俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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故郷は遠きにアりて…

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 おけおめ、ことよろ!


 では、本編をどうぞ!







 「ミャア~ン⁈」


 「うむうむ。 アルフレッド、全くお前の言う通りだ。」



 子猫だった【アルフレッド】も今では立派な成猫だが…

 楽しそうに愛猫とシェラが話している様に見える?


 「ま、まさかシェラ、お前猫と話せるのか?

 どっかの出来の悪いラノベじゃ有るまいし?」

 (ほっといてください!)

 「…兄上、何を言っているのだ?

 別に不思議な事でも有るまい?

 猫と言え、アルフレッドは【家族】なのだから、気持ちが分かるのは当たり前では無いか!」


 まるで俺が変な事を言っている様な、信じられないモノを見るように冷たい眼差しを向けられた。



 ふぅ、何だ、【猫好きの人あるある】か。

 子供が飼い猫と【会話】している気になっているなんて、普通の事だよな⁈

 てっきり何か【チート】的な能力に目覚めたかと思った。


 見た目が大人っぽく見えるから、つい誤解してしまった⁈


 ハイハイ、俺が悪かったよ!




 シェラは素の精神年齢はまだ【お子さま】なのだ!


 そう、まだまだ夢見る少女でいても良いお年頃なのだ。

 多分、実際の精神年齢はメイヤと左程変わらないかもな?

 つまり普段は強がっている訳だ。


 「…で、アルフレッドは何と言っているんだ?」


 「えっ、ああ、アルフレッドが申すには、聖歌の作るご飯は美味しいけど、やっぱり一番はサクラのご飯だぞ って。」

 シェラのドヤ顔が、なんかムカつく?

 うん、知ってた。

 態々わざわざ聞いてみるまでも無かったな?

 まぁ、コイツにも可愛いところがあったって事だ。


 
 シェラは元々、【貴族のお嬢様】だった。

 小国ながら、その恵まれた容姿なら若しくは王族に見染められ【王妃】になっていた可能性も有ったろう。


 祖国は大国である【ヴィーナス王国】に侵攻された。

 大した作物は育たない痩せた土地だが、小規模ながら領土内に【金鉱山】が有る。

 大国はソレが目当てだったらしい。

 小国だからこそ、その利益で国民を飢える事なく守って来れたが、【戦争】となればそうもいかない。

 小国の王は民の為に【属国】になる決意をしたそうだ。


 各【属国】の王族や貴族ら、特に武に秀でた者ほど戦地に赴き、功績を挙げないと各の民が前線の【盾役】にされたりする?

 シェラの親族のほとんどが【名誉の戦死】をされているそうだ。


 シェラの場合は、前線に配属されるものの、その美しい金髪からいつしか【金色こんじきの姫騎士】と呼ばれる様になり、兵達の士気を高める為に参戦させられていた。

 今日まで起き延びられたのは、味方の騎士や兵士らが、陰ながら守ってくれたからに違いないそうだ。

 しかし、そんな【騎士団のアイドル】に嫉妬した存在がいたそうだ。

 王の姪っ子らしい?


 ある時、シェラを含めた極少数の部隊にの任務が与えられた。

 森の奥にテロリストのアジトが有るとの情報が有り……?


 ソレらしい洞窟を見つけ、調査していると、奥からゴブリンどもが⁈



 「多分、アレは【罠】だったのかもしぬ?

 普通の騎士たちなら、狭い洞窟の中で上手く剣を振う事も出来ずに苦戦するかもしれぬが、

 私はで畑仕事や鉱山の手伝い等もした事があり、【ゴブリン退治】はに経験が有ったのだ。

 特にでの対処もベテランの冒険者に教わっていたので楽勝だった… 

 が、ソレから色々と厄介な【特命】が増えて、最後は私一人、気がつくと、あの【鳥取砂丘】で倒れていた次第なのだ。」


 「…匿名の特命でね?

 お前、若いのに苦労したんだな?」


 「貴族の娘に産まれた以上、当然の事かと?

