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その七 福袋的な?

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 「在庫減らしたいから、恒例のヤツ準備してくれるかな。」


 今のところ、このお店古書店の主な利益は「エロ」いモノが稼ぎ出していると言っても間違いではない。

 次が漫画やゲーム、本来なら古書全般と言いたいが、ジャンル分けすると一目瞭然で漫画本が売れている。

 販売数では、漫画本がダントツなのだけど、利益ではエロい商品が上なのは、元々の値段の違いも有るし、新品も扱っているからだろう。


 「売れ筋の商品、並べたいから用に集めてくれる?」


 そんな訳でコミックコーナーのヘルプをしている俺。

 既に連載が完結していて第一巻から最終巻まで揃っているモノ、連載は続いてる第一巻から最新巻までのセット等で単巻バラで買うよりお得になる様値引きしたり、状態で値段を下げたりと色々気を使ってセットを組んでいく。


 だからって直ぐに売れるわけでは無く、あくまでに空きが出来る訳で、倉庫に置いといても売れるのはで紹介しているモノだけだ。


 ちなみにセットを組んだモノはレジ横のワゴンに並べてある。

 同じ事はAVでも行っている。

 女優さんセットとか、同じジャンルで組むとか、5本セットで割と適当に組む。

 変にこだわってセレクトすると仕事が進まないからだ。

 そもそも売れ残りを処分したくてやっている訳で(この値段でこの本数なら買って見てもいいか?)ぐらいの商品なのだから、時間をかけてはいられない。

 あくまで、売れ筋を棚に並べる為にやっている事なので!


 けど、これが割と売れるんだよ、不思議と?

 「ネェネェ、この福袋のチョイスはネコちゃんなの?」

 常連客の1人が聞いてきた。

 まぁチョイスしたと言えばそうなんだけど、適当にとは言えず、

 「一応ですけど、使の良いモノを集めたつもりですが。」

 何言ってんだ、オレ?


 「やっぱり!あのチョイスはだよね~!
 単品だとアレだけど、繋げて見るとソノ意味が分かるみたいな?」

 この人がソレでお楽しみならソレでいいけど、俺には#意味
__・__#がわかりません!


 ソレともうお気付きだと思いますが、俺の名前は「猫森」ではありません。

 ココの店長は従業員に勝手にニックネームをつけて呼ぶので、ちょくちょく来ている常連客も従業員をニックネームで呼んだりする。

 もし、俺がメガネをかけていたら「メガネ」だったかもしれない。


 ソレはさておき、ネットで色々見れる様になっても、エッチなグッズを販売している自販機なんてモノが寂しい路地裏にあったりするこの辺りでは、特定の購買層がある様だ。

 最近では「千円ガチャ」に生まれ変わった「大人の自販機」たち、ウチのお店の横に置いてある。
 
 モノがモノだけに独特の怪しさに釣られて、買っていかれてる様?


 何が入っているかわからないから売れると言うのも、不思議なモンだ?


 「店長、AVのワゴン空になってますけど、追加しますか?」


 「いや、今度はそこに値引きしたグラビア写真集を並べるから。」


 う~ん、売れるかな、コレ?

 名前を聞いてもわからない、写真を見てもわからない?

 「誰ですか?この方は?」

 「アレ、知らない?たしか今何かスポーツ選手の奥さんとかかな?」


 随分前にご結婚されて引退したグラビアアイドルの様だ?


 美人ではあるな?

 他も似たり寄ったりの発売されてから十数年経過している。

 「もしかしたら付いてたりしてませんか?」

 と、店長に聞いてみたが、

 「そう言うのは、「アイドル専門」で商売してるに任せるよ、以外とに詳しい人が買ってくれてのお店に転売してくれればだよ。」


 あ! なる ほど!

 「まだ、奥に在庫有るんですね?」

 「そ、だからアッチで高く値段つけたら、ソレより少し安くして販売しようかな。」


 その為にお安く販売してるのか。

 とりあえず、各種一冊づつ並べる。

 「あ、この人は今はお笑い芸人で、こっちは通販番組とかに出てるよ。」

 えっ⁈その人なら知ってますよ!

 深夜帯の通販番組ですよね?

 そうなんだ、昔は痩せてたんだ。

 時間とは残酷だなぁ。



 「その辺が売れたら、この「バラエティグッズ福袋」を販売するからね!」
 
 『バラエティグッズ福袋』とはアダルトな商品の詰め合わせで、某AVメーカーさんがで出した商品なのだが、コレも結構売れ残っている。

 実用性の高いDVDと仕様の違うオナ●ール二つとローション、あとよくわからないと運がパンツが入ってるらしい?

 当時は三千円ぐらいで販売していたそうだけど、

 「980円(税抜)でね!」

 微妙だ?




 
 「お疲れ様デス!」

 「あ、お疲れ様、アレ売れたかな、は?」

 たまたまシオタさんとバイト終わりが同じになった、差し障りのない質問で会話を伸ばした。

 「あ~!アレですか?さんが組んだんですよね?
 私、買っちゃいましたよ!

 「フル○○バ○○ッ○」の全巻セット、ファンブックも含めたのは感激です!」

 「最近、又アニメ化したもんな、イケると思ったんで最初にセットにしたんだ。」

 「ウチにも有ったんですけど、お姉ちゃんが一人暮らしする時に全部持って行っちゃって!

 あ、ちなみに私はキョン君推しデス!」

 まさか身内が買って行くとは⁈

 「シオタさん、リアル連載時は産まれて無いよね?
 お姉さん、漫画好きな人なの?」

 「そうですね、自宅がみたいな状態でしたよ。
ただ姉がだけ持って行ったんで、時々また見たい本が無かったりしたんで、このバイトを選んだんです。」

 「なるほど、で、探しモノは有ったの?」

 「半分くらいです。」

 帰り道、内容はオタクっぽいが中々良い感じだ。

 幸い駅までは一緒だし、ソレなら

 「シオタさん、お腹空いてない?ソコのたこ焼きが美味いらしいよ?」

 途中にたこ焼きのキッチンカーが見える、中々の人気らしく昼間はいつも行列が出来ているが、時間が時間なのでそれほど並んでいない。

 店側が用意したらしいベンチもある。

 「ですか?」

 「です!」 

 「なら!」

 並んでる間に注文をとりに来たが犯罪的に可愛い?のが気になったが、

 「アレ?あの子もしかしたら、最近話題のレイヤーさん「トオカちゃま」かも?」

 何でも実際はそこそこの年齢らしいが幼く見える様に振る舞っているらしい、コレも擬似ロリか?

 「はい、お待っとさん!
 メニューはコレな!」


 8種のたこ焼きを写真入りメニューボードから選ぶ、

 「私、明太マヨソースで。」

 「じゃ、大根おろしポン酢。」

 「少々お待ちを!」


 
 ベンチに腰掛け、熱々のたこ焼きにパクつく。

 予め1~2個交換するつもりだったが、相当お腹を空かしていたのか、ネギ塩をした一皿を追加したシオタさん。

 「ホント、すいません!」

 シオタさんのお腹が可愛くしまったのに、完敗して

 「このくらいの出費でお腹の音が止まるなら安いモンだよ。このままだと、この辺りのした罪で捕まってしまうし?」


 「そんなに大きく有りません!

 あ~あ、猫守さんもコミック専任になれば良いのに。」


 コミックコーナーは現在女性三人だけ、なので男手が欲しいと言う事だろう。

 「仕方ないですよ、アダルトコーナーは未成年にはNGだしね。」


 どうしても、男手がコッチアダルトコーナーに取られてしまう。



 そんな話しをしながらたこ焼きを完食!

 駅のホームまで見送って、反対方向の電車に乗る、脈ありと見た。

 などと、馬鹿な事を考えてみたり?

 
 いや、付き合えるなら真剣交際だよ。



 
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