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其の六十 時にソレは必要なことで?
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買い取ってから永らく売り場にあるモノは「値下げ」してでも売らないといけない。
買い取った金額を下回ってでもだ!
一応、そんな品物でもそれ専門の回収業者がいるのだけど、お金を出して引き取ってもらうケースと、一応額面上買い取っては貰えてもかなり安いケースがある。
「知らなかったわ、一度にこんなに処分しているのね?」
店長代理の奥さんと今月回収してもらうブツを確認してもらう。
今回は後者の話しだ。
「週刊誌ですからね、こんなモンじゃないですか?
他のお店もおそらく?」
その日発売されたモノを十円程で買い取りして五十~百円程で販売している。
よく売れるのがジャ○プだ、特に小学生や中学男子に!
例えばなぜか月曜発売の雑誌を土曜にフライング販売している商店も有るが、綴じ込み付録に〇〇カードなんて付いていた号は在るだけ買われた。
兎に角「安さ」が正義なのかもしれない。
ちなみに綴じ込み付録が切り取られたりしているモノ、汚れているモノは買い取りしない。
皆さんも駅近くの公園や路上で、ホームレスらしきおじさんが新聞や雑誌を路上に並べて売っているのを見た事はないだろうか?
ウチの様なお店で買い取らなかったモノは自分でお金に変えている訳だ。
ソレはさておき、
溜まった売れ残りを古紙回収屋さんに引き取ってもらい、
「最近はお金になるのね?
私が子供の頃はちり紙だったのに。」
「何でしたら、交換しますよ?
トイレットペーパーに。」
馴染みの業者さんが笑って答えると、
「どのくらいになるの?」
と、かなり本気で奥さんが食いついた!
紙モノはまだイイ!
問題は売れないDVDやCDだ。
一枚百円のワゴンセール等もやっては有るけど、本当に売れないモノは値下げしても売れないのだ。
「この子も、体張って頑張ったのにねぇ?」
見切り品のAVを一枚手に取ると奥さんがしみじみ思い詰めた様子で呟いた。
アキバさんの話しだと、奥さん実は子供の頃「児童劇団」にいた事があるらしく、その劇団出身の俳優たちと今でも交流が有るらしく、ご自身は親のエゴで通わされていたとかで中学進学の時に退団したのだとか。
そんなんだから、何か思うトコロが有るのだろう?
「ネットで調べたんだけど、慈善団体に寄付する方法が有るんですってよ?」
「この子供向けの昔話アニメならソレも有りですけど、アダルトはどうですかね?」
「ソレは向こうが決めてくれるんじゃない?」
なるほど、しおりんの性格はお母さん似なのかもね?
「ねぇ、小森くん!」
ソレから数日後、奥さんが嬉しそうに俺のトコロに来た?
「ハイ、何か有りましたか?」
「売れたわ、あの売れ残り!」
「へ?」
なんでもフリマアプリで売れなかったアダルトDVDを出品したところ、全てとはいかなかったが、半分以上買い手が付いたそうだ⁈
「なので、梱包手伝ってね!」
な、なんでだろ?
もう必要ないと思っても、知らない誰かにとっては必要だったのかもしれない。
俺もそろそろどっち付かずの態度をやめないと捨てられてしまうかもな。
「ナニが捨てられてしまうんです?」
「うわっ!びっくりした!」
「あ、ごめんなさい!
そんなに驚くなんて?
何を考えていたんですか、リクさん?」
売り場で品出ししていた俺の背後に、突然陽毬さんが現れたのだ。
まさか本人の事を考えている時に背後から声を掛けられるとは、びっくりだよ。
「ちゃんとしないと、いい加減陽毬に捨てられるかなって、考えてた。」
「えっ、そ、そんな事無いですよ!
私はリクさん一筋ですから!」
「アラアラ、仲がよろしいのはイイけど、余りお客様やアッチのバイト君に見せつけないでね。」
そう笑って奥さんに注意された、セガくんが血の涙を流していそうだから⁈
「畜生! なら俺はAV女優と付き合ってやる!」
この無謀と思える叫びは、数年後実現しめでたく結婚する事になる⁈
ソレは番外編にでも話そう。
買い取った金額を下回ってでもだ!
