表紙へ
上 下
51 / 315
4巻

4-3

しおりを挟む
『ちょっと、どういうつもりなの!? 人が話しかけているのに無視するなんて!』
『ごめん、ごめん。念話を受け付けないように設定してしまったんだ。ハルの念話は聞こえるようにしたから、もう大丈夫だよ』
『あんたの念話は、そんなことも出来るのね。それより、岩塩の採掘場所を通過しちゃったわよ』

 元来た方向に少し戻ると、岩山が見えた。
 ハルが言うにはそこが岩塩の採掘場らしい。
 ただ周りも暗くなってきたので、採取は明日の朝にするか。
 そう思ってルームを開くと、ハルは当然のように俺の肩の上に座った。
 普通に邪魔じゃまだし、背中を尻尾しっぽでペチペチと叩くのも鬱陶うっとうしいのでやめてほしい。
 抗議しようかとも考えたが、今回は岩塩の採掘場所を教えてもらったから我慢しよう。
 リビングに移動すると、ハルはすぐにソファに座ってリラックスし始める。

『俺は風呂に入ってくるから、ここで大人しくしていてくれ』

 そう言って風呂に向かおうとすると、ハルが跳びついてくる。

『お風呂があるの!? 当然私も入るわ!』

 勇者に風呂の良さを教えられたのだろうか?
 別に断る理由もないので、ハルとともに風呂へ向かう。
 脱衣所ではだかになると、なぜかハルが俺の股間こかんを見て、全身を赤くしているのに気付く。
 レディーだと言っていたから、性別は女子なのだろう。
 でも種族は違うのに、それを気にするのか……?
 ……っていうか、そんなに露骨ろこつに股間を凝視ぎょうしするなよ。ずかしいだろ!
『テンマは予想以上に大人なのね……』とか言っているし。

『変なとこ見て、変なことを言うなよ!』

 俺は思わずそう言い、股間を隠して浴場へ。すぐさま湯船にダイブした。
 湯にかりながら、俺は『まさか俺に欲情してないよな?』なんて思いながら警戒けいかいする。
 しかし、さすがにそれは杞憂きゆうだったようだ。
 ハルは湯船に入るなり、俺には目もくれず楽しそうに泳ぎ始めた。
 とはいえ、念のために聞いておくか。

『なあ、ハルは人族に欲情するのか?』
『ば、馬鹿ばかねぇ、そ、そんなはずないじゃない!』

 声を震わせて言われると、不安になるんですけど!?
 とはいえ、いくら俺でも魔物相手に欲情することはあり得ないから、問題はない。
 ……そうだよな、俺!


 十分に風呂を堪能たんのうした俺達は、揃って首からタオルを下げ、リビングのソファにぐでっと座っていた。
 すると、ふとハルが言う。

『トンカツが食べたいわ』

 俺も食べたいけど、疲れているので料理したくない。
 首を横に振る。

『今日は疲れたから、作り置きで我慢してくれ』
『初めて二人で過ごす夜なのに、そんなのは酷いわ!』

 ハルはタオルのはしを噛みながら、お姉さん座りで『ヨヨヨ』と泣き真似した。
 つくづく現代日本の影響を感じる。ノリは少し古いが。
 俺は溜息を吐いて、言う。

『ごめんごめん。だけど、本当に無理だ。だから、夕飯はピザとパスタで簡単に済ませよう。その代わり、アイスクリームを出してやるから。とはいえバニラがないから、ちょっとイマイチかもしれないけどな』

 すると、ハルは目をかがやかせた。

『えっ、ピザがあるの? 私の大好物じゃない! でもアイスクリームにバニラは必要ね。バニラならすぐに手に入るわよ。明日にでも一緒にりに行きましょ。とりあえず今日はそれで我慢してあげるけど!』

『我慢してあげる』と言いながらすごく喜んでいる気がするが、そこは言いっこなしか。
 まあ、納得してくれるならそれでいい。


 そんなこんなで、早速支度したくをして夕食を食べ始める。
 ハルは本当にピザが好きらしく、一匹で六枚も平らげた。
 俺は一人で一枚がやっとだっていうのに、どこにそんな量が入るんだ……。
 そんなことを思いつつも、デザートを出してやる。

