116 / 139
めいでぃっしゅへようこそ! 編
116. ご指名は誰になさいますか
しおりを挟む
どれだけ深酒をしてもアルコールの毒素を消し飛ばし、宿酔の煩わしさから開放してくれる【常澄の泉】は便利な超能力だが、寝ぼけた頭までスッキリさせてくれる訳では無い。
ユーラウリアがユーゴの職場であるホワイトホースに出没し、彼女のヤケ酒に付き合ってしこたま呑んだ明くる朝。
いつもとは違う自分以外の温もりによって、ユーゴは目を覚ました。
澄み切った海を彷彿とさせるマリンブルーの、サラサラとした艷やかな長い髪と長いまつげをした途轍もない美少女が、デフォルメされた魚がプリントされたパジャマを着て寝ていた。
ユーゴの真横で。ユーゴと同じベッドの上で。
……この女は一体誰だ?
怠さの残った頭でユーゴは思った。
いや待て。特徴に何か引っかかるものがある。
寝ぼけ頭をフル回転させていると、ドアがノックされた。
「ユーゴ、起きているのか? 開けるよ」
「んー。おう」
「ここにアイツが来ていな……んなぁっ!?」
「まぁ!?」
「あらあらあら……」
入室したフィールエルは、ユーゴのベッドに同衾している少女を見て目を丸くした。彼女の背後から室内を覗き込んだネルと雪も、ほぼ同じ反応だった。
「な、何をしてるんだお前たちはっ!?」
「ユーゴさん、一体これは?」
「旦那様。ご説明を」
「いや、俺も一体何がなんだか……」
剣呑なオーラを発しだしたフィールエルたちに弁解しようとしたユーゴだが、その時、ベッドの少女がモゾモゾと動いた。
「んもー。何よ朝っぱらからうるさいわね……ふぁぁ」
ベッドの上に女の子座りをして起きた少女があくびと伸びを同時に行うと、ふわっとサボン香と汐の爽やかな匂いが漂った。
「……誰だよ、お前」
「は? 誰って……アタシよ、アタシ」
アタシだけではわからない。新手の詐欺だろうか。
すると少女は長い髪を側頭部で束ねだした。
「そのツインテールとツリメと八重歯は、パレアか。どうして俺のベッドにいる?」
「アンタどこでアタシを認識してんのよ。どうしてって、アンタを呼びに来たら気持ちよさそうにグースカ寝てるし、それを見てたらアタシも何だか眠くなってきちゃって……」
「ということはパレア、まだあの事はユーゴに話していないんだな?」
「あ、うん。ゴメン、まだ」
「何だよ、あの事って」
「ユーゴは今日仕事は休みだな? ということで、今日は “めいでぃっしゅ” に来て欲しい」
「断る。俺は昨日、深夜まで面倒な客の相手をして疲れているから眠い」
「 “めいでぃっしゅ” に来たら、ボク達の内の誰かを指名して欲しい。じゃあ待っているからな」
「おい、ちょっと待て。話を……」
言うだけ言って、フィールエルは部屋を出て行ってしまった。
「では旦那様。雪はお待ちしております」
そして少し間を開けて雪も退室した。
「どうしたんだ、あいつら?」
「「 ………… 」」
ユーゴに問われるも、ネルもパレアも困った表情を浮かべるだけで答えない。
答えようにも、それにはフィールエルと雪の心情を勝手に推測してユーゴに伝えなければならなくなるし、それは友人として、同じ女性として憚られるのだ。
フィールエルと雪の様子から、実はユーゴにもなんとなく事態の推移は予想できた。
おそらくユーゴについてまたぞろあの二人が張り合い、ではもしユーゴが “めいでぃっしゅ” に来たら誰を指名するかで、ユーゴの心がいま誰に傾いているのかを図ろうとしているのだろう。
「チッ……わかったよ。行くから、お前らも用意して出勤しろよ」
残る二人を追い出して、ユーゴはため息をついた。
朝から憂鬱だ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お帰りなさいませ、変た……ご主人様ぁ! お一人様ですか?」
「お前、いま変態王って言おうとしたよな?」
「気の所為ですよぅ、ユーゴさん。今日は御主人様としてですか?」
ユーゴを出迎えた、背が低くメガネを掛けたこのメイド少女は、フィールエルたちと同じように寮で生活している。そのため、ユーゴとも顔見知りなのだ。
ユーゴの記憶では、たしか名前はルーナといい、フィールエルたちよりも一週間ほど遅れて入店したはずだ。
「ご主人様としてって……まぁ客という意味では、そうだ」
「ではご指名は誰になさいますか?」
「そうだな。じゃあ───」
指名を伝えると、ユーゴは空いている席に案内された。
店内は相変わらず賑やかで、繁盛しているようで何よりだ。
ただ───
「おい見ろよ。変態王だぜ」
「【令嬢堕としの夜騎士】が、ここに一体何の用だ?」
「ま、まさか……おいらのキラリたんが忘れられなくて!?」
───まさか自分がこんなに注目を集めるとは、ユーゴは思ってもみなかった。しかも知らない間にまたもや不名誉な称号が与えられたらしい。
「お帰りなさいませー、ご主人様ー!」
店内で接客中のメイド達が、次々と来店の声を上げる。
当然フィールエルたちの姿もあり、ユーゴの姿を見つけると嬉しそうな、でも恥ずかしそうな、どちらともつかない表情を見せた。
店内は甘ったるい匂いが充満しており、席につくまでに辛党のユーゴは胸焼けを起こしそうだった。
テーブルには5という数字が記してある。
フィールエル、雪だけでなく、ネルやパレアまでもが接客しつつもソワソワしていた。
自分が指名されるかもしれない。やっぱりされないかもされない。そんな期待と不安が様子から伝わってくる。
そしてその名が呼ばれる。
「メイド長、5番テーブルのご主人様のご指名です!」
「「「「「 ええっ!? 」」」」」
フィールエル、ネル、パレア、雪、そしてまさか自分に白羽の矢が立つとは夢にも思わなかった輝星。彼女たちの驚きの声が店内に響き渡った。
「あのー。指名してもらっておいてなんですけど、本当にウチで良いんですか?」
ユーゴの席に付いた輝星が確認してくるが、
「良いんだよ。こっちにも事情があってな」
「あー、なるほど。わかります」
「じゃあ、このカレーライスとコーヒーのセットで」
「オムライスじゃなくて良いんですか? せっかくだからハート書きますよ?」
「火に油を注ぎそうだから、それは遠慮しておく」
「そうですね。ではご注文を繰り返します───」
輝星がキッチンにオーダーを伝えに行った後、入れ替わりにフィールエルたち四人が5番テーブルを取り囲んだ。
「ユーゴ、ボクは言ったはずだ。ボク達の中から指名して欲しい、と。なのにこれはどういうことなんだ!?」
「旦那様。これはあんまりですわ。雪、悲しい。……くすん」
「お前ら四人の中からとは言われなかったからな。だからこの店のメイドを含めての事かと思ったんだ」
「確かにアタシ達四人の中からとは言ってなかったわね」
「お前ら、こんどはくじ引きで順番を決めろよ。その順で指名する。それならいいだろ?」
「……はぁ。わかった」
気勢を殺がれたフィールエルが了解すると、雪もこくりと頷いた。
その後、ドサクサに紛れて何くれとなくユーゴの接客を勝手にしだしたフィールエルたちは、輝星に怒られてしゅんとし、人気メイド五人同時に接客されたユーゴは、周囲の来店客からジェラシーとヘイトを一斉に受け、そそくさと店を出たのだった。
ユーラウリアがユーゴの職場であるホワイトホースに出没し、彼女のヤケ酒に付き合ってしこたま呑んだ明くる朝。
いつもとは違う自分以外の温もりによって、ユーゴは目を覚ました。
澄み切った海を彷彿とさせるマリンブルーの、サラサラとした艷やかな長い髪と長いまつげをした途轍もない美少女が、デフォルメされた魚がプリントされたパジャマを着て寝ていた。
ユーゴの真横で。ユーゴと同じベッドの上で。
……この女は一体誰だ?
