23 / 224
第2章 エルマイスター領
第5話 アリスお嬢様にお願い
しおりを挟む
ハロルド様とレベッカ夫人との話合いが終わると、用意してくれた客室にメイドさんが案内してくれた。
部屋は広く20畳以上はあると思われる部屋で、奥にはキングサイズのベッドがあり、4人が座れるソファとテーブルのセットも置かれていた。
案内してくれたメイドさんは、夕飯の準備ができましたら呼びに来ると言って部屋を出て行った。
エルマイスター家の屋敷は貴族の屋敷としてはシンプルな造りだが、家具は手作りで重厚の感じのするものが多く、落ち着きのあるものが多かった。この国がそうなのかこの領の特色なのか解らないが、アタルの好きな雰囲気の部屋だと思った。
ソファに座ると先程の話し合いを整理しようかと考えたが、肉体より頭のほうが疲れているのか、なるようになれと思うことにした。
スマートシステムを開き、まずは昨日採取したシュガの実をすべて砂糖の結晶に変える。それからウルフを解体する。
さらに竹を使って竹串を色々な大きさで作ってみる。一度出してみたが竈で使ったりするのはイマイチだと思い。持ち手を大きくして長さも大きくしてみた。これが良い感じだと思い、レシピを使って数多く作成した。
作った竹串を使ってウサギ肉を刺し、塩を振り後は焼くだけの状態にしたものを作る。取り敢えず1本だけ焼いてレシピ登録しておく。
丁度終わったところで、メイドさんが夕飯の準備ができましたと呼びに来たので食堂へ案内してもらう。
食堂に到着すると、すでにハロルド様は誕生日席に座っていた。その右手にはレベッカ夫人とアリスお嬢様が座っており、その正面に2人の獣人の少女が!?
シャルとミュウなの!?
シャルとミュウがすでに席に座っていたが、綺麗な服を着ているので最初は2人だと気が付かなかった。
セバスさんの誘導でミュウの隣でハロルド様に近い席に案内されて座る。テーブルには金属製のカトラリーが揃っていることに少し感心してしまう。
自分が席に着くのに合わせたように料理が運ばれてくる。
料理はパンと何かの肉のステーキとスープ、野菜のサラダだったが、やはり味が薄い。
この世界では塩味が全体的に薄い味付けなのか、塩が高価で節約してるのかな?
隣のミュウがナイフの使い方が分からないのか、涙目になっていた。私がナイフでひと口サイズに肉を切り分けてやると嬉しそうに笑顔を見せてくれる。
その奥のシャルはナイフを使わずに齧り付いていたけど、ミュウに切り分ける私の姿を見て少し恥ずかしそうに顔を赤くした。セバスさんがメイドに指示して、ナイフで切り分けさせると嬉しそうに食べ始めた。
貴族の食事ならもっと贅沢なのかと思ったがそうでもないようだ。
食事が終わり、お茶が出されるとハロルド様からお願いされる。
「アタルに教えてもらった灯《ライト》じゃが、我が家で使いたいと思っているが教えても良いかのう?」
そう言われて周りを見ると、昨日のクレアさんの灯《ライト》と同じような光が、たくさん出されていた。
「私もアリスに教えてもらったけど、本当に同じ灯《ライト》とは思えなかったわ」
レベッカ夫人は既にアリスに教えてもらったのか。それなら、
「……あまり目立ちたくないので、できればエルマイスター家の人間が考えたことにして広めてもらえれば助かります」
「そうなの? 人の功績を我家が奪ったようで少し気になるけど、教えてもらった灯《ライト》は、慣れてくると魔力消費が少なく明るいので、広めれば人々の暮らしも便利になるわね」
「私もアタル様の灯《ライト》を覚えたら、前の灯《ライト》では暗く感じてしまって」
「それでは、アリスお嬢様が考案した事にすれば良いと思いますよ。
子供ならではの自由な発想で、色々と試していたら偶然に発見したとすれば、不自然な話ではないと思いますが?」
「確かにそうじゃのう。最初にアタルに聞いて試したのもアリスだったか。よし、その方向で皆にも話しておこう」
「私はもう子供ではなく立派な淑女《レディ》です!」
アリスお嬢様は少し頬を膨らませている。
「アリスはまだ12歳だから子供じゃ。半分だけ淑女《レディ》じゃな、完璧な淑女《レディ》になるのはあと2年は必要じゃ」
ハロルド様の話を聞いて、アリスお嬢様はさらに頬を膨らませる。
「アリスお嬢様申し訳ございません。私は目立つことが苦手で押し付けるような事をお願いして」
「では昨日頂いた甘いのをまた頂けたら許してあげますわ」
アリスお嬢様以外はその返答ではまだ子供だと、温かい目でアリスを見る。
「わかりました。ただあの甘いのも暫くはエルマイスター家の中だけの秘密として、他では話さないようにして頂けましたら、幾つか差し上げますよ」
「本当ですか! それなら秘密にしますし、アタル様の代わりに考案者になります!」
アリスお嬢様がチョロいのか、女の子の甘い物好きのお陰なのか……。
「ありがとうございます」
アタルは感謝を述べて、また一つ自分の非常識を誤魔化せたとホッとする。
「それから、シャルちゃんとミュウちゃんは、アタルさんの住まいが用意できるまで、私のほうで面倒を見ますね。2人は本当に可愛くて、服を着せ替えるのが楽しくてねぇ」
レベッカ夫人は嬉しそうに2人を見て、2人も嬉しそうにレベッカ夫人を見ている。
え~と、私はシャルたちと一緒に住むの?
