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第3章 大賢者の遺産
第34話 吹っ切れた パート2
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何とかラナさんとメアベルさんが落ち着いたので改めて話をする。
メアベルさんはまだ18歳で、ラナさんの弟と結婚して6ヶ月しか経っていなかったらしい。
そりゃあ、幼く見えるはずだぁ。
「では、仕事をして貰うという事でよろしいですね?」
「はい、よろしくお願いします!」
これで少しはラナさんの負担も減るだろう。
そう考えながらも、料理人の事を相談しようと思う。
申し訳ないなぁ。
やはりレベッカ夫人にお願いしようかと考えていると、メアベルさんが爆弾を投下する。
「アタル様、ラナお義姉さんを奥さんにしてください!」
この発言に俺だけではなく、他の全員が驚いたようだ。
そこにカルアさんが爆弾を投下する。
「それはダメだ! クレア隊長が先に嫁入りしてからにしてくれ!」
誘爆により沢山の死者が出そうである。
「ミュウが先なのぉ!」
「キティもぉ!」
この二発は爆発の余波を防いでくれた気がする。
「そう言う事は大人になってからだよ」
まるで父親のお嫁さんになりたいという幼子の発言に、数年後には臭いから嫌いとか言われそうで怖いと思ったが、これで和やかな雰囲気に……、なってない!
ミュウとキティの発言を私以外聞いていなかった。
「だったら一緒でも良いからお願いします!」
メアベルさんが更にガソリンをぶっかける。それに反応したのはラナさんだった。
「そんな事を言ってはダメよ。私はメイドなんだから奥さんにはなれないわ。メイドはなれても妾ぐらいだけど、私は年が年だからそれも無理なのよ」
少し悲しそうにラナさんが話す。
えっ、メイドは妾にしかなれないの!?
「でも、指輪を貰ったとあんなに嬉しそうに……」
やはり指輪に意味があるぅ。
地球でも意味はあるけど、嵌める指によって意味は違う。
この世界では、指輪を贈るだけで意味があるのかぁ!?
指輪は魔道具だし、レベッカ夫人にも贈ったぐらいだから、幾らでも言い訳は出来る。
気になるのは……。
「あのぉ、メイドは結婚してはダメなんですか?」
もしかして場違いな質問だとも思ったが、どうしても気になる。
「いえ、そうではありませんが家の内情を知るメイドは、仕えている家が結婚に反対することも多く、20歳過ぎてもメイドを続ける人は、まず結婚は難しいので妾として囲う事が普通です。あっ、でも私はハロルド様の妾にはなっていません。ハロルド様はそう言う事を嫌っていましたので」
それなら問題ないんじゃ?
私は反対するはずないし、ハロルド様もレベッカ夫人も反対はしないと思う。
「確かにお義姉さんは24歳で行き遅れだけど、クレア様だって24歳じゃないですか? ハロルド様は絶対に反対しないと私は思う!」
この娘《こ》は、何気に二人をディスってないか!?
明らかにラナさんとクレアさんが凹んでいるじゃないか。
「アタル様、二人の事をどう思っています?」
導火線を俺に向けるんじゃなーーーい!
落ち込んでいた二人が顔を上げて俺に注目してるぅ。
「そ、そうだなぁ、……まず年齢については全く問題ないと思う。前に私が居た所では結婚はそれぐらいから結婚する人が多かったし、30歳以上で結婚する女性も多かったと思う」
ちがーーーーーう!
二人が嬉しそうな顔になっているじゃないかぁ。
「ラナさんは家の事なら何でも出来るし、家の事を全て任せられる素敵な奥さんになれると思う。それに、ラナさんに朝起こして貰うと優しさを感じると言うか、なんか気持ち良く起きられるんだよね。綺麗でスタイルも良く、私には勿体ないと思う女性ですね」
私は何を言ってる!