怠さの残った頭でユーゴは思った。
いや待て。特徴に何か引っかかるものがある。
寝ぼけ頭をフル回転させていると、ドアがノックされた。
「ユーゴ、起きているのか? 開けるよ」
「んー。おう」
「ここにアイツが来ていな……んなぁっ!?」
「まぁ!?」
「あらあらあら……」
入室したフィールエルは、ユーゴのベッドに同衾している少女を見て目を丸くした。彼女の背後から室内を覗き込んだネルと雪も、ほぼ同じ反応だった。
「な、何をしてるんだお前たちはっ!?」
「ユーゴさん、一体これは?」
「旦那様。ご説明を」
「いや、俺も一体何がなんだか……」
剣呑なオーラを発しだしたフィールエルたちに弁解しようとしたユーゴだが、その時、ベッドの少女がモゾモゾと動いた。
「んもー。何よ朝っぱらからうるさいわね……ふぁぁ」
ベッドの上に女の子座りをして起きた少女があくびと伸びを同時に行うと、ふわっとサボン香と汐の爽やかな匂いが漂った。
「……誰だよ、お前」
「は? 誰って……アタシよ、アタシ」
アタシだけではわからない。新手の詐欺だろうか。
すると少女は長い髪を側頭部で束ねだした。
「そのツインテールとツリメと八重歯は、パレアか。どうして俺のベッドにいる?」
「アンタどこでアタシを認識してんのよ。どうしてって、アンタを呼びに来たら気持ちよさそうにグースカ寝てるし、それを見てたらアタシも何だか眠くなってきちゃって……」
「ということはパレア、まだあの事はユーゴに話していないんだな?」
「あ、うん。ゴメン、まだ」
「何だよ、あの事って」
「ユーゴは今日仕事は休みだな? ということで、今日は “めいでぃっしゅ” に来て欲しい」
「断る。俺は昨日、深夜まで面倒な客の相手をして疲れているから眠い」
「 “めいでぃっしゅ” に来たら、ボク達の内の誰かを指名して欲しい。じゃあ待っているからな」
「おい、ちょっと待て。話を……」
言うだけ言って、フィールエルは部屋を出て行ってしまった。
「では旦那様。雪はお待ちしております」
そして少し間を開けて雪も退室した。
「どうしたんだ、あいつら?」
「「 ………… 」」
ユーゴに問われるも、ネルもパレアも困った表情を浮かべるだけで答えない。
答えようにも、それにはフィールエルと雪の心情を勝手に推測してユーゴに伝えなければならなくなるし、それは友人として、同じ女性として憚られるのだ。
フィールエルと雪の様子から、実はユーゴにもなんとなく事態の推移は予想できた。
おそらくユーゴについてまたぞろあの二人が張り合い、ではもしユーゴが “めいでぃっしゅ” に来たら誰を指名するかで、ユーゴの心がいま誰に傾いているのかを図ろうとしているのだろう。
「チッ……わかったよ。行くから、お前らも用意して出勤しろよ」
残る二人を追い出して、ユーゴはため息をついた。
朝から憂鬱だ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お帰りなさいませ、変た……ご主人様ぁ! お一人様ですか?」
「お前、いま変態王って言おうとしたよな?」
「気の所為ですよぅ、ユーゴさん。今日は御主人様としてですか?」
ユーゴを出迎えた、背が低くメガネを掛けたこのメイド少女は、フィールエルたちと同じように寮で生活している。そのため、ユーゴとも顔見知りなのだ。
ユーゴの記憶では、たしか名前はルーナといい、フィールエルたちよりも一週間ほど遅れて入店したはずだ。
「ご主人様としてって……まぁ客という意味では、そうだ」
「ではご指名は誰になさいますか?」
「そうだな。じゃあ───」
指名を伝えると、ユーゴは空いている席に案内された。
店内は相変わらず賑やかで、繁盛しているようで何よりだ。
ただ───
「おい見ろよ。変態王だぜ」
「【令嬢堕としの夜騎士】が、ここに一体何の用だ?」