なぜ、そんな話になっているのか疑問に感じていると、シャルが少し悪戯に成功した子供のような顔で私に笑いかけてきた。
シャルさんは油断できないねぇ。
まあ、妹が2人できたと思えば問題ないかなと気軽に受け入れてしまう。
その後はメイドさんに案内されて部屋に向かう。
部屋に着くとメイドさんが先に中に入り、灯《ライト》で室内を明るくする。しかし、やはりクレアさんと同じ灯《ライト》なので少し暗い。
自分も部屋の中に入ると、LED型灯《ライト》で室内を明るくする。
メイドさんが驚いた表情をしたのが楽しくて、アリスお嬢様に教えたようにやり方を説明すると、1回でLED型灯《ライト》を成功させてしまった。
この屋敷のメイドさんは、やはり相当優秀なのだろう。
部屋は広く20畳以上はあると思われる部屋で、奥にはキングサイズのベッドがあり、4人が座れるソファとテーブルのセットも置かれていた。
案内してくれたメイドさんは、夕飯の準備ができましたら呼びに来ると言って部屋を出て行った。
エルマイスター家の屋敷は貴族の屋敷としてはシンプルな造りだが、家具は手作りで重厚の感じのするものが多く、落ち着きのあるものが多かった。この国がそうなのかこの領の特色なのか解らないが、アタルの好きな雰囲気の部屋だと思った。
ソファに座ると先程の話し合いを整理しようかと考えたが、肉体より頭のほうが疲れているのか、なるようになれと思うことにした。
スマートシステムを開き、まずは昨日採取したシュガの実をすべて砂糖の結晶に変える。それからウルフを解体する。
さらに竹を使って竹串を色々な大きさで作ってみる。一度出してみたが竈で使ったりするのはイマイチだと思い。持ち手を大きくして長さも大きくしてみた。これが良い感じだと思い、レシピを使って数多く作成した。
作った竹串を使ってウサギ肉を刺し、塩を振り後は焼くだけの状態にしたものを作る。取り敢えず1本だけ焼いてレシピ登録しておく。
丁度終わったところで、メイドさんが夕飯の準備ができましたと呼びに来たので食堂へ案内してもらう。
食堂に到着すると、すでにハロルド様は誕生日席に座っていた。その右手にはレベッカ夫人とアリスお嬢様が座っており、その正面に2人の獣人の少女が!?
シャルとミュウなの!?
シャルとミュウがすでに席に座っていたが、綺麗な服を着ているので最初は2人だと気が付かなかった。
セバスさんの誘導でミュウの隣でハロルド様に近い席に案内されて座る。テーブルには金属製のカトラリーが揃っていることに少し感心してしまう。
自分が席に着くのに合わせたように料理が運ばれてくる。
料理はパンと何かの肉のステーキとスープ、野菜のサラダだったが、やはり味が薄い。
この世界では塩味が全体的に薄い味付けなのか、塩が高価で節約してるのかな?
