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めいでぃっしゅへようこそ! 編
111. ホワイトホース
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「やっぱり怪しいな……」
「そうね。アイツ、どうしてこの世界のお金をあんなに持ってたのかしら」
「私達四人全員の服や靴の代金を合計すると、私のお給金の四ヶ月分にもなりますよ」
「まだこの世界に来て一ヶ月と少しですのに、不思議ですわ」
ユーゴとショッピングを楽しんだその夜。
フィールエル、パレア、ネル、雪の四人は、ネルの部屋に集合していた。
とある議題について話し合うためだ。
即ち、ユーゴの素行についてである。
この一ヶ月強の間、彼女たちはユーゴが何をしていたかを知らない。
判っているのは、昼過ぎに出かけて行って、夜遅くに帰ってくるという生活サイクルだということと、鉄太が「やっぱり俺の目に狂いはなかったばい! ユーゴさん、あんた最高だよ!」と褒めそやしていること、そして昼間発覚したように、大金を稼いでいるらしいということだ。
職場も生活サイクルも違うユーゴとは、接点が少なくなっていた。
何をやっているのか少女たちも気になっていたが、この生活に慣れるため必死だったこともあり、ユーゴの事は後回しになっていたのだ。
「まさかユーゴ、何か悪事を働いて大金をせしめたんじゃないでしょうね?」
「ユーゴさんに限ってそれはあり得ません」
「それはボクも同意だな」
「冗談よ。でもどんな仕事をしているのかは気になるわね」
「訊いても、いつもはぐらかされてしまいますし」
「それならば、ご存知の方に尋ねてみては如何がでしょう?」
雪の提案に、他の三人は手を打ち鳴らして顔を見合わせた。
「いいわね、それ。知ってそうな人っていうと……」
「支配人なら知っているだろうけど、この時間に男の子の部屋を訪ねるのは抵抗があるな……」
「ではキラリさんに訊いてみましょう」
四人は早速、輝星の部屋のドアをノックした。
「どうしたん、皆して? え、ユーゴさんの仕事? 知ってるけど……ちょちょちょっ、なになに? 落ち着いて!? 教えるから!」
そして輝星からユーゴの職場を聞き出した四人は、翌日の仕事が終わってから全員で乗り込むことにしたのだった。
ユーゴの職場へと。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ここですね。 “騎士カフェ・ホワイトホース” 」
「輝星の説明では、 “めいでぃっしゅ” とはまた違ったコンセプトの喫茶店だという話だったが……」
店の外観は “めいでぃっしゅ” とはまた一味違っており、看板や外壁に、従業員らしき男性たちの肖像画が描かれている。押し並べて鎧姿だ。肖像画にはその人物の名前も記してある。
「あ、ユーゴさんのもありますよ!」
ネルが指さした先には、確かにユーゴの鎧姿が描かれている。
「なにカッコつけてポーズとってんの、コイツ。何故かわからないけど、何となく虫酸が走るわ」
「とりあえず、店内に入ってみましょう」
そう言って雪が扉を開けた。
瞬間、様々な香水が混ざった匂いが鼻をついた。
扉を潜った少女たちが目にした光景は、彼女たちの想像していたものとは全く違っていた。
明るい “めいでぃっしゅ” とは逆に照明を絞ってある、少し薄暗い店内には、テーブル席ではなくボックス席がいくつも設えてある。
