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第4章 ダンジョン
第9話 予想外の威力
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何故か護衛の皆さんから冷たい視線を感じる。
お、お約束だよね?
そこまで冷たい視線で見なくても良いと思う。
「旦那様、このテントだけですか?」
あっ、そう言う事ね。
「他に3個ほどあるけど説明を……」
なにっ!? その信じられないという表情は?
「まずは説明させて下さい!」
見た目は貧相なテントだけど、安全・快適の為の技術が詰め込まれているんだ!
「こ、このテントは登録した人しか中に入れません。既に皆さんは登録されているので、中を見て確認してください」
そう言うと、ブリッサさんが疑い深く、まずは顔だけ中に入れる。
直ぐに驚いた顔で顔を引き抜いて叫ぶ。
「広い! 6人が泊まれるようになっている!」
それを聞いて次々と中に入って行く。その間に3個のテントを出して、真ん中に6人用のテーブルセットを出す。
気が付くとクレアと自分の二人以外は、最初のテントに入って出てこない。
いやいや、何で6人用のテントに14人が入っているんだ?
テントの大きさは二人用に見えるが、スライム糸を使って空間拡張の効果を付与してあるので中は広くなっている。
入口以外の3方向に2段ベッドが置かれていて、部屋の真ん中には6人用のテーブルセットが置いてある。
広さだけなら14人入れない事もないけど……。
暫くすると次々とテントから出て来る。みんな興奮した様子で話をしている。
「6人でも快適な広さ!」
「兵舎の食堂と同じだった! 同じものが食べられるぅ~」
「ベッドの横にはトイレもあったよ!」
取り敢えず満足はしてくれたようだ。
「テントには結界が張られていて、登録者以外がテントの1メル以内に近づくと弾かれるようにしたが、どの程度の効果があるか分からない。
魔物には気絶させるスタンの魔法が発動するはずだが、これもどの程度の効果があるか分からない!」
未検証だと伝えたので、恐がるかと思ったが、特に不安そうな表情を誰もしていない。
「他にも注意事項はあるが、交代で食事や警備をして欲しいと思います。クレア、テントの割振りと見張りの割り当ての指示をお願いします。それとあそこのテントは私専用になります。中に入れるのは私とクレアだけです」
クレアは顔を真っ赤にさせて、他の人達はニヤニヤと笑っている。
ふふふっ、結婚したから私は照れくさくないぞ!
クレアは照れながらも次々と指示を出していく。
クレア班が最初で、次にカルア班、最後にブリッサ班が見張りをする事になった。
解散しようとしたら3人の冒険者が近づいて来た。
テ、テンプレ発生!?
それを見て俺以外はすぐに戦闘できるように武器を手に持った。
「おいおい、争うつもりは無いから安心してくれ!」
3人の中でも30代ぐらいの男が代表して話しかけて来た。すぐに襲ってくる感じはしないが、好色そうな目つきが嫌な感じがする。
「俺はC級冒険者のガントだ。あんた達は領主様の所の女性兵だろ?」
「ああ、第7部隊の者だ!」
カルアさんが答えると、相手は何がおかしいのかニヤニヤと笑っている。
「あんたらダンジョンに入ったことないだろう。そこは魔物に襲われる場所だ。女性兵士さんは何もわかっちゃいないなぁ。ははは」
少し馬鹿にしたような話し方をしてきた。
「そんな事は分かってここで野営をしている。親切に教えに来たのか?」
カルアさんも答えている内容は普通だが、少し含み笑いをする感じで答えている。
「へぇ~、知りながらそんな所で野営しているのか? 強がらないで頭を下げて金を払うんなら場所を開けてやっても良いんだぜ。まあ、一緒におねんねしてくれるなら金は要らないけどなぁ。ヒッヒッヒ」
「おい、それはエルマイスター家の騎士団を馬鹿にしているのか!?」
クレアが前に出て明らかに怒った感じで言った。
それと同時に護衛全員が剣を鞘から抜いて構えをとる。
「ほほぉ、やる気みたいだなぁ。しかし、覚悟は出来ているんだよなぁ!」
そう言って手を上げると、彼らの後ろから20人ほどの冒険者がぞろぞろと出て来た。
「隊長、どうしますか?」
ブリッサさんは相手から目を離さずにクレアに質問する。
隊長と聞いてガントは少し驚いた顔をしたが、すぐに好色そうな顔をして他の冒険者に命令する。
「そこの隊長さんは俺が可愛がってやるから殺すんじゃねえぞ!」
それまで怯えていた自分だったが、自分の妻に暴言を吐かれて頭が真っ白になる。
ドゴーーーン!
