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コチラの世界の【来訪者】?
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「…す、素敵!
まさに【ザ・古民家】だわ!」
「そ、そう?」
遺跡とか、古城とか好きな友達が叔父の家を見るなりテンション爆上がりに⁈
まぁ江戸時代が終わる頃に建て始めたらしいって曾祖父さんが言ったらしいけど?
「アタシは美味い【田舎料理】がお腹いっぱい食べたいぞー!」
「アンタ、ホントに図々しいわよ!」
「…エルふ…美少女…まだ?」
「フランチェシュカ、アナタそのお地蔵様、何処から持ってきたのよ⁈
重くないの?」
「…百人乗ったら、わからない?」
大変な連中を同行させてしまった!
ワタシが大学で、ついウッカリ口を滑らしたのいけなかったのだけど?
考古学オタクの【小森 エリカ】は朝に弱いので、夜のうちから私の部屋に泊まり、朝私が駅まで引きずって行った。
今はめちゃくちゃ元気だけど?
体力バカの【大神 響】は既に駅で待っていて、車内で食べる駅弁を十人前購入していた、もちろん全て自分が食べる分だ。
これでも本人は料理上手なのよね?
【富士見 フランチェシュカ】は何故付いて来たのか、よくわからない?
可愛い見た目と反して怪力の持ち主?
あっ!
今も小さな道祖神を、ぬいぐるみでも抱くかの如く、持って来たりしている?
三人とも高校時代からの付き合いで今も同じ大学だ。
実は彼女たちは、【古代来訪者】の血をひいている⁈
少なくとも江戸時代以前にこちらの世界に来ていた訳ありの【異世界人】が、
この世界に在留し、コチラの人間と子孫を残して、
この世界で生きていく事を良しとした人達の子孫で、【ハイブリッド】と呼ばれている人たちがいる。
彼女たちはそのハイブリッドの更に子孫で、特徴を僅かに受け継いだ【ローブリッド】と言われている残念な人たちだ…?
例えばエリカは【バンパイア】の特徴を受け継いでいるそうだが、朝が弱いのとトマトジュースが好きと言う以外知らない?
彼女の父は高名な考古学教授で、その助手でも有る彼女の母がハイブリッドの子孫らしい?
「あのね、今回の訪問はサプライズなのよ!
ワタシひとりなら兎も角、アンタ達が泊まる気満々で来られても迷惑なの!」
私自身も三年ぶりの訪問だ、叔父に会うのだって、八年振りになるのだから!
そもそも、私の父があまりココに来るのが好きではないからだ。
「考古学教授の娘として、異世界から帰還した方から、是非お話しを聞きたいのよ!」
「ソレがダメなんじゃないのよ!」
エリカの場合、大人しくしてると言うから同行を許したのに?
「よぅよぅ、早く行こうぜぇ?」
響のお父さんは【狗神信仰】が残る地方の出身で、東京に出稼ぎに来た時に定食屋で働いていたその店の娘さんに一目惚れして、そのまま【婿入り】したそうだ?
熱愛だったらしい?
いいヤツなんだけど、食に対して独特のこだわりがあるのだ!
「なぁ、だったら庭先で野宿でも…?」
「余計ご迷惑だわ⁈」
食べられる野草とか詳しいのは凄いと思うけど、お腹が空くと本当に【道草を食べる】のはやめてほしい?
どうやらエリカが今日の事をバラシたらしい?
「なんか外が騒がしくないか?」
「まぁ、お客様かしら?」
家政婦のサクラさんは買い物に出掛けているし、子供達はミイヤを連れて【お散歩】に行っている。
図らずも夫婦二人と子猫一匹しか家にはいないのだ!
「ちょと見てくるか。」
「なんだよ、ココまで来て帰れってか⁈」
「挨拶したら、帰りなさいよ!