隣のミュウがナイフの使い方が分からないのか、涙目になっていた。私がナイフでひと口サイズに肉を切り分けてやると嬉しそうに笑顔を見せてくれる。
その奥のシャルはナイフを使わずに齧り付いていたけど、ミュウに切り分ける私の姿を見て少し恥ずかしそうに顔を赤くした。セバスさんがメイドに指示して、ナイフで切り分けさせると嬉しそうに食べ始めた。
貴族の食事ならもっと贅沢なのかと思ったがそうでもないようだ。
食事が終わり、お茶が出されるとハロルド様からお願いされる。
「アタルに教えてもらった灯《ライト》じゃが、我が家で使いたいと思っているが教えても良いかのう?」
そう言われて周りを見ると、昨日のクレアさんの灯《ライト》と同じような光が、たくさん出されていた。
「私もアリスに教えてもらったけど、本当に同じ灯《ライト》とは思えなかったわ」
レベッカ夫人は既にアリスに教えてもらったのか。それなら、
「……あまり目立ちたくないので、できればエルマイスター家の人間が考えたことにして広めてもらえれば助かります」
「そうなの? 人の功績を我家が奪ったようで少し気になるけど、教えてもらった灯《ライト》は、慣れてくると魔力消費が少なく明るいので、広めれば人々の暮らしも便利になるわね」
「私もアタル様の灯《ライト》を覚えたら、前の灯《ライト》では暗く感じてしまって」
「それでは、アリスお嬢様が考案した事にすれば良いと思いますよ。
子供ならではの自由な発想で、色々と試していたら偶然に発見したとすれば、不自然な話ではないと思いますが?」
「確かにそうじゃのう。最初にアタルに聞いて試したのもアリスだったか。よし、その方向で皆にも話しておこう」
「私はもう子供ではなく立派な淑女《レディ》です!」
アリスお嬢様は少し頬を膨らませている。
「アリスはまだ12歳だから子供じゃ。半分だけ淑女《レディ》じゃな、完璧な淑女《レディ》になるのはあと2年は必要じゃ」
ハロルド様の話を聞いて、アリスお嬢様はさらに頬を膨らませる。
「アリスお嬢様申し訳ございません。私は目立つことが苦手で押し付けるような事をお願いして」
「では昨日頂いた甘いのをまた頂けたら許してあげますわ」
アリスお嬢様以外はその返答ではまだ子供だと、温かい目でアリスを見る。
「わかりました。ただあの甘いのも暫くはエルマイスター家の中だけの秘密として、他では話さないようにして頂けましたら、幾つか差し上げますよ」
「本当ですか! それなら秘密にしますし、アタル様の代わりに考案者になります!」
アリスお嬢様がチョロいのか、女の子の甘い物好きのお陰なのか……。
「ありがとうございます」
アタルは感謝を述べて、また一つ自分の非常識を誤魔化せたとホッとする。
「それから、シャルちゃんとミュウちゃんは、アタルさんの住まいが用意できるまで、私のほうで面倒を見ますね。2人は本当に可愛くて、服を着せ替えるのが楽しくてねぇ」
レベッカ夫人は嬉しそうに2人を見て、2人も嬉しそうにレベッカ夫人を見ている。
え~と、私はシャルたちと一緒に住むの?
なぜ、そんな話になっているのか疑問に感じていると、シャルが少し悪戯に成功した子供のような顔で私に笑いかけてきた。
シャルさんは油断できないねぇ。
まあ、妹が2人できたと思えば問題ないかなと気軽に受け入れてしまう。
その後はメイドさんに案内されて部屋に向かう。
部屋に着くとメイドさんが先に中に入り、灯《ライト》で室内を明るくする。しかし、やはりクレアさんと同じ灯《ライト》なので少し暗い。
自分も部屋の中に入ると、LED型灯《ライト》で室内を明るくする。
メイドさんが驚いた表情をしたのが楽しくて、アリスお嬢様に教えたようにやり方を説明すると、1回でLED型灯《ライト》を成功させてしまった。
この屋敷のメイドさんは、やはり相当優秀なのだろう。
61
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
★☆ 書籍化したこちらもヨロシク! ☆★
★☆★☆★☆ 『転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。』 ☆★☆★☆★
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
お気に入りに追加
2,182
あなたにおすすめの小説
転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!
小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。
しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。
チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。
研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。
ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。
新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。
しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。
もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。
実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。
結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。
すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。
主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる