257 / 315
第13章 懐かしい旅路
第28話 別れとテンプレ
しおりを挟む
朝からランガ達とダンジョン村を出発して、今は開拓村とロンダの町への分かれ道に到着したところだ。
ランガはサーシャさんを迎えに行くので、俺達と一緒にロンダの町へ行く。グストも一緒だがここでジートとズラタン、それに他の冒険者達とはお別れすることになる。
俺はロンダの町でドロテアさん達と合流して、王都で他の仲間とも合流する予定だ。ジート達とはこれでしばらくは会えないだろう。
分かれ道には広めの草原があり、拠点としていた滝へと続く小川が横に流れている。そこで馬を休めながら、ジート達と別れの挨拶をしていた。
「ジートこれをもらってくれ」
俺は準備していた指輪をジートに手渡す。指輪には『研』を意匠にして彫ってある。
「これを俺に?」
「ジートは俺と一緒に訓練した最初の仲間だよね。その証として渡したいと思ったんだ。嵌めてから魔力を流せばジート専用の魔道具になる。ステータスや収納、それに文字念話も使えるはずだ。大切にしてほしい」
ジートは目を大きく見開いて受け取った指輪を見つめていた。そして指に嵌めると魔力を流した。指輪の『研』の意匠が淡く光り、使用者登録が終わったようだ。
「収納の中にはジートのための装備も入っているはずだ。収納にあるの冒険者用の衣装を意識して『トラジション』と言うか考えれば一瞬で着替えられるはずだ」
ジートは驚いた表情で俺を見つめて、すぐに意識を集中した。
「……トラジション!」
彼がそう言うと、ジートとの装備は新しい装備に変わった。それまで着けていた装備や武器も以前に俺が渡したものだったが、だいぶ使い込まれていた。自動洗浄なども付与していたので、それほど汚れてはいなかったが、今のジートの実力には物足りない装備だったはずだ。
ジートは装備をペタペタと嬉しそうに触って確認していた。そして武器のショートソードを鞘から抜いて手応えを確認していた。
「ジートも強くなったから、前の装備では辛くなっていたんじゃないか。新しい装備で頑張ってくれよ」
「ば、馬鹿野郎! 前の装備でも簡単には手に入らない装備だったんだぞ……」
えっ、そうなの!?
少し驚いたが、ジートは涙目で嬉しそう笑っていた。喜んでもらえたなら俺も嬉しい。
「ああ、それと収納に奥さん用の腕輪も入っている。収納と文字念話、それにクリアも使えるはずだ。ついでに奥さんが喜びそうな下着をジジに選んでもらって入れといたからな」
ジートは俺に近づいてきて手を握り締めてきた。そして真剣な表情で俺の目を見つめながら話した。
「あ、ありがとう! 俺だけこんな凄いものを貰ったら、あとで女房に責められるところだったよ!」
近い! 近い!
ジートは顔を近づけて話してきた。あまりにも真剣な表情で怖いくらいだ。
お、俺の身近にいる男共はみんな奥さんに頭が上がらないみたいだぁ~!
ジートの手を振り払い、ズラタンにも同じように指輪を渡した。ズラタンは涙を流して抱きついてきた。
お前は抱き着くんじゃねぇーーー!
ズラタンの装備はジートの動き重視の革製ではなく、防御力重視の金属製の鎧だ。そんなのに抱き着かれてはたまったもんじゃない。
俺のステータスなら怪我はしないが、痛いのことは痛いのだ!
