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第13章 懐かしい旅路
第4話 報告とお土産
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ひととおり開拓村の状況を聞いたので、サーシャさんは俺達のことを質問してきた。
「ミーシャが王都で冒険者をしていたのは聞いていたけど、ここ数年は話を聞かなくなって心配していたのよ」
そういえばミーシャ達は王都で有名になって、すぐにエクス群島にきたのだ。エクス群島での活動は表には出ていなかったので、ミーシャの冒険者活動は伝わっていないのだろう。
「A級冒険者になった!」
ミーシャちゃんや、それだけではよく分からないよね……。
ミーシャの説明では伝わらないと思ったが、サーシャさんはA級冒険者と聞いて驚いているようだ。
「エクス群島のダンジョンでミーシャは冒険者活動をしていたんだよ」
俺はさらに詳しく説明する。
サーシャさんもエクス自治連合の噂ぐらいは聞いていたようだけど、ヴィンチザード王国内の情報も少ないこの村では、他国ともいえるエクス自治連合やエクス群島のことはほとんど知らないようだった。
エクス自治連合が元ホレック公国と説明しても、ホレック公国という名前もなんとなく聞いたことがある程度だったのである。
エクス群島が伝説の英雄エクス殿の故郷で、彼が黒耳長族の出身だと話したら驚いていた。黒耳長族は人族や獣人族より長命で、エアルが英雄エクス殿の娘だと話しても、すぐには理解できないようだ。
横でメイと一緒にシルをモフっているエアルの姿を見たら、余計に信じられないだろう。
それでもサーシャさんは遠くのエクス群島のダンジョンで、俺達が冒険者活動をしていると理解して安心したようだ。
「それより二人の関係はどうなの?」
無事に冒険者活動をしていると分かると、今度は俺とミーシャの関係が気になったようで尋ねてきた。
「んっ、テンマは師匠!」
ま、まあ、間違ってはいない気がするぅ。
ミーシャの師匠発言に納得してしまう。エクス群島ではミーシャと訓練ぐらいしかしていない。男女の関係というより師弟か兄妹のような関係と言ったほうがしっくりくるくらいだ。
サーシャさんはミーシャが嬉しそうに話すのを見て、溜息を付いていた。そっち方面の進展がないことや、そっち方面のミーシャの成長がないことに対する溜息だろう。
そこにエアルが余計なことを言いだした。
「正妻のジジに子供ができたら、私や私の娘と孫もテンマの子種をもらう予定なのじゃ。ミーシャが望んだとしても、ドロテアの後に子種をもらうことになるのじゃ!」
誰がそんなことを決めたんだぁーーー!
ミーシャは関係ないと思っているのか、興味なさそうに話を聞いていたが、サーシャさんはジト目で俺を睨んできた。
「メイもお兄ちゃんのお嫁になるぅ~!」
「そうか、ピピも嫁になると言っていたから、メイも頑張るのじゃ!」
これ以上、余計なことを言わないでくれぇ~!
「テンマ君、メイはまだ小さいから変なことはしないでね!」
サーシャさんは冷たい視線を俺に向けて言ってきた。サーシャさんの引きつった笑顔が、誤解されていることを物語っていると思う……。
「あっ、お土産の準備もあるから、先に泊まる部屋に案内してくれるかなぁ?」
お土産で誤魔化すしかないと考えて、サーシャさんのお土産を用意するために、先に部屋に案内してもらうのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
案内された部屋はシンプルな一人部屋だった。日の当たらない他とは離れた部屋だったので、サーシャさんに警戒されたような気がする。
手遅れだと思うが、少しでもサーシャさんの誤解を解くか機嫌を取ろうと、アンナに会いにD研を開いて『どこでも自宅』に行く。
アンナは生産工房にいた。事情を話してサーシャさんへのお土産を相談する。
「村長で色々な人の面倒を見ているなら、本人が喜ぶお土産だけでなく、配れるようなものも必要ですね」
なるほどと思わず感心する。
アンナは豪華そうな木箱と普通の木箱を複数出して、中にアンナ印の下着を入れ始める。アンナは普段から時間があると下着をせっせと作っているのだ。
豪華な木箱にはサーシャさん用の豪華そうな下着や過激な下着を選んで入れていく。俺のお土産としてそんな下着を渡して大丈夫なのか心配になる。
普通の木箱にはシンプルな下着を大量に入れていた。
俺は不安に感じながらも、可愛らしい箱にメイ用の服を大量に入れる。他にも醤油や味噌などの調味料やデザート類を収納の魔道具に入れ、部屋から出て応接間に向かった。
応接間に入るとまずはサーシャさんにお土産を渡す。
「これがサーシャさんへのお土産です。他にもこの魔道具に色々お土産が入っているのでサーシャさんが適当に配ってください」
サーシャさんは豪華そうな木箱を見て、笑みを見せてくれた。
「こっちは魔道具ごと貰っても構わないのかしら?」
サーシャさんは渡した腕輪型の魔道具を持って尋ねてきた。
「もちろんです!」
そう答えるとサーシャさんは満面の笑みをみせて腕輪を嵌めた。そして豪華な木箱を開いて、中を確認する。
よし、大丈夫そうだ!
