俺、お兄ちゃんにナリます! 異世界妹が出来ましたよ⁈

猫寝 子猫

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いちいちムカつくヤツ⁈

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 「オイ、貴様!」


 「…あのな、『オイッキサマ』サンなんてヤツはこのクラスに居ないぞ!」


 俺はそう言い返すと、


 「…あ!

 す、すまない、ついで、そう話しかけてしまった!

 許せ!」

 …コレだよ⁈


 「この世界の【格言】で『郷に入っては郷に従え』ってのがある。」


 「ゴウとは何だ?」

 「村とか町、その地域のことを指していてな、つまりその場所に来たら、その場所のルールやマナー守って行動しないと後で苦しむ結果になるって事だ。」


 「何だ、そんな事か⁇


 …まさか、で、出来ないとでも、言うのか?」


 ヴィーナス王国第三師団所属 

 【シェイラ ランフォード】


 本当は

【シェイリア フォン ランフォード】
 と言うらしいが、伏せていると、我孫子道さんから聴いている。

 色々めんどくさいのがサマの【シキタリ】らしい?


 「なぜ、アレで出来ていると思う?」

 「いや、他の者は何も言わなかったので…やはり、ダメなのだな?」


 「ダメなのだよ。」


 確かに他の奴らクラスメイトも悪い!

 やれ、

 「キャ~、シェイラ様ぁ~!」

 とか、

 「素敵です、姫騎士サマ‼︎」

 とか呼んで、敬ってみたり、早い話が甘やかしているのだ!


 早くこのに慣れてもらう為に態々、学校通学しているのに!


 「、そんなんじゃ【ショッピングセンター】にで買い物に行くのはかなり先に成るぞ?」


 「な、何⁈

 まだダメなのか?」


 「ダメダメだな、ウチの妹たちでさえ出来る事だぞ?

 言っておくが、もうサクラさんは貸さないからな!」


 「そ、ソレは困る!

 あのが居ないと、ワタシはも買えないのだ!」


 「お、男の前で下着とか言うな!」

 …メイド長ねぇ~?


 【異世界妹】がいる俺に、学園内で彼女の面倒を見ろと担任から言われている?

 早い話が丸投げだ!

 彼女もソレを承知していて、俺は特別に愛称の【シェラ】と呼ぶ事を許されている。

 だからって、深い意味は無いよ。

 彼女は何故か、なんと【富士見ケミカル 白山倉工場】の女子社員寮に下宿している?

 全ては恐らくフランチェシュカさんの悪巧みだと俺は信じて疑わない!

 どうやら例の【施設】に富士見ケミカルは出資やら技術協力やらしている様だ?

 時折、フランさんが、

 「…サクラさん、…た、助け…て、?」


 と、ウチの家政婦さんにヘルプをお願いするのだ?

 どうやら、この【異世界お嬢様】の面倒だけでは無く、自分の面倒も見て欲しいらしい?

 「仕方ないですね、ちょっと行って来ますね!」


 と、サクラさんも喜んで飛んで行くから止められないし。


 まぁ、すーぱー家政婦サンのサクラさんなら赤ちゃんのお手てを捻る事なく終わらせてくるだろう?


 あの工場に【下宿】かぁ?

 確かにウチの学校に通うなら、【施設】より、その方が良いのかもしれない。

 距離的にも、環境的にも。



 「その内、我が家にもお招きしましょうね!」

 あっけらかんと言うサクラさん。

 「そだね?」

 本当は嫌だけどね。

 

 最近ではフランさんもシェラにだ。


 実は、サクラさんやフランさんにはマイヤの【師匠】の仇が【ヴィーナス王国】が召喚した【勇者】だと知らせていない。

 シェラも自国の勇者と一緒に【ウチの父さん】も召喚されていたとか、全く知らないハズだ。


 まさか【異世界から舞い戻った男】と言われている伝説の男性が、シェラの故郷から逃げ出した中年のオジサンだとは思わないだろう?

 シェラには単純に、

 『父親が【来訪者】と結婚したので、異世界と縁のある生徒』

 と、担任は説明したらしい?

 俺も新しい母親が【エルフ】だとは一言も言っていないし、妹がいるとは話したかも知れないが、獣人だとか、Assassinだなんて説明していないし、俺としては出来れば彼女にこれ以上関わりたく無い。



 【フォン】ってのは、爵位持ちって事らしい?

