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プロローグ

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 世の中には、「才能のある者」と「才能のない者」が存在する。



 「才能のある者」:他の者には真似できない何かを持っている者



 「才能のない者」:その何かを持っていない者



 前者は絶対的少数であるが、そのカリスマ性によって後者を率いることができる。



 逆を言えば、後者は前者の人生を盛り上げるための添え物に過ぎない。



 つまり「才能のある者」と「才能のない者」との間には、絶対的な差があるのである。



 それは、カードゲームの世界でも同様だ。



 新規プレイヤーを引き込むために、運営会社はこぞってカードの性能を改善していく。



 あるカードは新しいルールを構築するものであったり、また別のものは性能自体がぶっ壊れていたり。



 その過程で、戦闘力しか記載されていなかったカードは用済みになり、従来のカードの性能は相対的にチープなものへと変わっていく。



 勿論、新しくでてきたカードに対抗する、いやそれ以上の性能を持った旧カードも存在する。



 でも、それは本当に一握りだ。



 アイドルとして成功するとか、宝くじで3憶当てるとかそんな確率。1%にも満たない。



 多くの旧カードは、プレイヤーの記憶からも忘れ去られ、戦いの場に立つ意義すらなくなっていく。



 それでも…。



 「才能のない者」という烙印を押された彼らにでも、何かできることはあるかもしれない。



 杓子定規で測るだけが全てではないんだ。



 見方を変えてみたら、彼らも「才能のある者」を凌駕する力を秘めているのではなかろうか?



 これから始まる物語は、いつしか「才能のない者」として自らの価値を定めてしまった男が、「才能のない者」としての烙印を押されたカードたちと出会い、何かに気付いていく。そんなお話。
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