泣いて抱き着くズラタンを引きはがし、物欲しそうな視線を向ける他の冒険者達を強引に開拓村に出発させる。
彼らの姿が見えなくなるまで見送ると、俺達も出発の準備を始めた。
◇ ◇ ◇ ◇
馬車でここまで移動してきたが、シルが歩きたいと言い出してたので馬車を収納して馬をD研に入れる。
D研から戻ってくると、シルはミーシャと草原を走り回り、ジジはそれを笑顔で見ている。ランガとグストは近づいてきて話しかけてきた。
「テンマ、もちろん俺達の分もあるんだろ」
二人はニヤニヤとしながら言ってきた。
もちろん用意してある。だが二人の顔を見たら意地悪をしたくなる。
「えっ、何を言っているんだよ。二人にはそれぞれの奥さんに、どれほどの品を渡したと思っているんだ?」
グスト「そ、それは俺とは関係無いだろ!」
ランガ「そうだぞ。それに俺こそ最初の仲間だろ!」
「いやいや、ここでお前達が装備や魔道具を俺から貰ったら、サーシャさんやルカさんが何て言うか、二人ともよく考えてくれよ。たぶんそれは返すからその分は他のものをくれと言ってくるんじゃないか?」
そこまではサーシャさん達は言わないと思うが、ランガ達は俺の話に反論できないようだ。
おいおい、そこまでサーシャさん達のことを恐れているのかよぉ~。
そんな二人のことが気の毒だと思う。ジジはともかく他の女性達に、俺も振り回されているのも事実だ。
俺は意地悪をやめて、用意していた指輪を二人に渡そうと思った。だが草原に四人の男達が騒ぎながらやってきた。
「私達が一番乗りのようだな」
「なんで貴族の我々が走って移動なんだ?」
「それより獣人に命令されるのは我慢できん!」
「待て、そこに素晴らしい女性がいる!」
ランガ達にも声は聞こえているようで、彼らに視線を向けた。だが話の内容まで分からないようだ。俺は聞き耳スキルもあるのでハッキリと内容が聞こえていた。
一人はグストを一回り小さくしたような体格の男だ。もう一人は細身だが動きは良さそうなジートタイプの男で、もう一人は魔術師のような装備をしていた。そして最後の一人は優男だが機能的にはそれほどでもない、派手な見た目だけの装備を付けていた。
派手な優男はジジと舐め回すように見つめていた。
会話や装備から貴族だろう。
優男が先頭になりジジに向かって歩き出した。彼らがジジに近づくと、それに気付いたシルが彼らの前に立ちふさがった。
「お姉ちゃんに近づくな!」
おおっ、俺の弟であるシルがカッコいいじゃないか!
モフシルなら警戒してうなっている感じかな。
「無礼者、このおかたを誰だと─」
「よさないか。そんな大きい声を出したら、そちらの女性を怖がらせるではないか」
グストもどきが大きな声でシルを怒鳴りつけた。しかし優男が止めに入った。
ただジジは怖がっていないし、シルもひるむ様子はない。ミーシャはいつの間にかシルの後ろに立って彼らを睨んでいる。
「おっ、そこの彼女は獣人にしては可愛いいね」
今度はジートもどきが話した。
ミーシャちゃん、嬉しそうに尻尾を振るんじゃありません!
それにしてもこんな場所でテンプレかよ……。
「下品なことを言うんじゃないよ。お嬢さん、驚かしたようですみませんね。私は─」
「おい、俺達の連れに何か用か!?」
優男がジジ達に話しかけている最中にランガが彼らに声をかけた。
「我々は王都から特別研修に参加している貴族、ギャァーーー!」
魔術師タイプの男が話している最中に聞き覚えのある叫び声を上げて、頭を抱えて転がり始めた。
「ふぅ~、あなた達は研修に参加しているんだろ? 研修中の身分は平民と同じだ。そのことを覚えていないのか?」
グストが呆れたように頭を抱えて転がる男を見ながら話した。
「無礼なことを言うんじゃない! 下賤な、ギャァーーー!」
馬鹿じゃね!
今度はミニグストが頭を抱えて転げまわり始めた。
優男も困ったように転げまわる二人を見たが、すぐに視線をジジに向けると話しかけた。
「お嬢さん、仲間の失礼な言動をお許しください。私は身分など関係なくあなたを幸せにしますよ。冒険者のように不安定な生活を気にすることもありません。必要なら多額な準備金も用意しましょう。私のもとで幸せな人生を過ごしませんか?」
おうふ、この状況でも女性を口説こうとするのか!?
ある意味、優男君は凄いと思う。
だが俺の婚約者であるジジを口説くのを許せるわけない。
俺は間に入ろうとしたが、先にジジが答えた。
「お断りします。私には婚約者がいて、あなたでは太刀打ちできないほど素敵な人です!」
う、嬉しいよぉーーー!
ジジにそんな風に言ってもらえて、俺は、俺は、幸せ者だぁーーー!
「あなたは勘違いしているようですね。私ほど将来有望な男はいませんよ? 好きな金額を言ってください。いくらでもご用意しますよ?」
うん、彼はやっぱり凄いかもしれない
婚約者がいると言われ、ハッキリと断られたのに、まだ口説こうとするとは信じられない。昔同じような馬鹿を、いや馬鹿親子を見た気もする。
いい加減やめさせようと前に出ようとしたら、さらに十人ほど草原にやって来た。その一人が声を上げる。
「あっ、テンマ様!」
んっ、誰だ?