ラナさんの顔が満面の笑みになってるぅ~。
「クレアさんは私が貧弱だから守ってくれそうで、一緒に居てくれると心強いかな。クレアさんは結婚しても騎士であって欲しいと私は思うし、真面目でカッコ良いけど、たまにどこか抜けていて可愛いと思うところもある女性ですね」
ああ、私は何を言ってる!
クレアさんも頬が赤いが満面の笑みになってるぅ~。
「う~ん、ふたり合わせると、私には理想的な奥さんだと思うけど……」
「「思うけどなんですか!?」」
クレアさんとラナさんが詰めるように迫って訊いてくる。
「え、え~と、そんな私の都合の良い話は如何なものかと思うし……」
「「そんなのは問題ありません!」」
ふ、二人が怖い!
「ハロルド様に確認を」
「「そんなのは後の話!」」
た、確かに!?
でも良いのだろうか。
一夫多妻がこの世界は普通みたいだが、私にそんなことに対応する事が出来るのか?
まだ知り合って間もないのに、本当に奥さんにして良いのだろうか?
確かに早く結婚なり恋人なり欲しかったが、早すぎるのではないか?
『構わないのじゃーーー!』
悩んでいたら、あの駄女神から神託?があった。
『そう言う事は考え過ぎたらダメ! 勢いです』
生命の女神からも神託が入る。
そうだな、考え過ぎても仕方ないよな。
勢いで進むのが不安で、回避しようと話をしたはずなのに、火に油を注ぐような話をしたのは、本音では二人の事が好きで結婚したかったんだと思う。
うん、吹っ切れた!
悩んでも仕方ない。
この世界で生きて行くなら、こんな素敵な女性を手放したくない!
それなら、きちんとしよう!
私はクレアさんの目をしっかりと見て話す。
「クレアさん、私はこんな貧弱で、あなたを守るような力はありません。でも私の持っている全てを使ってあなたを守りたいと思います。
精一杯あなたを幸せにする努力をします。私と結婚してください!」
この世界のプロポーズなど知らないから、自分なりの誠意を伝え、頭を下げ右手を出す。
「ひゃい、よ、よろしくお願いします」
クレアさんは嚙みながらも、プロポーズを受けてくれた。
よっしゃーーー!
顔を上げると、クレアさんは頬だけでなく、顔全体を真っ赤にしてオロオロとしている。
「ありがとう」
クレアさんの目を見て自然とその言葉がでる。
それを聞いたクレアさんは目に涙を浮かべる。
カルアさん達護衛が一斉に拍手してくれる。照れ臭くなるが、まだやる事が残ってる。
ラナさんを見ると、少し寂しそうにしながらも拍手してくれている。
私がラナさんの方を向くと、ラナさんは驚いた顔をする。
ラナさんの目をしっかりと見て話す。
「ラナさん、私は常識にも疎く、家の事や家族の事も上手く出来そうにありません。メイドとか妾とかではなく、妻として私を支えてくれませんか。
私はどんなことがあろうと、必ず最後にはあなたの所に戻ってきます。
そのかわり精一杯あなたを幸せにする努力をします。私と結婚してください!」
クレアさんの時と同じように、自分なりの誠意を伝え、頭を下げ右手を出す。
「グスッ、よろしくお願いします」
ラナさんは泣きながらも、プロポーズを受けてくれた。
よっしゃーーー!
顔を上げると、ラナさんが抱きついてきた。
あっ、ぽよん! 俺だけのぽよんだぁ!
