12 / 76
訪問、我孫子道さん。
しおりを挟む
「そうですか、アキト君たちは自然薯掘りですか。」
みんなと入れ替わりで、我孫子道さんが来られた。
確認したい事が有るからと。
「鉄次さんと一緒に【異世界転移】したのは、この四人で間違い有りませんか?」
並べられた四枚の写真、忘れもしない顔があった。
「ええ、間違い有りません。
あの時の高校生たちですね。」
自分がこちらの世界に帰る際、彼女らに帰還方法伝えて欲しいと冒険者仲間には頼んである。
ギルドの情報だと、あの少女は「聖女」と呼ばれる程に才能を開花したらしい?
最後に有った時は、初級の回復魔法が使える様たった。
「現在、捜索依頼が継続中なのはこの三人です。」
我孫子道さんは三枚の写真を選んで、残りの写真と分けた。
「なんですと…そんな?」
自分が帰らないと母親が心配すると言っていたあの少女が対象から外された?
「何故ですか⁈
少なくとも彼女は、その三人よりも帰る事を望んでいるハズです!」
「彼女の母親が亡くなったのです、唯一の肉親である母親がいない以上、彼女の帰りを待つ者が居ないからだそうです…。」
「…そんな、…いえ、わかりました。」
我孫子道も辛いハズだ、こんな悲しい事を自分に告げる為に足を運んでくれたのだ。
おそらく、彼の力では如何にもならないのだろう?
「…なら、私が彼女の後見人になったら、どうですか?」
「…日野さん、ありがとうございます!」
こんな事なら、再会した時に無理矢理にでも連れて来れば良かったのだ。
『私、もう少しだけ、頑張ってみようと思います!』
…今、悔やんでも始まらない。
実のところ、政府の【異世界政策】に対して批判の声も多く、まだ手探りなのは分かっている。
自分の親族が【転移被害】に有ったと嘘の主張し、義援金を要求する輩が増えてきたとか、被害者家族は高額な義援金で贅沢な生活をしているとか、事実無根のデマを信じて非難する輩がいたりと、頭の痛い話しも耳にする事もある。
正直言って、この世界に帰ってきてから辛い現実が待っていると思っていた。
実際は我孫子道さんの心遣いで、かなり快適な生活を送らせて貰えている。
また、この田舎町ではそんな心無い噂より、自分の目で見たモノを大事なする人たちが多い事も救いの一つでもある、都心部ほど不必要な情報に踊らされているのだ。
不正を罰し、不要なモノは切り捨てる、この数年で【異世界政策】は見直しを求められているそうだ。
いい事の様で弊害も有るのだろう?
我孫子道さんはその板挟みに合っている、何か自分に出来る事が有れば力になりたい、アキトが世話になった礼でもある。
「我孫子道さん、以前のお話しですが協力させて貰えますか?
少しでも世の中のお役に立ち、あくまで自分の知っている限りですが、
【異世界】について正しく理解をしてもらうには、自分の様な存在が必要にならでしょうから。」
「そう言って頂けると信じていました。
実はすでにお願いしたい件が…」
この時、父さんは俺に何の相談もなく【とんでもない事】を我孫子道さんと決めてしまっていたんだ!
でもそれは、俺やメイヤたちにとって決して良い事とは言えない結果になるとは、父さんも思ってなかったんだ。
みんなと入れ替わりで、我孫子道さんが来られた。
確認したい事が有るからと。
「鉄次さんと一緒に【異世界転移】したのは、この四人で間違い有りませんか?」
並べられた四枚の写真、忘れもしない顔があった。
「ええ、間違い有りません。
あの時の高校生たちですね。」
自分がこちらの世界に帰る際、彼女らに帰還方法伝えて欲しいと冒険者仲間には頼んである。
ギルドの情報だと、あの少女は「聖女」と呼ばれる程に才能を開花したらしい?
最後に有った時は、初級の回復魔法が使える様たった。
「現在、捜索依頼が継続中なのはこの三人です。」
我孫子道さんは三枚の写真を選んで、残りの写真と分けた。
「なんですと…そんな?」
自分が帰らないと母親が心配すると言っていたあの少女が対象から外された?
「何故ですか⁈
少なくとも彼女は、その三人よりも帰る事を望んでいるハズです!」
「彼女の母親が亡くなったのです、唯一の肉親である母親がいない以上、彼女の帰りを待つ者が居ないからだそうです…。」
「…そんな、…いえ、わかりました。」
我孫子道も辛いハズだ、こんな悲しい事を自分に告げる為に足を運んでくれたのだ。
おそらく、彼の力では如何にもならないのだろう?
「…なら、私が彼女の後見人になったら、どうですか?」
「…日野さん、ありがとうございます!」
こんな事なら、再会した時に無理矢理にでも連れて来れば良かったのだ。
『私、もう少しだけ、頑張ってみようと思います!』
…今、悔やんでも始まらない。
実のところ、政府の【異世界政策】に対して批判の声も多く、まだ手探りなのは分かっている。
自分の親族が【転移被害】に有ったと嘘の主張し、義援金を要求する輩が増えてきたとか、被害者家族は高額な義援金で贅沢な生活をしているとか、事実無根のデマを信じて非難する輩がいたりと、頭の痛い話しも耳にする事もある。
正直言って、この世界に帰ってきてから辛い現実が待っていると思っていた。
実際は我孫子道さんの心遣いで、かなり快適な生活を送らせて貰えている。
また、この田舎町ではそんな心無い噂より、自分の目で見たモノを大事なする人たちが多い事も救いの一つでもある、都心部ほど不必要な情報に踊らされているのだ。
不正を罰し、不要なモノは切り捨てる、この数年で【異世界政策】は見直しを求められているそうだ。
いい事の様で弊害も有るのだろう?
我孫子道さんはその板挟みに合っている、何か自分に出来る事が有れば力になりたい、アキトが世話になった礼でもある。
「我孫子道さん、以前のお話しですが協力させて貰えますか?
少しでも世の中のお役に立ち、あくまで自分の知っている限りですが、
【異世界】について正しく理解をしてもらうには、自分の様な存在が必要にならでしょうから。」
「そう言って頂けると信じていました。
実はすでにお願いしたい件が…」
この時、父さんは俺に何の相談もなく【とんでもない事】を我孫子道さんと決めてしまっていたんだ!
でもそれは、俺やメイヤたちにとって決して良い事とは言えない結果になるとは、父さんも思ってなかったんだ。
6
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。


転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す
エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】
転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた!
元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。
相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ!
ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。
お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。
金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる