スマートシステムで異世界革命

小川悟

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第5章 公的ギルド

第21話 追求しないでぇ

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朝起きてまずはステータスを確認する。

なんじゃぁぁぁ!

ステータスがすべての項目で10ずつ増えていた。魔力量の最大値は少しだけ増えている。

昨晩は4回ぐらい……ゲフン、や、やはり回数は関係ない!?

きのうレベッカ夫人のステータスを確認した時は、ステータスがすべての項目で2ずつ増えて、魔力量は大量に増えていた。だから回数は関係ない気はしていた。

それに、ローテーションの順番は関係ないじゃん!

昨晩もレベッカ夫人の襲撃を受けた。
ローテーションの順番が違うと言うと、新しく検証する必要ができたからと返事された。結局4回も…ゲフン。しかし、ことが済むとレベッカ夫人は部屋に戻ったのだ。まさか、一緒に寝なければセーフだと思ってる?

まあ、深く考えるのは止めよう。

文字念話でクレアから連絡が入っていた。
内容は女性だけの冒険者グループと知り合い、一緒に行動したとあった。その冒険者グループの半分以上が獣人だと伝えてきた。

ふむふむ、獣人の冒険者かぁ。

モフモフの尻尾をフルフル振りながら戦闘するのだろうか?

見てみたい気もするが、初めてシャルに会った時みたいに殺気だっていたら、恐くて近づけそうにないと思う。

続きがあったので文字念話を読んでみる。

………バレテ~ラ!

子供たちが私のことをケモナー&オッパイ星人として思っているらしい。もちろんそんな風には書いていないが、間違いなくそういう意味の内容だった。

更に今日からその女性冒険者たちがダンジョンに来るらしい。

へ、変な事はしないよ~。

クレアから私の行動を心配するような注意書きがされていた。

だ、大丈夫だよ。サキュバスに吸い取れているから……。

……ダメと言われると、余計に気になってくるぅ!


   ◇   ◇   ◇   ◇


『塩抽出魔導ポンプ2号』の稼働状況を確認するが、稼働記録を見ても数値に全く変化は見られない。

この広さの海だから1日や2日では塩分濃度の低下は見られないよね。

魔砂も順調に備蓄できている。
個人的には塩よりも魔砂の備蓄のほうが気になる。魔砂はエネルギーであると同時にCPUやメモリ、記憶装置を作るために必要な半導体でもあるのだ。

異世界革命に魔砂は絶対に必要になる!


   ◇   ◇   ◇   ◇


兵士用の食堂に下りて行くと、食堂でレベッカ夫人とカルアさん、ブリッサさんが何やら話をしていた。

「アタル~」

レベッカ夫人に呼ばれて、そのテーブルに向かう。

少しなれなれし過ぎないかなぁ?

周りにレベッカ夫人との関係を知られては不味いと心配になる。

「アタル、特に問題なくこの施設も運用できているわ。冒険者も好意的で問題を起こす人もいないみたいね」

同じテーブルに付くとレベッカ夫人が教えてくれた。

「それは良かったですね。カルアさんは冒険者に人気ありますから、安心して任せられそうですね」

「そうなのよぉ。既に何人かに結婚を申し込まれて、息子の嫁にしたいとも言われているみたいよ。そういう人達が他の冒険者に勝手に注意してくれるから良い感じね」

レベッカ夫人は普通にそう考えて話しているようだが、カルアさんは顔を真っ赤にしている。

「わ、私だけじゃありません! 他の隊員も同じように声を掛けられています!」

「ふふふっ、冒険者は能力の高い者も多いから、獲物としては最高ね。真面目な冒険者を捕獲してエルマイスター家の騎士団に欲しいわねぇ~」

獲物扱いですかぁ~。

何故か次々とサキュバスに捕食される男達が目に浮かぶ。

「頑張ります!」

カルアさん、まさか頑張るんですかぁ~!

「男の確保は大切よ。期待してるわね!」

「「はい!」」

ブリッサさんも返事したぁ~!

男の私が居るのにそんな話を普通にするのぉ。

は、話を変えよう!