『ふーん、バニラがないとイマイチね』

 そう言いながらも、ハルの食べる手は止まらない。
 結局数えきれないほどお代わりして、ようやくスプーンを置くのだった。
 ハルの食い物に対する執着しゅうちゃくは異常だ。
 でもこの食べ物に対する欲求を上手く利用すれば、簡単にてのひらで転がせそうだなーとも思う。
 そんなこんなで食事を済ませた俺らは、二人(?)並んで寝るのだった。


 翌朝早く目を覚ますと、ハルはまだ眠っていた。うつ伏せで。
 仰向けでは尻尾が邪魔になってしまうのかな?
 そんなことを考えつつも、俺はハルを起こす。
 そして朝食をり(当然ハルはめちゃくちゃはしゃいだ上に有り得ない量を食べていた)、岩塩の採取へ向かう。


 岩山の上に降り立った俺は、驚く。
 昨日見たときには暗かったし遠目だったから分からなかったが、岩山の横には大きな穴がいており、その周りに塩がところどころ付着しているのだ。
 そして中に入り、更に驚く。
 中は大きな洞窟どうくつのようになっているのだが、内壁ないへきがすべて塩におおわれているのだ。
 俺は驚きながらも岩塩を一トン単位のブロックに切り出して、収納していく。
 三百くらいのブロックを収納した段階で、一旦手を止める。
 これだけあれば、一生塩には困らないだろうし、もういいかもしれないな。
 それにしても、これだけ岩塩を採取しても、全体のほんの一部でしかないなんて、驚きだ。
 そんなことを考えていると、ハルの声が頭の中に響く。

『ねえ、テンマ。もう岩塩の採取は終わった?』
『もう一生分くらい採取したし、終わろうかなと思っていたところだ』

 すると、ハルは前のめりになって言う。

『それなら、早くバニラをりにいきましょ!』

 とことん甘い物に目がないな……と思うが、俺もバニラが欲しいので文句は言わない。
 そんなわけで岩山を出た俺らは、ハルの先導で次の目的地へ。
 地図スキルで確認すると、どうやらロンダの方面に向かって飛んでいるようだ。
 俺は首を傾げながら聞く。

『本当にこっちにあるのか?』
『う~ん、前に採取したのはいつだったかしら~?』

 どうも怪しくなってきたぞ。
 今の速度で飛んでいれば、そろそろロンダに着いてしまうだろう。
 もう一度確認しようとしたら、ハルが声を上げた。

『あそこよ! あの岩のかげにダンジョンがあるのよ』

 ダンジョン!?
 ハルが指差したのは、フライを使えばロンダから十分もかからない場所にある岩だった。
 とはいえ近くに道はないし、これまで見つかっていなかったのも無理からぬ話か。

『ダンジョンはどれくらいの広さなんだ?』

 俺が聞くと、ハルは歯切れ悪く答える。

『え~と、たぶん階層は五もなかったような気がするけど? だいぶ前に来たからダンジョンも成長しているかもしれないし……入ってみないと分からないわね』
『ここからすぐ先にロンダっていう町があるんだけど、それは知っているかい?』
『えっ……? 前に来たときは近くに町や村なんてなかったと思うわよ』

 う~ん、その『前』は百年単位で昔の話かもしれない。
 ……信用しすぎると危険だな。




 第5話 ダンジョンの確認



 ハルが指差した岩の近くに降り立った。
 岩の右横にダンジョンの入口だと思われる穴が空いているが、草木に覆われていてかなり分かりにくく、案内がなければ気付かなかったろう。
 穴の中には階段が続いている。
 下ってみると、草原が広がっていた。遠くには森も見える。
 研修時代に入ったダンジョンはさほど外と似た環境ではなかったが、ここは一瞬いっしゅん本当にダンジョンかと疑ってしまうほど、自然にあふれているな……。
 俺はひとまずハルに聞く。

