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第12章 マムーチョ辺境侯爵領
第2話 大人の階段
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砂浜まで行くと狐の守り人が訓練をしていた。狐の守り人はバルガスとマリアさんも加入、この二年で全員がA級冒険者にも昇格して、S級冒険者パーティーに昇格していた。
マリアさんは冒険者活動だけではなく、レイモンドとヴィンチザード王国との間を取り持つような仕事もしている。
マリアさんだけではなくドロテアさんやエクレアさん、それに黒耳長族でも生活魔術をLv5までレベルアップした者が増え、ルームも使えるようになったのだ。
マリアさんはルームlv3までレベルアップしており、今もドラ美ちゃんと一緒に、ヴィンチザード王国の国王夫妻を式典のために迎えに行っている。
「おい、そいつは偽物だ!」
バルガスが後方からジュビロに声を掛ける。ジュビロの目の前にはショートソードを握りしめたミーシャがいて、ジュビロはミーシャに斬りかかっていた。ジュビロの剣はミーシャの胴体付近を切り裂いたが、ミーシャの姿は斬られると笑顔を見せて存在が薄くなって消えた。ジュビロはすぐに周りを警戒しようとした。
突然新たなミーシャがジュビロの背後に現れると、ジュビロの脇腹をショートソードで斬りつけた。俺は斬り終えたミーシャの姿が一瞬ブレたのに気付いた。
「「ハァッ!」」
タクトとリリアは気付かなかったのか、左右から気合の入った声を出してミーシャに斬りかかる。二人は同時にミーシャの肩口を切り裂いた。しかし、切り裂かれたミーシャから火が溢れるように吹き上がり、二人は身体を投げ出すように砂浜に転がった。
タクトの転がった先にはいつの間にかミーシャがいて、それに気付いたタクトが砂浜で倒れたまま驚いた表情をした。ミーシャはジュビロの腹にショートソードで刺した。訓練用のショートソードだから刺さらなかったが、ジュビロは痛みで腹を押さえて蹲った。
ミーシャはジュビロのことはすぐに忘れたように微笑んだまま、立ち上がるリリアを見つめていた。
「オラオラオラ~!」
バルガスが盾を前面に構えながら大きな声を出してミーシャに向かって距離を詰める。それと同時にミイが斜め後ろから魔法を放った。放ったのはウォーターボールとファイアボール、そしてその陰からウインドカッターだった。
ミーシャは余裕の表情でウォーターボールとファイアボールをショートソードで切り裂いた。そして斬った勢いで反対のバルガスのほうに向きを変えた。ミイはウインドカッターがミーシャに当たると思ったのか笑顔を見せる。しかし、ミーシャは尻尾に魔力を込めて軽く振ると、ウインドカッターは消えてしまった。
ミーシャは向かってくるバルガスに走り寄ると、バルガスがミーシャを弾き飛ばそうと盾を前に突き出した。ミーシャはその盾に足を掛けると、弾き飛ばそうとする力を使って飛び上がる。まるで弾き飛ばされたように見えたミーシャだったが、クルクルと回転して少し離れた場所に舞い降りた。
バルガスは尚もミーシャに向かって突き進み、リリアもようやく体制を立て直して斬りかかる。ミイも魔法を発動しようとした。
「グハッ!」
リリアとバルガスがミーシャの場所に到着する前に、ミイが声を出して砂浜に顔から突っ込んだ。バルガスとリリアはその声を聞くと同時に目の前のミーシャへの攻撃を止めた。しかし、彼らの前のミーシャはさらに笑顔を見せたと思った瞬間に爆発してしまった。
リリアは何とか顔だけは腕で守ったが爆発の余波で吹き飛び、砂浜に転がった。バルガスは盾で何とか爆発を防いで、砂浜で倒れるミイを見る。ミイがいた場所には蹴り終えた姿勢のミーシャが立っていた。
