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第3章 大賢者の遺産
閑話3 ひとつに……
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この閑話には、性的表現が含まれます。
性的表現が苦手な方や不快に感じる方は、全体のストーリーとしては読まなくても大丈夫です。
読者様の判断で読み飛ばして頂いて構いません。
──────────────────────────────
目の前にいるクレアを見て、心の底から湧き上がる喜びで涙が出そうになる。
クレアのすべてを目に焼き付けながら、ゆっくりと近づくとクレアが言う。
「よろしくお願いしましゅ、旦那しゃま」
噛んでしまった事が恥ずかしかったのか、クレアが更に真っ赤になる。
普段は騎士団の隊長なので、部下の前では颯爽としているが、これがクレアの本質なのだろう。
誠実でありながら照れ屋で、どこか抜けている所があり、思い込みも激しい可愛いクレア。
部下たちがクレアを慕っているのは、厳しくて強いからではないと思う。なぜか守ってあげないといけないと思わせる、そんな雰囲気をクレアは持っている。
「よろしくお願いします。私の素敵な妻《ひと》、クレア」
そう言いながらクレアの右手をとり、手の甲に優しくキスをする。
自分でもこんな恥ずかしい事を、自然に出来ているのが不思議に感じる。
クレアは顔を真っ赤にしながらも、うるうるとした目で私を見つめる。
その目に吸い込まれるように顔を近づけると、クレアは目を閉じる。
閉じた目の端から一筋の涙が滴り落ちる。
きれいだぁ。
全てが彼女を輝かせている。
唇と唇が触れ合った瞬間に、唇から全身に光の波が押し寄せてくる。
その光は心地よく、彼女から流れ込むような感じがして、更にその光を求めて激しく唇に吸い付いてしまう。
その感覚は彼女も感じているのか、お互いに必死に光を求めるように、唇を、舌を、相手のすべてを求めるようにキスを続ける。
気が付くとお互いに強く抱きしめ合い、気が付けば全身でお互いを求めあっていた。
名残惜しい気持ちを振り切り、唇を離そうとすると、追いかけるように彼女の唇が付いて来る。
それでも何とか唇を離す。
「あっ」
唇が離れた瞬間にクレアは名残惜しそうに声を出す。
上気した彼女の顔は、美しく妖艶で神々しくも感じる。
少し焦点の合わない彼女の目を見つめながら、ゆっくりと彼女を抱き上げて、お姫様抱っこをする。
彼女はずっと私の顔を見つめたままで、私も彼女を見つめ返す。
見つめ合ったまま、ゆっくりと寝室に向かう。
寝室に着くと優しくベッドに彼女を下ろすが、お互いの視線は見つめ合ったままである。
言葉なんか必要ない。
見つめ合うお互いの視線で、お互いの気持ちが一緒だと感じる。
自然にひとつに混じり合いたいと、再び唇を合わせる。
唇が再び触れ合った瞬間に、愛情と欲望と、すべての感情が彼女と融合したかのような感覚になった。
気が付くと自分が何度か果てたことに気が付く。
記憶はあるが記憶にない。
一瞬に感じながらも永遠とも感じた時間。
全身は疲れているのに元気に感じる身体。
少しだけ冷静になったのか、ストレージからモモンポーションを少し口の中に出して飲む。
恍惚の表情をして、意識が混濁しているクレアをもう一度見つめる。
あれほど下着や夜着を用意して妄想していたのに、クレアと言う存在の前では、自分がどう感じてどう脱がしたのかさえ覚えていない。
もう一度モモンポーションを少し口の中に出すと、クレアに口づけして彼女にも飲ませる。
「あっ、モモン…」
クレアが一言漏らす。
繋がったままで、彼女の両手を握りしめる感じで、お互いに触れあっている部分に意識を向けると、魔力なのか赤く淡く光るものが、お互いから出て絡み合っているのが分かった。
私は魔力を操作するイメージで、その赤く淡く光るそれを、更にお互いに絡み合うようにする。
するとお互いが溶け出して本当にひとつに混じり合う感覚が押し寄せてくる。
ひとつになりたい!
心の奥底から湧き上がるこの気持ちに忠実に従い、触れ合う部分だけでなくお互いの体内まで赤く淡く光るそれを、触れ合うところを通じてひとつになるように流していく。
するとクレアが全身を震えるように痙攣させ、私も同じように震えてお互いがひとつになる感覚が押し寄せてくる。
お互いの全身に赤く淡く光るそれが、完全に交わったと感じると同時に、意識も途絶えてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
目を覚ますとクレアを抱きしめながら寝ていることに気が付く。
時間を確認すると既に10時前になっていた。
昨晩の事は覚えているが、まるで現実ではない夢の中の出来事のような感覚に襲われる。
しかし、現実であったとすべての体と心の記憶が叫んでいる。
目の前のクレアは髪も乱れているが、寝顔は普段より幼く見え、見つめるほどに湧き上がる愛情が零れそうになる。
ベッドは予想以上に大変な状態となっており、自分とクレアとベッドに洗浄《ウォッシュ》を一気にかけると、スッキリとした気持ちになる。
クレアは洗浄《ウォッシュ》されたことにより、目を覚ましてしまう。
ぼうっとした視線で私を見つめ、少しすると目を見開き自分の状況に気が付いて顔を真っ赤にする。
「だ、旦那様、ず、ずるいです。こんな格好を見てはダメです!」
「どうしてだい。自分の美しい妻を見ることは、夫の権利じゃないのかい?」
「で、でも、ダメです。私は剣術ばかりしていたので、筋肉ばかりで女性らしくありません!恥ずかしいです!」
「昨晩の私を見て、女性らしくないと私が思っていると?」
「で、でも、恥ずかしいです……」
最後は消え入るような声で話すクレアが可愛くて仕方がない。
「だ、旦那様!」
身体の一部がその気持ちに反応してしまう。
昼食前にもう少し頑張るかぁ!
「ダ、ダメです。今日はラナの、あっ!」
それから昨晩とは少し違う、欲望が先行した戦いを始めてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
戦闘が終結すると、少し体を休めてから昼食に向かう事にする。
文字念話で事前にラナにその事を伝えて部屋を出ると、ラナが昼食の準備を始めていた。
クレアは恥ずかしそうにラナを見て、逃げるように着替えに部屋に向かう。
「おはようございます。旦那様」
「お、おはよう」
やはりクレアと先に事をなしたことに罪悪感を覚える。
しかし、ラナはいつもの様子で昼食の準備をして、それ以上は特に聞いてこない。
それはラナのやさしさだと感じていると、部屋着に着替えたクレアが出て来る。
「お、おはよう。ラナ」
「クレア、おはようございます」
クレアも若干引け目を感じているようだ。
普通に昼食を始めると、ラナがクレアに質問する。
「クレアさん、約束通り昨晩の報告をお願いしますわ」
「ブウッ!」
その問いかけで私は口に入れたスープを少し吹き出してしまう。
えええッ、そんな風に露骨に聞くのぉ!?
さすがにクレアも話しにくいだろうと思って、止めた方が良いかと考えていると、普通にクレアは答えた。
「聞いた話と全然違った!」
「そ、それは、何が違ったの?」
「まるで神様の下に行ったような感じだ」
「えええっ!」
「それも何度も」
「ゴクッ、な、何度も……」
「私は体力には自信があったが、旦那様に意識が失うまで……」
待ってぇぇぇ、私が何か酷い事をしたみたいに聞こえるぅ~!
「そ、そんな、聞いた話と違う!」
「そう、聞いた話と全く違う!」
だ、誰に、どんな話をきいたのぉぉぉ!?
「も、もう少し詳しく!」
ラナが身を乗り出して聞こうとすると、クレアが私を見る。
急いでパンを口に突っ込むと、用事があるからと夫婦の部屋から逃げ出すのであった。
性的表現が苦手な方や不快に感じる方は、全体のストーリーとしては読まなくても大丈夫です。
読者様の判断で読み飛ばして頂いて構いません。
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目の前にいるクレアを見て、心の底から湧き上がる喜びで涙が出そうになる。
クレアのすべてを目に焼き付けながら、ゆっくりと近づくとクレアが言う。
「よろしくお願いしましゅ、旦那しゃま」
噛んでしまった事が恥ずかしかったのか、クレアが更に真っ赤になる。
普段は騎士団の隊長なので、部下の前では颯爽としているが、これがクレアの本質なのだろう。
誠実でありながら照れ屋で、どこか抜けている所があり、思い込みも激しい可愛いクレア。
部下たちがクレアを慕っているのは、厳しくて強いからではないと思う。なぜか守ってあげないといけないと思わせる、そんな雰囲気をクレアは持っている。
「よろしくお願いします。私の素敵な妻《ひと》、クレア」
そう言いながらクレアの右手をとり、手の甲に優しくキスをする。
自分でもこんな恥ずかしい事を、自然に出来ているのが不思議に感じる。
クレアは顔を真っ赤にしながらも、うるうるとした目で私を見つめる。
その目に吸い込まれるように顔を近づけると、クレアは目を閉じる。
閉じた目の端から一筋の涙が滴り落ちる。
きれいだぁ。
全てが彼女を輝かせている。
唇と唇が触れ合った瞬間に、唇から全身に光の波が押し寄せてくる。
その光は心地よく、彼女から流れ込むような感じがして、更にその光を求めて激しく唇に吸い付いてしまう。
その感覚は彼女も感じているのか、お互いに必死に光を求めるように、唇を、舌を、相手のすべてを求めるようにキスを続ける。
気が付くとお互いに強く抱きしめ合い、気が付けば全身でお互いを求めあっていた。
名残惜しい気持ちを振り切り、唇を離そうとすると、追いかけるように彼女の唇が付いて来る。
それでも何とか唇を離す。
「あっ」
唇が離れた瞬間にクレアは名残惜しそうに声を出す。
上気した彼女の顔は、美しく妖艶で神々しくも感じる。
少し焦点の合わない彼女の目を見つめながら、ゆっくりと彼女を抱き上げて、お姫様抱っこをする。
彼女はずっと私の顔を見つめたままで、私も彼女を見つめ返す。
見つめ合ったまま、ゆっくりと寝室に向かう。
寝室に着くと優しくベッドに彼女を下ろすが、お互いの視線は見つめ合ったままである。
言葉なんか必要ない。
見つめ合うお互いの視線で、お互いの気持ちが一緒だと感じる。
自然にひとつに混じり合いたいと、再び唇を合わせる。
唇が再び触れ合った瞬間に、愛情と欲望と、すべての感情が彼女と融合したかのような感覚になった。
気が付くと自分が何度か果てたことに気が付く。
記憶はあるが記憶にない。
一瞬に感じながらも永遠とも感じた時間。
全身は疲れているのに元気に感じる身体。
少しだけ冷静になったのか、ストレージからモモンポーションを少し口の中に出して飲む。
恍惚の表情をして、意識が混濁しているクレアをもう一度見つめる。
あれほど下着や夜着を用意して妄想していたのに、クレアと言う存在の前では、自分がどう感じてどう脱がしたのかさえ覚えていない。
もう一度モモンポーションを少し口の中に出すと、クレアに口づけして彼女にも飲ませる。
「あっ、モモン…」
クレアが一言漏らす。
繋がったままで、彼女の両手を握りしめる感じで、お互いに触れあっている部分に意識を向けると、魔力なのか赤く淡く光るものが、お互いから出て絡み合っているのが分かった。
私は魔力を操作するイメージで、その赤く淡く光るそれを、更にお互いに絡み合うようにする。
するとお互いが溶け出して本当にひとつに混じり合う感覚が押し寄せてくる。
ひとつになりたい!
心の奥底から湧き上がるこの気持ちに忠実に従い、触れ合う部分だけでなくお互いの体内まで赤く淡く光るそれを、触れ合うところを通じてひとつになるように流していく。
するとクレアが全身を震えるように痙攣させ、私も同じように震えてお互いがひとつになる感覚が押し寄せてくる。
お互いの全身に赤く淡く光るそれが、完全に交わったと感じると同時に、意識も途絶えてしまった。
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目を覚ますとクレアを抱きしめながら寝ていることに気が付く。
時間を確認すると既に10時前になっていた。
昨晩の事は覚えているが、まるで現実ではない夢の中の出来事のような感覚に襲われる。
しかし、現実であったとすべての体と心の記憶が叫んでいる。
目の前のクレアは髪も乱れているが、寝顔は普段より幼く見え、見つめるほどに湧き上がる愛情が零れそうになる。
ベッドは予想以上に大変な状態となっており、自分とクレアとベッドに洗浄《ウォッシュ》を一気にかけると、スッキリとした気持ちになる。
クレアは洗浄《ウォッシュ》されたことにより、目を覚ましてしまう。
ぼうっとした視線で私を見つめ、少しすると目を見開き自分の状況に気が付いて顔を真っ赤にする。
「だ、旦那様、ず、ずるいです。こんな格好を見てはダメです!」
「どうしてだい。自分の美しい妻を見ることは、夫の権利じゃないのかい?」
「で、でも、ダメです。私は剣術ばかりしていたので、筋肉ばかりで女性らしくありません!恥ずかしいです!」
「昨晩の私を見て、女性らしくないと私が思っていると?」
「で、でも、恥ずかしいです……」
最後は消え入るような声で話すクレアが可愛くて仕方がない。
「だ、旦那様!」
身体の一部がその気持ちに反応してしまう。
昼食前にもう少し頑張るかぁ!
「ダ、ダメです。今日はラナの、あっ!」
それから昨晩とは少し違う、欲望が先行した戦いを始めてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
戦闘が終結すると、少し体を休めてから昼食に向かう事にする。
文字念話で事前にラナにその事を伝えて部屋を出ると、ラナが昼食の準備を始めていた。
クレアは恥ずかしそうにラナを見て、逃げるように着替えに部屋に向かう。
「おはようございます。旦那様」
「お、おはよう」
やはりクレアと先に事をなしたことに罪悪感を覚える。
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それはラナのやさしさだと感じていると、部屋着に着替えたクレアが出て来る。
「お、おはよう。ラナ」
「クレア、おはようございます」
クレアも若干引け目を感じているようだ。
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「まるで神様の下に行ったような感じだ」
「えええっ!」
「それも何度も」
「ゴクッ、な、何度も……」
「私は体力には自信があったが、旦那様に意識が失うまで……」
待ってぇぇぇ、私が何か酷い事をしたみたいに聞こえるぅ~!
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