泊まる予定はないのよ!」
「…エるフちゃんと…ムフフな…夜は?」
「無いわよ!」
北極で遭難しかけた観測隊員を救ったといわれているフランケンシュタイン、その女性隊員と結ばれたフランケンの子孫が彼女フランチェシュカなんだけど、
「フラン、アナタはお家の人にはココにくる事伝えてあるの?」
「…おぉ…さぶらいず?
…はぁちゃんとお揃い?」
彼女は【富士見ケミカル】と言う大手製薬会社のお嬢様だ、私より歳上なのに、中学生ぐらいにしか見えない幼い容姿だし、ちょっと厨二っぽいゴスロリな服装が別の意味で【異邦人】だ。
まぁ、よく似合っていて可愛いのだけれども、何考えてるかが分からないし?
実は彼女だけ【ハイブリッド】なのよね。
人造人間以外に、もう一種族の血を受け継いでいるの?
ソレは…
「…おや、可愛らしいお嬢さんたちだね、アキトの友達かな?」
玄関の引き戸が開いて、中から体格の良い男性が現れた⁈
「…あ、あの、
鉄次叔父様ですか?」
…おや、こんな人だったっけ?
以外とイケオジなんですけど?
「…おお、もしかして葉月ちゃんかい?」
「アッキー、どぅー、どぅー!」
「はいはい。」
最近、ミイヤは俺を見ても
「シャー!」
と、言わなくなって来た。
その代わり、俺の肩や頭に乗ってアチコチ見て回るのが面白いらしい。
なので、妹二人を連れてご近所を探索したり、駅前商店街でウィンドショッピングなど早くこの世界に慣れてもらう様に励んでいるのだ!
「きゃ~、ネコ耳ちゃん可愛いー!
ツーショット、良いですかっ⁈」
「あっ、エルフのお嬢ちゃん!
コロッケ揚げたてだぁ、食べてきな!」
そう、別に可愛い妹を見せびらかしている訳では無いよ⁈
近所の爺婆様も、
「天使の嬢ちゃんと猫の嬢ちゃん、良ければ蒸したお芋が有るから食べていきな。」
など、農作業の手を止めて話しかけてくれる。
すっかり人気モノだよ。
…でもね、付かず離れず見守ってくれてる方々がいるみたいだ?
多分【政府】の人なんだろうなぁ?
あの電柱の上で電線工事をしてるやたらマッスルな人とか、
田舎町をグルグル巡回するやたら美人のヤク〇トお姉さんとか?
なんだろう、まるでサクラさんの様な親近感を感じるのだけど?
「ただいまー!」
「ただいまです!」
「あう!」
おや、玄関に大勢の女物の靴が?
「ま、まさか?」
家の中では、既に宴会が始まっていた?
「はい、ふきのとうの天ぷら、追加しましたよ!」
サクラさんが大忙しだ?
「…あ、…アッキー、…おかえり、遅かったね?」
俺たちに気がついたゴスロリ少女が話しかけて来た?
「だれ?
まさか、新しい妹とか?」
全く知らない子なんですけど?
「…妹、違う…フランは…お姉さん…なの?」
いや、なんで疑問系?
って言うか、アッキーとか随分フレンドリーだけど、そんな呼び方は葉月ぐらい…
「って、お前かー⁈」
「…ごめん、アッキー!
コイツら、どうしてもエルフちゃ …え、ななな、何その、きゃわいいのはッ⁇」
従姉妹の葉月がミイヤを見て驚いてる?
メイデールさん達の事はサクラさんが既に叔父へ伝えたと聞いていたけど、葉月の奴め!
こんなに友達を連れて来るとは?
「お、叔父様、今日コチラに泊まってもよろしいでしょうか?