「ま、まさか……おいらのキラリたんが忘れられなくて!?」
───まさか自分がこんなに注目を集めるとは、ユーゴは思ってもみなかった。しかも知らない間にまたもや不名誉な称号が与えられたらしい。
「お帰りなさいませー、ご主人様ー!」
店内で接客中のメイド達が、次々と来店の声を上げる。
当然フィールエルたちの姿もあり、ユーゴの姿を見つけると嬉しそうな、でも恥ずかしそうな、どちらともつかない表情を見せた。
店内は甘ったるい匂いが充満しており、席につくまでに辛党のユーゴは胸焼けを起こしそうだった。
テーブルには5という数字が記してある。
フィールエル、雪だけでなく、ネルやパレアまでもが接客しつつもソワソワしていた。
自分が指名されるかもしれない。やっぱりされないかもされない。そんな期待と不安が様子から伝わってくる。
そしてその名が呼ばれる。
「メイド長、5番テーブルのご主人様のご指名です!」
「「「「「 ええっ!? 」」」」」
フィールエル、ネル、パレア、雪、そしてまさか自分に白羽の矢が立つとは夢にも思わなかった輝星。彼女たちの驚きの声が店内に響き渡った。
「あのー。指名してもらっておいてなんですけど、本当にウチで良いんですか?」
ユーゴの席に付いた輝星が確認してくるが、
「良いんだよ。こっちにも事情があってな」
「あー、なるほど。わかります」
「じゃあ、このカレーライスとコーヒーのセットで」
「オムライスじゃなくて良いんですか? せっかくだからハート書きますよ?」
「火に油を注ぎそうだから、それは遠慮しておく」
「そうですね。ではご注文を繰り返します───」
輝星がキッチンにオーダーを伝えに行った後、入れ替わりにフィールエルたち四人が5番テーブルを取り囲んだ。
「ユーゴ、ボクは言ったはずだ。ボク達の中から指名して欲しい、と。なのにこれはどういうことなんだ!?」
「旦那様。これはあんまりですわ。雪、悲しい。……くすん」
「お前ら四人の中からとは言われなかったからな。だからこの店のメイドを含めての事かと思ったんだ」
「確かにアタシ達四人の中からとは言ってなかったわね」
「お前ら、こんどはくじ引きで順番を決めろよ。その順で指名する。それならいいだろ?」
「……はぁ。わかった」
気勢を殺がれたフィールエルが了解すると、雪もこくりと頷いた。
その後、ドサクサに紛れて何くれとなくユーゴの接客を勝手にしだしたフィールエルたちは、輝星に怒られてしゅんとし、人気メイド五人同時に接客されたユーゴは、周囲の来店客からジェラシーとヘイトを一斉に受け、そそくさと店を出たのだった。
22
お気に入りに追加
262
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
突然シーカーになったので冒険します〜駆け出し探索者の成長物語〜
平山和人
ファンタジー
スマートフォンやSNSが当たり前の現代社会に、ある日突然「ダンジョン」と呼ばれる異空間が出現してから30年が経過していた。
26歳のコンビニアルバイト、新城直人はある朝、目の前に「ステータス画面」が浮かび上がる。直人は、ダンジョンを攻略できる特殊能力者「探索者(シーカー)」に覚醒したのだ。
最寄り駅前に出現している小規模ダンジョンまで、愛用の自転車で向かう大地。初心者向けとは言え、実際の戦闘は命懸け。スマホアプリで探索者仲間とダンジョン情報を共有しながら、慎重に探索を進めていく。
レベルアップを重ね、新しいスキルを習得し、倒したモンスターから得た魔石を換金することで、少しずつではあるが確実に成長していく。やがて大地は、探索者として独り立ちしていくための第一歩を踏み出すのだった。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる