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番外編① アーリンの残念なチート物語 学園入学?
第40話 気休めよねぇ
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私はロンダの頃とは違い、可能な限りピピちゃんから離れた位置に移動する。魔法を使う時間が必要だと考えたのである。
ピピちゃんは少し驚いた表情を見せたけど、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
か、可愛いはずなのに……不気味に感じるわ!
ピピちゃんの微笑みは本当に可愛らしい。でもこうして対面して微笑まれると身震いするような恐ろしさを感じてしまう。
バルガスさんはこの戦闘の見届け役としての位置に移動すると、私とピピちゃんに順番に視線を向けてきた。
ピピちゃんはバルガスさんの視線に頷いて答え、私も頷いて答える。
バルガスさんは私達が頷いたことを確認すると、私達が訓練を始める準備ができたと判断したのか真剣な表情になり、開始の合図をする。
「はじめ!」
バルガスさんの合図と同時に私は自分にクイックの魔法を使い、そして身体強化をかける。少しでもピピちゃんの動きに対応しないと勝てる気がしないからよ。
えっ、どこに!
魔法や身体強化を使うためにほんの少し意識が逸れたかもしれないけど、視線はずっとピピちゃんを見ていた。しかし、準備が整って意識をピピちゃんに向けようとしたら、そこにはピピちゃんがいなかった。
バキィ! ドンッ、ゴロゴロ……。
突然真横から衝撃を受け、私は吹き飛び転がった気がする……。
全身に痛みを感じながら混乱する。
いくらピピちゃんが素早いといっても、見失うなんて……。
私はD研内の空を見上げるように寝ころびながら考える。
すると視界に笑顔のピピちゃんが入ってきた。
「ピピ強くなったでしょ? アーリンお姉ちゃんも物理攻撃耐性や痛覚耐性の熟練度が上がりそうだよ。それにこれならHPも増えると思うよ!」
私よりも相変わらず研修脳ね!
「ゴヒュッ!」
何があったのか聞こうと声を出そうとしたけど、肋骨が肺にでも刺さったのか声でなく血反吐を吐くことになってしまった。
「早くポーションを飲んで、続きをしようよぉ。お姉ちゃんも何かしようとしていたんでしょ?」
絶対に私は普通の乙女だと思うわ!
収納からポーションを取り出したけど手に力が入らず自分で飲むことができない。
ピピちゃんは当然のようにポーションを飲ませてくれる。
「よ~し、もう一回がんばるぅ~!」
ポーションで全快して起き上がるとピピちゃんは訓練を続けようと立ち位置に戻っていく。
何があったのよぉ~!
理解できないピピちゃんの動きに恐怖を覚えながらも、何が起きたのか知りたくて仕方ない。
久しぶりのテンマ式研修に混乱しながらも、私は無意識に近い状態で習慣のように開始位置に移動する。
「大丈夫か?」
バルガスさんが気の毒そうに私を見ながら尋ねてきた。その同情するような視線が逆に私の闘争心に火をつける。
クイックの効果は切れていないわ!
素早さが上がっている今なら先ほどのような失敗をしないはずだ。ピピちゃんの動きに集中してスローを彼女に使えれば反撃も可能よ。
「だ、大丈夫ですわ!」
強気に答えたつもりだったけど、久しぶりの大怪我の影響なのか声が震えてしまう。
「わかった……」
バルガスさんはそう答えるとまた真剣な表情で開始の合図をする。
「はじめ!」
集中スキルを駆使してピピちゃんの動きに集中しながら身体強化を自分につかう。
う、うそ!
ピピちゃんは開始の合図と同時に気配遮断系のスキルを使ったのか、存在自体が希薄な状態になる。そして以前とは比較できないほどの速さで、先程とは反対から回り込もうと恐ろしいほどの速度で走り出していた。
今度は見失うことはなかったけど、スローの魔法を使っている余裕などない。ピピちゃんの動きに集中して、最初の攻撃を躱すことにする。
ピピちゃんは私に見られているのを分かっているのかニヤリと笑顔を見せ、跳び蹴りを放ってきた。
クイックの効果で素早さが増し、集中スキルで動きを把握しているはずなのに、ロッドで蹴りをいなすのが精一杯であった。
どこへ行ったの!?
ピピちゃんと交差するように攻撃を避けたけど、振り返ってピピちゃんを見ようとしてけど見つからない。
バキィ! ドンッ、ゴロゴロ……。
今度は先ほどとは反対から衝撃を受け、私は吹き飛び転がった。全身に痛みを感じながらもピピちゃんのことを分析する。
気配遮断スキルより上のスキルかしら、目を放したら姿をとらえることができない気がするわ。
「やっぱりアーリンお姉ちゃんはすごい! 最近は私の動きについていける人は少ないのよ!」
ついていけてなんか、いないわよぉ!
全身の痛みを堪えながら心の中で叫ぶ。ピピちゃんは当然のようにポーションを飲ませてくれてまた開始位置に戻っていく。
バルガスさんだけでなく他のみんなも気の毒そうに私を見ていたけど、ミーシャさんは興味を無くしたような表情をしている。
よがっだぁ~!
ミーシャさんは私の実力を理解したのか、私との訓練をしたいと思わなくなったのだろう。そのことが唯一の救いに感じる。
「話に聞いていたが、お前も中々だぞ」
バルガスさんは相変わらず同情するような視線を向けてきたけど、感心したように呟いた。他のバルガスさんの仲間も頷いている。
気休めよねぇ~。
それから何度もピピちゃんと訓練をした。
ピピちゃんは先手ではなく私の動きを見てから対処するようになったけど、スローの魔法は見えているのか避けてしまうし、ファイアボールなどの魔法を連射しても全部避けられてしまった。
ピピちゃんを倒すには遠距離から広範囲な魔法を使うしかないわ!
何度も倒されたことで、私はそう結論を出した。
結局ミーシャさんが自分の訓練をしたがって、私達の訓練を止めてくるまで何度もピピちゃんに殺されかけたのである。
ピピちゃんは少し驚いた表情を見せたけど、すぐに嬉しそうに微笑んだ。
か、可愛いはずなのに……不気味に感じるわ!
ピピちゃんの微笑みは本当に可愛らしい。でもこうして対面して微笑まれると身震いするような恐ろしさを感じてしまう。
バルガスさんはこの戦闘の見届け役としての位置に移動すると、私とピピちゃんに順番に視線を向けてきた。
ピピちゃんはバルガスさんの視線に頷いて答え、私も頷いて答える。
バルガスさんは私達が頷いたことを確認すると、私達が訓練を始める準備ができたと判断したのか真剣な表情になり、開始の合図をする。
「はじめ!」
バルガスさんの合図と同時に私は自分にクイックの魔法を使い、そして身体強化をかける。少しでもピピちゃんの動きに対応しないと勝てる気がしないからよ。
えっ、どこに!
魔法や身体強化を使うためにほんの少し意識が逸れたかもしれないけど、視線はずっとピピちゃんを見ていた。しかし、準備が整って意識をピピちゃんに向けようとしたら、そこにはピピちゃんがいなかった。
バキィ! ドンッ、ゴロゴロ……。
突然真横から衝撃を受け、私は吹き飛び転がった気がする……。
全身に痛みを感じながら混乱する。
いくらピピちゃんが素早いといっても、見失うなんて……。
私はD研内の空を見上げるように寝ころびながら考える。
すると視界に笑顔のピピちゃんが入ってきた。
「ピピ強くなったでしょ? アーリンお姉ちゃんも物理攻撃耐性や痛覚耐性の熟練度が上がりそうだよ。それにこれならHPも増えると思うよ!」
私よりも相変わらず研修脳ね!
「ゴヒュッ!」
何があったのか聞こうと声を出そうとしたけど、肋骨が肺にでも刺さったのか声でなく血反吐を吐くことになってしまった。
「早くポーションを飲んで、続きをしようよぉ。お姉ちゃんも何かしようとしていたんでしょ?」
絶対に私は普通の乙女だと思うわ!
収納からポーションを取り出したけど手に力が入らず自分で飲むことができない。
ピピちゃんは当然のようにポーションを飲ませてくれる。
「よ~し、もう一回がんばるぅ~!」
ポーションで全快して起き上がるとピピちゃんは訓練を続けようと立ち位置に戻っていく。
何があったのよぉ~!
理解できないピピちゃんの動きに恐怖を覚えながらも、何が起きたのか知りたくて仕方ない。
久しぶりのテンマ式研修に混乱しながらも、私は無意識に近い状態で習慣のように開始位置に移動する。
「大丈夫か?」
バルガスさんが気の毒そうに私を見ながら尋ねてきた。その同情するような視線が逆に私の闘争心に火をつける。
クイックの効果は切れていないわ!
素早さが上がっている今なら先ほどのような失敗をしないはずだ。ピピちゃんの動きに集中してスローを彼女に使えれば反撃も可能よ。
「だ、大丈夫ですわ!」
強気に答えたつもりだったけど、久しぶりの大怪我の影響なのか声が震えてしまう。
「わかった……」
バルガスさんはそう答えるとまた真剣な表情で開始の合図をする。
「はじめ!」
集中スキルを駆使してピピちゃんの動きに集中しながら身体強化を自分につかう。
う、うそ!
ピピちゃんは開始の合図と同時に気配遮断系のスキルを使ったのか、存在自体が希薄な状態になる。そして以前とは比較できないほどの速さで、先程とは反対から回り込もうと恐ろしいほどの速度で走り出していた。
今度は見失うことはなかったけど、スローの魔法を使っている余裕などない。ピピちゃんの動きに集中して、最初の攻撃を躱すことにする。
ピピちゃんは私に見られているのを分かっているのかニヤリと笑顔を見せ、跳び蹴りを放ってきた。
クイックの効果で素早さが増し、集中スキルで動きを把握しているはずなのに、ロッドで蹴りをいなすのが精一杯であった。
どこへ行ったの!?
ピピちゃんと交差するように攻撃を避けたけど、振り返ってピピちゃんを見ようとしてけど見つからない。
バキィ! ドンッ、ゴロゴロ……。
今度は先ほどとは反対から衝撃を受け、私は吹き飛び転がった。全身に痛みを感じながらもピピちゃんのことを分析する。
気配遮断スキルより上のスキルかしら、目を放したら姿をとらえることができない気がするわ。
「やっぱりアーリンお姉ちゃんはすごい! 最近は私の動きについていける人は少ないのよ!」
ついていけてなんか、いないわよぉ!
全身の痛みを堪えながら心の中で叫ぶ。ピピちゃんは当然のようにポーションを飲ませてくれてまた開始位置に戻っていく。
バルガスさんだけでなく他のみんなも気の毒そうに私を見ていたけど、ミーシャさんは興味を無くしたような表情をしている。
よがっだぁ~!
ミーシャさんは私の実力を理解したのか、私との訓練をしたいと思わなくなったのだろう。そのことが唯一の救いに感じる。
「話に聞いていたが、お前も中々だぞ」
バルガスさんは相変わらず同情するような視線を向けてきたけど、感心したように呟いた。他のバルガスさんの仲間も頷いている。
気休めよねぇ~。
それから何度もピピちゃんと訓練をした。
ピピちゃんは先手ではなく私の動きを見てから対処するようになったけど、スローの魔法は見えているのか避けてしまうし、ファイアボールなどの魔法を連射しても全部避けられてしまった。
ピピちゃんを倒すには遠距離から広範囲な魔法を使うしかないわ!
何度も倒されたことで、私はそう結論を出した。
結局ミーシャさんが自分の訓練をしたがって、私達の訓練を止めてくるまで何度もピピちゃんに殺されかけたのである。
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