インテリアに掛けてある予算も明らかに違って、ソファの革もテーブルの木材も、壁の大理石のような石材も、全てが高級そうだった。
何より一番の違いは、店員───この場合は鎧を着た騎士風の男たち───の接客態度である。
“めいでぃっしゅ” では、店員が、来店客と同席したりはしない。あくまで給仕がメインである。
対してこのホワイトホースでは、店員が来店客と思わしきご婦人方と同席し、お茶を楽しみながら談笑していたのだ。
「「「「 ???? 」」」」
どういう店なのか、実態が掴めず困惑する少女四人。
そんな彼女たちの元に、執事のようなタキシードを着用した青年が通りがかった。
「いらっしゃいませお嬢様方。ご新規様ですか?」
「は、はい」
「では当店のシステムをご説明いたします」
執事の説明によると、“騎士カフェ・ホワイトホース” は『貴族の令嬢と意中の騎士との一時の密会』をコンセプトにしている飲食店で、値段設定は割と高めだった。
席料や指名料などのシステムは “めいでぃっしゅ” と同じだが、ボトルキープなるシステムは“めいでぃっしゅ” には無い。
少し客単価は高いが、新規客は半額になるらしく、それなら彼女たちにも何とかなりそうで、思い切って入ってみることにした。
「それで本日は、誰かお目当ての騎士はいらっしゃいますか? それとも指名なしでお入りになりますか?」
「ユーゴってやついるでしょ?」
パレアの言葉を聞いた執事風の青年は、気まずそうに頬をかいた。
「ええっと、ユーゴさんはですね、その、いるにはいるんですが、忙しいというか何というか……。今は指名なさっても難しいかと」
「どういうことよ?」
「あ、いた。ユーゴだ」
フィールエルが指さした先には、ユーゴの姿が確かにあった。しかし───
「ねぇ、ユーゴ様ぁ。わたくしのお父様にはいつ会ってくださるの?」
「だから、そういうのはまだ早いって言ってるだろ?」
「でもぉ……」
「レナ、お前のことは大切だ。だが俺もこの店で働き始めたばかり。トップに立つためには、いま頑張らなくちゃいけないんだよ。男として夢を持つのは大切だって、理解ってくれるだろ?」
「……はい」
「よし、いい子だ。俺、レナと約束する。絶対にナンバーワンになるぜ」
「じゃあ、わたくし、ドンキー・ペリカンのピンクを入れますわ」
「おいまじか。アレ高価いんだぞ。あんまり無茶は……」
ドンキー・ペリカンはこの世界でも高級な部類に入る酒である。その中でもドンキー・ペリカン・ピンクというグレードは、さらに高価なものになり、一般人では手がでないレベルである。
「良いの。ユーゴ様のためだもの。わたくしこう見えても希爵家の娘ですもの。余裕よ」
「レナ……ありがとうな」
そこにいたのは、しなだれて甘えてくる上品そうなご令嬢の頭を、わざとらしい笑顔を浮かべて撫でるユーゴの姿だった。
ボックス席に近づいた執事がユーゴに耳打ちする。
「ユーゴさん。次のお時間です」
「悪いな、レナ。ちょっと行ってくる」
「ええー。さっき来てくれたばかりなのに……」
口を尖らせたレナという令嬢を置いて席を立って別の席に移動したユーゴ。彼のかわりに、助太刀として別の騎士がついた。ユーゴとは別種の、線の細い優男だ。
「初めましてお嬢様。しばらく私がお相手いたします」
しかし彼を一瞥したレナは、
「……あっそ」
と、けんもほろろな態度だった。
ユーゴが移動した先のボックス席では、
「きゃあああっ、ユーゴ様ぁ!」
「また来ちゃったぁ!」
と二人組の、これまた身分の高そうなご令嬢が、黄色い声で彼を迎えた。
いま、私達は何を見ているのだろうか?
