俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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その頃のヴィーナス王国ともう一つの王国。

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 「貴様ら、何時までこの王を待たせるつもりダッ!」


 「今しばらくお待ち下さいっ⁈

 必ずや、あの【聖女】を我がヴィーナス王国に取り戻して見せます故に⁈」

 激昂する王を宥めながら、苦しい言い訳をする大臣…

 「【聖女】だけでは無いわ!

 あの時、その方が余計な事を言わなければっ!」

 「も、申し訳ありません!」

 いつの間にか自分が失言した事になっているが、それを訂正して更に怒りを買うのはゴメンだ⁈


 そもそも【予言の書】の記実を何も考えずに、彼らの前での如く話し出した王がなのだ!


 最初は良かったのだ!


 【勇者リョーコ】は我が国歴代勇者の中でも【最強】と言って良いくらいに強かった!

 おそらくは幼い頃から剣術を学んでいたのだろう。

 しかも、世界に無い流派の様で、一対一は勿論、一対多数でも負け知らずの強さで、我が国の軍隊長らが束になってかかっても相手にならなかったのだ!

 …だから娘が【勇者】だと確信して、その称号を与えたのだ!


 回復役の【魔法士】の小娘は、戦いでは全く役に立たないし、

 残り二人の男どもはそこそこの働きをするので、まぁ良しとして来たが…



 勇者リョーコは最初が強すぎたのだ?


 しかし、後半頃からはあまりレベルが上がらないのだ。


 ゴブリンやオーク、オーガぐらいなら訳ないが、高ランクの魔物にはかなり苦戦している。


 それでも一人でミノタウロスを倒せるのだから問題無いが、めざとい者は薄々勘付いたのだろう?




 あの日、さっさと城から出て行った年配の男の事を‼︎

 あの男が【真の勇者】だったのではないか!

 と…。


 奴が一人でドラゴンを倒したとか、魔族の軍勢千人を壊滅させたなどという噂が流れて来たのだ⁈

 どれも荒唐無稽な噂話なので、吟遊詩人が大袈裟に広めていると放って置いたが、少なくともその噂のになる様な事はしているのだろう?


 そして、その男の風体や【稀人】では無いかなどの噂から、あの男である事はほぼ間違い無さそうだ。


 偶々立ち寄った小国イオリアで勇者たちと袂を分けた小娘は、 【聖女】としてするは、


 日頃から我が国に楯突く【ブルーノ共和国】は自国で【勇者】を育成しているとか?

 その育成に、【あの男】が関わったとか?


 王の機嫌は悪くなる一方で、何か王の気を紛らわせるがないものだろうか?


 そこに、

 「王にお知らせ致します!」

 この国最強を誇る騎士団長が大声を上げて、王の御前に現れた!

 おぉ、まさか?


 「何だ、うるさいっ!」


 「王の姪御様、グレーネ様が行方不明となられました!」


 「な、なんだとっ⁇

 我が愛するグレーネがじゃとっ⁈」


 「ゴブリン討伐にご同行されたグレーネ様が、馬を残して…

 目下、兵をあげて捜索中ですッ!」


 「ば、馬鹿モノめっ⁈

 そんな事は当たり前だ!

 何としてもに探し出すのだ!

 そうだ、勇者達にも探させるのだ!」



 …ったく、今度は【ワガママ姫】が余計な仕事を増やしてくれたか?

 …ん?

 いや、コレは使えるかも知れんぞ⁈


 





 「 …さて、ワン公や聖女ちゃんは無事にヒゲオヤジの所に着いたかな?」


 若き竜人がギルドの併設している酒場で安酒を煽って、寂しさを紛らわせている。

 「何ですの、何ならアナタもテツジン殿のお国へ、お行きになられたら良かったのですわン?」

 新米ながら才のある女性僧侶が嗜める?

 彼女はその【ヒゲオヤジ】から教わった美味しい【薬湯】をお茶代わりに飲んでいる。

 美肌効果や血行が良くなり、怪我の治りが早くなったり、病気に成り難くなる効能が有るそうだ。

 我々の世界では【ドクダミ】や【ヨモギ】に近い野草を使っているらしい?


 「う、うるへ~な?

 お、お前が寂しがるといけないから、残ってやったんじゃないかよ!

 少しは有り難く思え!」


 「アラ、そうでしたの?

 でも、ワタクシも近い内にアチラの【世界】にを広めにお邪魔しようかとモーガルさんと相談してましてよ?

 何でも【日本刀】の鋳造に大変ご興味がお有りだそうで?」


 「あ、あのロリババドワーフがッ⁈

 そんな話し、俺は聞いてないゾ!」


 「今、言いましたわ。

 あ、いらっしゃいましたわ?


 モーガルさ~ん、コチラですわ~!」


 待ち合わせていた仲間の一人が来た様だ。


 「ごめん、ごめん。

 出掛けに孤児院の子達に会ったんだ。」


 「いえ、大してお待ちしていませんわよ?

 コチラの寂しがり屋サンは分かりませんけど?」


 「な、ナニを~?」


 「何だ、そんなに寂しいなら慰めてらん事も無いぞ?

 ただ、アタシはリュート好みの【大きなオッパ〇】では無いからな、満足させられないかも知れないが、それでも良いか?」

 申し訳なさそうに話す、見た目は少女、中身はそこそこお年頃な102歳。

 (ドワーフではかなり若い方だ。)


 「…リュートさん、前々からワタクシの胸の辺りをチラチラ見ておられたのはそう言うの方だったからなのですね⁈

 ふ、不潔ですワ!」


 「ち、違うわ、モーガルも変な事言ってんじゃねーよ⁈」


 「何だ、違うのか?

 …ま、まさかテツジンやマルスの様な筋肉ムキムキの漢が好みか?」

 「…まっ⁈

 そうでしたの、リュートさん♡」


 「だから、違うっつうの⁈

 …ってか、何でアリシアが嬉しそうなんだよ?

 …っで、マルスの奴は未だ来ないのかよッ⁇」


 「やっぱり寂しいのでは?」


 「だから違うわい!」





 その頃、盾役の【重騎士】、虎の獣人マルスは市場で買い物をしていた。

 孤児院の子供たちにお菓子や菓子パンでも差し入れてあげたいと思ったのだ。


 彼は気は優しくて力持ちな大男で子供好き。名も無い華を踏みつけられない漢だ。



 「いけない、皆んなと約束してたんだっけ?」


 市場で買った物を孤児院の院長先生に渡すと、急いでギルドに向かう!

 今日は新しいパーティメンバーを入れるかどうか話し合う事になっているからだ!


 「別に今のままでも良いと思うけどなぁ?」

 いなくなった仲間の代わりなんて、必要ないとハッキリ言うぞ!


 すると、

 「あ、あの!」

 ギルドに向かう道すがら、女性から声をかけられた?


 「じ、自分ですか?」

 振り向くと若い女性だった、見るからに品の良い、身なりの良い服装で大きな商家の娘の様だが?

 「はい、あのパーティー【ヤドナシ】のマルス様でしょうか?」


 「はぁ、確かに自分はマルスですが、お嬢さんは?」


 「お願いです!

 私を【聖地ガルライド】のダンジョンまで連れて行っていだだけませんか!」


 「えっ、そのダンジョンって⁈」



 それこそダンジョン最下層に例の【転移門】が有るダンジョンなんだけど…

 とさ?




 (次回は新年一月一日です。)
 
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