『バニラはどこにあるんだ?』
『確か一つ階段を下りた先にあったと思うんだけど……このダンジョン、こんなに広かったかしら?』

 やっぱりハルが来たのは随分昔らしい。
 信用ならないと思いつつも、このダンジョンに連れてきてくれただけで感謝するべきだろう。
 まだ周囲を少し見回しただけだが、採取したい植物がたくさんあるのだ。
 ……昼までにロンダに帰れそうもないな。
 昨日念話した際にジジの様子がおかしかったのは気になるが、何せこの世界で初めてダンジョンに入ったのだ。この誘惑ゆうわくに勝てるわけがない!
 まぁダンジョンの階層が少なければ、すぐに確認は終わるはずだ。
 でも、もし多かったら……。
 ひとまず、ジジに戻るのが遅くなると連絡をしよう。
 ……いや、なんなら来てもらった方が色々と都合がいいか。
 彼女なら作り方さえ教えればプリンを作れるだろうし、ハルの面倒も見てくれそうだ。
 そして、折角なら従魔じゅうまのシルバーウルフであるシルも探索たんさくに連れていきたいな。
 俺は早速ジジと念話出来る設定に変更した上で、連絡する。

『ジジ、今って話せる?』
『テンマ様、なんで返事をくれないんですか!? 私は見捨てられたかと……グスッ』

 涙声だった。
 え~と、なんでそんな勘違いが起きているんだ?
 忙しくなるしなーって思って念話を切って……そういえば文字念話チャットすら確認していなかった。
 もしかするとその間にジジがたくさん連絡をくれていて、期せずして無視したような形になってしまった……とか?

『ごめん、忙しいからしばらくは手を離せないと伝えていたつもりだったんだけど、言葉が足りなかったね。ともかく、今話は出来るかな?』
『す、すみません! 喜んでお話しします!』

 ……ジジのテンションが、なんだか変だ。
 まぁいい。用件を伝えよう。

『もしかしたら、もう少し戻るのが遅くなるかも――』
『なんでですか! やっぱり怒ってます!?』

 これでは会話にならん!
 俺はさとすように言う。

『ジジ、落ち着いて話を聞いてくれ。それとも少しあとで連絡し直した方がいい?』
『ま、待ってください! お話を聞きます!』
『分かった。それじゃあ、他の人には秘密にしてほしいんだけど……ダンジョンを見つけたんだ』
『ダ、ダンジョン!』
『それで、これからダンジョンの調査をしたいんだ。さすがにダンジョン探索以外のことをする気力がなくなってしまいそうな気がするから、ジジに身の回りの世話をお願いしたくて……出来ればこっちに来てほしいんだが、どうだろう?』
『よ、喜んで! グスッ』

 ネガティブな考え方を治してもらわないと、いつか大変なことになりそうだ。
 まあ母が病死し、父親が叔父おじに殺され、その上で娼館しょうかんで働かされそうになったという彼女の過去を考えると、仕方ないとは思うけど。
 とはいえ、ひとまずジジが来てくれるのはありがたい。
 俺は続けて聞く。

『調査に数日かかる可能性もあるし、シルも……あ、あとピピも連れてきた方がいいかな?』
『分かりました。少しお時間をください!』

 そう言ってジジは、念話を切った。
 最後の方は明るい声で話してくれていたし、まぁ大丈夫だろう。
 さて、連絡が来るまで、ダンジョンの調査を少しだけ始めるか。
 まずはダンジョンの一階層の構造を地図スキルで確認する。
 想像以上に広いけど……フライを使えば、さほど調査するのは大変ではないだろう。
 早速空を飛び始め――すぐに二階層に続く階段を発見した。
 棲息せいそくしている魔物はほとんどがホーンラビットで、ホロホロ鳥などの鳥類とかもいるのか。
 そこまでを確認したところで、ジジから念話がかかってくる。

『テンマ様、準備が出来ました!』
『分かった! ロンダの町の門で落ち合おう』

 ハルに仲間を迎えに行くと伝えると、『ルームで待っているからポテトチップスをくれ』とのこと。
 俺はハルをルームに入れ、ポテトチップスを渡してダンジョンを出る。


 門に着いて五分ほどすると、ジジとシルが走ってこちらに向かってきた。
 先に走ってきたシルを抱き止め、シルの毛並みを堪能する。
 一日半ぶりにシルモフを楽しんでいると、遅れてきたジジがジト目で俺を睨んでくる。
 ……なぜ睨まれているんだ?

