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お兄ちゃん、猫ちゃん飼ってもいいの?
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「メイヤちゃん、バイバ~イ!」
「うん、また明日ね~!」
結局、メイヤちゃんは小学校の編入試験で、「小学四年生」の学力が有ると判明し、四年生のクラスに編入された。
今ではお友達も出来て、毎日楽しく登校している。
聞くところによると、同じクラスには同じく来訪者で、【魔導士】を父に持つ男の子がいるらしい?
「どんな子なの?」
と、聞いたら、
「えっとね、バベルート君はカレーが大好きなんだよ!」
だそうだ?
あまり魔導士感無いな。
いや、独自で調合したカレー粉とか有るのかも知れない?
彼とその家族はどうやらメイヤちゃんとは別の【異世界】から来てしまった様で、元の世界よりもコチラの世界の方が平和なので家族で永住を希望したらしい?
異世界にも、色々あるらしい?
とにかく楽しい学校生活をエンジョイしているメイヤちゃんだが、昨日から様子が変だ?
「えっと、今お腹いっぱいなの、後で部屋で食べるから!」
と言って、食事を部屋に持ち込んだり、夜中に冷蔵庫の中を物色して持ち出したりしている様だし。
…ん、間違いない、犬か猫を拾ったな?
言ってくれれば良いのに。
この様子だと自分の部屋で隠れて飼っているかも?
「メイヤちゃん、ちょっと良いかな?」
俺は妹の部屋の前に立ち、声をかけた。
学校から帰って来るなり、直ぐに部屋に飛び込んで行ったメイヤちゃん?
「お、お兄ちゃん⁈
ちょ、ちょっと待ってて!」
「入るよ~。」
「あ~ん、ダメなのに~!」
床に小さなお皿を置いて、中には細かく千切ったマグロのお刺身らしきモノを美味しいそうに食べている黒い子猫?
「お兄ちゃん、お願い、殺さないで⁈」
子猫を隠す様に抱きしめる妹からショッキンぐぅ~なワードを投げつけられた?
殺す?
保健所に渡さないでっ事かな?
「あ、あのメイヤちゃ…」
「この子はメイヤがちゃんと躾けるから、ヒトを襲ったりしない様に良い子にさせるから!」
「襲う? その子が?」
何か行き違いがある様だけど?
「この子は未だ赤ちゃんなの!
きっと、この子のお母さんは狩られちゃったんだよ?
だからメイヤがお母さんになって、大きくなってもヒトを襲わない様に牙も抜いて、良い子になる様に育てるから、
お願い、殺さないで‼︎」
猫を狩る?
三味線の材料にでもするのかな?
「殺さないよ!
そんな可哀想な事しないからね、
そうだ!
このネコ 飼ってもらえるよう父さんに頼んであげるから?」
「ダメ!
お父さん、【ダークサーバルタイガー】を何度も狩っていたの、村人を襲うからって!」
…だーく…たいがー?
「メイヤちゃん、 この子、 猫だから、 そんなおっかない生き物じゃないよ?」
「…えっ?」
メイヤちゃん、どうやら元の世界にいた動物の赤ちゃんだと思っていた様だ?
ソレにしても、父さんはアッチの世界で猫科の動物を退治していたのか⁈
動物好きなのに?
俺たちはそのまま、居間にいる父さんたちの元にこの黒い子猫をウチで飼える様、お願いしに一階に降りて行く。
「あら! 可愛いネコちゃん!
この子、どうしたのデス?」
早速、サクラさんに見つかった。
事情を話すと、
「大歓迎デスわ!
早速、許可をいただきましょうネ!」
予想していた通り、父さんは猫を飼う事を許してくれた……が?
「そ、その【黒き魔獣】は本当にヒトやエルフを襲わないのですか⁇」
メイデールさんも何やら怪しいワードを使っていたが、
父さんから大丈夫だと説明されると、ホッとしていた。
「アキト、実はな、アッチの世界には、【魔獣】ってのが居て、大人しいのは共存出来るが、
自分以外の種族を捕食する大型のケモノもいるのさ。」
「…ライオンやクマみたいなのが、この辺に居たら大変だよ!」
俺と父さんとサクラさんで、エルフのお二人にそんなオッカナイ動物はこの辺には居ないからと、念入りに説明した。
勿論、黒子猫を我が家で飼うことも決まったのだった。
子猫の名前は…
「…アルフレッド…」
メイヤちゃんの命名だ、随分とカッコいい名前だけど、ソレを聞いた父さんとメイデールさんの表情が少し曇った。
何かあるのかな?
しかし、俺はアルフレッドのお陰で、この生活が始まってからの悩みのタネが二つ消えた…
一つ目は、夜中にメイヤちゃんが俺のベッドに忍び込んで来なくなった事。
「ヤダ、今日もお兄ちゃんと一緒に寝るの!」
と、言っていた甘えん坊が、
「アルフレッド、今日も良い子でおねんねするんでスよ!」
「ぴー!」
てな感じだ。
正直、寂しいような、ホッとした様な?
二つ目は、俺の入浴中にメイヤちゃんが乱入しなくなった事だ⁈
「お兄ちゃん、メイヤがお背中流してあげるね!」
「いや、ダメ!
大丈夫だから!」
「じゃあ、お兄ちゃんがメイヤの事、洗ってよ!」
「ソレはもっとダメダメだから!」
さすがにコレはサクラさんが助けてくれた!
最近は子猫の世話が大変だからと、俺とゆっくり入浴は出来ないそうだ⁈
寂しくない、寂しくないよ!
俺たちが学校にいっている間は、サクラさんがアルフレッドの面倒を見てくれてる。
この子猫が大人になるまで、メイヤちゃんの甘えん坊はしばらくお休みの様だ?
いや、良い事だよ⁈
ソレから暫くして、
「…お兄ちゃん、また子猫、拾っちゃったの…」
…オヤオヤ?
「この際、一匹も二匹も同じだよ、多分父さんも許してくれるさ。
で、今度の子はどんな子猫?」
するとちょっと言いづらそうに、
「…女の子なの。」
「うむ、ならアルフレッドのお嫁さんかな?」
「ううん、多分種族が違うから無理だよ?」
種族?
アメショとかペルシャとか、品種が違うってコトかな?
まぁそういうのに、厳しくこだわる飼い主もいるけど、エルフの奥さんを貰った父がそんな事をこだわるとも思えないし、俺も可愛いのならMIXでも、ウェルカムだよ?
「どんな子かな、部屋にいるの?」
「うん、ベッドの下に潜っちゃったの。」
子猫あるあるだな?
「シャー! フゥーフゥー!」
ベッドの下を覗くと、よく見えないが威嚇された様だ?
「あれ、なんかおっきくない?」
「シャー!」
「うわっ⁈」
ベッドの下にいた何かは、俺に襲いかかってきた⁈
ソレを掴み上げて、よく見ると…
「アキトくん、メイヤちゃん、今、大きな音がしましたが…
まぁ、可愛い‼︎」
「メイヤちゃん、この子、どこにいたの?」
「あのね、公園の茂みの中!
お腹を空かして、クゥンクゥン泣いていたのよ⁈」
長くて細い尻尾、大きくピンっと張った耳、クリクリして可愛い大きな目、猫…には違いない、でもコレは?
「…この子、猫娘では?」
サクラさんが何故か俺に尋ねた?
「…キャットピープルかな?」
「シャー、シャー!」
俺が抱き上げたのは、おそらく猫の獣人、しかもかなり幼い⁇
人間の子だと二、三歳かな?
「…アキトくん、我孫子道さんにご連絡しますね。」
「…お、お願いします。」
俺たちは又、施設のお世話になるのだった。
「うん、また明日ね~!」
結局、メイヤちゃんは小学校の編入試験で、「小学四年生」の学力が有ると判明し、四年生のクラスに編入された。
今ではお友達も出来て、毎日楽しく登校している。
聞くところによると、同じクラスには同じく来訪者で、【魔導士】を父に持つ男の子がいるらしい?
「どんな子なの?」
と、聞いたら、
「えっとね、バベルート君はカレーが大好きなんだよ!」
だそうだ?
あまり魔導士感無いな。
いや、独自で調合したカレー粉とか有るのかも知れない?
彼とその家族はどうやらメイヤちゃんとは別の【異世界】から来てしまった様で、元の世界よりもコチラの世界の方が平和なので家族で永住を希望したらしい?
異世界にも、色々あるらしい?
とにかく楽しい学校生活をエンジョイしているメイヤちゃんだが、昨日から様子が変だ?
「えっと、今お腹いっぱいなの、後で部屋で食べるから!」
と言って、食事を部屋に持ち込んだり、夜中に冷蔵庫の中を物色して持ち出したりしている様だし。
…ん、間違いない、犬か猫を拾ったな?
言ってくれれば良いのに。
この様子だと自分の部屋で隠れて飼っているかも?
「メイヤちゃん、ちょっと良いかな?」
俺は妹の部屋の前に立ち、声をかけた。
学校から帰って来るなり、直ぐに部屋に飛び込んで行ったメイヤちゃん?
「お、お兄ちゃん⁈
ちょ、ちょっと待ってて!」
「入るよ~。」
「あ~ん、ダメなのに~!」
床に小さなお皿を置いて、中には細かく千切ったマグロのお刺身らしきモノを美味しいそうに食べている黒い子猫?
「お兄ちゃん、お願い、殺さないで⁈」
子猫を隠す様に抱きしめる妹からショッキンぐぅ~なワードを投げつけられた?
殺す?
保健所に渡さないでっ事かな?
「あ、あのメイヤちゃ…」
「この子はメイヤがちゃんと躾けるから、ヒトを襲ったりしない様に良い子にさせるから!」
「襲う? その子が?」
何か行き違いがある様だけど?
「この子は未だ赤ちゃんなの!
きっと、この子のお母さんは狩られちゃったんだよ?
だからメイヤがお母さんになって、大きくなってもヒトを襲わない様に牙も抜いて、良い子になる様に育てるから、
お願い、殺さないで‼︎」
猫を狩る?
三味線の材料にでもするのかな?
「殺さないよ!
そんな可哀想な事しないからね、
そうだ!
このネコ 飼ってもらえるよう父さんに頼んであげるから?」
「ダメ!
お父さん、【ダークサーバルタイガー】を何度も狩っていたの、村人を襲うからって!」
…だーく…たいがー?
「メイヤちゃん、 この子、 猫だから、 そんなおっかない生き物じゃないよ?」
「…えっ?」
メイヤちゃん、どうやら元の世界にいた動物の赤ちゃんだと思っていた様だ?
ソレにしても、父さんはアッチの世界で猫科の動物を退治していたのか⁈
動物好きなのに?
俺たちはそのまま、居間にいる父さんたちの元にこの黒い子猫をウチで飼える様、お願いしに一階に降りて行く。
「あら! 可愛いネコちゃん!
この子、どうしたのデス?」
早速、サクラさんに見つかった。
事情を話すと、
「大歓迎デスわ!
早速、許可をいただきましょうネ!」
予想していた通り、父さんは猫を飼う事を許してくれた……が?
「そ、その【黒き魔獣】は本当にヒトやエルフを襲わないのですか⁇」
メイデールさんも何やら怪しいワードを使っていたが、
父さんから大丈夫だと説明されると、ホッとしていた。
「アキト、実はな、アッチの世界には、【魔獣】ってのが居て、大人しいのは共存出来るが、
自分以外の種族を捕食する大型のケモノもいるのさ。」
「…ライオンやクマみたいなのが、この辺に居たら大変だよ!」
俺と父さんとサクラさんで、エルフのお二人にそんなオッカナイ動物はこの辺には居ないからと、念入りに説明した。
勿論、黒子猫を我が家で飼うことも決まったのだった。
子猫の名前は…
「…アルフレッド…」
メイヤちゃんの命名だ、随分とカッコいい名前だけど、ソレを聞いた父さんとメイデールさんの表情が少し曇った。
何かあるのかな?
しかし、俺はアルフレッドのお陰で、この生活が始まってからの悩みのタネが二つ消えた…
一つ目は、夜中にメイヤちゃんが俺のベッドに忍び込んで来なくなった事。
「ヤダ、今日もお兄ちゃんと一緒に寝るの!」
と、言っていた甘えん坊が、
「アルフレッド、今日も良い子でおねんねするんでスよ!」
「ぴー!」
てな感じだ。
正直、寂しいような、ホッとした様な?
二つ目は、俺の入浴中にメイヤちゃんが乱入しなくなった事だ⁈
「お兄ちゃん、メイヤがお背中流してあげるね!」
「いや、ダメ!
大丈夫だから!」
「じゃあ、お兄ちゃんがメイヤの事、洗ってよ!」
「ソレはもっとダメダメだから!」
さすがにコレはサクラさんが助けてくれた!
最近は子猫の世話が大変だからと、俺とゆっくり入浴は出来ないそうだ⁈
寂しくない、寂しくないよ!
俺たちが学校にいっている間は、サクラさんがアルフレッドの面倒を見てくれてる。
この子猫が大人になるまで、メイヤちゃんの甘えん坊はしばらくお休みの様だ?
いや、良い事だよ⁈
ソレから暫くして、
「…お兄ちゃん、また子猫、拾っちゃったの…」
…オヤオヤ?
「この際、一匹も二匹も同じだよ、多分父さんも許してくれるさ。
で、今度の子はどんな子猫?」
するとちょっと言いづらそうに、
「…女の子なの。」
「うむ、ならアルフレッドのお嫁さんかな?」
「ううん、多分種族が違うから無理だよ?」
種族?
アメショとかペルシャとか、品種が違うってコトかな?
まぁそういうのに、厳しくこだわる飼い主もいるけど、エルフの奥さんを貰った父がそんな事をこだわるとも思えないし、俺も可愛いのならMIXでも、ウェルカムだよ?
「どんな子かな、部屋にいるの?」
「うん、ベッドの下に潜っちゃったの。」
子猫あるあるだな?
「シャー! フゥーフゥー!」
ベッドの下を覗くと、よく見えないが威嚇された様だ?
「あれ、なんかおっきくない?」
「シャー!」
「うわっ⁈」
ベッドの下にいた何かは、俺に襲いかかってきた⁈
ソレを掴み上げて、よく見ると…
「アキトくん、メイヤちゃん、今、大きな音がしましたが…
まぁ、可愛い‼︎」
「メイヤちゃん、この子、どこにいたの?」
「あのね、公園の茂みの中!
お腹を空かして、クゥンクゥン泣いていたのよ⁈」
長くて細い尻尾、大きくピンっと張った耳、クリクリして可愛い大きな目、猫…には違いない、でもコレは?
「…この子、猫娘では?」
サクラさんが何故か俺に尋ねた?
「…キャットピープルかな?」
「シャー、シャー!」
俺が抱き上げたのは、おそらく猫の獣人、しかもかなり幼い⁇
人間の子だと二、三歳かな?
「…アキトくん、我孫子道さんにご連絡しますね。」
「…お、お願いします。」
俺たちは又、施設のお世話になるのだった。
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