 でも、今は関係ないぞ、兄上!

 もう堅苦しい騎士や貴族の生活は真っ平だ、これからは【普通】の町娘の暮らしを満喫するのだ!」


 「田舎町だけどな。」

 「ソコが良いのだ!」

 そう笑って答える義妹だが、学校では俺と同じ高校生として、同じクラスで勉強しているのだ?

 学力は高いらしい?


 あと、貴族の子女として教育されているので、立ち振る舞いはサマになっているが、素はまだまだ小学生レベルだったり、チグハグな義妹なのだ。

 しかし、

 「シェラ、ここでしたか?」

 「うむ、なんだ、マイヤ?」


 「サクラ姉様が【ショッピングセンター】にお行きになるそうなので、私護衛荷物持ちをと、思いましてお誘いにきました。」


 「うむ、直ぐに行く。

 では兄上、行ってくるぞ!」


 「あぁ、行っといで。」



 アイツも【妹】が出来て、少しは【姉】らしくなってきた様だ?

 しかし…

 元腕利きエージェントで現ほんわか家政婦サンのサクラさん、

 元異世界の癒し系少女アサシンのボクっ子美少女マイヤ、

 コチラの世界では色々空回りだが異世界では有能な姫騎士なシェラ…


 フラグか?




 ヒヨリさんが来て、三日が経った。

 今日はヤマバァの所の果樹園で【ぶどう狩り】をするのだと、メイヤと一緒にお出かけしているヒヨリさん。


 どうやら、ウチに【長期滞在】するみたいだ。

 出来れば、高校も通い直したいそうで、元の学校は色々と無理そうだから、ウチから俺たちと同じ学校への編入が提案されているそうだ。


 「アキト君、ミイヤちゃん知らない?」

 最近はかなりが目立ってきた義母さん。

 「いや、見てないけど?」

 「困ったわ、サクラさんが【お洋服】のサイズ、計り直したいからって、探しているの?」

 「あれ、ミイヤも連れて行くのか?」


 …そうなのだ、最近ミイヤは少し育った?

 少し手足が伸びて、2.5頭身が4頭身になった様な?

 最近では、俺の肩や頭に乗らなくなったし、【恥じらい】の気持ちでも芽生えたのかも?

 ちょっと寂しい…

 お風呂にも乱入しなくなったしな。
 

 「ママ、ミィの事、呼んだ?」


 どこからともなく現れる猫娘っ子?


 「アラ良かったわ、ミィちゃん、新しいお洋服を…」

 「いい、服、お兄のもらう!」

 マイヤが俺の子供の頃の服を着ていた事があるので、ソレを着たいと言う事らしい?


 「アラ、ソレで良いの?」


 「うん、動きやすい。

 アレが良い!」



 「ならサクラさんにそう言ってくるわね。」


 「…待った、母さん。


 ミイヤ、サクラさんたち、ショッピングセンターに行くらしいから、皆んなで【紫芋ソフト】でも食べてこいよ。」


 「み! ミイヤ【さっぱりワサビソフト】がいい!」

 ドドドっと、サクラさんの元に走る猫っ子妹⁈


 …へぇ、…ワサビが好きなんだ?


 
 「えっと、か、母さんお腹辛くない?

 重そうだけど?」


  エルフの妊婦さん、何か不思議な感じだ。


 「フフ、メイヤの時はこんなに落ち着いていられなかったから、何か不思議な感じよ。

 ご近所の皆さんも良くしてくれるし。」


 そうなんだ、ご近所のジジババたちが色々理由を付けて母さんの様子を見に来るんだ⁈


 裏の浦島の爺さんはもちろん、町長の所の爺さん先代町長や農協の組合長、駐在さんに大地主のヤマバァまで⁈

 

 まぁウチが【来訪者向け民宿】を始めると知って、色々とこの町でもがある様だ?

 
 場末のスナックにカラオケを置こうとか、各商店にお土産物をもっと置こうとか、観光スポットをでっち上げようとか?