ミーシャはバルガスに向かって走り出そうとしたが、そこでバルガスが声を上げる。
「待て! 俺一人じゃどうにもならん。ミーシャの勝ちだ!」
バルガスは片手の手の平を前に突き出して訓練の終了を告げた。ミーシャは露骨に残念そうな顔をしているのが分かる。
相変わらずミーシャは脳筋だなぁ~。
「ペッ、酷いよぉ~、ミーシャちゃん、ペッ、ペッ!」
「んっ、それぐらい大丈夫」
ミイは顔を砂だらけにしながら、口に入った砂を吐き出しながらミーシャに文句を言った。しかし、ミーシャは気にした様子もなく一言だけ返しただけだ。
「自分でポーション飲める?」
ピピがリリアの火傷後にポーションを振りかけながらリリアに尋ねる。
「あぁ、……後は自分でポーションを飲むよ」
すでに火傷していた肌は、ピピがポーションをかけたことで綺麗に治っていた。リリアは元気なくピピに答えると収納からポーションを出して飲み始める。
すでにジュビロとタクトはポーションを飲み終わったのか空瓶を収納してミーシャのほうに向かって歩き始めていた。
「ダメだよぉ~、ミーシャちゃんの分身の術に騙されたらぁ~」
ピピはリリアの横で立ち上がるとジュビロ達のほうに向かって話した。ピピは二年前と比べてあまり成長している感じはしない。話し方はしっかりしてきたが、見た目はあまり変わっていない。
お兄ちゃんとしては嬉しいけどなぁ。
まだ十歳だが成長して女の子っぽくなれば、あまりスキンシップもできなくなる。成長が止まっているようで、不安であるが、個人的に永遠の妹でいて欲しいとも思ってしまう。
「ああ、分かっているんだが、なんか前より本物みたいに見えたんだ」
ジュビロは悔しそうに答えた。
「んっ、レベル上がった!」
ミーシャは前よりほんの少しだけ大きくなった胸を張り、嬉しそうに答えた。しかし、口数は減った気もする。
ミーシャは魔術の訓練よりも物理戦闘が好きだった。それでも無理やりに適性のある火魔術と闇魔術の訓練をさせた。最初は乗り気ではなかったが、闇魔術の幻覚《イリュージョン》を覚えてからやる気を見せるようになった。
気配遮断と幻覚《イリュージョン》を組み合わせると戦術の幅が広がり、本人も楽しくなったようだ。普段からシッポを一本増やして二尾の狐獣人になり、四六時中訓練をしているのでレベルアップも早い。最初は幻と分かる程度だったが、今では見た目だけでは分からなくなった。
そして魔術が自分を強くすると分かれば、訓練好きなミーシャはのめり込んだ。今では火魔術もうまく組み合わせて戦闘をしている。
「気配察知ですぐに分かるのにぃ~」
ピピはまだレベル上げをさせていない。しかし、素早さはミーシャよりも早く、気配察知も他と比べてもレベルが高い。ミーシャと遊ぶように訓練をしているせいで、俺を除くとミーシャの幻術に騙されないのはピピだけかもしれない。
「やっぱりピピがこちら側にいないとミーシャには勝てそうにないなぁ~」
頬をポリポリかきながらタクトが話した。
「バカ野郎! 他人に頼っていては成長できないぞ。訓練だからピピに外したんだ!」
タクトはバルガスに叱られてうつむいてしまった。
「ミーシャ一人にA級冒険者が束になっても勝てないのは情けないな……」
リリアも困ったような表情で呟いた。
やはりレベルアップの前に基本となる能力値を上げてあると、別格となるようだ。ミーシャはみんなと一緒に冒険者活動しているから、未だに種族レベルは一番低い。
「あっ、テンマ!」
ミーシャが最初に俺に気付いて走り寄ってきた。
「一緒に訓練する!」
目をキラキラさせてミーシャは頼んできた。