「そ、それより、私の調査も順調なので、予定通り明日から地上に戻ろうと考えています」

「そうなのね。ではブリッサは予定通り一緒に戻るから、今日中に唾を付けときなさい」

「はい!」

この世界の女性は強い!

でも男が少ない環境と考えると、これぐらいじゃなきゃ結婚できないのかも……。

でも、男である私の前で露骨に話すのはやめてぇ~!

「アタル、今日は忙しいのかしら?」

ほ、捕食ですかぁ!?

「えっ、あっ、い、忙しくないです……」

くっ、捕食されたい気待ちも……。

「そうなの、だったら私に魔法を教えてくれるかしら?」

捕食じゃない! ちょっと悲しい……。

しかし、魔法は土魔法しか使えない。
それもこの世界の常識とは、私の魔法は違うと思う。詠唱は知らないし、魔法の基本も全く知らない。

「私が教えられるとは思いませんが……」

「アタルの魔法は何か違うから、それを参考にしてみたいのよ」

ふむ、確かに魔法の検証はしていないなぁ。

生活魔法と魔弾ぐらいしか検証していないし、後は魔法陣を利用するか、その魔法陣を利用して魔道具を作るぐらいである。

あっ、でも土魔法は使いまくっているかぁ。

自分としては問題無いが、他の人が活用できるよう考えないとダメかもしれないかぁ。

「教えるというよりも、私も学びたいですね。検証もしてみたいので一緒に考えてみましょう」

「うん、それで問題ないわ」

「では、護衛を付けましょう」

ブリッサさんが護衛の話を出してきた。

う~ん、あまり人に見られたくないかなぁ。

「屋上で海に向かって魔法の練習をしましょう。それなら護衛の必要はないわ」

レベッカ夫人も私の魔法を人にはあまり見せたくないようだ。

そ、そういう事だよね……?


   ◇   ◇   ◇   ◇


屋上にレベッカ夫人と上がってきた。

屋上は柵を付けてあり、テーブルや椅子なども用意してある。兵士用の区画からしか上がれないようになっている。

海側のテーブルに移動するとレベッカ夫人が質問してきた。

「アタルは獣人や大きなオッパイの女性が好きなの?」

「えっ!?」

なんですとぉーーー!?

どこからその話を……。

「クレアから、女性冒険者がダンジョンに行くから、注意してくれと手紙が届いたのよ」

まるで私の考えが読んだみたいにレベッカ夫人は答えてくれた。

くっ、自分の作った魔道具で、危険な情報共有をさせてしまったようだ。

しかし、色々と訂正させてもらおう!

「獣人はあまり見たことがないので、興味を惹かれるだけです。お、男ですからオッパイは好きですが、大きい小さいは重要ではありません」

「そうなの? でも昨晩も執拗に私の胸をあんなにも……」

くっ、それは反則です!

「い、いえ、大小ではなく、オッパイが好きなだけで……」

自分でオッパイ星人だと自白してしまったぁ~!

「ふふふっ、そうなのね。でも、孤児院の獣人の子たちの尻尾や耳を触りまくっているみたいよね?」

そ、それは……。

「子供は触っても問題ないと……」

「問題なければ大人の獣人でも触ってみたいのかしら?」

触ってみたいです!

「それはクレアに注意されて……」

「注意されなければ触っていたと?」

「そ、それは、知らなかったら仕方ないと……」

「オッパイの大きな女性の獣人に興味はあるのかしら?」

はい! めちゃくちゃ興味があります!

「………」

「やはり、危険みたいね。ウサギ獣人でオッパイの大きな可愛い子が居るみたいだから、特に注意して欲しいとあったけど……」

なんですとぉーーー! 巨乳バニーちゃん!

い、衣装を、プレゼントしたい!

「その表情を見ると、間違いなく有罪ね!」

しまったーーー!

も、妄想が溢れ出して、表情に出してしまったようだ。

「あ、あのぉ、魔法の勉強を……」

「それどころじゃないわね!」

くっ、人の性癖を追求しないで欲しいよぉ。

浮気はしないからぁ~。

だから妄想ぐらいは許して欲しいのぉーーー!

ダンジョンの奥で、私は心の中で叫ぶのであった。
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