気が付くとダンジョン調査の為に用意した、最大威力の魔導銃を撃っていた。
防具も用意していたが、守るだけでは危険かもしれないと念のため武器も作ったのだ。
やはり武器と言えば銃でしょ!
そう考えたというより、近距離戦闘はしたくないだけだったのだが……。
最初は各魔弾と同じ魔法陣を撃てる魔導銃を作成した。
シリンダーを回転させることにより撃てる魔弾を変えられるようにして、グリップ内に魔石を入れて魔力充填をすぐに出来るようにして、タイムラグが殆どなく撃てるようにしたのである。
しかし、威力については不安があった。
人には有効だと思った威力でも、魔物が強くなればどの程度効果があるか不安なので、更に色々と工夫をしてみた。
最初に試したのは土魔法以外の属性付き魔弾である。
人が自分に無い属性を使うのは禁忌だが、魔道具なら大丈夫ではないかと、魔の女神に確認してOKが出たので作ってみた。
属性付きの魔弾の威力は上がるが、必要な魔力も増えるので、それほど魅力的な魔導銃でも無かった。結局、属性付きのシリンダーを複数作って、用途によって使い分ければ良い様にしただけだった。
そして次に考えたのは、銃弾を作る事だった。
魔導銃は銃弾を発射する魔法陣だけにして、銃弾に魔法陣や魔石を組み込むことにしたのだ。
銃弾の発射はすぐに完成した。
魔弾も土魔術で銃弾を作って発射していたので、必要な魔力も減ったので、射出スピードを上げて遠距離まで飛ばせるようにした。魔力を節約するためにライフリングを付けることで、魔法による回転も必要なくなった。
それだけだと面白くないので、銃弾に魔法陣を付けることを考えた。
それならと最初は銃弾に魔石を入れてみたが、大きさや形が微妙に違ったので、上手く魔石を利用できそうも無かった。
最終的には銃弾に外側の金属部分にスライム溶液を浸透させ、銃弾の内側に魔法溶液を注入して水分を9割ほど抜くと、魔法溶液自体が魔石と同じ事が出来るようになり、銃弾が障害物に当たると、魔法溶液内の魔力を全て込めた火魔術で爆発できるようにしたのだ。
銃弾に込めた魔力量から、それなりの威力があると思い、ダンジョン調査のついでに検証することを考えていたのである。
しかし、土魔法で固めた石を発射した時の反動は無かったが、銃弾を発射した瞬間に予想外の反動があり、上に逸れて後ろの木に当たってしまった。
威力は想像以上で、木に当たった瞬間に大音響と共に木は消し飛び、着弾地点から30メルほど離れた我々にも激しい爆風が向かって来た。
こ、これはヤバいよぉ~!
相手に当たらなくて良かったぁ!
「つ、次は当てるぞ!」
はい、嘘です!
近距離で銃弾が当たれば、爆風で自分達にも被害が出そうで、実際に後から出て来た冒険者たちは吹き飛ばされて転がっている者もいる。
それに狙って撃ったのに外しただけです!
味方の護衛も驚いていたが、私の言葉を聞いてすぐに警戒を強める。
うん、相手は戦意喪失している!
真っ青な顔で震えている者もいた。
クレアだけ私の横でキラキラした目で俺を見ている。
他の護衛は戦意の無くなった冒険者から、武器を押収している。
これって面倒が増えただけじゃないの?
