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番外編① アーリンの残念なチート物語 学園入学?
第25話 納得させないと
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王女様は自分のステータスを魔道具で確認すると質問をしてきた。
「私の種族は[B]で光魔術と聖魔術は[A]で剣術は[C]とあるけど、これはどうなのかしら?」
さすがは王女様だと思うけど……。
「悪くない素質だと思います。でも素質を人に簡単に話さないようにしてください。ステータスは研修や訓練、レベルアップで変化しますけど、素質は変わりません。その人の能力や弱点を相手に教えることになるからです!」
「あら、ここにいる全員が魔法契約しているから問題ないと思いますわ。それに一緒に訓練する仲間でもあるアーリンさんなら、教えても大丈夫でしょ?」
王女様は悪戯っぽく微笑みながら言った。まあ、それは間違ってはいないけど……。
「一緒に訓練を続けるかどうかは、シャルロッテ王女様が研修を続けられるか次第ですわ」
私の話に王女様は少し驚いた表情を見せた。でもすぐにさらに悪戯っぽく微笑みながら話した。
「アーリンさん、一緒に訓練する友達なのだから王女様は必要なくてよ。できればシャルと呼んでくださいませ」
ほほう、この王女様は見た目と違って侮れないようね。
思ったより気さくで王女様でなければ本当に友達になれるかもと少し考えたけど……。
「まずは王女様と呼ばせていただきますわ。名前で呼び合うにはもう少し研修を続けてから考えさせていただきますわ!」
正直、気を遣うのが面倒になってきた。だから王女様が友達として仲良くできるのか確認させてもらおう。
「うふふ、そうねぇ~、私としてもアーリンさんのことを見極めてからにさせていただきますわ」
王女様とは気が合いそうだわぁ~!
王女様も同じように思ったのか、お互いに笑顔で見つめ合ってしまう。
改めて説明を続けようとしたら、従者二人と護衛の二人も苦笑いしていた。
「え、え~と、説明を続けますわ」
頬が熱くなったのが分かり、誤魔化すように説明を続ける。
「まずは自分の素質を理解して、それを踏まえて自分がどのように成長したいのかを考えておいてください。私は素質から考えると魔術師になるのが理想的です。騎士に向いた素質なのか魔術師なのか、それとも全く違う職種が合うのか、それぞれがご自分で判断してください」
王族や貴族家なら自分で判断できるかわからないけどね……。
「ま、待ってほしい。アーリン殿は本当に魔術師の素質が高いということですか? 私が騎士に向いていると思ったのは間違いだったのだろうか……」
副団長のソフィア様の気持ちもなんとなくわかる。
「私は全くといっていいほど騎士には向いていません。剣術の素質は[E]で力や素早さも[D]や[E]です。だからこそ魔術より体力や力、素早さを上げることを優先してきました。それにまともな素質がある物理系の戦闘スキルは杖術の[B]です」
話を聞いてソフィアさんだけでなくみんなが驚いた表情で固まってしまった。私はさらに説明する。
「テンマ先生からレベル上げの前に苦手なことを先に優先して伸ばしておけば、今後はレベルアップだけでも人並みかそれ以上になると教えられてきました。まあ、テンマ式研修をすれば、苦手分野でもソフィア様が騎士団に誘いたくなるほど成長できるということですね」
「そ、そんなことができるなんて……」
ソフィアさんは呆然として呟いていた。その横で王女様は目を輝かせて口を開いた。
「それこそ大賢者テックス様が登録した『育成について』なのですね!」
「はい、レベルアップせずに能力値を優先して成長させる。それによりレベルアップによる成長も大きくなるという考え方です」
王女様の質問に私は答える。それを聞いて王女様を含めて全員が少し残念そうな表情になった。王女様も学園に入る前にそれなりにレベル上げをしていたのだろう。それに特別騎士団の副団長であるソフィア様はさらにレベルも高いはずだ。
テンマ先生の理論を後で知ると、ほとんどの人が同じような表情になる。
「可能なら研修前にレベル上げはしていないほうが良いのです。でも研修することで全てのステータスは間違いなく高くなります。それに苦手分野も成長させることが可能ですから、研修に参加するだけで全く別人のように能力が高くなりますわ」
気休め程度かもしれないけど、実際にロンダの兵士達は驚くほど成長している。何より研修を始めればすぐに実感するだろう。
ソフィア様も少し落ち込んだみたいだったけど、すでに切り替えできたのか真剣な表情で私の話を聞いている。
私は早速研修の基本から始めることにする。
「最初は素質に関係なく同じような研修をしてもらいます。何を目指すとしても魔力量が多くないとダメなので、魔力量増加の研修は全員にやってもらいます」
私の話を聞いてまたソフィアさんが不安そうに尋ねてきた。
「ほ、本当に魔力を枯渇させるのか?」
テンマ先生がテックス名義で登録した『最大魔力量の増加について』を事前に読んで不安に思ったのだろう。