「テンマ様はシルちゃんのことが一番好きなんですね!」

 そう言うジジは、不機嫌そうだ。
 シルは確かに大好きだけど……『一番』って何と比べているんだ?
 戸惑とまどいながらも、俺は話題を変えることにする。

「そ、それよりピピは?」
「ピピはミーシャさんと一緒に訓練したいって言っていました。最近はミーシャさんと訓練ばかりしているんです。食事の作り置きを十日分、ミーシャさんに渡してきたので、問題ありません」

 ピピも姉離れを始めたのかぁ。
 成長を感じて、思わず少しほっこりしてしまう。

「……なるほど、分かったよ。細かい話は移動してからにしよう」


 それから俺らは人目に付かない場所まで移動してルームを開き、手を繋いで中に入る。
 ジジは久しぶりに手を繋ぐのが気恥ずかしかったのか、頬を赤くしていた。
 なんだか俺も少し照れくさくなってしまう。
 そしてリビングに入ると……ハルがソファに寝転がって、尻尾をポリポリといていた。
 ジジはそれを見て、固まってしまった。
 そういえばハルのことを説明し損ねていたのを思い出す。

『ハル、レディーが寝転がって尻尾をポリポリするのはどうなんだ?』

 俺がそう言うと、ハルは緩慢かんまんな動きで振り返る。
 そして、ジジやシルが一緒にいるのに気が付くと、体をピンクに染めつつ姿勢を正してソファに座り直した。

『お、お客が来るなら、来ると言ってちょうだい』

 いやいや、仲間を迎えに行くって言ったよね?
 たぶんポテトチップスに気を取られて、聞いていなかったな。
 俺は内心呆れながらも、ジジにハルを紹介する。

「彼女はピクシードラゴンのハル。昨日知り合ったんだ」
「えっ、ピクシードラゴンって勇者物語に出てくる伝説の種族ですよね!? それに名前まで同じなんて……」

 おぉ、やはりピクシードラゴンは有名なんだ……ん? 勇者物語? 名前が同じ?
 もしや、ハルは本当に有名人なのか!?

『あら、彼女は私のことを知っているようじゃない。勇者の話がしっかり伝わっているようで、安心したわ』

 ハルはドヤ顔でそう言い放った。
 俺はその物語を知らないし、今はダンジョンのことが気になるから無視する。
 続いてシルのことも紹介して、しばらくお喋りしながら待っているように一人と二匹に伝えて、一人でルームを出た。
 ルームもどこ研も、入る場合は使用者の近くであればどこでも扉を開けるが(例外的にどこ研内ではルームを開けないけど)、出るときは入った場所にしか出られない。みんなで移動するのは面倒なので、俺だけがダンジョンへ行き、後でジジ達を呼ぼうという考えだ。
 ちなみにどこ研の扉を開けっ放しにすることは出来るが、同時に二つ以上は開けない。そのため扉をドロテアさんの屋敷に移動させてからは、みんなを混乱させないよう別の場所で開かないようにしている。


 ダンジョンの一階層に入ると、再びルームのダイニングに戻る。
 俺にいち早く気付いたジジが振り返った。

「ジジ、ハルとは仲良くなれたかい?」
「はいっ! まさか伝説のハル様とお会い出来るなんて……夢のようです!!」

 伝説ねぇ……それにしてはただの食いしん坊キャラとしか思えないんだけど……。
 そういえば、普段食事を作ってくれるジジには例の約束について話しておいた方がいいよね。
 