「う~ん、今日はそろそろ訓練を終わりにして、バッサンに行く準備をしないか?」
ミーシャは露骨に落胆した表情を見せ、後ろではピピも残念そうな顔をしている。しかし、俺は心を鬼《オーガ》にして訓練を断る。
この二人は顔を昼間に俺を見つけると訓練ばかり迫ってくるのだ。俺が断るのを普通にしないと、ダンジョンで探索中でも訓練を要求してくる脳筋だからである。
「あ、あのぉ~、テンマさん、彼女を一緒に連れていっていいですか?」
タクトは遠慮がちに尋ねてきたが、横ではジュビロも激しく頷いている。
「そんなのダメに決まっているだろ!」
俺が答える前にリリアが否定してしまった。
リリアは黒耳長族の男に気に入った相手が何人もできた。しかし、ことごとく断られていた。見た目はハンサムで、訓練相手としても申し分のない彼らにリリアが惚れたとしても不思議ではない。
だが、彼らの好みは幼女なのだ。何度かピピを口説こうとした馬鹿がいたが、俺のお仕置きを見て愚かのことをするものはいなくなった。それでもリリアに異性として目を向ける黒耳長族の男はいなかったのである。
「で、でも、祭りなら彼女と一緒に行くのは当然だよ!」
ジュビロは彼女と一緒に行きたいのだろう。必死の表情でリリアに反発していた。
二人の気持ちは理解できる。俺もジジと一緒でなければ祭りの楽しみは半減するだろう。
でも……、理解できないこともある!
ジュビロとタクトの彼女は黒耳長族の女性なのだ。見た目はロリとしか言えないが、彼女たちの年齢は三桁の大台に乗っている。
年齢はそれほど気にしないが……。
あの見た目に手を出す感覚は分からない!
二人からは彼女ができたと話を聞いたときに引いてしまった。彼らも最初は抵抗があったようだが、ある夜、彼女達によって大人の階段を上ったのである。
二人が詳しく俺にそのことを話してきた。興味なさそうな振りして話を聞いたが、見た目はともかく相手は百年近くの年上である。驚くほどの、……ゲフン、二人は駆け足で随分と高い所まで大人の階段を駆け上ったようだ。
マリアさんは冒険者活動だけではなく、レイモンドとヴィンチザード王国との間を取り持つような仕事もしている。
マリアさんだけではなくドロテアさんやエクレアさん、それに黒耳長族でも生活魔術をLv5までレベルアップした者が増え、ルームも使えるようになったのだ。
マリアさんはルームlv3までレベルアップしており、今もドラ美ちゃんと一緒に、ヴィンチザード王国の国王夫妻を式典のために迎えに行っている。
「おい、そいつは偽物だ!」
バルガスが後方からジュビロに声を掛ける。ジュビロの目の前にはショートソードを握りしめたミーシャがいて、ジュビロはミーシャに斬りかかっていた。ジュビロの剣はミーシャの胴体付近を切り裂いたが、ミーシャの姿は斬られると笑顔を見せて存在が薄くなって消えた。ジュビロはすぐに周りを警戒しようとした。
突然新たなミーシャがジュビロの背後に現れると、ジュビロの脇腹をショートソードで斬りつけた。俺は斬り終えたミーシャの姿が一瞬ブレたのに気付いた。
「「ハァッ!」」
タクトとリリアは気付かなかったのか、左右から気合の入った声を出してミーシャに斬りかかる。二人は同時にミーシャの肩口を切り裂いた。しかし、切り裂かれたミーシャから火が溢れるように吹き上がり、二人は身体を投げ出すように砂浜に転がった。
タクトの転がった先にはいつの間にかミーシャがいて、それに気付いたタクトが砂浜で倒れたまま驚いた表情をした。ミーシャはジュビロの腹にショートソードで刺した。訓練用のショートソードだから刺さらなかったが、ジュビロは痛みで腹を押さえて蹲った。
ミーシャはジュビロのことはすぐに忘れたように微笑んだまま、立ち上がるリリアを見つめていた。