冒険者を拘束し始めているのを見て、逆に心配になるのであった。
お、お約束だよね?
そこまで冷たい視線で見なくても良いと思う。
「旦那様、このテントだけですか?」
あっ、そう言う事ね。
「他に3個ほどあるけど説明を……」
なにっ!? その信じられないという表情は?
「まずは説明させて下さい!」
見た目は貧相なテントだけど、安全・快適の為の技術が詰め込まれているんだ!
「こ、このテントは登録した人しか中に入れません。既に皆さんは登録されているので、中を見て確認してください」
そう言うと、ブリッサさんが疑い深く、まずは顔だけ中に入れる。
直ぐに驚いた顔で顔を引き抜いて叫ぶ。
「広い! 6人が泊まれるようになっている!」
それを聞いて次々と中に入って行く。その間に3個のテントを出して、真ん中に6人用のテーブルセットを出す。
気が付くとクレアと自分の二人以外は、最初のテントに入って出てこない。
いやいや、何で6人用のテントに14人が入っているんだ?
テントの大きさは二人用に見えるが、スライム糸を使って空間拡張の効果を付与してあるので中は広くなっている。
入口以外の3方向に2段ベッドが置かれていて、部屋の真ん中には6人用のテーブルセットが置いてある。
広さだけなら14人入れない事もないけど……。
暫くすると次々とテントから出て来る。みんな興奮した様子で話をしている。
「6人でも快適な広さ!」
「兵舎の食堂と同じだった! 同じものが食べられるぅ~」
「ベッドの横にはトイレもあったよ!」
取り敢えず満足はしてくれたようだ。
「テントには結界が張られていて、登録者以外がテントの1メル以内に近づくと弾かれるようにしたが、どの程度の効果があるか分からない。
魔物には気絶させるスタンの魔法が発動するはずだが、これもどの程度の効果があるか分からない!」
未検証だと伝えたので、恐がるかと思ったが、特に不安そうな表情を誰もしていない。
「他にも注意事項はあるが、交代で食事や警備をして欲しいと思います。クレア、テントの割振りと見張りの割り当ての指示をお願いします。それとあそこのテントは私専用になります。中に入れるのは私とクレアだけです」
クレアは顔を真っ赤にさせて、他の人達はニヤニヤと笑っている。
ふふふっ、結婚したから私は照れくさくないぞ!
クレアは照れながらも次々と指示を出していく。
クレア班が最初で、次にカルア班、最後にブリッサ班が見張りをする事になった。
解散しようとしたら3人の冒険者が近づいて来た。
テ、テンプレ発生!?
それを見て俺以外はすぐに戦闘できるように武器を手に持った。
「おいおい、争うつもりは無いから安心してくれ!」
3人の中でも30代ぐらいの男が代表して話しかけて来た。すぐに襲ってくる感じはしないが、好色そうな目つきが嫌な感じがする。
「俺はC級冒険者のガントだ。あんた達は領主様の所の女性兵だろ?」
「ああ、第7部隊の者だ!」
カルアさんが答えると、相手は何がおかしいのかニヤニヤと笑っている。
「あんたらダンジョンに入ったことないだろう。そこは魔物に襲われる場所だ。女性兵士さんは何もわかっちゃいないなぁ。ははは」
少し馬鹿にしたような話し方をしてきた。
「そんな事は分かってここで野営をしている。親切に教えに来たのか?」
カルアさんも答えている内容は普通だが、少し含み笑いをする感じで答えている。
「へぇ~、知りながらそんな所で野営しているのか? 強がらないで頭を下げて金を払うんなら場所を開けてやっても良いんだぜ。まあ、一緒におねんねしてくれるなら金は要らないけどなぁ。ヒッヒッヒ」
「おい、それはエルマイスター家の騎士団を馬鹿にしているのか!?」
クレアが前に出て明らかに怒った感じで言った。
それと同時に護衛全員が剣を鞘から抜いて構えをとる。
「ほほぉ、やる気みたいだなぁ。しかし、覚悟は出来ているんだよなぁ!」
そう言って手を上げると、彼らの後ろから20人ほどの冒険者がぞろぞろと出て来た。
「隊長、どうしますか?」
ブリッサさんは相手から目を離さずにクレアに質問する。
隊長と聞いてガントは少し驚いた顔をしたが、すぐに好色そうな顔をして他の冒険者に命令する。
「そこの隊長さんは俺が可愛がってやるから殺すんじゃねえぞ!」
それまで怯えていた自分だったが、自分の妻に暴言を吐かれて頭が真っ白になる。
ドゴーーーン!