私、日本の古民家で一夜を明かすのが夢だったんです!」
「エリカ!」
「ん、構わんよ。
そうそう、ウチは温泉から湯を引いてるから、是非入って行きなさい。
お肌にいいぞ!」
「えっへん‼︎ ワタシが作りました!」
ドヤ顔のサクラさんが頼もしい⁈
「は、はい是非!」
サクラさん、同僚に地質学に詳しい人がいるらしく、その人の協力で、湯量は少ないが温泉の源泉を掘り当てた⁈
確かに近隣の山中に【キツネの隠し湯】と言う温泉が有るのだけど、どんだけ掘り進めたのよ?
元々、内風呂が五右衛門風呂だった我が家、人数も増えたのでお風呂場を広くしようと、サクラさんが張り切ってしまったのだ⁈
木工が得意な同僚サンの協力で、【檜風呂】が追加された!
「…ココ、いい、…旅館みたい。
…下宿したい…かも。」
下宿? 温泉? 様々なタイプな女の子たち⁈
まるであのアニメの様な?
色々と問題が起こりそうだからもう無視する!
「…フランのお祖父さま…の会社の工……場、近所に有る…から問題ない?」
「…工場?」
確かに製薬会社や食品会社の工場はあるな?
「この子「富士見 フランチェシュカ」って名前なんだけど、「富士見ケミカル」って…
知ってるよね?」
「…そりゃな。」
父さんが夜間警備に派遣された場所だしな。
その事はフランさんは知らない様だし、父さんも言うつもりも無いようだ。
「は~い、自然薯のフワトロ焼き、お待ちどうさま~!」
「スゲーな、オイ!
もう旅館だろ、ココ!」
泊まる気満々のパワフルお姉さん?
どうやらサクラさんはこのワイルド系なお姉さんの胃袋を掴んだようだ?
「なぁ、どうせなら【異世界料理】とかないのか?
例えば、「オークの丸焼き」とか?」
すると父さんが、
「すまないなぁ、オークならアイテムボックスに三匹ほど入れて有ったのだが、研究素材にしたいからと、【施設】の研究室に譲ってしまったんだ。
代わりに薩摩の黒毛豚と、希少な金華豚と交換してくれたよ。」
「なら、オジサン!
その豚を食べさせてよ!」
するとサクラさんが、
「あら、先程お出しした豚バラ煮込みがソレだったんですよ?」
サクラさんが作ると【本物のトンポウロウ】と言っても過言では無いくらい美味い!
周 大人も太鼓判を押してくれるに違いない⁈
「アタシの馬鹿!
もっと味わって食べるんだった!」
「…オジサン…アイテムボックスって…もしや「魔法アイテム」…です…カ?」
フランさん、壊れかけのカセットデッキみたいだな?
「なんですか、ソレ?
あっ!
もしかして、エルフのお二人は魔法が使えるのですか⁈」
エリカさん、目がキラキラしてる?
しかし、メイデールさんの表情が曇った様に見える?
「魔法かぁ、ソレがコッチに来てから使えないんだ。
辛うじて、アイテムは何とか使えていたが、ソレもいつまで持つやら?」
…そうなんだ?
魔法がどうとか全く気にしてなかったな?
メイデールさんはエルフだから、魔法とか使えたのかな?
まぁコッチの世界では、【科学力】がある!
無理せずとも大丈夫ですからね。
メイヤちゃんが魔法なんて使えたら、そりゃもう【魔女っ娘】、いや【魔法少女】だな?
なんて考えていたが、どうも魔法と聞いてからメイデールさんの様子が優れない?
「メイデールさん、顔色悪いですよ?
具合が悪いのですか?」
「ありがとう、アキトさん。
ちょっと疲れたみたい。」
「ほら、アンタ達が騒ぐから!」
葉月がお友達らを叱ると、
「まぁまぁ、そう怒らないで、葉月ちゃん。」
メイデールさんには少し休んでもらい、お客さん達とメイヤちゃんには入浴を勧めて、さっさと片付けを始める俺とサクラさん。
「アキト、後で話がある。」
そう言って、父さんはメイデールさんを寝室に連れて行った。
まさに【ザ・古民家】だわ!」
「そ、そう?」
遺跡とか、古城とか好きな友達が叔父の家を見るなりテンション爆上がりに⁈
まぁ江戸時代が終わる頃に建て始めたらしいって曾祖父さんが言ったらしいけど?
