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番外編① アーリンの残念なチート物語 学園入学?
第4話 大叔母様が恋敵?
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リビングに移動して話をすることになった。メイドさんがお茶を用意して、お茶菓子が出てきたのを見て、大事なことを忘れていたことに気付いた。
「祖母様、テンマ先生や大叔母様達は向こうのお家ですか?」
出されたお茶菓子もロンダでは見たことのないお菓子だったけど、それほど美味しそうでもなかった。ロンダではジジさんの作ったお菓子ばかり食べていて、そのことで先生達のことを思い出したのである。
祖母様の顔から笑顔が消える。
「姉上が王都に到着したことは噂で聞いていますよ。何やら王都の宿で過ごしていると聞いているわね。こちらに顔を出さないくらいだから、たぶん忙しいのでしょうねぇ」
め、目が笑っていないよぉ……。
祖母様は笑い声を出して笑っているけど形だけだ。五年前にも大叔母様が叱られる前によく見ていた光景が頭に浮かんだ。両親も同じようなことを考えているのか顔が引きつっていた。
「そのテンマ先生というお方も、アーリンの先生をしていたのなら挨拶をしに顔を出してくださってもよろしいのにねぇ。ホホホホ」
せ、先生まで標的になりそう……。
大叔母様はともかく先生にまで迷惑をかけるのはまずい。何とか無難に話を逸らそうと考えていると、火に油を注ぐような人物がいた。
「本当ですよ。いまや王宮では大叔母様が大賢者テックスではないかと噂でもちきりです。その辺の話を聞きたいのに、顔も出さないなんて大叔母様は相変わらず困った人です。それにテンマというのはアーリンと一つ違いの男の子だという話ではありませんか。可愛い妹の先生をしていたなら、挨拶に来るのが常識ではありませんかねぇ」
お兄様は空気を読めない人だったわ!
この冷え切った雰囲気に、さらに凍り付かせるような話をお兄様は平気で話したのだ。
「レオン、私達はテックス様の件は契約魔術で一切話すことはできないのです。テックス様のことを絶対に聞いてはなりません!」
お母様は真剣な表情でお兄様に話した。
契約魔術スキルを使った魔法契約をすると、契約内容を破ろうとすれば頭痛に襲われる。それでも契約内容を破ろうとすると頭痛が酷くなり、最終的には死にも至るのである。
テックスとはテンマ先生のことなのだが、私や両親は魔法契約をしているので話せないのだ。
空気の読めないお兄様も驚いた表情をしていた。
契約魔法をすれば絶対に守らなければならなくなる。だから貴族は魔法契約を滅多なことで利用しないのだ。
祖母様は話を聞いて何か考えているみたい。私は話を逸らそうと思い、お土産代わりにジジちゃんの作ったお茶菓子を収納の魔道具から出す。
「このクッキーは凄く美味しいのですわ。祖母様も食べてみてください」
このクッキーの美味しさなら、祖母様も虜になるはずよ!
自信を持って袋に入ったクッキーを差し出した。なぜか祖母様は驚いた表情でクッキーを見つめていた。
あれっ、どうしたのかしら?
「ア、 アーリン、収納スキルに目覚めたのか!?」
お兄様が驚いた声で尋ねてきた。驚くお兄様を見て先生のことを自慢したくなる。
「収納は先生から貰ったこの指輪の魔道具の効果ですわ!」
指輪の魔道具を見せびらかすようにしてお兄様に答える。祖母様は指輪をジッと見つめている。
「なっ、まさかそのテンマと婚約でもしたのか!?」
貴族やお金持ちの間では婚約すると、高価な装飾品を送る習慣がある。
ふふふっ、お兄様ったら勘違いなさっているのね。
「違います。この指輪は先生の生徒の印として貰ったのですわ。それに私は大叔母様の恋敵にはなりたくありませんわ」
先生は大叔母様にとって初恋の相手じゃないかと思っている。先生も大きな胸の女性が好きなようだから、うまくいってほしいと私は願っているのだ。
お父様やお母様も同じような考えのはずよ。
えっ、なんで困った顔をしているの?
両親も同じ考えだと思っていたのに、二人は困ったような、複雑な表情をしていた。
「お、大叔母様が恋敵……、す、すぐに宰相閣下に報告して、国王陛下にもお知らせしなければ!」
やめてぇーーー!
お兄様はそう叫んで立ち上がろうとした。
「やめなさい! そんなことをすればどんな厄災が我が家だけでなく、王家にまで降りかかることになるのか、よく考えてから行動をしなさい!」
祖母様はさすがに大叔母様妹だわ。お兄様をすぐに諌めてくれた。
お兄様は女心と大叔母様のことをまったく分かっていない!
大叔母様にとっては六十歳で初めての恋心のはずだ。本人も戸惑っていて、恋心だと自覚していない可能性がある。
そんな状況で国王陛下からそれを指摘されたら……。
あの大叔母様のことだから絶対に暴走するのは間違いないわ!
陛下にそのような話を伝えたのがお兄様だと気付かれ、お兄様に話したのが私だとバレたら……。
私の短い人生が終わってしまうわ!
私は軽率な発言をしたことを反省するのであった。
「祖母様、テンマ先生や大叔母様達は向こうのお家ですか?」
出されたお茶菓子もロンダでは見たことのないお菓子だったけど、それほど美味しそうでもなかった。ロンダではジジさんの作ったお菓子ばかり食べていて、そのことで先生達のことを思い出したのである。
祖母様の顔から笑顔が消える。
「姉上が王都に到着したことは噂で聞いていますよ。何やら王都の宿で過ごしていると聞いているわね。こちらに顔を出さないくらいだから、たぶん忙しいのでしょうねぇ」
め、目が笑っていないよぉ……。
祖母様は笑い声を出して笑っているけど形だけだ。五年前にも大叔母様が叱られる前によく見ていた光景が頭に浮かんだ。両親も同じようなことを考えているのか顔が引きつっていた。
「そのテンマ先生というお方も、アーリンの先生をしていたのなら挨拶をしに顔を出してくださってもよろしいのにねぇ。ホホホホ」
せ、先生まで標的になりそう……。
大叔母様はともかく先生にまで迷惑をかけるのはまずい。何とか無難に話を逸らそうと考えていると、火に油を注ぐような人物がいた。
「本当ですよ。いまや王宮では大叔母様が大賢者テックスではないかと噂でもちきりです。その辺の話を聞きたいのに、顔も出さないなんて大叔母様は相変わらず困った人です。それにテンマというのはアーリンと一つ違いの男の子だという話ではありませんか。可愛い妹の先生をしていたなら、挨拶に来るのが常識ではありませんかねぇ」
お兄様は空気を読めない人だったわ!
この冷え切った雰囲気に、さらに凍り付かせるような話をお兄様は平気で話したのだ。
「レオン、私達はテックス様の件は契約魔術で一切話すことはできないのです。テックス様のことを絶対に聞いてはなりません!」
お母様は真剣な表情でお兄様に話した。
契約魔術スキルを使った魔法契約をすると、契約内容を破ろうとすれば頭痛に襲われる。それでも契約内容を破ろうとすると頭痛が酷くなり、最終的には死にも至るのである。
テックスとはテンマ先生のことなのだが、私や両親は魔法契約をしているので話せないのだ。
空気の読めないお兄様も驚いた表情をしていた。
契約魔法をすれば絶対に守らなければならなくなる。だから貴族は魔法契約を滅多なことで利用しないのだ。
祖母様は話を聞いて何か考えているみたい。私は話を逸らそうと思い、お土産代わりにジジちゃんの作ったお茶菓子を収納の魔道具から出す。
「このクッキーは凄く美味しいのですわ。祖母様も食べてみてください」
このクッキーの美味しさなら、祖母様も虜になるはずよ!
自信を持って袋に入ったクッキーを差し出した。なぜか祖母様は驚いた表情でクッキーを見つめていた。
あれっ、どうしたのかしら?
「ア、 アーリン、収納スキルに目覚めたのか!?」
お兄様が驚いた声で尋ねてきた。驚くお兄様を見て先生のことを自慢したくなる。
「収納は先生から貰ったこの指輪の魔道具の効果ですわ!」
指輪の魔道具を見せびらかすようにしてお兄様に答える。祖母様は指輪をジッと見つめている。
「なっ、まさかそのテンマと婚約でもしたのか!?」
貴族やお金持ちの間では婚約すると、高価な装飾品を送る習慣がある。
ふふふっ、お兄様ったら勘違いなさっているのね。
「違います。この指輪は先生の生徒の印として貰ったのですわ。それに私は大叔母様の恋敵にはなりたくありませんわ」
先生は大叔母様にとって初恋の相手じゃないかと思っている。先生も大きな胸の女性が好きなようだから、うまくいってほしいと私は願っているのだ。
お父様やお母様も同じような考えのはずよ。
えっ、なんで困った顔をしているの?
両親も同じ考えだと思っていたのに、二人は困ったような、複雑な表情をしていた。
「お、大叔母様が恋敵……、す、すぐに宰相閣下に報告して、国王陛下にもお知らせしなければ!」
やめてぇーーー!
お兄様はそう叫んで立ち上がろうとした。
「やめなさい! そんなことをすればどんな厄災が我が家だけでなく、王家にまで降りかかることになるのか、よく考えてから行動をしなさい!」
祖母様はさすがに大叔母様妹だわ。お兄様をすぐに諌めてくれた。
お兄様は女心と大叔母様のことをまったく分かっていない!
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そんな状況で国王陛下からそれを指摘されたら……。
あの大叔母様のことだから絶対に暴走するのは間違いないわ!
陛下にそのような話を伝えたのがお兄様だと気付かれ、お兄様に話したのが私だとバレたら……。
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