「ありがとうございます」
ラナさんは抱きつきながら耳元で言う。
「こちらこそ、ありがとう」
耳元に囁くようにお礼を言う。
メアベルさんが号泣しながら一生懸命手を叩いてる。
クレアさんや護衛の皆も拍手して祝福してくれる。
「ミュウも結婚するぅ~」
「キティもぉ~」
この二人にはしっかりと言い聞かせないとダメだな。
それからハロルド様とレベッカ夫人に結婚の許可を貰うまでは、内緒にすることや、許可を貰えても大賢者の屋敷に移るまでは、今までと同じように行動する事にした。
メアベルさんはまだ18歳で、ラナさんの弟と結婚して6ヶ月しか経っていなかったらしい。
そりゃあ、幼く見えるはずだぁ。
「では、仕事をして貰うという事でよろしいですね?」
「はい、よろしくお願いします!」
これで少しはラナさんの負担も減るだろう。
そう考えながらも、料理人の事を相談しようと思う。
申し訳ないなぁ。
やはりレベッカ夫人にお願いしようかと考えていると、メアベルさんが爆弾を投下する。
「アタル様、ラナお義姉さんを奥さんにしてください!」
この発言に俺だけではなく、他の全員が驚いたようだ。
そこにカルアさんが爆弾を投下する。
「それはダメだ! クレア隊長が先に嫁入りしてからにしてくれ!」
誘爆により沢山の死者が出そうである。
「ミュウが先なのぉ!」
「キティもぉ!」
この二発は爆発の余波を防いでくれた気がする。
「そう言う事は大人になってからだよ」
まるで父親のお嫁さんになりたいという幼子の発言に、数年後には臭いから嫌いとか言われそうで怖いと思ったが、これで和やかな雰囲気に……、なってない!
ミュウとキティの発言を私以外聞いていなかった。
「だったら一緒でも良いからお願いします!」
メアベルさんが更にガソリンをぶっかける。それに反応したのはラナさんだった。
「そんな事を言ってはダメよ。私はメイドなんだから奥さんにはなれないわ。メイドはなれても妾ぐらいだけど、私は年が年だからそれも無理なのよ」
少し悲しそうにラナさんが話す。
えっ、メイドは妾にしかなれないの!?
「でも、指輪を貰ったとあんなに嬉しそうに……」
やはり指輪に意味があるぅ。
地球でも意味はあるけど、嵌める指によって意味は違う。
この世界では、指輪を贈るだけで意味があるのかぁ!?
指輪は魔道具だし、レベッカ夫人にも贈ったぐらいだから、幾らでも言い訳は出来る。
気になるのは……。
「あのぉ、メイドは結婚してはダメなんですか?」
もしかして場違いな質問だとも思ったが、どうしても気になる。
「いえ、そうではありませんが家の内情を知るメイドは、仕えている家が結婚に反対することも多く、20歳過ぎてもメイドを続ける人は、まず結婚は難しいので妾として囲う事が普通です。あっ、でも私はハロルド様の妾にはなっていません。ハロルド様はそう言う事を嫌っていましたので」
それなら問題ないんじゃ?
私は反対するはずないし、ハロルド様もレベッカ夫人も反対はしないと思う。
「確かにお義姉さんは24歳で行き遅れだけど、クレア様だって24歳じゃないですか? ハロルド様は絶対に反対しないと私は思う!」
この娘《こ》は、何気に二人をディスってないか!?
明らかにラナさんとクレアさんが凹んでいるじゃないか。
「アタル様、二人の事をどう思っています?」
導火線を俺に向けるんじゃなーーーい!
落ち込んでいた二人が顔を上げて俺に注目してるぅ。
「そ、そうだなぁ、……まず年齢については全く問題ないと思う。前に私が居た所では結婚はそれぐらいから結婚する人が多かったし、30歳以上で結婚する女性も多かったと思う」
ちがーーーーーう!
二人が嬉しそうな顔になっているじゃないかぁ。
「ラナさんは家の事なら何でも出来るし、家の事を全て任せられる素敵な奥さんになれると思う。それに、ラナさんに朝起こして貰うと優しさを感じると言うか、なんか気持ち良く起きられるんだよね。綺麗でスタイルも良く、私には勿体ないと思う女性ですね」
私は何を言ってる!