 「あっ?」

 「ん、どうしたの、母さん?」

 「フフ、今ね、赤ちゃんがお腹を蹴ったの。

 メイヤの時はそんな事無かったから、驚いて…。」


 ……。


 「ねぇ、お腹、触ってみても良いかな?」


 …ん、俺ナニ言ってんだ?


 「アラ、良いわよ。

 ほら、お兄ちゃんですよ~。」



 ちょっと恥ずかしいが、

 「で、では、失礼して…

 お~い、お兄ちゃんだぞ~、元気に産まれて来いよ~。」


 何か生命の神秘だなぁ~、こんなかに赤ん坊が入ってんだぜ?


 な~んか、のんびりと幸せな時間を過ごしている。


 少し前まで考えられない光景だ。


 「ねぇ、この子の名前、お兄ちゃんアキト君が付けてくれないかしら?」

 突然母さんナニ言うの?

 「えっ?

 いやいや、子供の名前は親からの最初の贈り物ですよ、絶対、父さんに考えてもらわないと?」


 一応、父親の責任は果たしてもらわんとな!

 「お父さんもそう言っているのよ、もちろん私もそう思っているのね。」



 せ、責任重大だな、良い名前を考えないと?

 てか、父さん、アンタ逃げんなよな?


 ん、アレ今日父さんは?






 「よう、坊主!

 元気そうだな、他の皆んなはどうしてる?」


 「ああっ! 様だ!

 本当に久しぶりだね、髪切った?」



 お社の周りを掃除している青年に声をかける鉄次さん。


 「アレ、この姿でボクって分かるの、テツジン様?」


 人の姿になれる様になったのは、コチラに来てからだし?

 「ムスコの気配は間違い様が無いさ。

 で、ソチラに隠れてしまったお嬢さんを紹介してくれんかな?」



 「う~ん、白雪は恥ずかしがり屋サンなんだけどなぁ、

 し、白雪、このオジサンはね…、」


 「…もしかして、メイヤちゃんのお父さん?」


 「ん、そうだが?

 メイヤの友達かい?」



 「うん、メイヤちゃんはとても仲良しだよ!

 時々、お菓子を持って来てね、二人で食べるの!


 白雪ね、ココを離れならないの。

 だから、オウガがココに来てくれて、白雪とても嬉しいの!」

 
 巫女装束を着た少女が、まるで蕾が咲き開いたかの様な、花の様に愛らしい笑顔を見せてくれた。


 オウガがこちらに来ないのは、この子の為だな。

 どうやら



 ソレもいいだろう。


 「お前、あの子に惚れたのか?」

 「何言ってんだ、テツジン様?」

 

 「一度、俺んちに顔を出せよ。

 まだお前の事を子供たちに紹介していないしな。

 土産にその子が好きそうな菓子でも持たせてやるから。」



 「なら、行くよ。」


 

 うむ、こんな感じでこの田舎町は【来訪者】が増えていくのだな?



 「そういえば、他の連中はどうした?」


 「ん、その内こちらに来るかもだけど、手ぶらで来れないから、今のうちに色々稼いでから来るってさ。」


 「あの連中勇者パーティーはどうしてる?」


 「ん、ああ アレか?


 何でも【月下のハクメイ】って言う爺さんにボッコボコにされたみたいだよ?

 『お前たちは何にもわかってない!』

 って、叱られたとか?


 一応、ダンジョンのゲート転移門の事は伝えただよ。」



 教えて有るなら、後は本人たちの意思だからな?

 

 「そうか、わかった。


 そう言えば、今日はサクラさんが【稲荷寿司】を作るとか言っていたな。」


 「【イナリスシ】!

 食べられるの⁈」


 …やっぱり、この子はおキツネさん、【五つ塚の白ギツネ】だったか?


 なるほど、地元の不思議な存在とも親しくなっておくのも、コレからは必要かもしれない。
 
 

 この地域の【昔話し】を読み返してみるか?


 「じゃあな キツネのお嬢ちゃん。

 オウガ、顔出すの、待っているからな。」




 「うん、分かったよ。」
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