「アタシは美味い【田舎料理】がお腹いっぱい食べたいぞー!」
「アンタ、ホントに図々しいわよ!」
「…エルふ…美少女…まだ?」
「フランチェシュカ、アナタそのお地蔵様、何処から持ってきたのよ⁈
重くないの?」
「…百人乗ったら、わからない?」
大変な連中を同行させてしまった!
ワタシが大学で、ついウッカリ口を滑らしたのいけなかったのだけど?
考古学オタクの【小森 エリカ】は朝に弱いので、夜のうちから私の部屋に泊まり、朝私が駅まで引きずって行った。
今はめちゃくちゃ元気だけど?
体力バカの【大神 響】は既に駅で待っていて、車内で食べる駅弁を十人前購入していた、もちろん全て自分が食べる分だ。
これでも本人は料理上手なのよね?
【富士見 フランチェシュカ】は何故付いて来たのか、よくわからない?
可愛い見た目と反して怪力の持ち主?
あっ!
今も小さな道祖神を、ぬいぐるみでも抱くかの如く、持って来たりしている?
三人とも高校時代からの付き合いで今も同じ大学だ。
実は彼女たちは、【古代来訪者】の血をひいている⁈
少なくとも江戸時代以前にこちらの世界に来ていた訳ありの【異世界人】が、
この世界に在留し、コチラの人間と子孫を残して、
この世界で生きていく事を良しとした人達の子孫で、【ハイブリッド】と呼ばれている人たちがいる。
彼女たちはそのハイブリッドの更に子孫で、特徴を僅かに受け継いだ【ローブリッド】と言われている残念な人たちだ…?
例えばエリカは【バンパイア】の特徴を受け継いでいるそうだが、朝が弱いのとトマトジュースが好きと言う以外知らない?
彼女の父は高名な考古学教授で、その助手でも有る彼女の母がハイブリッドの子孫らしい?
「あのね、今回の訪問はサプライズなのよ!
ワタシひとりなら兎も角、アンタ達が泊まる気満々で来られても迷惑なの!」
私自身も三年ぶりの訪問だ、叔父に会うのだって、八年振りになるのだから!
そもそも、私の父があまりココに来るのが好きではないからだ。
「考古学教授の娘として、異世界から帰還した方から、是非お話しを聞きたいのよ!」
「ソレがダメなんじゃないのよ!」
エリカの場合、大人しくしてると言うから同行を許したのに?
「よぅよぅ、早く行こうぜぇ?」
響のお父さんは【狗神信仰】が残る地方の出身で、東京に出稼ぎに来た時に定食屋で働いていたその店の娘さんに一目惚れして、そのまま【婿入り】したそうだ?
熱愛だったらしい?
いいヤツなんだけど、食に対して独特のこだわりがあるのだ!
「なぁ、だったら庭先で野宿でも…?」
「余計ご迷惑だわ⁈」
食べられる野草とか詳しいのは凄いと思うけど、お腹が空くと本当に【道草を食べる】のはやめてほしい?
どうやらエリカが今日の事をバラシたらしい?
「なんか外が騒がしくないか?」
「まぁ、お客様かしら?」
家政婦のサクラさんは買い物に出掛けているし、子供達はミイヤを連れて【お散歩】に行っている。
図らずも夫婦二人と子猫一匹しか家にはいないのだ!
「ちょと見てくるか。」
「なんだよ、ココまで来て帰れってか⁈」
「挨拶したら、帰りなさいよ!