気が付くとダンジョン調査の為に用意した、最大威力の魔導銃を撃っていた。
防具も用意していたが、守るだけでは危険かもしれないと念のため武器も作ったのだ。
やはり武器と言えば銃でしょ!
そう考えたというより、近距離戦闘はしたくないだけだったのだが……。
最初は各魔弾と同じ魔法陣を撃てる魔導銃を作成した。
シリンダーを回転させることにより撃てる魔弾を変えられるようにして、グリップ内に魔石を入れて魔力充填をすぐに出来るようにして、タイムラグが殆どなく撃てるようにしたのである。
しかし、威力については不安があった。
人には有効だと思った威力でも、魔物が強くなればどの程度効果があるか不安なので、更に色々と工夫をしてみた。
最初に試したのは土魔法以外の属性付き魔弾である。
人が自分に無い属性を使うのは禁忌だが、魔道具なら大丈夫ではないかと、魔の女神に確認してOKが出たので作ってみた。
属性付きの魔弾の威力は上がるが、必要な魔力も増えるので、それほど魅力的な魔導銃でも無かった。結局、属性付きのシリンダーを複数作って、用途によって使い分ければ良い様にしただけだった。
そして次に考えたのは、銃弾を作る事だった。
魔導銃は銃弾を発射する魔法陣だけにして、銃弾に魔法陣や魔石を組み込むことにしたのだ。
銃弾の発射はすぐに完成した。
魔弾も土魔術で銃弾を作って発射していたので、必要な魔力も減ったので、射出スピードを上げて遠距離まで飛ばせるようにした。魔力を節約するためにライフリングを付けることで、魔法による回転も必要なくなった。
それだけだと面白くないので、銃弾に魔法陣を付けることを考えた。
それならと最初は銃弾に魔石を入れてみたが、大きさや形が微妙に違ったので、上手く魔石を利用できそうも無かった。
最終的には銃弾に外側の金属部分にスライム溶液を浸透させ、銃弾の内側に魔法溶液を注入して水分を9割ほど抜くと、魔法溶液自体が魔石と同じ事が出来るようになり、銃弾が障害物に当たると、魔法溶液内の魔力を全て込めた火魔術で爆発できるようにしたのだ。
銃弾に込めた魔力量から、それなりの威力があると思い、ダンジョン調査のついでに検証することを考えていたのである。
しかし、土魔法で固めた石を発射した時の反動は無かったが、銃弾を発射した瞬間に予想外の反動があり、上に逸れて後ろの木に当たってしまった。
威力は想像以上で、木に当たった瞬間に大音響と共に木は消し飛び、着弾地点から30メルほど離れた我々にも激しい爆風が向かって来た。
こ、これはヤバいよぉ~!
相手に当たらなくて良かったぁ!
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はい、嘘です!
近距離で銃弾が当たれば、爆風で自分達にも被害が出そうで、実際に後から出て来た冒険者たちは吹き飛ばされて転がっている者もいる。
それに狙って撃ったのに外しただけです!
味方の護衛も驚いていたが、私の言葉を聞いてすぐに警戒を強める。
うん、相手は戦意喪失している!
真っ青な顔で震えている者もいた。
クレアだけ私の横でキラキラした目で俺を見ている。
他の護衛は戦意の無くなった冒険者から、武器を押収している。
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冒険者を拘束し始めているのを見て、逆に心配になるのであった。
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