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4巻
4-3
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『ちょっと、どういうつもりなの!? 人が話しかけているのに無視するなんて!』
『ごめん、ごめん。念話を受け付けないように設定してしまったんだ。ハルの念話は聞こえるようにしたから、もう大丈夫だよ』
『あんたの念話は、そんなことも出来るのね。それより、岩塩の採掘場所を通過しちゃったわよ』
元来た方向に少し戻ると、岩山が見えた。
ハルが言うにはそこが岩塩の採掘場らしい。
ただ周りも暗くなってきたので、採取は明日の朝にするか。
そう思ってルームを開くと、ハルは当然のように俺の肩の上に座った。
普通に邪魔だし、背中を尻尾でペチペチと叩くのも鬱陶しいのでやめてほしい。
抗議しようかとも考えたが、今回は岩塩の採掘場所を教えてもらったから我慢しよう。
リビングに移動すると、ハルはすぐにソファに座ってリラックスし始める。
『俺は風呂に入ってくるから、ここで大人しくしていてくれ』
そう言って風呂に向かおうとすると、ハルが跳びついてくる。
『お風呂があるの!? 当然私も入るわ!』
勇者に風呂の良さを教えられたのだろうか?
別に断る理由もないので、ハルとともに風呂へ向かう。
脱衣所で裸になると、なぜかハルが俺の股間を見て、全身を赤くしているのに気付く。
レディーだと言っていたから、性別は女子なのだろう。
でも種族は違うのに、それを気にするのか……?
……っていうか、そんなに露骨に股間を凝視するなよ。恥ずかしいだろ!
『テンマは予想以上に大人なのね……』とか言っているし。
『変なとこ見て、変なことを言うなよ!』
俺は思わずそう言い、股間を隠して浴場へ。すぐさま湯船にダイブした。
湯に浸かりながら、俺は『まさか俺に欲情してないよな?』なんて思いながら警戒する。
しかし、さすがにそれは杞憂だったようだ。
ハルは湯船に入るなり、俺には目もくれず楽しそうに泳ぎ始めた。
とはいえ、念のために聞いておくか。
『なあ、ハルは人族に欲情するのか?』
『ば、馬鹿ねぇ、そ、そんなはずないじゃない!』
声を震わせて言われると、不安になるんですけど!?
とはいえ、いくら俺でも魔物相手に欲情することはあり得ないから、問題はない。
……そうだよな、俺!
十分に風呂を堪能した俺達は、揃って首からタオルを下げ、リビングのソファにぐでっと座っていた。
すると、ふとハルが言う。
『トンカツが食べたいわ』
俺も食べたいけど、疲れているので料理したくない。
首を横に振る。
『今日は疲れたから、作り置きで我慢してくれ』
『初めて二人で過ごす夜なのに、そんなのは酷いわ!』
ハルはタオルの端を噛みながら、お姉さん座りで『ヨヨヨ』と泣き真似した。
つくづく現代日本の影響を感じる。ノリは少し古いが。
俺は溜息を吐いて、言う。
『ごめんごめん。だけど、本当に無理だ。だから、夕飯はピザとパスタで簡単に済ませよう。その代わり、アイスクリームを出してやるから。とはいえバニラがないから、ちょっとイマイチかもしれないけどな』
すると、ハルは目を輝かせた。
『えっ、ピザがあるの? 私の大好物じゃない! でもアイスクリームにバニラは必要ね。バニラならすぐに手に入るわよ。明日にでも一緒に採りに行きましょ。とりあえず今日はそれで我慢してあげるけど!』
『我慢してあげる』と言いながらすごく喜んでいる気がするが、そこは言いっこなしか。
まあ、納得してくれるならそれでいい。
そんなこんなで、早速支度をして夕食を食べ始める。
ハルは本当にピザが好きらしく、一匹で六枚も平らげた。
俺は一人で一枚がやっとだっていうのに、どこにそんな量が入るんだ……。
そんなことを思いつつも、デザートを出してやる。
『ふーん、バニラがないとイマイチね』
そう言いながらも、ハルの食べる手は止まらない。
結局数えきれないほどお代わりして、ようやくスプーンを置くのだった。
ハルの食い物に対する執着は異常だ。
でもこの食べ物に対する欲求を上手く利用すれば、簡単に掌で転がせそうだなーとも思う。
そんなこんなで食事を済ませた俺らは、二人(?)並んで寝るのだった。
翌朝早く目を覚ますと、ハルはまだ眠っていた。うつ伏せで。
仰向けでは尻尾が邪魔になってしまうのかな?