「そうそう、ハルとは四日に一回ずつプリンと、別のデザートを食べさせる代わりに、貴重な食材の情報を教えてもらうっていう約束をしているんだ。なのに……」

 俺はそこで言葉を切り、テーブルの上にいるハルにするどい視線を送る。

「なんでそこには大量のデザートが並んでいるんだ?」

 俺の言葉に、ジジは首を傾げる。

「好きなときにデザートを食べられる約束をしたって、ハル様が……」

 ハルが逃げ出そうとしたが、逃げられないよう頭を片手で掴む。
 力が入りすぎたのか、ハルの頭からミシミシと音が鳴る。

『ご、ごめんなさい。デザートが食べたくて……ってちょっ、それ以上は死んじゃうわ! 待ってぇぇぇ!』

 俺は必死に体をばたつかせるハルに、笑みを向ける。

『いやぁ~、嘘つきにはそれ相応の代価を払ってもらわないとね。伝説のハル様の剥製はくせい……高く売れそうだね』
『お、お願いよ~! 先、先払いということで、しばらくはデザートを食べられなくても良い! それで、それでお願いします!』
『ん~、それじゃあ契約魔法で契約しようか。嘘をついたら剥製としてその体を提供するというのはどうかな?』
『待って! 嘘はレディーの魅力みりょくでもあるのよ。お茶目な嘘は許してほしいわ』
『……今回は先払いってことで一ヶ月デザートなしにするだけで許すけど、二度目はないよ』

 そう言ってハルの頭から手を離すと、彼女は土下座してきた。

『もう絶対に嘘をつきません! ジジちゃんが簡単に信じてくれるから、つい嘘をついちゃっただけなのよ!』

 俺は、目をうるませているジジに言う。

「ジジ、信じるのは悪いことじゃないよ。でも簡単に信じると、こうやって搾取さくしゅされてしまうこともあるんだ。悲しいことだが、何を信じるべきかはよく考えてほしい」
「はい……まさか伝説のハル様にだまされるとは思いませんでした。そうですよね……やはり信じるだけではダメですね。良く分かりました!」

 どこか決心したように言うジジを見て、複雑な気持ちになる俺だった。




 第6話 ジジの混乱



 テンマ様から念話がきた日の朝。
 私、ジジがどこでも自宅のキッチンで朝食を作っていると、テンマ様がキッチンに顔を出した。

「ジジ、おはよう」
「テンマ様、おはようございます」

 料理を任されてからも、テンマ様は必ず朝食の準備をしていると顔を出してくれる。
 今日は確かアルベルトさん、バロールさん、ザンベルトさんにお話があって、朝早くに家を出るとおっしゃっていたのに、それでもこうして来てくれたのだという事実に、心がおどる。
 この時間は私にとって貴重で、嬉しいものだ。
 テンマ様はことあるごとに私のことを家族だと言ってくれて、最近ではどこでも自宅の管理まで任せてくれている。
 ただ来客対応に関しては経験がないし、どうしたらいいか分からない。
 だから一歳年下だけど貴族令嬢きぞくれいじょうのアーリンさんに色々と手伝ってもらっている……というより丸投げ状態だ。
 国の英雄であるドロテア様や領主様の奥様なんて、孤児院にいるときには関わる可能性すら考えられないくらい別の世界の住民って感じだったし。
 私が気がかりなのは、それだけじゃない。
 最近、テンマ様の元気がないように見える。
 他の人が起きてくるよりも早くキッチンで朝食を済ませ、どこかに出かけてしまうし。
 今日も朝食の準備を見に来て、私と少しだけ会話をしたら、どこでも自宅を出ていってしまった。


しおりを挟む
表紙へ
感想 437

あなたにおすすめの小説

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

神々に育てられた人の子は最強です

Solar
ファンタジー
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。 その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん 坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。 何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。 その赤ん坊はすくすく育ち地上の学校に行った。 そして十八歳になった時、高校生の修学旅行に行く際異世界に召喚された。 その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無双するお話です 初めてですので余り期待しないでください。 小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。