俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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可愛い人造人間はお好きですか!

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 それは城の中で一番重要な研究をしてい場所、【第一錬金塔】。


 「さぁ出来た、立ち上がってごらん。」


 そのヒトのしたモノがゆっくりベットから起き上がった。


 「どうだい、どこかおかしな所は無いかな?」


 フルフル!

 首を左右に振る、つまりは無いと言う事だ。


 「そうか、どうやら部分は元通りに様だな。」


 亡くなった娘を模した容姿、王国から制作費を為に最強の戦闘力を組み込んだ人工生体。

 人工頭脳は娘の【遺髪】から培養した【クローン細胞】を利用している。

 戦闘力を計測する為にと、王の命で【勇者リョーコ】と闘わされて、あちこち壊されてしまった。


 「うむ、問題は無さそうだね。」



 勝負は…


 引き分けだった。

 優しいこの子が【殺人】などするはずがないのだ。

 そう見える様に加減したに過ぎない。


 フッ、ソレはそうだろう!


 を倒せる者など、この世界には居ない…



 「ヨシ、お前はコレから【聖地ガルライド】に向かいなさい。

 お前ならダンジョンを攻略出来るだろう。

 【教会】でお前を案内してくれる様に、弟子の一人が待っている、お前もよく知っている【キサラギ】君だ。」


 キサラギ…彼女の【名付け親】は私だ、故郷の言葉をあえて付けさせてもらった。


 キョトンしている人造人間?


 「王国には完成品の設計図を提出する。

 但し、私以外の【錬金術師】が同じを造れるとは思えない。」


 【錬金術師】

 割とポピュラーな職業らしいが、元の世界の科学に置き換えると、全く小学校の理科の実験レベルで、ソレを僅かに使える【魔法】で力押ししている様なものだ。


 そんな低レベルの【錬金術】を飛躍的に向上させたのは、自分に他ならない。

 「いいかい、お前はコレからの世界に行き、その力で平和のために尽くしなさい。

 あの子もそんな子だった。」
 

 コクコク、理解したと、笑みを浮かべうなづく人工少女⁈



 「うむ、その笑顔だ。

 さあ、お別れの時た。

 アチラに着いたら【ヒノ アスカ】と言う男を探して頼りなさい。

 きっと、チカラになってくれるからな。」


 …ぶんぶん⁈


 お別れと言う言葉は許容出来ない!


 「コレももっていけ、コレを見せればアイツもが私のだと直ぐに分かるだろう。」

 いや、この子の容姿なら【妹】にも似てるから、可愛がってもらえるかもしれない。








 その人物が自分の創造物に渡したのは、古くて動かなくなってしまった【懐中時計】だった。


 人工少女が無事にの世界に来れた時、その懐中時計を見せるべき人はもういなかった。


 【日野 飛鳥アスカ

 この俺【日野 暁人】の亡くなった祖父である。



 

 「…昔から【神隠し】と呼ばれていた失踪事件があってな、

 しかし、大体は【子供】がいなくなるのがほとんどで、大学生が
突然いなくなるのは、ちょっとちがうのだがな…」



 父さんも同じ【懐中時計】を取り出した…?


 「コレは爺さんの形見だ、仏壇の奥にずっとしまってあったモノだ。」


 父さんが自分の父親から聞いていた話しでは、ある日突然前触れもなく、親友がいなくなったそうだ。

 青年団で山狩もしたし、警察も一応捜索してくれた。


 頭の良い学生だったので、何か理由があって、自ら失踪したのではとも考えられていた。

 
 その人には妹さんがいて、兄妹二人きりの【家族】だったそうだ。

 あの懐中時計は妹さんが兄には進学の、もう一つは就職祝いとして兄の親友にプレゼントしたそうだ。

 兄が姿を消して悲しむ妹さんを支えた祖父…

 つまりその妹さんが俺の祖母なんだって。


 二人とも、俺が産まれた時は、


 「アイツに似てるな。」

 「そうね、目元とかそっくり。」


 と言って、喜んでくれたそうだが、俺が物心ついた頃には亡くなっていた。



 「その人はアチラで結婚し、子供もいたそうだ。」


 「…いた…」

 過去形だけど、ソレってつまり俺たちのご親戚だよね?


 「また、フランちゃんの世話になってしまった様だ。」



 何でもその人は話す事が出来ないらしく、【人工声帯】を取り付けたとか?


 「さしずめ【フランケンシュタインの花嫁】だな?



 明日、我孫子道さんが連れてきてくださるそうだ。」




 ウチの親戚らしいという事が、その女性が持っていた所持品から分かったそうだ。


 「アチラとコチラの時間の流れ方が今一つ規則性が無い。

 父さんはアチラでに会う事は出来なかった、会って話す事が出来たのなら…  。」

 




 「パパさ~ん、お客様がお見えになりましたよ~。」





 
 来た、ついに来た!



 我孫子道さんが連れてきたのは三人団体様だった。

 ちなみに今回、フランさんともう一人、【施設】の女性職員の方が付き添いで同行されていた。

 

 「コチラの皆さん、日野サンと縁の有る方々だそうなので、ご一緒にお連れしました。」

 女性職員の方が簡単に説明してくれた。

 そこに居たのは、獣人らしきケモ耳とフサフサ尻尾のあるお姉さんと、異世界の修道女みたいな服を着たお姉さん…

 そして、銀色でカッコいい強そうな【ヘッドギア】を付けているお姉さん?

 多分、この人が…


 「…ん、君は?」

 父さんが修道女さんを見て驚いている?

 「…お久しぶりです、テツジンさん!」


 「シスターじゃないか?

 どうして君がココに?」


 「オイラが連れて来たからさ、オッチャン!」


 「そ、その声はお前…ライガか?

 お前、女の子だったのか?」


 「うん、人化するまでオイラも知らなかったぞ?

 …で、オッチャンオウガ兄ちゃんは何処だい?」


 何か急にほのぼのし始めたな?



 「…オジ様、…皆さんの…検疫は終わり…ましたわ。」


 「フランちゃん、ありがとう。

 随分と世話になっなようだね?

 喋れない子の為に、また何か作ってくれたそうだね?」



 「…オジ様、その~……、ソレ必要なかった…デスの。」


 「ん、何か有ったのかい?」


 するとフランさんの代わりに女性職員の方が答えた。

 「コチラのお嬢さんがお話し出来なかったのには訳があって、どうやら【秘密保持】の為に、幾つかの【プロテクト】がされていた様です。」


 「…プロテクトですか、ソレで喋れない…  それで解除できたのですか?」


 「…ソレなのですが…」



 すると、


 「…お…さん…?」


 「ん? 今、何か?」

 
 「お父さ~んっ!」


 ヘッドギアが外れて、隠れていた素顔が見えた?

 何処となく、葉月や睦月に似てなくも無くは無い?


 いや、その前にアキトにかけ寄り抱きついて来た

 「く、くるし…」


 「お父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さんお父さん!」


 「お、落ち着いて、サリー!

 その人はアナタのお父さんじゃないわ!」

 何なんだ?


 今度はお兄ちゃんでなく【お父さん】なん?



 

 
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