そんなことを考えつつも、俺はハルを起こす。
そして朝食を摂り(当然ハルはめちゃくちゃはしゃいだ上に有り得ない量を食べていた)、岩塩の採取へ向かう。
岩山の上に降り立った俺は、驚く。
昨日見たときには暗かったし遠目だったから分からなかったが、岩山の横には大きな穴が空いており、その周りに塩がところどころ付着しているのだ。
そして中に入り、更に驚く。
中は大きな洞窟のようになっているのだが、内壁がすべて塩に覆われているのだ。
俺は驚きながらも岩塩を一トン単位のブロックに切り出して、収納していく。
三百くらいのブロックを収納した段階で、一旦手を止める。
これだけあれば、一生塩には困らないだろうし、もういいかもしれないな。
それにしても、これだけ岩塩を採取しても、全体のほんの一部でしかないなんて、驚きだ。
そんなことを考えていると、ハルの声が頭の中に響く。
『ねえ、テンマ。もう岩塩の採取は終わった?』
『もう一生分くらい採取したし、終わろうかなと思っていたところだ』
すると、ハルは前のめりになって言う。
『それなら、早くバニラを採りにいきましょ!』
とことん甘い物に目がないな……と思うが、俺もバニラが欲しいので文句は言わない。
そんなわけで岩山を出た俺らは、ハルの先導で次の目的地へ。
地図スキルで確認すると、どうやらロンダの方面に向かって飛んでいるようだ。
俺は首を傾げながら聞く。
『本当にこっちにあるのか?』
『う~ん、前に採取したのはいつだったかしら~?』
どうも怪しくなってきたぞ。
今の速度で飛んでいれば、そろそろロンダに着いてしまうだろう。
もう一度確認しようとしたら、ハルが声を上げた。
『あそこよ! あの岩の陰にダンジョンがあるのよ』
ダンジョン!?
ハルが指差したのは、フライを使えばロンダから十分もかからない場所にある岩だった。
とはいえ近くに道はないし、これまで見つかっていなかったのも無理からぬ話か。
『ダンジョンはどれくらいの広さなんだ?』
俺が聞くと、ハルは歯切れ悪く答える。
『え~と、たぶん階層は五もなかったような気がするけど? だいぶ前に来たからダンジョンも成長しているかもしれないし……入ってみないと分からないわね』
『ここからすぐ先にロンダっていう町があるんだけど、それは知っているかい?』
『えっ……? 前に来たときは近くに町や村なんてなかったと思うわよ』
う~ん、その『前』は百年単位で昔の話かもしれない。
……信用しすぎると危険だな。
第5話 ダンジョンの確認
ハルが指差した岩の近くに降り立った。
岩の右横にダンジョンの入口だと思われる穴が空いているが、草木に覆われていてかなり分かりにくく、案内がなければ気付かなかったろう。
穴の中には階段が続いている。
下ってみると、草原が広がっていた。遠くには森も見える。
研修時代に入ったダンジョンはさほど外と似た環境ではなかったが、ここは一瞬本当にダンジョンかと疑ってしまうほど、自然に溢れているな……。
俺はひとまずハルに聞く。
『バニラはどこにあるんだ?』
『確か一つ階段を下りた先にあったと思うんだけど……このダンジョン、こんなに広かったかしら?』
やっぱりハルが来たのは随分昔らしい。
信用ならないと思いつつも、このダンジョンに連れてきてくれただけで感謝するべきだろう。
まだ周囲を少し見回しただけだが、採取したい植物がたくさんあるのだ。
……昼までにロンダに帰れそうもないな。
昨日念話した際にジジの様子がおかしかったのは気になるが、何せこの世界で初めてダンジョンに入ったのだ。この誘惑に勝てるわけがない!
まぁダンジョンの階層が少なければ、すぐに確認は終わるはずだ。
でも、もし多かったら……。
ひとまず、ジジに戻るのが遅くなると連絡をしよう。
……いや、なんなら来てもらった方が色々と都合がいいか。
彼女なら作り方さえ教えればプリンを作れるだろうし、ハルの面倒も見てくれそうだ。
そして、折角なら従魔のシルバーウルフであるシルも探索に連れていきたいな。
俺は早速ジジと念話出来る設定に変更した上で、連絡する。
『ジジ、今って話せる?』
『テンマ様、なんで返事をくれないんですか!? 私は見捨てられたかと……グスッ』
涙声だった。
え~と、なんでそんな勘違いが起きているんだ?
忙しくなるしなーって思って念話を切って……そういえば文字念話すら確認していなかった。
もしかするとその間にジジがたくさん連絡をくれていて、期せずして無視したような形になってしまった……とか?
