俺、お兄ちゃんにナリます！ 異世界妹が出来ましたよ⁈

人類とイヌ科？

　「初めまして、わたくし政府直轄の【異世界交流推進機構】で介護士をしております【御手洗　影子】と言います。

　以後お見知り置きを。」


　「はぁ、初めまして。

　推進機構って事は、サクラさんたちの同僚の方ですか？」


　「アキトさん、彼女は別の組織の方です。

　私や聖歌ちゃんとは別の目的で行動しているんです。」


　「えっ、そうなの？」


　「今回は特別なので、協力をお願いしたのです。」





　特別…？


　「サリーさんは【特殊な細胞】で形成された【クローン人間】、または【ホムンクルス】で有り、人工的に作られた肉体をベースにさらに改造された【戦闘要員】ではないかと【組織】は結論を出しました。」


　…戦闘要員？



　「…やっぱり、あのウワサは本当だったのね。」


　「…あの国王の考えそうな事デス！」


　ヒヨリさんとマイヤが妙に納得している？


　「どう言う事？」


　「戦争だよ、おそらく大規模のな？

　勇者一人の戦力では満足できないのだろう、武器を量産する様に、勇者と同レベルの兵隊を量産しようとしているのさ。」


　呆れる様に父さんが話す。


　「なので、私たちは逃げて来たのデス。

　サリーを戦いの道具にしたくなくて！」

　シスターさんが詳しく事情を説明してくれているのだけど、



　「うぅ、お父さん、お父さ～ん！」

　肝心な事はこのサリーさんに抱き締められていて、頭に入ってこないのだよ？

　モノすごいチカラで抱き締められて苦しいけど、彼女の柔らかい胸とか暖かいカラダの感触が気持ち良くって天国と地獄を一度に味わっている。

　なるほど、コレが【ﾍﾙｱﾝﾄﾞﾍﾌﾞﾝ】なのだな⁈


　「ダメ！　お兄ちゃんが死んじゃうの！　早く離してよ！

　お兄ちゃんはメイヤたちのお兄さんなの！

　サリーちゃんのお父さんじゃないよ！」


　メイヤが俺からサリーを剥がそうと頑張っているが、無理な様だ？


　俺、そんなにこの子を作った【お父さん】に似ているのかな？



　「…かくなる上は…アッキー…サリーの頭…を撫でて。

　…なんなら…おっぱいで…も良い。」


　「へ、なんで？」

　そんなセクハラできないので…


　「…このママだと、…圧死する…かも？」


　「わ、分かり…」

　あ、あれ、そろそろ意識が…




　「…サ、サリー、離してくれ。

　このままだと、あ、アンコが出るぅ…かも？」



　サリーの頭を撫でながら、再度離してくれる様にお願いする？


　「ハイ、マスターお父さん！」




　
　「シスター、詳しくおしえてくれ。

　あれから王国で、何が起こっているのかを？」

　「…アレ、先に来ているオウガさんから伺っていませんか？」

　「そうだよ、ダンナ！

　ウチの兄貴はどこにいるんだい？」

　「…兄貴？

　父さん、誰の事か知っている？」


　「…気配はするんだが、何処にいるんだかハッキリわからんのだ？」



　「…あのね、お兄ちゃん？」


　「ん、どうしたメイヤ？」


　「もしかしてメイヤたち、そのオウガさんの事知ってるかも？」


　「たち？」

　「ニャ！」

　…えっ、アルフレッドなの？
　
　
　黒子猫は誇らしく尻尾を立てて、

　「ついてこいヨ！」


　そう言っている様に表に走り出した！


　「あ、おい待て！

　オ～イ、アルフレッド～やぁ～い！」