのだった。
人狼族の第三王子イオのお目付役で兄貴分でも有るゼンは、明日の【ホームパーティー】にイオが粗相をしない様にコチラの常識を再度脳筋王子にレクチャーしていた?
三つ子の小王子たちは施設内の【保育所】で色々と教わっていたのが良かったらしく、意固地な兄よりこの世界に順応しているみたいだ⁈
現在は【来訪者】を支援する【組織】が提供してくれたマンションで暮らしている。
この建物の中には入居者が無料で使える様々な【共同施設】が有る。
スポーツジムや図書室、カラオケに病院…等々と我々【異世界人】を囲い込もうとしている魂胆が見え見えだ。
単純に優遇されていると言う訳でなく、この国に有益な情報や知識、我々固有の能力を使用しての労働に対しての報酬の様なモノなのだろう?
その辺も重々承知してココに住んでいるのだが、どうもイオ王子だけがその辺りをよく理解していないのだ?
あの幼い弟君さえ、詳しい事が分からずとも何かを肌で感じていると言うのに!
おそらくだが、弟君たちはこの世界での自分たちの【テリトリー】を探しているのだろう?
積極的に表に出ては、近くの公園や商業施設を見てきている様だ?
また、兄よりも早くコチラの世界で【友達】を作っている様だ。
自分の予想では、元の世界に帰る事は絶望的だと考えている、過去に【次元の狭間】や【次元の穴】に飲み込まれて無事に帰ってきた者はいなかったのだから…。
中には片腕だけを残して、突然現れた狭間に飲み込まれた者もいるくらいだ!
本当に五人が五体満足で転移出来た事を喜ばなくてはいけない⁈
差し当たっては、自分は各異世界から訪れたばかりの不慣れな【来訪者】たちのサポートする【エージェント】と言う職を与えられた。
又、この国の職員と共に、ココとは別の国に転移し、同様の職に就いた異国の外交官らの対応などもをしている?
実は元の世界では、父と共に多種族との【調停】など行った経験もあるのだ。
新しい生活も左程困難では無いかも知れない…あの脳筋王子を除いては⁈
「…ゼン、どうした?
急に黙り込んで、ハラでも痛いのか?」
「…いえ、ちょっと一抹の不安が…
イオ、もう一度聴きますが、本当にあの女性をお妃に迎えたいのですか?」
「…フン、もう何度目だ?
アレほどのメ…オンナはそう居ないハズだ!
なら、我がモノにするのが当たり前だろう!」
…半ば、意地になっているのだろう?
確かにこの世界の女性と婚姻を結ぶのは良い事だろう、しかし何か嫌な予感がするのだ?
職場の同僚に龍人族の王子も同じ女性を妃に迎えたがっていると聞いた、しかも明日のパーティーに出席するらしい?
勿論、争い事は避けたい。
幸い、龍人族の王子は争いを好まない性格だ、問題は…
「…そう、問題はあの姫君なんだよなぁ⁈」
「………はぁ~~っ。」
「…ジークどうした、溜め息なんてついて?」
「なぁロム、明日のパーティー、体調が優れないと言って断れないかな?」
この二人、周りに誰も居ない時は心を許した【友人】として過ごしている、ソレは妹のソニアも同様で……別にBLな関係とかでは無い。
「お前なぁ、この期に及んでソレはダメだろ?
気が進まないなら進まないナリに、会うだけ会ってフラれてくればいいじゃないか?」
アッケラカンとロムが答えると、
「ソレだと妹が怒り出すだろ、ボクに⁈
…アレ、そう言えばソニアは何処に?」
「何でもコチラで親しい友達が出来た様だよ、良い事じゃないか。」
「…ソニアに…と、友達が?
へ、へぇ、不思議なこともあるモンだね?」
…どう言う反応だ?
「…ソニアが心酔している女性…どんなヒトなのか、確かに会っては見たいんだ。
ただ、結婚となると話しが複雑に成るだろ?
今はココでの生活を堪能させて欲しいんだ、この世界は刺激に溢れている!」
「…その意見はわからなくも無いけど、ソレならソレで、コチラの女性と試しにお付き合いするのもアリなんじゃないか?」
「…だから、しばらく色恋沙汰は遠慮したいんだよ、知ってるだろ!」
「…ハハ、まだあの事引きずってるのかい?」
実はこの世界に来る前に、彼は他種族の女性から【猛アピール】されていた事がある。
自分の事を好きになってくれたからでは無く、ただ【龍人の血脈】を自分の一族に取り入れたかった【戦闘民族】だそうだ。
とにかく精力的にアピールしてくるモノなので、その豊満な色香にヤラレそうになったが、あくまで彼女が欲しているのは【龍人の遺伝子】だ⁈
自分と子を成せば、また別の強い種族のオスをたらし込むのだろう?
実際、彼女も複数の種族の特徴を受け継いでいた【亜人】であった。
生まれ育ちはこだわらないつもりだった、始まりがいびつでも一生添い遂げられるなら…
しばらくドタバタした日々が続き、彼女に気持ちが傾き始めた頃に他にも取り入れたい【血脈】が在るのだと知らされた。
そう、彼女に自分だけに添い遂げる、そのつもりは無かったそうだ…
「…もう、【戦闘狂】はこりごりだよ。」
そう寂しそうに呟くと自室に篭ってしまうのだった。
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