『ごめん、忙しいからしばらくは手を離せないと伝えていたつもりだったんだけど、言葉が足りなかったね。ともかく、今話は出来るかな?』
『す、すみません! 喜んでお話しします!』
……ジジのテンションが、なんだか変だ。
まぁいい。用件を伝えよう。
『もしかしたら、もう少し戻るのが遅くなるかも――』
『なんでですか! やっぱり怒ってます!?』
これでは会話にならん!
俺は諭すように言う。
『ジジ、落ち着いて話を聞いてくれ。それとも少しあとで連絡し直した方がいい?』
『ま、待ってください! お話を聞きます!』
『分かった。それじゃあ、他の人には秘密にしてほしいんだけど……ダンジョンを見つけたんだ』
『ダ、ダンジョン!』
『それで、これからダンジョンの調査をしたいんだ。さすがにダンジョン探索以外のことをする気力がなくなってしまいそうな気がするから、ジジに身の回りの世話をお願いしたくて……出来ればこっちに来てほしいんだが、どうだろう?』
『よ、喜んで! グスッ』
ネガティブな考え方を治してもらわないと、いつか大変なことになりそうだ。
まあ母が病死し、父親が叔父に殺され、その上で娼館で働かされそうになったという彼女の過去を考えると、仕方ないとは思うけど。
とはいえ、ひとまずジジが来てくれるのはありがたい。
俺は続けて聞く。
『調査に数日かかる可能性もあるし、シルも……あ、あとピピも連れてきた方がいいかな?』
『分かりました。少しお時間をください!』
そう言ってジジは、念話を切った。
最後の方は明るい声で話してくれていたし、まぁ大丈夫だろう。
さて、連絡が来るまで、ダンジョンの調査を少しだけ始めるか。
まずはダンジョンの一階層の構造を地図スキルで確認する。
想像以上に広いけど……フライを使えば、さほど調査するのは大変ではないだろう。
早速空を飛び始め――すぐに二階層に続く階段を発見した。
棲息している魔物はほとんどがホーンラビットで、ホロホロ鳥などの鳥類とかもいるのか。
そこまでを確認したところで、ジジから念話がかかってくる。
『テンマ様、準備が出来ました!』
『分かった! ロンダの町の門で落ち合おう』
ハルに仲間を迎えに行くと伝えると、『ルームで待っているからポテトチップスをくれ』とのこと。
俺はハルをルームに入れ、ポテトチップスを渡してダンジョンを出る。
門に着いて五分ほどすると、ジジとシルが走ってこちらに向かってきた。
先に走ってきたシルを抱き止め、シルの毛並みを堪能する。
一日半ぶりにシルモフを楽しんでいると、遅れてきたジジがジト目で俺を睨んでくる。
……なぜ睨まれているんだ?
「テンマ様はシルちゃんのことが一番好きなんですね!」
そう言うジジは、不機嫌そうだ。
シルは確かに大好きだけど……『一番』って何と比べているんだ?
戸惑いながらも、俺は話題を変えることにする。
「そ、それよりピピは?」
「ピピはミーシャさんと一緒に訓練したいって言っていました。最近はミーシャさんと訓練ばかりしているんです。食事の作り置きを十日分、ミーシャさんに渡してきたので、問題ありません」
ピピも姉離れを始めたのかぁ。
成長を感じて、思わず少しほっこりしてしまう。
「……なるほど、分かったよ。細かい話は移動してからにしよう」
それから俺らは人目に付かない場所まで移動してルームを開き、手を繋いで中に入る。
ジジは久しぶりに手を繋ぐのが気恥ずかしかったのか、頬を赤くしていた。
なんだか俺も少し照れくさくなってしまう。
そしてリビングに入ると……ハルがソファに寝転がって、尻尾をポリポリと掻いていた。
ジジはそれを見て、固まってしまった。
そういえばハルのことを説明し損ねていたのを思い出す。
『ハル、レディーが寝転がって尻尾をポリポリするのはどうなんだ?』
俺がそう言うと、ハルは緩慢な動きで振り返る。
そして、ジジやシルが一緒にいるのに気が付くと、体をピンクに染めつつ姿勢を正してソファに座り直した。
『お、お客が来るなら、来ると言ってちょうだい』
いやいや、仲間を迎えに行くって言ったよね?
たぶんポテトチップスに気を取られて、聞いていなかったな。
俺は内心呆れながらも、ジジにハルを紹介する。
「彼女はピクシードラゴンのハル。昨日知り合ったんだ」
「えっ、ピクシードラゴンって勇者物語に出てくる伝説の種族ですよね!? それに名前まで同じなんて……」
おぉ、やはりピクシードラゴンは有名なんだ……ん? 勇者物語? 名前が同じ?
もしや、ハルは本当に有名人なのか!?