 つまりは【貴族】って事だ。

 メイデール母さんに非道い仕打ちをしていた【貴族】って連中に、俺はどうやらを抱いているらしい。

 
 だけど、

 「なぁ、貴様の家には【温泉】が有るそうではないか!」

 今日シェラの奴が、薮からロングソードにそんな事を聞いてきた?

 「有るが、だからなんだ?」


 「えっ⁈ あ、いや、別に…」

 まさか入りたいとか言うなよ?

 
 「あ~ん、日野くん、冷た~い!」

 クラスの女子に、嫌味を言われる?

 仕方がない、この女騎士サマが俺の可愛い【妹達】や美しい【母】に剣を向けないとも限らないし。


 そうなんだよ、コイツ帯剣してるんだよ!

 一応、模造刀らしいけど?


 高校の制服に帯剣とか、厨二もいいとこだ!



 「今、母さんのお腹には新しい命が宿っているんだ!

 そんな物騒なもん、お腰につけた騎士様なんて来たら、胎教に悪いだろ?

 もしかしたら…

 剣を見て、母さんがびっくりして倒れたら…

 その時、お腹の子にもしもの事が有ったら…

 家族から蛇蝎の如く軽蔑されても、俺はお前をグゥで殴り続けるぞ!」
 

 「そ、そんな事有る訳…」

 クラスの女子が引きながらも、俺を嗜めようとするが?


 「わかったぞ、ニノ アキト!

 その覚悟がなくて、温泉には望めないと言う事を!」

 ちげーよ!

 来るなって、遠回しに言ってんだお!


 あと、俺の名前はヒノ アキトだ!


 「ならアキト君、母屋に近づかなければ良いかな?」


 「…ハルナ、余計な事を。」

 
 「…誰だ、見かけないご婦人だが?」


 「…同じクラスなんだけどぁ?

 【浦島 陽菜ハルナ】よ、アキトのご近所サンなの。

 のお風呂なら、別に良いでしょ?

 どうせ、ご近所サンには開放しているんだもん。」


 「あっ、ハルナ!

 ソレをバラすなよ!」


 そうなんだ、実はサクラさんが増設した【露天風呂】は家のに有るんだよ。

 露天だからな。

 別に内風呂が有って、温泉の湯もそちらに引き込んでいる。


 露天風呂はウチの敷地の空いている場所に、サクラさんと同僚の方々が暴走して作ってしまったモンだから、
 意外に持て余していたので、普段からお世話になっているご近所の浦島のジィちゃんやヤマバァにも使ってもらおうと、プレハブの脱衣所みたいなのも追加増築して開放している。


 「ワタシも時々、入りに行ってるモン、別に母屋に行かなければ問題無いし、シェイラの事はワタシが案内するよ。

 ソレなら良いでしょ?」


 ハルナは所謂【幼馴染】と言えなくもない。

 名字で分かる通り、裏の浦島のジィちゃんの孫だ。


 「なら、私達もいいよね!」


 他の女子が数人、話しに割り込んで来た!

 「…ハルナ、お前が責任もって引率しろよ!

 母さんの件は、冗談じゃないのは分かってるな?」


 「…そうだよね、妊婦サンだもん、ソコは気遣ってあげないといけないよね!」



 「は~い、ワタシ達も気をつけマース!」

 本当なら分かっているのかよ?

 しかしながら、半ば強引に話が決まった。


 「…ヒノ、何かすまない事をした様だ。

 許して欲しい。」


 珍しく神妙な態度だ。

 「当日はハルナの言う事を聞いて、大人しくして入浴する様にな!」



 今日帰ったら、サクラさんにも釘を刺しておこう。



 「まぁ!

 アキト君のクラスメイトさんが!

 しかも女の子がたくさん!」


 し、しまった⁈


 話しの持って行き方を間違えてしまったカモ?


 「わ、分かってますか、サクラさん!

 母さんが今、大切な時期なんですよ!

 大騒ぎとかして、もしもの事があったら!

 特に女騎士は要注意です!」


 俺はサクラさんにマイヤの事情やシェラの経歴など極々簡潔に教えた。

 シュ~って音でも聞こえそうなくらい、意気消沈したサクラさん、

 「…取り乱し増してすいません。

 実は葉月さん達も近々いらっしゃる予定でして…

 なんでも、【睦月】くんを連れて来られるそうですよ?」



 「睦月かぁ?

 三年くらい会って無いな?」

 

 もう騒動が起こるフラグが立ちまくりだが、葉月なら事情を察して上手くやってくれそうな気がしていた…。
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