泊まる予定はないのよ!」
「…エるフちゃんと…ムフフな…夜は?」
「無いわよ!」
北極で遭難しかけた観測隊員を救ったといわれているフランケンシュタイン、その女性隊員と結ばれたフランケンの子孫が彼女フランチェシュカなんだけど、
「フラン、アナタはお家の人にはココにくる事伝えてあるの?」
「…おぉ…さぶらいず?
…はぁちゃんとお揃い?」
彼女は【富士見ケミカル】と言う大手製薬会社のお嬢様だ、私より歳上なのに、中学生ぐらいにしか見えない幼い容姿だし、ちょっと厨二っぽいゴスロリな服装が別の意味で【異邦人】だ。
まぁ、よく似合っていて可愛いのだけれども、何考えてるかが分からないし?
実は彼女だけ【ハイブリッド】なのよね。
人造人間以外に、もう一種族の血を受け継いでいるの?
ソレは…
「…おや、可愛らしいお嬢さんたちだね、アキトの友達かな?」
玄関の引き戸が開いて、中から体格の良い男性が現れた⁈
「…あ、あの、
鉄次叔父様ですか?」
…おや、こんな人だったっけ?
以外とイケオジなんですけど?
「…おお、もしかして葉月ちゃんかい?」
「アッキー、どぅー、どぅー!」
「はいはい。」
最近、ミイヤは俺を見ても
「シャー!」
と、言わなくなって来た。
その代わり、俺の肩や頭に乗ってアチコチ見て回るのが面白いらしい。
なので、妹二人を連れてご近所を探索したり、駅前商店街でウィンドショッピングなど早くこの世界に慣れてもらう様に励んでいるのだ!
「きゃ~、ネコ耳ちゃん可愛いー!
ツーショット、良いですかっ⁈」
「あっ、エルフのお嬢ちゃん!
コロッケ揚げたてだぁ、食べてきな!」
そう、別に可愛い妹を見せびらかしている訳では無いよ⁈
近所の爺婆様も、
「天使の嬢ちゃんと猫の嬢ちゃん、良ければ蒸したお芋が有るから食べていきな。」
など、農作業の手を止めて話しかけてくれる。
すっかり人気モノだよ。
…でもね、付かず離れず見守ってくれてる方々がいるみたいだ?
多分【政府】の人なんだろうなぁ?
あの電柱の上で電線工事をしてるやたらマッスルな人とか、
田舎町をグルグル巡回するやたら美人のヤク〇トお姉さんとか?
なんだろう、まるでサクラさんの様な親近感を感じるのだけど?
「ただいまー!」
「ただいまです!」
「あう!」
おや、玄関に大勢の女物の靴が?
「ま、まさか?」
家の中では、既に宴会が始まっていた?
「はい、ふきのとうの天ぷら、追加しましたよ!」
サクラさんが大忙しだ?
「…あ、…アッキー、…おかえり、遅かったね?」
俺たちに気がついたゴスロリ少女が話しかけて来た?
「だれ?
まさか、新しい妹とか?」
全く知らない子なんですけど?
「…妹、違う…フランは…お姉さん…なの?」
いや、なんで疑問系?
って言うか、アッキーとか随分フレンドリーだけど、そんな呼び方は葉月ぐらい…
「って、お前かー⁈」
「…ごめん、アッキー!
コイツら、どうしてもエルフちゃ …え、ななな、何その、きゃわいいのはッ⁇」
従姉妹の葉月がミイヤを見て驚いてる?
メイデールさん達の事はサクラさんが既に叔父へ伝えたと聞いていたけど、葉月の奴め!
こんなに友達を連れて来るとは?
「お、叔父様、今日コチラに泊まってもよろしいでしょうか?