何となく見覚えはあるが、俺は思い出せなかった。
ランガはサーシャさんを迎えに行くので、俺達と一緒にロンダの町へ行く。グストも一緒だがここでジートとズラタン、それに他の冒険者達とはお別れすることになる。
俺はロンダの町でドロテアさん達と合流して、王都で他の仲間とも合流する予定だ。ジート達とはこれでしばらくは会えないだろう。
分かれ道には広めの草原があり、拠点としていた滝へと続く小川が横に流れている。そこで馬を休めながら、ジート達と別れの挨拶をしていた。
「ジートこれをもらってくれ」
俺は準備していた指輪をジートに手渡す。指輪には『研』を意匠にして彫ってある。
「これを俺に?」
「ジートは俺と一緒に訓練した最初の仲間だよね。その証として渡したいと思ったんだ。嵌めてから魔力を流せばジート専用の魔道具になる。ステータスや収納、それに文字念話も使えるはずだ。大切にしてほしい」
ジートは目を大きく見開いて受け取った指輪を見つめていた。そして指に嵌めると魔力を流した。指輪の『研』の意匠が淡く光り、使用者登録が終わったようだ。
「収納の中にはジートのための装備も入っているはずだ。収納にあるの冒険者用の衣装を意識して『トラジション』と言うか考えれば一瞬で着替えられるはずだ」
ジートは驚いた表情で俺を見つめて、すぐに意識を集中した。
「……トラジション!」
彼がそう言うと、ジートとの装備は新しい装備に変わった。それまで着けていた装備や武器も以前に俺が渡したものだったが、だいぶ使い込まれていた。自動洗浄なども付与していたので、それほど汚れてはいなかったが、今のジートの実力には物足りない装備だったはずだ。
ジートは装備をペタペタと嬉しそうに触って確認していた。そして武器のショートソードを鞘から抜いて手応えを確認していた。
「ジートも強くなったから、前の装備では辛くなっていたんじゃないか。新しい装備で頑張ってくれよ」
「ば、馬鹿野郎! 前の装備でも簡単には手に入らない装備だったんだぞ……」
えっ、そうなの!?
少し驚いたが、ジートは涙目で嬉しそう笑っていた。喜んでもらえたなら俺も嬉しい。
「ああ、それと収納に奥さん用の腕輪も入っている。収納と文字念話、それにクリアも使えるはずだ。ついでに奥さんが喜びそうな下着をジジに選んでもらって入れといたからな」
ジートは俺に近づいてきて手を握り締めてきた。そして真剣な表情で俺の目を見つめながら話した。
「あ、ありがとう! 俺だけこんな凄いものを貰ったら、あとで女房に責められるところだったよ!」
近い! 近い!
ジートは顔を近づけて話してきた。あまりにも真剣な表情で怖いくらいだ。
お、俺の身近にいる男共はみんな奥さんに頭が上がらないみたいだぁ~!
ジートの手を振り払い、ズラタンにも同じように指輪を渡した。ズラタンは涙を流して抱きついてきた。
お前は抱き着くんじゃねぇーーー!
ズラタンの装備はジートの動き重視の革製ではなく、防御力重視の金属製の鎧だ。そんなのに抱き着かれてはたまったもんじゃない。
俺のステータスなら怪我はしないが、痛いのことは痛いのだ!
