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第9章 ホレック公国へ
第13話 トラウマと旅立ち
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宿に戻ってくるとバルドーさんは少年代官の執事と出かけたと言われた。バルドーさんが彼らに何かされるとは思わなかったが、何かしそうで怖かった。
夕食には当然のように筋肉冒険者も同席して普通に食べている。ジジとアンナは買い物に満足したのか楽しそうに買った物の話をしていた。ピピは元気よく食事をしている。
俺は予定通り明日出発するとみんなに伝える。特に反対はなかったが、筋肉冒険者は寂しそうな表情を浮かべていた。
食事が終わり部屋に戻ろうとしたら、筋肉冒険者が宿の従業員に何か耳打ちし、従業員が顔を真っ赤にして頷いていたのは見なかったことにした。
◇ ◇ ◇ ◇
キースは憔悴した表情をしてリビングで呆然としていると、アルフレッドがバルドーを連れて戻ってきた。
「ヒィーーー!」
バルドーを見たキースはソファの上で悲鳴をあげると、バルドーから身を隠すようにソファの後ろに回り込んだ。
「バルドー殿、キース様はこのような状態で反省しています。どうか、お許しいただけないでしょうか?」
アルフレッドは丁寧に頭を下げてバルドーにお願いする。
「しかし、これが一時期的な反省では意味がありませんなぁ。どうせなら、私が調教して差し上げてもよろしいのですよ?」
「いえ、それは私がするべきことだと思います。私はキース様を立派な主として教育をしたいと思っています。私が妥協したことによりベルント侯爵のような人物を創り上げたのではないかとずっと考えてきました。
だから執事として未熟な主を教育するのは私の使命だと思っています!」
アルフレッドは決意を込めた目をしてバルドーに話した。
「ふむ、あなたが彼を調教するのですね?」
バルドーがそう話すとアルフレッドは少し呆然としてから、少し動揺した表情を見せながら答える。
「い、いえ、調教ではなく教育をしたいと考えています。まだ、キース様に仕えて僅かですが、欠点を無くすように教育すれば、非常に優秀な方だと信じています!」
バルドーはアルフレッドが動揺していることに気付いて笑顔を見せる。
「ふふふっ、あなたは自分では気付いていないようですが、こちら側の人間のようですねぇ」
アルフレッドはバルドーの指摘に呆然とする。すぐに、彼は何かを振り払うように顔を左右に振ってから話した。
「い、いえ、執事として主人を大切に思い、敬愛して仕えてるだけです!」
キースは2人が何を話しているのか理解できなかった。しかし、アルフレッドが真剣に自分に仕えようとしているのだけは何となく気付いた。そして目頭が熱くなり涙が零れた。
「わかります。主従の愛情ですね。私もテンマ様を大切に思い敬愛しています。その崇高な気持ちの先にあなたは気が付いていない。いや、気付かないようにしているのですね」
アルフレッドは呆然として、ソファの影から目に涙を浮かべ2人の様子を窺うキースに目を向けた。
キースと目が合うとアルフレッドは昨晩のことを思い出した。テンマに指示された通りに、妾メイドに指示しながらキースの服を……。
アルフレッドは頭に浮かんだ主人の姿を振り払うように顔を左右に振る。
「そ、そのようなことを主に抱くのは執事として失格です!」
「それは違います!」
アルフレッドが自分に言い聞かせるように話すと、バルドーが強く否定する。
「主人を敬愛するのは素晴らしいことなのです。それこそ執事として不可欠な要素でしょう。ただ、その思いに囚われてはなりません。ましてや行動に移しては絶対にダメです。主人から望まれた時にだけ応えるのです。それが究極の執事道なのです!」
「究極の執事道……」
アルフレッドは呟くように言うと涙を流し始めた。
「私はそのために罪を許され、神に生かされたのですね。キース様を愛して仕えるために。執事道を究めるために……」
「どうやら本当の自分が見えたようですね。あなたが彼のそばに居れば大丈夫でしょう。彼が道を外れたら教え導き、それでも道を外れた場合は調教、ゲフン……罰を与えて正しい道に導いてあげて下さい」
「はい!」
アルフレッドは目の前に至高の道が開かれた気がした。
「それでは、後はあなたにすべてを任せます。我々は明日の朝には町を出ますから、後はご自由にどうぞ。ふふふっ」
バルドーはそう話すと立ち去ろうとした。しかし、アルフレッドがバルドーに尋ねる。
「バルドー殿は主を導いているのですか!?」
アルフレッドの質問にバルドーは寂しげな表情を浮かべて答える。
「私は主に導いて頂いているのです。我が主は私など手も届かない高みに居るのです。あなたには主人に教えて頂いた言葉を教えましょう。バッチコーイ!」
「バッチコーイ……」
アルフレッドはその言葉を口にすると、全身が震える気がした。
「どうですか? 口にするだけであなたなら分かりますよね……」
バルドーはそこまで答えると振り返って去って行った。