『あら、彼女は私のことを知っているようじゃない。勇者の話がしっかり伝わっているようで、安心したわ』
ハルはドヤ顔でそう言い放った。
俺はその物語を知らないし、今はダンジョンのことが気になるから無視する。
続いてシルのことも紹介して、しばらくお喋りしながら待っているように一人と二匹に伝えて、一人でルームを出た。
ルームもD研も、入る場合は使用者の近くであればどこでも扉を開けるが(例外的にD研内ではルームを開けないけど)、出るときは入った場所にしか出られない。みんなで移動するのは面倒なので、俺だけがダンジョンへ行き、後でジジ達を呼ぼうという考えだ。
ちなみにD研の扉を開けっ放しにすることは出来るが、同時に二つ以上は開けない。そのため扉をドロテアさんの屋敷に移動させてからは、みんなを混乱させないよう別の場所で開かないようにしている。
ダンジョンの一階層に入ると、再びルームのダイニングに戻る。
俺にいち早く気付いたジジが振り返った。
「ジジ、ハルとは仲良くなれたかい?」
「はいっ! まさか伝説のハル様とお会い出来るなんて……夢のようです!!」
伝説ねぇ……それにしてはただの食いしん坊キャラとしか思えないんだけど……。
そういえば、普段食事を作ってくれるジジには例の約束について話しておいた方がいいよね。
今の状況はマズいしな。
「そうそう、ハルとは四日に一回ずつプリンと、別のデザートを食べさせる代わりに、貴重な食材の情報を教えてもらうっていう約束をしているんだ。なのに……」
俺はそこで言葉を切り、テーブルの上にいるハルに鋭い視線を送る。
「なんでそこには大量のデザートが並んでいるんだ?」
俺の言葉に、ジジは首を傾げる。
「好きなときにデザートを食べられる約束をしたって、ハル様が……」
ハルが逃げ出そうとしたが、逃げられないよう頭を片手で掴む。
力が入りすぎたのか、ハルの頭からミシミシと音が鳴る。
『ご、ごめんなさい。デザートが食べたくて……ってちょっ、それ以上は死んじゃうわ! 待ってぇぇぇ!』
俺は必死に体をばたつかせるハルに、笑みを向ける。
『いやぁ~、嘘つきにはそれ相応の代価を払ってもらわないとね。伝説のハル様の剥製……高く売れそうだね』
『お、お願いよ~! 先、先払いということで、しばらくはデザートを食べられなくても良い! それで、それでお願いします!』
『ん~、それじゃあ契約魔法で契約しようか。嘘をついたら剥製としてその体を提供するというのはどうかな?』
『待って! 嘘はレディーの魅力でもあるのよ。お茶目な嘘は許してほしいわ』
『……今回は先払いってことで一ヶ月デザートなしにするだけで許すけど、二度目はないよ』
そう言ってハルの頭から手を離すと、彼女は土下座してきた。
『もう絶対に嘘をつきません! ジジちゃんが簡単に信じてくれるから、つい嘘をついちゃっただけなのよ!』
俺は、目を潤ませているジジに言う。
「ジジ、信じるのは悪いことじゃないよ。でも簡単に信じると、こうやって搾取されてしまうこともあるんだ。悲しいことだが、何を信じるべきかはよく考えてほしい」
「はい……まさか伝説のハル様に騙されるとは思いませんでした。そうですよね……やはり信じるだけではダメですね。良く分かりました!」
どこか決心したように言うジジを見て、複雑な気持ちになる俺だった。
第6話 ジジの混乱
テンマ様から念話がきた日の朝。
私、ジジがどこでも自宅のキッチンで朝食を作っていると、テンマ様がキッチンに顔を出した。
「ジジ、おはよう」
「テンマ様、おはようございます」
料理を任されてからも、テンマ様は必ず朝食の準備をしていると顔を出してくれる。
今日は確かアルベルトさん、バロールさん、ザンベルトさんにお話があって、朝早くに家を出るとおっしゃっていたのに、それでもこうして来てくれたのだという事実に、心が躍る。
この時間は私にとって貴重で、嬉しいものだ。
テンマ様はことあるごとに私のことを家族だと言ってくれて、最近ではどこでも自宅の管理まで任せてくれている。
ただ来客対応に関しては経験がないし、どうしたらいいか分からない。
だから一歳年下だけど貴族令嬢のアーリンさんに色々と手伝ってもらっている……というより丸投げ状態だ。
国の英雄であるドロテア様や領主様の奥様なんて、孤児院にいるときには関わる可能性すら考えられないくらい別の世界の住民って感じだったし。
私が気がかりなのは、それだけじゃない。
最近、テンマ様の元気がないように見える。
他の人が起きてくるよりも早くキッチンで朝食を済ませ、どこかに出かけてしまうし。
今日も朝食の準備を見に来て、私と少しだけ会話をしたら、どこでも自宅を出ていってしまった。
『ごめん、ごめん。念話を受け付けないように設定してしまったんだ。ハルの念話は聞こえるようにしたから、もう大丈夫だよ』
『あんたの念話は、そんなことも出来るのね。それより、岩塩の採掘場所を通過しちゃったわよ』
元来た方向に少し戻ると、岩山が見えた。
ハルが言うにはそこが岩塩の採掘場らしい。
ただ周りも暗くなってきたので、採取は明日の朝にするか。
そう思ってルームを開くと、ハルは当然のように俺の肩の上に座った。
普通に邪魔だし、背中を尻尾でペチペチと叩くのも鬱陶しいのでやめてほしい。
抗議しようかとも考えたが、今回は岩塩の採掘場所を教えてもらったから我慢しよう。
リビングに移動すると、ハルはすぐにソファに座ってリラックスし始める。
『俺は風呂に入ってくるから、ここで大人しくしていてくれ』
そう言って風呂に向かおうとすると、ハルが跳びついてくる。
『お風呂があるの!? 当然私も入るわ!』
勇者に風呂の良さを教えられたのだろうか?