泣いて抱き着くズラタンを引きはがし、物欲しそうな視線を向ける他の冒険者達を強引に開拓村に出発させる。
彼らの姿が見えなくなるまで見送ると、俺達も出発の準備を始めた。
◇ ◇ ◇ ◇
馬車でここまで移動してきたが、シルが歩きたいと言い出してたので馬車を収納して馬をD研に入れる。
D研から戻ってくると、シルはミーシャと草原を走り回り、ジジはそれを笑顔で見ている。ランガとグストは近づいてきて話しかけてきた。
「テンマ、もちろん俺達の分もあるんだろ」
二人はニヤニヤとしながら言ってきた。
もちろん用意してある。だが二人の顔を見たら意地悪をしたくなる。
「えっ、何を言っているんだよ。二人にはそれぞれの奥さんに、どれほどの品を渡したと思っているんだ?」
グスト「そ、それは俺とは関係無いだろ!」
ランガ「そうだぞ。それに俺こそ最初の仲間だろ!」
「いやいや、ここでお前達が装備や魔道具を俺から貰ったら、サーシャさんやルカさんが何て言うか、二人ともよく考えてくれよ。たぶんそれは返すからその分は他のものをくれと言ってくるんじゃないか?」
そこまではサーシャさん達は言わないと思うが、ランガ達は俺の話に反論できないようだ。
おいおい、そこまでサーシャさん達のことを恐れているのかよぉ~。
そんな二人のことが気の毒だと思う。ジジはともかく他の女性達に、俺も振り回されているのも事実だ。
俺は意地悪をやめて、用意していた指輪を二人に渡そうと思った。だが草原に四人の男達が騒ぎながらやってきた。
「私達が一番乗りのようだな」
「なんで貴族の我々が走って移動なんだ?」
「それより獣人に命令されるのは我慢できん!」
「待て、そこに素晴らしい女性がいる!」
ランガ達にも声は聞こえているようで、彼らに視線を向けた。だが話の内容まで分からないようだ。俺は聞き耳スキルもあるのでハッキリと内容が聞こえていた。
一人はグストを一回り小さくしたような体格の男だ。もう一人は細身だが動きは良さそうなジートタイプの男で、もう一人は魔術師のような装備をしていた。そして最後の一人は優男だが機能的にはそれほどでもない、派手な見た目だけの装備を付けていた。
派手な優男はジジと舐め回すように見つめていた。
会話や装備から貴族だろう。
優男が先頭になりジジに向かって歩き出した。彼らがジジに近づくと、それに気付いたシルが彼らの前に立ちふさがった。
「お姉ちゃんに近づくな!」
おおっ、俺の弟であるシルがカッコいいじゃないか!
モフシルなら警戒してうなっている感じかな。
「無礼者、このおかたを誰だと─」
「よさないか。そんな大きい声を出したら、そちらの女性を怖がらせるではないか」
グストもどきが大きな声でシルを怒鳴りつけた。しかし優男が止めに入った。
ただジジは怖がっていないし、シルもひるむ様子はない。ミーシャはいつの間にかシルの後ろに立って彼らを睨んでいる。
「おっ、そこの彼女は獣人にしては可愛いいね」
今度はジートもどきが話した。
ミーシャちゃん、嬉しそうに尻尾を振るんじゃありません!
それにしてもこんな場所でテンプレかよ……。
「下品なことを言うんじゃないよ。お嬢さん、驚かしたようですみませんね。私は─」
「おい、俺達の連れに何か用か!?」
優男がジジ達に話しかけている最中にランガが彼らに声をかけた。
「我々は王都から特別研修に参加している貴族、ギャァーーー!」
魔術師タイプの男が話している最中に聞き覚えのある叫び声を上げて、頭を抱えて転がり始めた。
「ふぅ~、あなた達は研修に参加しているんだろ? 研修中の身分は平民と同じだ。そのことを覚えていないのか?」
グストが呆れたように頭を抱えて転がる男を見ながら話した。
「無礼なことを言うんじゃない! 下賤な、ギャァーーー!」
馬鹿じゃね!
今度はミニグストが頭を抱えて転げまわり始めた。
優男も困ったように転げまわる二人を見たが、すぐに視線をジジに向けると話しかけた。
「お嬢さん、仲間の失礼な言動をお許しください。私は身分など関係なくあなたを幸せにしますよ。冒険者のように不安定な生活を気にすることもありません。必要なら多額な準備金も用意しましょう。私のもとで幸せな人生を過ごしませんか?」
おうふ、この状況でも女性を口説こうとするのか!?
ある意味、優男君は凄いと思う。
だが俺の婚約者であるジジを口説くのを許せるわけない。
俺は間に入ろうとしたが、先にジジが答えた。
「お断りします。私には婚約者がいて、あなたでは太刀打ちできないほど素敵な人です!」
う、嬉しいよぉーーー!
ジジにそんな風に言ってもらえて、俺は、俺は、幸せ者だぁーーー!
「あなたは勘違いしているようですね。私ほど将来有望な男はいませんよ? 好きな金額を言ってください。いくらでもご用意しますよ?」
うん、彼はやっぱり凄いかもしれない
婚約者がいると言われ、ハッキリと断られたのに、まだ口説こうとするとは信じられない。昔同じような馬鹿を、いや馬鹿親子を見た気もする。
いい加減やめさせようと前に出ようとしたら、さらに十人ほど草原にやって来た。その一人が声を上げる。
「あっ、テンマ様!」
んっ、誰だ?
何となく見覚えはあるが、俺は思い出せなかった。
149
お気に入りに追加
8,343
あなたにおすすめの小説

スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。