アルフレッドはバルドーの姿が見えなくなっても、暫く頭を下げていた。そして頭を上げるとキースに話しかける。
「キース様、許可を頂いたので何があったか説明します」
キースは2人のやり取りが最後まで意味が分からなかった。しかし、許されたのは間違いないとわかった。そして、アルフレッドが信頼できると感じていた。
アルフレッドから話を聞いたキースは、テンマという少年の悪戯だと聞いて腹を立てた。しかし、不満そうな顔をした瞬間に厳しくアルフレッドに注意されてしまった。
そして注意されるとキースはお尻がムズムズするのを感じるのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
それから十数年が経つと、町の名前がバチコイとなり、ある方面の人達の聖地として国中で有名になった。
少年代官は立派な代官となり、妾の1人を正式な妻として迎え、他の妾は側室として迎えたのです。
冒険者出身の騎士隊長が町の治安を守り、代官は実家の家名を捨て、町を発展させたのです。
そして町の誰もが、その功績の半分は執事にあると知っていました。執事は町の名前が変わった翌日に他界したのです。
町に住む誰もが、今後の行く末に不安を抱いていました。
しかし、その執事は年齢的に自分が長くないと思っていたので、自分の後継者の執事を育成していたのです。後継者の男は宿の従業員でしたが、冒険者の推薦により代官屋敷に勤め始め、すぐにその才能を見出されたのです。
その伝説の執事は、亡くなる直前に自分が愛用してきたトレーを後継者に手渡し、究極の執事道を語り継ぐように話して笑顔でこの世を去りましたとさ。
「なんかよくわからな~い!」
うん、確かにピピに話す内容じゃないね!
「まあ、魔物討伐をハル兵衛が張り切っているから、その暇つぶしの物語だよ。あまり深く考えないでね」
町を出発した俺達は、のんびりと旅を続けていた。危険な森の横を通る道だが、ピョン子がシルの背中に乗って楽しそうに魔物を討伐している。
そしてハル兵衛はオークカツ貯金に気合が入っている。オークだけを狙い、周辺のオークを次々と狩っているのだ。
ピピは珍しく御者をする俺の膝の上にのり、物語をせがんできた。仕方ないので今日出てきた町を参考に簡単な話を作ったのだ。
「聖地ですかぁ。楽園のようなところでしょうねぇ」
頭上からバルドーさんの声が聞こえてくる。
聞いてたんかい!
バルドーさんなら喜びそうな気がするぅ~。
「しかし、それでは楽しくありませんねぇ。私なら自分が育成したり調教したりした相手を集めて、自分だけの聖地を造りたいものですねぇ」
「ピピもそこに入る~!」
いやいや、それは違うから……。
「しかし、テンマ様はやはり私など手の届かない高みに居るのですねぇ」
居ねぇよぉーーー!
お願いだからそんな存在に俺を引き上げないでと心の中で願うのであった。
夕食には当然のように筋肉冒険者も同席して普通に食べている。ジジとアンナは買い物に満足したのか楽しそうに買った物の話をしていた。ピピは元気よく食事をしている。
俺は予定通り明日出発するとみんなに伝える。特に反対はなかったが、筋肉冒険者は寂しそうな表情を浮かべていた。
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キースは憔悴した表情をしてリビングで呆然としていると、アルフレッドがバルドーを連れて戻ってきた。
「ヒィーーー!」
バルドーを見たキースはソファの上で悲鳴をあげると、バルドーから身を隠すようにソファの後ろに回り込んだ。
「バルドー殿、キース様はこのような状態で反省しています。どうか、お許しいただけないでしょうか?」
アルフレッドは丁寧に頭を下げてバルドーにお願いする。
「しかし、これが一時期的な反省では意味がありませんなぁ。どうせなら、私が調教して差し上げてもよろしいのですよ?」
「いえ、それは私がするべきことだと思います。私はキース様を立派な主として教育をしたいと思っています。私が妥協したことによりベルント侯爵のような人物を創り上げたのではないかとずっと考えてきました。
だから執事として未熟な主を教育するのは私の使命だと思っています!」
アルフレッドは決意を込めた目をしてバルドーに話した。
「ふむ、あなたが彼を調教するのですね?」
バルドーがそう話すとアルフレッドは少し呆然としてから、少し動揺した表情を見せながら答える。
「い、いえ、調教ではなく教育をしたいと考えています。まだ、キース様に仕えて僅かですが、欠点を無くすように教育すれば、非常に優秀な方だと信じています!」
バルドーはアルフレッドが動揺していることに気付いて笑顔を見せる。
「ふふふっ、あなたは自分では気付いていないようですが、こちら側の人間のようですねぇ」
アルフレッドはバルドーの指摘に呆然とする。すぐに、彼は何かを振り払うように顔を左右に振ってから話した。
「い、いえ、執事として主人を大切に思い、敬愛して仕えてるだけです!」