サーシャさんは箱の中を見て、少し驚いた表情を見せたが、すぐに嬉しそうな表情をしたのでホッとする。
男である俺のお土産が下着だったから心配したのだ。もし変態扱いでもされそうになったら、選んだのは俺ではないと説明するつもりだった。
「メイのお土産は?」
メイがシルモフをやめて尋ねてきた。
「メイのお土産はこれだよぉ~!」
メイ用に用意した可愛らしい箱を出すと、メイは嬉しそうに箱に走り寄ってきた。
「可愛いのぉ~!」
メイは箱の可愛らしさに嬉しそうな声を上げる。しかし、サーシャさんの視線がメイの箱に注がれ、心なしか不満そうな顔をした気がする。
お、大きさが違い過ぎたかぁ!
メイの箱は可愛らしい模様が描かれていたが、大きさはサーシャさんの箱の何倍もあったのだ。ずっとメイの服は作り続けていたので大量になってしまったのである。
メイは箱を開けると体ごと箱の中に入って次々と服をあさり出した。サーシャさんが止めようとしたが、エアルまで箱の中に入ってメイと楽しそうに騒ぎ始めたので、諦めたように溜息を付いていた。
「これはお祭りに着る浴衣という服じゃ。私も浴衣を持っているのじゃ!」
エアルはそう話すと変身の魔道具を使って浴衣姿になった。それを見てメイもサーシャさんも驚いていた。
メイもサーシャさんも変身の魔道具は初めて見るからなぁ~。
俺はメイに昔渡した魔道具を渡してもらい、変身の付与をする。
「メイに使い方を教えてあげてね」
「任せるのじゃ!」
エアルに魔道具の使い方をメイに教えるようにお願いした。そして羨ましそうに見ていたサーシャさんにも、同じように前に渡した魔道具に変身を付与した。
「使い方はミーシャに聞いてくださいね」
女性の着替えに関する事なのでミーシャにお願いした。ミーシャはすぐにサーシャさんに説明を始めていた。
「今日の夕飯は俺が用意します。珍しい食べ物やデザートもありますよ」
ジジが作った料理は、大量にルーム内のマジックボックスに収納してある。今晩はそれを出すことにした。お土産でもあるが、渡した調味料がどう使われるか見せようと思ったのである。
サーシャさんは変身の魔道具を試しながら頷いてくれた。
「このパンツは可愛いのぉ~!」
メイが嬉しそうに、キツネの顔が描かれたパンツを広げて俺に見せてきた。
うん、それはやめてほしい!
サーシャさんの視線が冷たくなった気がしたのだった。
「ミーシャが王都で冒険者をしていたのは聞いていたけど、ここ数年は話を聞かなくなって心配していたのよ」
そういえばミーシャ達は王都で有名になって、すぐにエクス群島にきたのだ。エクス群島での活動は表には出ていなかったので、ミーシャの冒険者活動は伝わっていないのだろう。
「A級冒険者になった!」
ミーシャちゃんや、それだけではよく分からないよね……。
ミーシャの説明では伝わらないと思ったが、サーシャさんはA級冒険者と聞いて驚いているようだ。
「エクス群島のダンジョンでミーシャは冒険者活動をしていたんだよ」
俺はさらに詳しく説明する。
サーシャさんもエクス自治連合の噂ぐらいは聞いていたようだけど、ヴィンチザード王国内の情報も少ないこの村では、他国ともいえるエクス自治連合やエクス群島のことはほとんど知らないようだった。
エクス自治連合が元ホレック公国と説明しても、ホレック公国という名前もなんとなく聞いたことがある程度だったのである。
エクス群島が伝説の英雄エクス殿の故郷で、彼が黒耳長族の出身だと話したら驚いていた。黒耳長族は人族や獣人族より長命で、エアルが英雄エクス殿の娘だと話しても、すぐには理解できないようだ。
横でメイと一緒にシルをモフっているエアルの姿を見たら、余計に信じられないだろう。
それでもサーシャさんは遠くのエクス群島のダンジョンで、俺達が冒険者活動をしていると理解して安心したようだ。
「それより二人の関係はどうなの?」
無事に冒険者活動をしていると分かると、今度は俺とミーシャの関係が気になったようで尋ねてきた。
「んっ、テンマは師匠!」
ま、まあ、間違ってはいない気がするぅ。
ミーシャの師匠発言に納得してしまう。エクス群島ではミーシャと訓練ぐらいしかしていない。男女の関係というより師弟か兄妹のような関係と言ったほうがしっくりくるくらいだ。
サーシャさんはミーシャが嬉しそうに話すのを見て、溜息を付いていた。そっち方面の進展がないことや、そっち方面のミーシャの成長がないことに対する溜息だろう。
そこにエアルが余計なことを言いだした。
「正妻のジジに子供ができたら、私や私の娘と孫もテンマの子種をもらう予定なのじゃ。ミーシャが望んだとしても、ドロテアの後に子種をもらうことになるのじゃ!」
誰がそんなことを決めたんだぁーーー!
ミーシャは関係ないと思っているのか、興味なさそうに話を聞いていたが、サーシャさんはジト目で俺を睨んできた。
「メイもお兄ちゃんのお嫁になるぅ~!」
「そうか、ピピも嫁になると言っていたから、メイも頑張るのじゃ!」
これ以上、余計なことを言わないでくれぇ~!
「テンマ君、メイはまだ小さいから変なことはしないでね!」
サーシャさんは冷たい視線を俺に向けて言ってきた。サーシャさんの引きつった笑顔が、誤解されていることを物語っていると思う……。
「あっ、お土産の準備もあるから、先に泊まる部屋に案内してくれるかなぁ?」
お土産で誤魔化すしかないと考えて、サーシャさんのお土産を用意するために、先に部屋に案内してもらうのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
案内された部屋はシンプルな一人部屋だった。日の当たらない他とは離れた部屋だったので、サーシャさんに警戒されたような気がする。
手遅れだと思うが、少しでもサーシャさんの誤解を解くか機嫌を取ろうと、アンナに会いにD研を開いて『どこでも自宅』に行く。
アンナは生産工房にいた。事情を話してサーシャさんへのお土産を相談する。
「村長で色々な人の面倒を見ているなら、本人が喜ぶお土産だけでなく、配れるようなものも必要ですね」
なるほどと思わず感心する。
アンナは豪華そうな木箱と普通の木箱を複数出して、中にアンナ印の下着を入れ始める。アンナは普段から時間があると下着をせっせと作っているのだ。
豪華な木箱にはサーシャさん用の豪華そうな下着や過激な下着を選んで入れていく。俺のお土産としてそんな下着を渡して大丈夫なのか心配になる。
普通の木箱にはシンプルな下着を大量に入れていた。
俺は不安に感じながらも、可愛らしい箱にメイ用の服を大量に入れる。他にも醤油や味噌などの調味料やデザート類を収納の魔道具に入れ、部屋から出て応接間に向かった。
応接間に入るとまずはサーシャさんにお土産を渡す。
「これがサーシャさんへのお土産です。他にもこの魔道具に色々お土産が入っているのでサーシャさんが適当に配ってください」
サーシャさんは豪華そうな木箱を見て、笑みを見せてくれた。
「こっちは魔道具ごと貰っても構わないのかしら?」
サーシャさんは渡した腕輪型の魔道具を持って尋ねてきた。
「もちろんです!」
そう答えるとサーシャさんは満面の笑みをみせて腕輪を嵌めた。そして豪華な木箱を開いて、中を確認する。
よし、大丈夫そうだ!
サーシャさんは箱の中を見て、少し驚いた表情を見せたが、すぐに嬉しそうな表情をしたのでホッとする。
男である俺のお土産が下着だったから心配したのだ。もし変態扱いでもされそうになったら、選んだのは俺ではないと説明するつもりだった。
「メイのお土産は?」
メイがシルモフをやめて尋ねてきた。
「メイのお土産はこれだよぉ~!」
メイ用に用意した可愛らしい箱を出すと、メイは嬉しそうに箱に走り寄ってきた。
「可愛いのぉ~!」
メイは箱の可愛らしさに嬉しそうな声を上げる。しかし、サーシャさんの視線がメイの箱に注がれ、心なしか不満そうな顔をした気がする。
お、大きさが違い過ぎたかぁ!
メイの箱は可愛らしい模様が描かれていたが、大きさはサーシャさんの箱の何倍もあったのだ。ずっとメイの服は作り続けていたので大量になってしまったのである。
メイは箱を開けると体ごと箱の中に入って次々と服をあさり出した。サーシャさんが止めようとしたが、エアルまで箱の中に入ってメイと楽しそうに騒ぎ始めたので、諦めたように溜息を付いていた。
「これはお祭りに着る浴衣という服じゃ。私も浴衣を持っているのじゃ!」
エアルはそう話すと変身の魔道具を使って浴衣姿になった。それを見てメイもサーシャさんも驚いていた。
メイもサーシャさんも変身の魔道具は初めて見るからなぁ~。
俺はメイに昔渡した魔道具を渡してもらい、変身の付与をする。
「メイに使い方を教えてあげてね」
「任せるのじゃ!」
エアルに魔道具の使い方をメイに教えるようにお願いした。そして羨ましそうに見ていたサーシャさんにも、同じように前に渡した魔道具に変身を付与した。
「使い方はミーシャに聞いてくださいね」
女性の着替えに関する事なのでミーシャにお願いした。ミーシャはすぐにサーシャさんに説明を始めていた。
「今日の夕飯は俺が用意します。珍しい食べ物やデザートもありますよ」
ジジが作った料理は、大量にルーム内のマジックボックスに収納してある。今晩はそれを出すことにした。お土産でもあるが、渡した調味料がどう使われるか見せようと思ったのである。
サーシャさんは変身の魔道具を試しながら頷いてくれた。
「このパンツは可愛いのぉ~!」
メイが嬉しそうに、キツネの顔が描かれたパンツを広げて俺に見せてきた。
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