別に断る理由もないので、ハルとともに風呂へ向かう。
脱衣所で裸になると、なぜかハルが俺の股間を見て、全身を赤くしているのに気付く。
レディーだと言っていたから、性別は女子なのだろう。
でも種族は違うのに、それを気にするのか……?
……っていうか、そんなに露骨に股間を凝視するなよ。恥ずかしいだろ!
『テンマは予想以上に大人なのね……』とか言っているし。
『変なとこ見て、変なことを言うなよ!』
俺は思わずそう言い、股間を隠して浴場へ。すぐさま湯船にダイブした。
湯に浸かりながら、俺は『まさか俺に欲情してないよな?』なんて思いながら警戒する。
しかし、さすがにそれは杞憂だったようだ。
ハルは湯船に入るなり、俺には目もくれず楽しそうに泳ぎ始めた。
とはいえ、念のために聞いておくか。
『なあ、ハルは人族に欲情するのか?』
『ば、馬鹿ねぇ、そ、そんなはずないじゃない!』
声を震わせて言われると、不安になるんですけど!?
とはいえ、いくら俺でも魔物相手に欲情することはあり得ないから、問題はない。
……そうだよな、俺!
十分に風呂を堪能した俺達は、揃って首からタオルを下げ、リビングのソファにぐでっと座っていた。
すると、ふとハルが言う。
『トンカツが食べたいわ』
俺も食べたいけど、疲れているので料理したくない。
首を横に振る。
『今日は疲れたから、作り置きで我慢してくれ』
『初めて二人で過ごす夜なのに、そんなのは酷いわ!』
ハルはタオルの端を噛みながら、お姉さん座りで『ヨヨヨ』と泣き真似した。
つくづく現代日本の影響を感じる。ノリは少し古いが。
俺は溜息を吐いて、言う。
『ごめんごめん。だけど、本当に無理だ。だから、夕飯はピザとパスタで簡単に済ませよう。その代わり、アイスクリームを出してやるから。とはいえバニラがないから、ちょっとイマイチかもしれないけどな』
すると、ハルは目を輝かせた。
『えっ、ピザがあるの? 私の大好物じゃない! でもアイスクリームにバニラは必要ね。バニラならすぐに手に入るわよ。明日にでも一緒に採りに行きましょ。とりあえず今日はそれで我慢してあげるけど!』
『我慢してあげる』と言いながらすごく喜んでいる気がするが、そこは言いっこなしか。
まあ、納得してくれるならそれでいい。
そんなこんなで、早速支度をして夕食を食べ始める。
ハルは本当にピザが好きらしく、一匹で六枚も平らげた。
俺は一人で一枚がやっとだっていうのに、どこにそんな量が入るんだ……。
そんなことを思いつつも、デザートを出してやる。
『ふーん、バニラがないとイマイチね』
そう言いながらも、ハルの食べる手は止まらない。
結局数えきれないほどお代わりして、ようやくスプーンを置くのだった。
ハルの食い物に対する執着は異常だ。
でもこの食べ物に対する欲求を上手く利用すれば、簡単に掌で転がせそうだなーとも思う。
そんなこんなで食事を済ませた俺らは、二人(?)並んで寝るのだった。
翌朝早く目を覚ますと、ハルはまだ眠っていた。うつ伏せで。
仰向けでは尻尾が邪魔になってしまうのかな?