一応、そんな品物でもそれ専門の回収業者がいるのだけど、お金を出して引き取ってもらうケースと、一応額面上買い取っては貰えてもかなり安いケースがある。
「知らなかったわ、一度にこんなに処分しているのね?」
店長代理の奥さんと今月回収してもらうブツを確認してもらう。
今回は後者の話しだ。
「週刊誌ですからね、こんなモンじゃないですか?
他のお店もおそらく?」
その日発売されたモノを十円程で買い取りして五十~百円程で販売している。
よく売れるのがジャ○プだ、特に小学生や中学男子に!
例えばなぜか月曜発売の雑誌を土曜にフライング販売している商店も有るが、綴じ込み付録に〇〇カードなんて付いていた号は在るだけ買われた。
兎に角「安さ」が正義なのかもしれない。
ちなみに綴じ込み付録が切り取られたりしているモノ、汚れているモノは買い取りしない。
皆さんも駅近くの公園や路上で、ホームレスらしきおじさんが新聞や雑誌を路上に並べて売っているのを見た事はないだろうか?
ウチの様なお店で買い取らなかったモノは自分でお金に変えている訳だ。
ソレはさておき、
溜まった売れ残りを古紙回収屋さんに引き取ってもらい、
「最近はお金になるのね?
私が子供の頃はちり紙だったのに。」
「何でしたら、交換しますよ?
トイレットペーパーに。」
馴染みの業者さんが笑って答えると、
「どのくらいになるの?」
と、かなり本気で奥さんが食いついた!
紙モノはまだイイ!
問題は売れないDVDやCDだ。
一枚百円のワゴンセール等もやっては有るけど、本当に売れないモノは値下げしても売れないのだ。
「この子も、体張って頑張ったのにねぇ?」
見切り品のAVを一枚手に取ると奥さんがしみじみ思い詰めた様子で呟いた。
アキバさんの話しだと、奥さん実は子供の頃「児童劇団」にいた事があるらしく、その劇団出身の俳優たちと今でも交流が有るらしく、ご自身は親のエゴで通わされていたとかで中学進学の時に退団したのだとか。
そんなんだから、何か思うトコロが有るのだろう?
「ネットで調べたんだけど、慈善団体に寄付する方法が有るんですってよ?」
「この子供向けの昔話アニメならソレも有りですけど、アダルトはどうですかね?」
「ソレは向こうが決めてくれるんじゃない?」
なるほど、しおりんの性格はお母さん似なのかもね?
「ねぇ、小森くん!」
ソレから数日後、奥さんが嬉しそうに俺のトコロに来た?
「ハイ、何か有りましたか?」
「売れたわ、あの売れ残り!」
「へ?」
なんでもフリマアプリで売れなかったアダルトDVDを出品したところ、全てとはいかなかったが、半分以上買い手が付いたそうだ⁈
「なので、梱包手伝ってね!」
な、なんでだろ?
もう必要ないと思っても、知らない誰かにとっては必要だったのかもしれない。
俺もそろそろどっち付かずの態度をやめないと捨てられてしまうかもな。
「ナニが捨てられてしまうんです?」
「うわっ!びっくりした!」
「あ、ごめんなさい!
そんなに驚くなんて?
何を考えていたんですか、リクさん?」
売り場で品出ししていた俺の背後に、突然陽毬さんが現れたのだ。
まさか本人の事を考えている時に背後から声を掛けられるとは、びっくりだよ。
「ちゃんとしないと、いい加減陽毬に捨てられるかなって、考えてた。」
「えっ、そ、そんな事無いですよ!
私はリクさん一筋ですから!」
「アラアラ、仲がよろしいのはイイけど、余りお客様やアッチのバイト君に見せつけないでね。」
そう笑って奥さんに注意された、セガくんが血の涙を流していそうだから⁈
「畜生! なら俺はAV女優と付き合ってやる!」
この無謀と思える叫びは、数年後実現しめでたく結婚する事になる⁈
ソレは番外編にでも話そう。
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