「禁忌と言われる魔力枯渇ですけど、理屈を知っていれば何も恐れる必要はありません。魔力、MPが0になると虚脱感や嘔吐感で辛くなります。でもそれだけでは命の危険はありません。足りなくなるほど魔力を使うと生命力、HPが消費されます。MPが1足りないと代わりにHP10で補うことになります。当然知っていると思いますが、HP0になれば死んでしまいます。だから禁忌と言われてきたのです。MP残量を確認しながら魔力枯渇すれば、命の危険はありません!」
私は他にもテンマ先生から教えられたことを丁寧に王女様達に説明した。
しっかりと理論的に説明したことで、ようやくみんなは納得したような表情に変わってきた。
「私の種族は[B]で光魔術と聖魔術は[A]で剣術は[C]とあるけど、これはどうなのかしら?」
さすがは王女様だと思うけど……。
「悪くない素質だと思います。でも素質を人に簡単に話さないようにしてください。ステータスは研修や訓練、レベルアップで変化しますけど、素質は変わりません。その人の能力や弱点を相手に教えることになるからです!」
「あら、ここにいる全員が魔法契約しているから問題ないと思いますわ。それに一緒に訓練する仲間でもあるアーリンさんなら、教えても大丈夫でしょ?」
王女様は悪戯っぽく微笑みながら言った。まあ、それは間違ってはいないけど……。
「一緒に訓練を続けるかどうかは、シャルロッテ王女様が研修を続けられるか次第ですわ」
私の話に王女様は少し驚いた表情を見せた。でもすぐにさらに悪戯っぽく微笑みながら話した。
「アーリンさん、一緒に訓練する友達なのだから王女様は必要なくてよ。できればシャルと呼んでくださいませ」
ほほう、この王女様は見た目と違って侮れないようね。
思ったより気さくで王女様でなければ本当に友達になれるかもと少し考えたけど……。
「まずは王女様と呼ばせていただきますわ。名前で呼び合うにはもう少し研修を続けてから考えさせていただきますわ!」
正直、気を遣うのが面倒になってきた。だから王女様が友達として仲良くできるのか確認させてもらおう。
「うふふ、そうねぇ~、私としてもアーリンさんのことを見極めてからにさせていただきますわ」
王女様とは気が合いそうだわぁ~!
王女様も同じように思ったのか、お互いに笑顔で見つめ合ってしまう。
改めて説明を続けようとしたら、従者二人と護衛の二人も苦笑いしていた。
「え、え~と、説明を続けますわ」
頬が熱くなったのが分かり、誤魔化すように説明を続ける。
「まずは自分の素質を理解して、それを踏まえて自分がどのように成長したいのかを考えておいてください。私は素質から考えると魔術師になるのが理想的です。騎士に向いた素質なのか魔術師なのか、それとも全く違う職種が合うのか、それぞれがご自分で判断してください」
王族や貴族家なら自分で判断できるかわからないけどね……。
「ま、待ってほしい。アーリン殿は本当に魔術師の素質が高いということですか? 私が騎士に向いていると思ったのは間違いだったのだろうか……」
副団長のソフィア様の気持ちもなんとなくわかる。
「私は全くといっていいほど騎士には向いていません。剣術の素質は[E]で力や素早さも[D]や[E]です。だからこそ魔術より体力や力、素早さを上げることを優先してきました。それにまともな素質がある物理系の戦闘スキルは杖術の[B]です」
話を聞いてソフィアさんだけでなくみんなが驚いた表情で固まってしまった。私はさらに説明する。
「テンマ先生からレベル上げの前に苦手なことを先に優先して伸ばしておけば、今後はレベルアップだけでも人並みかそれ以上になると教えられてきました。まあ、テンマ式研修をすれば、苦手分野でもソフィア様が騎士団に誘いたくなるほど成長できるということですね」
「そ、そんなことができるなんて……」
ソフィアさんは呆然として呟いていた。その横で王女様は目を輝かせて口を開いた。
「それこそ大賢者テックス様が登録した『育成について』なのですね!」
「はい、レベルアップせずに能力値を優先して成長させる。それによりレベルアップによる成長も大きくなるという考え方です」
王女様の質問に私は答える。それを聞いて王女様を含めて全員が少し残念そうな表情になった。王女様も学園に入る前にそれなりにレベル上げをしていたのだろう。それに特別騎士団の副団長であるソフィア様はさらにレベルも高いはずだ。
テンマ先生の理論を後で知ると、ほとんどの人が同じような表情になる。
「可能なら研修前にレベル上げはしていないほうが良いのです。でも研修することで全てのステータスは間違いなく高くなります。それに苦手分野も成長させることが可能ですから、研修に参加するだけで全く別人のように能力が高くなりますわ」
気休め程度かもしれないけど、実際にロンダの兵士達は驚くほど成長している。何より研修を始めればすぐに実感するだろう。
ソフィア様も少し落ち込んだみたいだったけど、すでに切り替えできたのか真剣な表情で私の話を聞いている。
私は早速研修の基本から始めることにする。
「最初は素質に関係なく同じような研修をしてもらいます。何を目指すとしても魔力量が多くないとダメなので、魔力量増加の研修は全員にやってもらいます」
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