そんなことを考えつつも、俺はハルを起こす。
そして朝食を摂り(当然ハルはめちゃくちゃはしゃいだ上に有り得ない量を食べていた)、岩塩の採取へ向かう。
岩山の上に降り立った俺は、驚く。
昨日見たときには暗かったし遠目だったから分からなかったが、岩山の横には大きな穴が空いており、その周りに塩がところどころ付着しているのだ。
そして中に入り、更に驚く。
中は大きな洞窟のようになっているのだが、内壁がすべて塩に覆われているのだ。
俺は驚きながらも岩塩を一トン単位のブロックに切り出して、収納していく。
三百くらいのブロックを収納した段階で、一旦手を止める。
これだけあれば、一生塩には困らないだろうし、もういいかもしれないな。
それにしても、これだけ岩塩を採取しても、全体のほんの一部でしかないなんて、驚きだ。
そんなことを考えていると、ハルの声が頭の中に響く。
『ねえ、テンマ。もう岩塩の採取は終わった?』
『もう一生分くらい採取したし、終わろうかなと思っていたところだ』
すると、ハルは前のめりになって言う。
『それなら、早くバニラを採りにいきましょ!』
とことん甘い物に目がないな……と思うが、俺もバニラが欲しいので文句は言わない。
そんなわけで岩山を出た俺らは、ハルの先導で次の目的地へ。
地図スキルで確認すると、どうやらロンダの方面に向かって飛んでいるようだ。
俺は首を傾げながら聞く。
『本当にこっちにあるのか?』
『う~ん、前に採取したのはいつだったかしら~?』
どうも怪しくなってきたぞ。
今の速度で飛んでいれば、そろそろロンダに着いてしまうだろう。
もう一度確認しようとしたら、ハルが声を上げた。
『あそこよ! あの岩の陰にダンジョンがあるのよ』
ダンジョン!?
ハルが指差したのは、フライを使えばロンダから十分もかからない場所にある岩だった。
とはいえ近くに道はないし、これまで見つかっていなかったのも無理からぬ話か。
『ダンジョンはどれくらいの広さなんだ?』
俺が聞くと、ハルは歯切れ悪く答える。
『え~と、たぶん階層は五もなかったような気がするけど? だいぶ前に来たからダンジョンも成長しているかもしれないし……入ってみないと分からないわね』
『ここからすぐ先にロンダっていう町があるんだけど、それは知っているかい?』
『えっ……? 前に来たときは近くに町や村なんてなかったと思うわよ』
う~ん、その『前』は百年単位で昔の話かもしれない。
……信用しすぎると危険だな。
第5話 ダンジョンの確認
ハルが指差した岩の近くに降り立った。
岩の右横にダンジョンの入口だと思われる穴が空いているが、草木に覆われていてかなり分かりにくく、案内がなければ気付かなかったろう。
穴の中には階段が続いている。
下ってみると、草原が広がっていた。遠くには森も見える。
研修時代に入ったダンジョンはさほど外と似た環境ではなかったが、ここは一瞬本当にダンジョンかと疑ってしまうほど、自然に溢れているな……。
俺はひとまずハルに聞く。
『バニラはどこにあるんだ?』
『確か一つ階段を下りた先にあったと思うんだけど……このダンジョン、こんなに広かったかしら?』
やっぱりハルが来たのは随分昔らしい。
信用ならないと思いつつも、このダンジョンに連れてきてくれただけで感謝するべきだろう。
まだ周囲を少し見回しただけだが、採取したい植物がたくさんあるのだ。
……昼までにロンダに帰れそうもないな。
昨日念話した際にジジの様子がおかしかったのは気になるが、何せこの世界で初めてダンジョンに入ったのだ。この誘惑に勝てるわけがない!
まぁダンジョンの階層が少なければ、すぐに確認は終わるはずだ。
でも、もし多かったら……。
ひとまず、ジジに戻るのが遅くなると連絡をしよう。
……いや、なんなら来てもらった方が色々と都合がいいか。
彼女なら作り方さえ教えればプリンを作れるだろうし、ハルの面倒も見てくれそうだ。
そして、折角なら従魔のシルバーウルフであるシルも探索に連れていきたいな。
俺は早速ジジと念話出来る設定に変更した上で、連絡する。
『ジジ、今って話せる?』
『テンマ様、なんで返事をくれないんですか!? 私は見捨てられたかと……グスッ』
涙声だった。
え~と、なんでそんな勘違いが起きているんだ?
忙しくなるしなーって思って念話を切って……そういえば文字念話すら確認していなかった。
もしかするとその間にジジがたくさん連絡をくれていて、期せずして無視したような形になってしまった……とか?
『ごめん、忙しいからしばらくは手を離せないと伝えていたつもりだったんだけど、言葉が足りなかったね。ともかく、今話は出来るかな?』
『す、すみません! 喜んでお話しします!』
……ジジのテンションが、なんだか変だ。
まぁいい。用件を伝えよう。
『もしかしたら、もう少し戻るのが遅くなるかも――』
『なんでですか! やっぱり怒ってます!?』
これでは会話にならん!
