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番外編① アーリンの残念なチート物語 学園入学?
第32話 殺してやる!
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魔術Aコースの実技授業は、入学試験で武術試験が行われた広い訓練施設で行われるみたい。魔術Aコースは私を入れて五人だけのはずだから不思議に思う。
訓練施設に入ると予想以上に人がいて驚いた。
入学試験より人が多いけど、なんで!?
よく見ると剣や槍を持っているような生徒も沢山いる。
同じ場所で授業を受けるのかしら?
同じ系統の武器や装備をしている人が固まっているのでそう考える。
魔術Aコースはどこだろうと見渡すと、元学園長が訓練施設の中心ともいえる場所にいた。
なんでそんな目立つ場所で授業するのよ!
元学園長に心の中で文句を言いながら、さらに周りの様子を観察する。
あれっ、なんか元学園長を生徒達が注目している気がする!
まるで魔術Aコースの授業を見学するような雰囲気に思えてきた。
「あなた気を付けてね。元学園長達はあなたのことを恨んでいるみたいだから……」
元学園長達! 恨んでる!? なんでよぉーーー!
元学園長のそばには祖母様と呼び出されたときに一緒に同席していた教師達がいた。彼らも私を恨んでいるということだろうか?
私が恨まれる理由が分からない。彼らの申し出を断っただけで、何かしたわけでは……。
そういえば王宮にまで話が伝わっていたかも……。
でもそれって、逆恨みでしょ!
不満そうな私の表情に気付いたのか、声をかけてきた女子生徒がさらに忠告してきた。
「元学園長達はこの授業であなたに恥をかかせるか、怪我でもさせるつもりかもしれませんね。だって魔術を使った戦闘をお披露目すると言って、他の授業の生徒まで集めたみたいなのよねぇ」
元学園長は何を考えているのよぉーーー!
それにあんたは誰よぉ?
親切に色々と教えてくれるけど、女子生徒は地味でどこかであった気もするけど、絶対に初めてだと思う。それにどこかバルドーさんと同じ雰囲気を纏っている。
なぜ教えてくれるのか気になって質問しようとした。しかし、元学園長の大きな声が聞こえてくる。
「お前は魔術Aコースだろ。すぐにここに来い!」
ちょっとぉ~、アンタ平民になったよね!
相手は教師だから別に構わないけど、それでも言い方というものがある。それにまだ授業の始まる時間でもないのだ。
ふと先ほどの女子生徒の姿がどこにも見当たらないことに気付いた。
「おいっ、早くしないか!」
元学園長があまりにも騒ぐので、女子生徒のことを今は忘れて元学園長達に向かって歩いていく。元学園長達の近くまで行くと、元学園長は私のことを睨むように全身を見てから言った。
「確かにこれでは嫁に行くこともできないな。下賤な冒険者でもなって自立するしかあるまい。もう少し女性らしくなればな……」
こ、殺してやるぉーーー!
元学園長は軽蔑するように私を見てそう言った。それも女性らしくと言ったときは私の胸に視線を向けていたのだ。
全身から殺気が漏れ出そうになる。いたいけな成長途中の乙女に貧乳だと決めつけるのは絶対に許さない……あれっ、貧乳とは言っていなかったかしら?
か、関係ないわ! 彼が貧乳だと決めつけたのは間違いない! ……と思う。
ジト目で元学園長を睨んだけど、彼は馬鹿にしたように鼻で笑っただけだった。
「元宮廷魔術師である私が、魔術師の戦闘とはどんなものかみんなにお見せしよう。まずは中級魔法が使えるとどれほどのことができるのか見て驚くがいい!」
元学園長は自信満々に訓練施設全体に聞こえるような大声で宣言すると、用意されていた大きな的に向きを変え、魔法を放つために魔力を練り始めた。
生徒や教師達も中級魔法を見る機会などあまりないので、期待するように元学園長に注目している。
え~と、魔力操作がヘタクソなんですけど……。
元学園長は真剣な表情で体内の魔力を右腕に集めている。……でも魔力を集めるのも遅いし、集めた魔力も制御が甘いので右腕から漏れている。
中級魔法に必要な魔力を集めるのに倍以上の魔力を消耗している。それでも何とか魔力が集まったみたいで魔法を放とうと詠唱する。
『ファ、ファイアボーラー』
あっ、ふらついた!
彼は火魔術の中級魔法で最初に覚える『ファイアボーラー』を唱えたけど、急激な魔力消費で眩暈でも感じて足元がふらついていた。
それでも魔法は発動して十二個のファイアボールが的に向かって……、半分だけ的に向かって当たった。
「「「おおう!」」」
見た目は派手だから訓練施設内に驚きの声が響いた。
でも残りの半分は的を超えて、訓練施設の壁に次々と当たるのが見える。
訓練施設だから壁は頑丈ね……。
くだらないことに感心する。
ふらついた元学園長は他の教師が支え、魔力回復ポーションらしいものを手渡されるとすぐにそれを飲み干した。
その程度なのぉーーー!
言いたいことはたくさんあるけど、これが元王宮魔術師の実力だと思うと国の将来が心配になる。
でも魔術を学ぶ前から知っている大叔母様は国でも特別な存在であり、色々と教えてもらったのがテンマ先生で非常識ともいえるような存在である。
私の魔術師に対する常識は少しずれてる可能性もあるわ。
でもねぇ……。
元学園長の宮廷魔術師としての能力が低かったから、学園へ回されたのだろう。そう思うことにした。
「おい、模擬戦闘をするから、お前が相手をしろ!」
元学園長は厭らしい笑顔を見せながら、私にそう指示してきた。
あら、私を侮辱した復讐をさせてくれるのかしら?
私はたぶん元学園長より厭らしい笑みを浮かべて、彼のいる一段上がった戦闘訓練エリアに上がったのである。
訓練施設に入ると予想以上に人がいて驚いた。
入学試験より人が多いけど、なんで!?
よく見ると剣や槍を持っているような生徒も沢山いる。
同じ場所で授業を受けるのかしら?
同じ系統の武器や装備をしている人が固まっているのでそう考える。
魔術Aコースはどこだろうと見渡すと、元学園長が訓練施設の中心ともいえる場所にいた。
なんでそんな目立つ場所で授業するのよ!
元学園長に心の中で文句を言いながら、さらに周りの様子を観察する。
あれっ、なんか元学園長を生徒達が注目している気がする!
まるで魔術Aコースの授業を見学するような雰囲気に思えてきた。
「あなた気を付けてね。元学園長達はあなたのことを恨んでいるみたいだから……」
元学園長達! 恨んでる!? なんでよぉーーー!
元学園長のそばには祖母様と呼び出されたときに一緒に同席していた教師達がいた。彼らも私を恨んでいるということだろうか?
私が恨まれる理由が分からない。彼らの申し出を断っただけで、何かしたわけでは……。
そういえば王宮にまで話が伝わっていたかも……。
でもそれって、逆恨みでしょ!
不満そうな私の表情に気付いたのか、声をかけてきた女子生徒がさらに忠告してきた。
「元学園長達はこの授業であなたに恥をかかせるか、怪我でもさせるつもりかもしれませんね。だって魔術を使った戦闘をお披露目すると言って、他の授業の生徒まで集めたみたいなのよねぇ」
元学園長は何を考えているのよぉーーー!
それにあんたは誰よぉ?
親切に色々と教えてくれるけど、女子生徒は地味でどこかであった気もするけど、絶対に初めてだと思う。それにどこかバルドーさんと同じ雰囲気を纏っている。
なぜ教えてくれるのか気になって質問しようとした。しかし、元学園長の大きな声が聞こえてくる。
「お前は魔術Aコースだろ。すぐにここに来い!」
ちょっとぉ~、アンタ平民になったよね!
相手は教師だから別に構わないけど、それでも言い方というものがある。それにまだ授業の始まる時間でもないのだ。
ふと先ほどの女子生徒の姿がどこにも見当たらないことに気付いた。
「おいっ、早くしないか!」
元学園長があまりにも騒ぐので、女子生徒のことを今は忘れて元学園長達に向かって歩いていく。元学園長達の近くまで行くと、元学園長は私のことを睨むように全身を見てから言った。
「確かにこれでは嫁に行くこともできないな。下賤な冒険者でもなって自立するしかあるまい。もう少し女性らしくなればな……」
こ、殺してやるぉーーー!
元学園長は軽蔑するように私を見てそう言った。それも女性らしくと言ったときは私の胸に視線を向けていたのだ。
全身から殺気が漏れ出そうになる。いたいけな成長途中の乙女に貧乳だと決めつけるのは絶対に許さない……あれっ、貧乳とは言っていなかったかしら?
か、関係ないわ! 彼が貧乳だと決めつけたのは間違いない! ……と思う。
ジト目で元学園長を睨んだけど、彼は馬鹿にしたように鼻で笑っただけだった。
「元宮廷魔術師である私が、魔術師の戦闘とはどんなものかみんなにお見せしよう。まずは中級魔法が使えるとどれほどのことができるのか見て驚くがいい!」
元学園長は自信満々に訓練施設全体に聞こえるような大声で宣言すると、用意されていた大きな的に向きを変え、魔法を放つために魔力を練り始めた。
生徒や教師達も中級魔法を見る機会などあまりないので、期待するように元学園長に注目している。
え~と、魔力操作がヘタクソなんですけど……。
元学園長は真剣な表情で体内の魔力を右腕に集めている。……でも魔力を集めるのも遅いし、集めた魔力も制御が甘いので右腕から漏れている。
中級魔法に必要な魔力を集めるのに倍以上の魔力を消耗している。それでも何とか魔力が集まったみたいで魔法を放とうと詠唱する。
『ファ、ファイアボーラー』
あっ、ふらついた!
彼は火魔術の中級魔法で最初に覚える『ファイアボーラー』を唱えたけど、急激な魔力消費で眩暈でも感じて足元がふらついていた。
それでも魔法は発動して十二個のファイアボールが的に向かって……、半分だけ的に向かって当たった。
「「「おおう!」」」
見た目は派手だから訓練施設内に驚きの声が響いた。
でも残りの半分は的を超えて、訓練施設の壁に次々と当たるのが見える。
訓練施設だから壁は頑丈ね……。
くだらないことに感心する。
ふらついた元学園長は他の教師が支え、魔力回復ポーションらしいものを手渡されるとすぐにそれを飲み干した。
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