「オラオラオラ~!」
バルガスが盾を前面に構えながら大きな声を出してミーシャに向かって距離を詰める。それと同時にミイが斜め後ろから魔法を放った。放ったのはウォーターボールとファイアボール、そしてその陰からウインドカッターだった。
ミーシャは余裕の表情でウォーターボールとファイアボールをショートソードで切り裂いた。そして斬った勢いで反対のバルガスのほうに向きを変えた。ミイはウインドカッターがミーシャに当たると思ったのか笑顔を見せる。しかし、ミーシャは尻尾に魔力を込めて軽く振ると、ウインドカッターは消えてしまった。
ミーシャは向かってくるバルガスに走り寄ると、バルガスがミーシャを弾き飛ばそうと盾を前に突き出した。ミーシャはその盾に足を掛けると、弾き飛ばそうとする力を使って飛び上がる。まるで弾き飛ばされたように見えたミーシャだったが、クルクルと回転して少し離れた場所に舞い降りた。
バルガスは尚もミーシャに向かって突き進み、リリアもようやく体制を立て直して斬りかかる。ミイも魔法を発動しようとした。
「グハッ!」
リリアとバルガスがミーシャの場所に到着する前に、ミイが声を出して砂浜に顔から突っ込んだ。バルガスとリリアはその声を聞くと同時に目の前のミーシャへの攻撃を止めた。しかし、彼らの前のミーシャはさらに笑顔を見せたと思った瞬間に爆発してしまった。
リリアは何とか顔だけは腕で守ったが爆発の余波で吹き飛び、砂浜に転がった。バルガスは盾で何とか爆発を防いで、砂浜で倒れるミイを見る。ミイがいた場所には蹴り終えた姿勢のミーシャが立っていた。
ミーシャはバルガスに向かって走り出そうとしたが、そこでバルガスが声を上げる。
「待て! 俺一人じゃどうにもならん。ミーシャの勝ちだ!」
バルガスは片手の手の平を前に突き出して訓練の終了を告げた。ミーシャは露骨に残念そうな顔をしているのが分かる。
相変わらずミーシャは脳筋だなぁ~。
「ペッ、酷いよぉ~、ミーシャちゃん、ペッ、ペッ!」
「んっ、それぐらい大丈夫」
ミイは顔を砂だらけにしながら、口に入った砂を吐き出しながらミーシャに文句を言った。しかし、ミーシャは気にした様子もなく一言だけ返しただけだ。
「自分でポーション飲める?」
ピピがリリアの火傷後にポーションを振りかけながらリリアに尋ねる。
「あぁ、……後は自分でポーションを飲むよ」
すでに火傷していた肌は、ピピがポーションをかけたことで綺麗に治っていた。リリアは元気なくピピに答えると収納からポーションを出して飲み始める。
すでにジュビロとタクトはポーションを飲み終わったのか空瓶を収納してミーシャのほうに向かって歩き始めていた。
「ダメだよぉ~、ミーシャちゃんの分身の術に騙されたらぁ~」
ピピはリリアの横で立ち上がるとジュビロ達のほうに向かって話した。ピピは二年前と比べてあまり成長している感じはしない。話し方はしっかりしてきたが、見た目はあまり変わっていない。
お兄ちゃんとしては嬉しいけどなぁ。
まだ十歳だが成長して女の子っぽくなれば、あまりスキンシップもできなくなる。成長が止まっているようで、不安であるが、個人的に永遠の妹でいて欲しいとも思ってしまう。
「ああ、分かっているんだが、なんか前より本物みたいに見えたんだ」
ジュビロは悔しそうに答えた。
「んっ、レベル上がった!」
ミーシャは前よりほんの少しだけ大きくなった胸を張り、嬉しそうに答えた。しかし、口数は減った気もする。
ミーシャは魔術の訓練よりも物理戦闘が好きだった。それでも無理やりに適性のある火魔術と闇魔術の訓練をさせた。最初は乗り気ではなかったが、闇魔術の幻覚《イリュージョン》を覚えてからやる気を見せるようになった。