ラナさんの顔が満面の笑みになってるぅ~。
「クレアさんは私が貧弱だから守ってくれそうで、一緒に居てくれると心強いかな。クレアさんは結婚しても騎士であって欲しいと私は思うし、真面目でカッコ良いけど、たまにどこか抜けていて可愛いと思うところもある女性ですね」
ああ、私は何を言ってる!
クレアさんも頬が赤いが満面の笑みになってるぅ~。
「う~ん、ふたり合わせると、私には理想的な奥さんだと思うけど……」
「「思うけどなんですか!?」」
クレアさんとラナさんが詰めるように迫って訊いてくる。
「え、え~と、そんな私の都合の良い話は如何なものかと思うし……」
「「そんなのは問題ありません!」」
ふ、二人が怖い!
「ハロルド様に確認を」
「「そんなのは後の話!」」
た、確かに!?
でも良いのだろうか。
一夫多妻がこの世界は普通みたいだが、私にそんなことに対応する事が出来るのか?
まだ知り合って間もないのに、本当に奥さんにして良いのだろうか?
確かに早く結婚なり恋人なり欲しかったが、早すぎるのではないか?
『構わないのじゃーーー!』
悩んでいたら、あの駄女神から神託?があった。
『そう言う事は考え過ぎたらダメ! 勢いです』
生命の女神からも神託が入る。
そうだな、考え過ぎても仕方ないよな。
勢いで進むのが不安で、回避しようと話をしたはずなのに、火に油を注ぐような話をしたのは、本音では二人の事が好きで結婚したかったんだと思う。
うん、吹っ切れた!
悩んでも仕方ない。
この世界で生きて行くなら、こんな素敵な女性を手放したくない!
それなら、きちんとしよう!
私はクレアさんの目をしっかりと見て話す。
「クレアさん、私はこんな貧弱で、あなたを守るような力はありません。でも私の持っている全てを使ってあなたを守りたいと思います。
精一杯あなたを幸せにする努力をします。私と結婚してください!」
この世界のプロポーズなど知らないから、自分なりの誠意を伝え、頭を下げ右手を出す。
「ひゃい、よ、よろしくお願いします」
クレアさんは嚙みながらも、プロポーズを受けてくれた。
よっしゃーーー!
顔を上げると、クレアさんは頬だけでなく、顔全体を真っ赤にしてオロオロとしている。
「ありがとう」
クレアさんの目を見て自然とその言葉がでる。
それを聞いたクレアさんは目に涙を浮かべる。
カルアさん達護衛が一斉に拍手してくれる。照れ臭くなるが、まだやる事が残ってる。
ラナさんを見ると、少し寂しそうにしながらも拍手してくれている。
私がラナさんの方を向くと、ラナさんは驚いた顔をする。
ラナさんの目をしっかりと見て話す。
「ラナさん、私は常識にも疎く、家の事や家族の事も上手く出来そうにありません。メイドとか妾とかではなく、妻として私を支えてくれませんか。
私はどんなことがあろうと、必ず最後にはあなたの所に戻ってきます。
そのかわり精一杯あなたを幸せにする努力をします。私と結婚してください!」
クレアさんの時と同じように、自分なりの誠意を伝え、頭を下げ右手を出す。
「グスッ、よろしくお願いします」
ラナさんは泣きながらも、プロポーズを受けてくれた。
よっしゃーーー!
顔を上げると、ラナさんが抱きついてきた。
あっ、ぽよん! 俺だけのぽよんだぁ!
「ありがとうございます」
ラナさんは抱きつきながら耳元で言う。
「こちらこそ、ありがとう」
耳元に囁くようにお礼を言う。
メアベルさんが号泣しながら一生懸命手を叩いてる。
クレアさんや護衛の皆も拍手して祝福してくれる。
「ミュウも結婚するぅ~」
「キティもぉ~」
この二人にはしっかりと言い聞かせないとダメだな。
それからハロルド様とレベッカ夫人に結婚の許可を貰うまでは、内緒にすることや、許可を貰えても大賢者の屋敷に移るまでは、今までと同じように行動する事にした。
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