俺は諭すように言う。
『ジジ、落ち着いて話を聞いてくれ。それとも少しあとで連絡し直した方がいい?』
『ま、待ってください! お話を聞きます!』
『分かった。それじゃあ、他の人には秘密にしてほしいんだけど……ダンジョンを見つけたんだ』
『ダ、ダンジョン!』
『それで、これからダンジョンの調査をしたいんだ。さすがにダンジョン探索以外のことをする気力がなくなってしまいそうな気がするから、ジジに身の回りの世話をお願いしたくて……出来ればこっちに来てほしいんだが、どうだろう?』
『よ、喜んで! グスッ』
ネガティブな考え方を治してもらわないと、いつか大変なことになりそうだ。
まあ母が病死し、父親が叔父に殺され、その上で娼館で働かされそうになったという彼女の過去を考えると、仕方ないとは思うけど。
とはいえ、ひとまずジジが来てくれるのはありがたい。
俺は続けて聞く。
『調査に数日かかる可能性もあるし、シルも……あ、あとピピも連れてきた方がいいかな?』
『分かりました。少しお時間をください!』
そう言ってジジは、念話を切った。
最後の方は明るい声で話してくれていたし、まぁ大丈夫だろう。
さて、連絡が来るまで、ダンジョンの調査を少しだけ始めるか。
まずはダンジョンの一階層の構造を地図スキルで確認する。
想像以上に広いけど……フライを使えば、さほど調査するのは大変ではないだろう。
早速空を飛び始め――すぐに二階層に続く階段を発見した。
棲息している魔物はほとんどがホーンラビットで、ホロホロ鳥などの鳥類とかもいるのか。
そこまでを確認したところで、ジジから念話がかかってくる。
『テンマ様、準備が出来ました!』
『分かった! ロンダの町の門で落ち合おう』
ハルに仲間を迎えに行くと伝えると、『ルームで待っているからポテトチップスをくれ』とのこと。
俺はハルをルームに入れ、ポテトチップスを渡してダンジョンを出る。
門に着いて五分ほどすると、ジジとシルが走ってこちらに向かってきた。
先に走ってきたシルを抱き止め、シルの毛並みを堪能する。
一日半ぶりにシルモフを楽しんでいると、遅れてきたジジがジト目で俺を睨んでくる。
……なぜ睨まれているんだ?
「テンマ様はシルちゃんのことが一番好きなんですね!」
そう言うジジは、不機嫌そうだ。
シルは確かに大好きだけど……『一番』って何と比べているんだ?
戸惑いながらも、俺は話題を変えることにする。
「そ、それよりピピは?」
「ピピはミーシャさんと一緒に訓練したいって言っていました。最近はミーシャさんと訓練ばかりしているんです。食事の作り置きを十日分、ミーシャさんに渡してきたので、問題ありません」
ピピも姉離れを始めたのかぁ。
成長を感じて、思わず少しほっこりしてしまう。
「……なるほど、分かったよ。細かい話は移動してからにしよう」
それから俺らは人目に付かない場所まで移動してルームを開き、手を繋いで中に入る。
ジジは久しぶりに手を繋ぐのが気恥ずかしかったのか、頬を赤くしていた。
なんだか俺も少し照れくさくなってしまう。
そしてリビングに入ると……ハルがソファに寝転がって、尻尾をポリポリと掻いていた。
ジジはそれを見て、固まってしまった。
そういえばハルのことを説明し損ねていたのを思い出す。
『ハル、レディーが寝転がって尻尾をポリポリするのはどうなんだ?』
俺がそう言うと、ハルは緩慢な動きで振り返る。
そして、ジジやシルが一緒にいるのに気が付くと、体をピンクに染めつつ姿勢を正してソファに座り直した。
『お、お客が来るなら、来ると言ってちょうだい』
いやいや、仲間を迎えに行くって言ったよね?
たぶんポテトチップスに気を取られて、聞いていなかったな。
俺は内心呆れながらも、ジジにハルを紹介する。
「彼女はピクシードラゴンのハル。昨日知り合ったんだ」
「えっ、ピクシードラゴンって勇者物語に出てくる伝説の種族ですよね!? それに名前まで同じなんて……」
おぉ、やはりピクシードラゴンは有名なんだ……ん? 勇者物語? 名前が同じ?
もしや、ハルは本当に有名人なのか!?