気配遮断と幻覚《イリュージョン》を組み合わせると戦術の幅が広がり、本人も楽しくなったようだ。普段からシッポを一本増やして二尾の狐獣人になり、四六時中訓練をしているのでレベルアップも早い。最初は幻と分かる程度だったが、今では見た目だけでは分からなくなった。
そして魔術が自分を強くすると分かれば、訓練好きなミーシャはのめり込んだ。今では火魔術もうまく組み合わせて戦闘をしている。
「気配察知ですぐに分かるのにぃ~」
ピピはまだレベル上げをさせていない。しかし、素早さはミーシャよりも早く、気配察知も他と比べてもレベルが高い。ミーシャと遊ぶように訓練をしているせいで、俺を除くとミーシャの幻術に騙されないのはピピだけかもしれない。
「やっぱりピピがこちら側にいないとミーシャには勝てそうにないなぁ~」
頬をポリポリかきながらタクトが話した。
「バカ野郎! 他人に頼っていては成長できないぞ。訓練だからピピに外したんだ!」
タクトはバルガスに叱られてうつむいてしまった。
「ミーシャ一人にA級冒険者が束になっても勝てないのは情けないな……」
リリアも困ったような表情で呟いた。
やはりレベルアップの前に基本となる能力値を上げてあると、別格となるようだ。ミーシャはみんなと一緒に冒険者活動しているから、未だに種族レベルは一番低い。
「あっ、テンマ!」
ミーシャが最初に俺に気付いて走り寄ってきた。
「一緒に訓練する!」
目をキラキラさせてミーシャは頼んできた。
「う~ん、今日はそろそろ訓練を終わりにして、バッサンに行く準備をしないか?」
ミーシャは露骨に落胆した表情を見せ、後ろではピピも残念そうな顔をしている。しかし、俺は心を鬼《オーガ》にして訓練を断る。
この二人は顔を昼間に俺を見つけると訓練ばかり迫ってくるのだ。俺が断るのを普通にしないと、ダンジョンで探索中でも訓練を要求してくる脳筋だからである。
「あ、あのぉ~、テンマさん、彼女を一緒に連れていっていいですか?」
タクトは遠慮がちに尋ねてきたが、横ではジュビロも激しく頷いている。
「そんなのダメに決まっているだろ!」
俺が答える前にリリアが否定してしまった。
リリアは黒耳長族の男に気に入った相手が何人もできた。しかし、ことごとく断られていた。見た目はハンサムで、訓練相手としても申し分のない彼らにリリアが惚れたとしても不思議ではない。
だが、彼らの好みは幼女なのだ。何度かピピを口説こうとした馬鹿がいたが、俺のお仕置きを見て愚かのことをするものはいなくなった。それでもリリアに異性として目を向ける黒耳長族の男はいなかったのである。
「で、でも、祭りなら彼女と一緒に行くのは当然だよ!」
ジュビロは彼女と一緒に行きたいのだろう。必死の表情でリリアに反発していた。
二人の気持ちは理解できる。俺もジジと一緒でなければ祭りの楽しみは半減するだろう。
でも……、理解できないこともある!
ジュビロとタクトの彼女は黒耳長族の女性なのだ。見た目はロリとしか言えないが、彼女たちの年齢は三桁の大台に乗っている。
年齢はそれほど気にしないが……。
あの見た目に手を出す感覚は分からない!
二人からは彼女ができたと話を聞いたときに引いてしまった。彼らも最初は抵抗があったようだが、ある夜、彼女達によって大人の階段を上ったのである。
二人が詳しく俺にそのことを話してきた。興味なさそうな振りして話を聞いたが、見た目はともかく相手は百年近くの年上である。驚くほどの、……ゲフン、二人は駆け足で随分と高い所まで大人の階段を駆け上ったようだ。
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