私、日本の古民家で一夜を明かすのが夢だったんです!」
「エリカ!」
「ん、構わんよ。
そうそう、ウチは温泉から湯を引いてるから、是非入って行きなさい。
お肌にいいぞ!」
「えっへん‼︎ ワタシが作りました!」
ドヤ顔のサクラさんが頼もしい⁈
「は、はい是非!」
サクラさん、同僚に地質学に詳しい人がいるらしく、その人の協力で、湯量は少ないが温泉の源泉を掘り当てた⁈
確かに近隣の山中に【キツネの隠し湯】と言う温泉が有るのだけど、どんだけ掘り進めたのよ?
元々、内風呂が五右衛門風呂だった我が家、人数も増えたのでお風呂場を広くしようと、サクラさんが張り切ってしまったのだ⁈
木工が得意な同僚サンの協力で、【檜風呂】が追加された!
「…ココ、いい、…旅館みたい。
…下宿したい…かも。」
下宿? 温泉? 様々なタイプな女の子たち⁈
まるであのアニメの様な?
色々と問題が起こりそうだからもう無視する!
「…フランのお祖父さま…の会社の工……場、近所に有る…から問題ない?」
「…工場?」
確かに製薬会社や食品会社の工場はあるな?
「この子「富士見 フランチェシュカ」って名前なんだけど、「富士見ケミカル」って…
知ってるよね?」
「…そりゃな。」
父さんが夜間警備に派遣された場所だしな。
その事はフランさんは知らない様だし、父さんも言うつもりも無いようだ。
「は~い、自然薯のフワトロ焼き、お待ちどうさま~!」
「スゲーな、オイ!
もう旅館だろ、ココ!」
泊まる気満々のパワフルお姉さん?
どうやらサクラさんはこのワイルド系なお姉さんの胃袋を掴んだようだ?
「なぁ、どうせなら【異世界料理】とかないのか?
例えば、「オークの丸焼き」とか?」
すると父さんが、
「すまないなぁ、オークならアイテムボックスに三匹ほど入れて有ったのだが、研究素材にしたいからと、【施設】の研究室に譲ってしまったんだ。
代わりに薩摩の黒毛豚と、希少な金華豚と交換してくれたよ。」
「なら、オジサン!
その豚を食べさせてよ!」
するとサクラさんが、
「あら、先程お出しした豚バラ煮込みがソレだったんですよ?」
サクラさんが作ると【本物のトンポウロウ】と言っても過言では無いくらい美味い!
周 大人も太鼓判を押してくれるに違いない⁈
「アタシの馬鹿!
もっと味わって食べるんだった!」
「…オジサン…アイテムボックスって…もしや「魔法アイテム」…です…カ?」
フランさん、壊れかけのカセットデッキみたいだな?
「なんですか、ソレ?
あっ!
もしかして、エルフのお二人は魔法が使えるのですか⁈」
エリカさん、目がキラキラしてる?
しかし、メイデールさんの表情が曇った様に見える?
「魔法かぁ、ソレがコッチに来てから使えないんだ。
辛うじて、アイテムは何とか使えていたが、ソレもいつまで持つやら?」
…そうなんだ?
魔法がどうとか全く気にしてなかったな?
メイデールさんはエルフだから、魔法とか使えたのかな?
まぁコッチの世界では、【科学力】がある!
無理せずとも大丈夫ですからね。
メイヤちゃんが魔法なんて使えたら、そりゃもう【魔女っ娘】、いや【魔法少女】だな?
なんて考えていたが、どうも魔法と聞いてからメイデールさんの様子が優れない?
「メイデールさん、顔色悪いですよ?
具合が悪いのですか?」
「ありがとう、アキトさん。
ちょっと疲れたみたい。」
「ほら、アンタ達が騒ぐから!」
葉月がお友達らを叱ると、
「まぁまぁ、そう怒らないで、葉月ちゃん。」
メイデールさんには少し休んでもらい、お客さん達とメイヤちゃんには入浴を勧めて、さっさと片付けを始める俺とサクラさん。
「アキト、後で話がある。」
そう言って、父さんはメイデールさんを寝室に連れて行った。
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