『あら、彼女は私のことを知っているようじゃない。勇者の話がしっかり伝わっているようで、安心したわ』
ハルはドヤ顔でそう言い放った。
俺はその物語を知らないし、今はダンジョンのことが気になるから無視する。
続いてシルのことも紹介して、しばらくお喋りしながら待っているように一人と二匹に伝えて、一人でルームを出た。
ルームもD研も、入る場合は使用者の近くであればどこでも扉を開けるが(例外的にD研内ではルームを開けないけど)、出るときは入った場所にしか出られない。みんなで移動するのは面倒なので、俺だけがダンジョンへ行き、後でジジ達を呼ぼうという考えだ。
ちなみにD研の扉を開けっ放しにすることは出来るが、同時に二つ以上は開けない。そのため扉をドロテアさんの屋敷に移動させてからは、みんなを混乱させないよう別の場所で開かないようにしている。
ダンジョンの一階層に入ると、再びルームのダイニングに戻る。
俺にいち早く気付いたジジが振り返った。
「ジジ、ハルとは仲良くなれたかい?」
「はいっ! まさか伝説のハル様とお会い出来るなんて……夢のようです!!」
伝説ねぇ……それにしてはただの食いしん坊キャラとしか思えないんだけど……。
そういえば、普段食事を作ってくれるジジには例の約束について話しておいた方がいいよね。
今の状況はマズいしな。
「そうそう、ハルとは四日に一回ずつプリンと、別のデザートを食べさせる代わりに、貴重な食材の情報を教えてもらうっていう約束をしているんだ。なのに……」
俺はそこで言葉を切り、テーブルの上にいるハルに鋭い視線を送る。
「なんでそこには大量のデザートが並んでいるんだ?」
俺の言葉に、ジジは首を傾げる。
「好きなときにデザートを食べられる約束をしたって、ハル様が……」
ハルが逃げ出そうとしたが、逃げられないよう頭を片手で掴む。
力が入りすぎたのか、ハルの頭からミシミシと音が鳴る。
『ご、ごめんなさい。デザートが食べたくて……ってちょっ、それ以上は死んじゃうわ! 待ってぇぇぇ!』
俺は必死に体をばたつかせるハルに、笑みを向ける。
『いやぁ~、嘘つきにはそれ相応の代価を払ってもらわないとね。伝説のハル様の剥製……高く売れそうだね』
『お、お願いよ~! 先、先払いということで、しばらくはデザートを食べられなくても良い! それで、それでお願いします!』
『ん~、それじゃあ契約魔法で契約しようか。嘘をついたら剥製としてその体を提供するというのはどうかな?』
『待って! 嘘はレディーの魅力でもあるのよ。お茶目な嘘は許してほしいわ』
『……今回は先払いってことで一ヶ月デザートなしにするだけで許すけど、二度目はないよ』
そう言ってハルの頭から手を離すと、彼女は土下座してきた。
『もう絶対に嘘をつきません! ジジちゃんが簡単に信じてくれるから、つい嘘をついちゃっただけなのよ!』
俺は、目を潤ませているジジに言う。
「ジジ、信じるのは悪いことじゃないよ。でも簡単に信じると、こうやって搾取されてしまうこともあるんだ。悲しいことだが、何を信じるべきかはよく考えてほしい」
「はい……まさか伝説のハル様に騙されるとは思いませんでした。そうですよね……やはり信じるだけではダメですね。良く分かりました!」
どこか決心したように言うジジを見て、複雑な気持ちになる俺だった。
第6話 ジジの混乱
テンマ様から念話がきた日の朝。
私、ジジがどこでも自宅のキッチンで朝食を作っていると、テンマ様がキッチンに顔を出した。
「ジジ、おはよう」
「テンマ様、おはようございます」
料理を任されてからも、テンマ様は必ず朝食の準備をしていると顔を出してくれる。
今日は確かアルベルトさん、バロールさん、ザンベルトさんにお話があって、朝早くに家を出るとおっしゃっていたのに、それでもこうして来てくれたのだという事実に、心が躍る。
この時間は私にとって貴重で、嬉しいものだ。
テンマ様はことあるごとに私のことを家族だと言ってくれて、最近ではどこでも自宅の管理まで任せてくれている。
ただ来客対応に関しては経験がないし、どうしたらいいか分からない。
だから一歳年下だけど貴族令嬢のアーリンさんに色々と手伝ってもらっている……というより丸投げ状態だ。
国の英雄であるドロテア様や領主様の奥様なんて、孤児院にいるときには関わる可能性すら考えられないくらい別の世界の住民って感じだったし。
私が気がかりなのは、それだけじゃない。
最近、テンマ様の元気がないように見える。
他の人が起きてくるよりも早くキッチンで朝食を済ませ、どこかに出かけてしまうし。
今日も朝食の準備を見に来て、私と少しだけ会話をしたら、どこでも自宅を出ていってしまった。
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