キースは2人が何を話しているのか理解できなかった。しかし、アルフレッドが真剣に自分に仕えようとしているのだけは何となく気付いた。そして目頭が熱くなり涙が零れた。
「わかります。主従の愛情ですね。私もテンマ様を大切に思い敬愛しています。その崇高な気持ちの先にあなたは気が付いていない。いや、気付かないようにしているのですね」
アルフレッドは呆然として、ソファの影から目に涙を浮かべ2人の様子を窺うキースに目を向けた。
キースと目が合うとアルフレッドは昨晩のことを思い出した。テンマに指示された通りに、妾メイドに指示しながらキースの服を……。
アルフレッドは頭に浮かんだ主人の姿を振り払うように顔を左右に振る。
「そ、そのようなことを主に抱くのは執事として失格です!」
「それは違います!」
アルフレッドが自分に言い聞かせるように話すと、バルドーが強く否定する。
「主人を敬愛するのは素晴らしいことなのです。それこそ執事として不可欠な要素でしょう。ただ、その思いに囚われてはなりません。ましてや行動に移しては絶対にダメです。主人から望まれた時にだけ応えるのです。それが究極の執事道なのです!」
「究極の執事道……」
アルフレッドは呟くように言うと涙を流し始めた。
「私はそのために罪を許され、神に生かされたのですね。キース様を愛して仕えるために。執事道を究めるために……」
「どうやら本当の自分が見えたようですね。あなたが彼のそばに居れば大丈夫でしょう。彼が道を外れたら教え導き、それでも道を外れた場合は調教、ゲフン……罰を与えて正しい道に導いてあげて下さい」
「はい!」
アルフレッドは目の前に至高の道が開かれた気がした。
「それでは、後はあなたにすべてを任せます。我々は明日の朝には町を出ますから、後はご自由にどうぞ。ふふふっ」
バルドーはそう話すと立ち去ろうとした。しかし、アルフレッドがバルドーに尋ねる。
「バルドー殿は主を導いているのですか!?」
アルフレッドの質問にバルドーは寂しげな表情を浮かべて答える。
「私は主に導いて頂いているのです。我が主は私など手も届かない高みに居るのです。あなたには主人に教えて頂いた言葉を教えましょう。バッチコーイ!」
「バッチコーイ……」
アルフレッドはその言葉を口にすると、全身が震える気がした。
「どうですか? 口にするだけであなたなら分かりますよね……」
バルドーはそこまで答えると振り返って去って行った。
アルフレッドはバルドーの姿が見えなくなっても、暫く頭を下げていた。そして頭を上げるとキースに話しかける。
「キース様、許可を頂いたので何があったか説明します」
キースは2人のやり取りが最後まで意味が分からなかった。しかし、許されたのは間違いないとわかった。そして、アルフレッドが信頼できると感じていた。
アルフレッドから話を聞いたキースは、テンマという少年の悪戯だと聞いて腹を立てた。しかし、不満そうな顔をした瞬間に厳しくアルフレッドに注意されてしまった。
そして注意されるとキースはお尻がムズムズするのを感じるのであった。
◇ ◇ ◇ ◇
それから十数年が経つと、町の名前がバチコイとなり、ある方面の人達の聖地として国中で有名になった。
少年代官は立派な代官となり、妾の1人を正式な妻として迎え、他の妾は側室として迎えたのです。
冒険者出身の騎士隊長が町の治安を守り、代官は実家の家名を捨て、町を発展させたのです。
そして町の誰もが、その功績の半分は執事にあると知っていました。執事は町の名前が変わった翌日に他界したのです。
町に住む誰もが、今後の行く末に不安を抱いていました。
しかし、その執事は年齢的に自分が長くないと思っていたので、自分の後継者の執事を育成していたのです。後継者の男は宿の従業員でしたが、冒険者の推薦により代官屋敷に勤め始め、すぐにその才能を見出されたのです。
その伝説の執事は、亡くなる直前に自分が愛用してきたトレーを後継者に手渡し、究極の執事道を語り継ぐように話して笑顔でこの世を去りましたとさ。
「なんかよくわからな~い!」
うん、確かにピピに話す内容じゃないね!
「まあ、魔物討伐をハル兵衛が張り切っているから、その暇つぶしの物語だよ。あまり深く考えないでね」
町を出発した俺達は、のんびりと旅を続けていた。危険な森の横を通る道だが、ピョン子がシルの背中に乗って楽しそうに魔物を討伐している。
そしてハル兵衛はオークカツ貯金に気合が入っている。オークだけを狙い、周辺のオークを次々と狩っているのだ。
ピピは珍しく御者をする俺の膝の上にのり、物語をせがんできた。仕方ないので今日出てきた町を参考に簡単な話を作ったのだ。
「聖地ですかぁ。楽園のようなところでしょうねぇ」
頭上からバルドーさんの声が聞こえてくる。
聞いてたんかい!
バルドーさんなら喜びそうな気がするぅ~。
「しかし、それでは楽しくありませんねぇ。私なら自分が育成したり調教したりした相手を集めて、自分だけの聖地を造りたいものですねぇ」
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