目を点にし、口を四角形にあんぐりと開けたネルたち。
それはフィールエルたちの知るユーゴとはかけ離れた姿だったのだ。
そんな彼女たちの近くのボックス席で、三人組の令嬢たちが恍惚とした表情で語っている。
「はぁ……やはりユーゴ様は素敵ですわ」
「本当に。これまでの慇懃で優しげな騎士たちも良いけれど……」
「ユーゴ様のあの、私達に対するぞんざいな態度。私にあんな態度をとる男性なんて、社交界には存在しません。シビレます」
どうやら女性に丁寧に接する騎士然とした男たちとは一線を画すユーゴの接客態度が、それまで男性から紳士的な態度でした接してこられなかった令嬢たちにとって、ひどく新鮮かつ刺激的に感じられるらしい。
ご令嬢達を相手に接客しているユーゴは、先程からチクチクと視線を感じていた。
視線自体はこの店で浴びるほど感じているが、これは異質でありながらも、何故か慣れ親しんでいるような気配がするのだ。
流石に気になってその方向を視ると、
「うぉぉっ!?」
そこには見知った少女たち───即ちフィールエル、ネル、パレア、雪の四人が、何を考えているか判らない猫のような目でじっとユーゴを見ていたのだった。
「そうね。アイツ、どうしてこの世界のお金をあんなに持ってたのかしら」
「私達四人全員の服や靴の代金を合計すると、私のお給金の四ヶ月分にもなりますよ」
「まだこの世界に来て一ヶ月と少しですのに、不思議ですわ」
ユーゴとショッピングを楽しんだその夜。
フィールエル、パレア、ネル、雪の四人は、ネルの部屋に集合していた。
とある議題について話し合うためだ。
即ち、ユーゴの素行についてである。
この一ヶ月強の間、彼女たちはユーゴが何をしていたかを知らない。
判っているのは、昼過ぎに出かけて行って、夜遅くに帰ってくるという生活サイクルだということと、鉄太が「やっぱり俺の目に狂いはなかったばい! ユーゴさん、あんた最高だよ!」と褒めそやしていること、そして昼間発覚したように、大金を稼いでいるらしいということだ。
職場も生活サイクルも違うユーゴとは、接点が少なくなっていた。
何をやっているのか少女たちも気になっていたが、この生活に慣れるため必死だったこともあり、ユーゴの事は後回しになっていたのだ。
「まさかユーゴ、何か悪事を働いて大金をせしめたんじゃないでしょうね?」
「ユーゴさんに限ってそれはあり得ません」
「それはボクも同意だな」
「冗談よ。でもどんな仕事をしているのかは気になるわね」
「訊いても、いつもはぐらかされてしまいますし」
「それならば、ご存知の方に尋ねてみては如何がでしょう?」
雪の提案に、他の三人は手を打ち鳴らして顔を見合わせた。
「いいわね、それ。知ってそうな人っていうと……」
「支配人なら知っているだろうけど、この時間に男の子の部屋を訪ねるのは抵抗があるな……」
「ではキラリさんに訊いてみましょう」
四人は早速、輝星の部屋のドアをノックした。
「どうしたん、皆して? え、ユーゴさんの仕事? 知ってるけど……ちょちょちょっ、なになに? 落ち着いて!? 教えるから!」
そして輝星からユーゴの職場を聞き出した四人は、翌日の仕事が終わってから全員で乗り込むことにしたのだった。
ユーゴの職場へと。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ここですね。 “騎士カフェ・ホワイトホース” 」
「輝星の説明では、 “めいでぃっしゅ” とはまた違ったコンセプトの喫茶店だという話だったが……」
店の外観は “めいでぃっしゅ” とはまた一味違っており、看板や外壁に、従業員らしき男性たちの肖像画が描かれている。押し並べて鎧姿だ。肖像画にはその人物の名前も記してある。
「あ、ユーゴさんのもありますよ!」
ネルが指さした先には、確かにユーゴの鎧姿が描かれている。
「なにカッコつけてポーズとってんの、コイツ。何故かわからないけど、何となく虫酸が走るわ」
「とりあえず、店内に入ってみましょう」
そう言って雪が扉を開けた。
瞬間、様々な香水が混ざった匂いが鼻をついた。
扉を潜った少女たちが目にした光景は、彼女たちの想像していたものとは全く違っていた。
明るい “めいでぃっしゅ” とは逆に照明を絞ってある、少し薄暗い店内には、テーブル席ではなくボックス席がいくつも設えてある。
インテリアに掛けてある予算も明らかに違って、ソファの革もテーブルの木材も、壁の大理石のような石材も、全てが高級そうだった。
何より一番の違いは、店員───この場合は鎧を着た騎士風の男たち───の接客態度である。
“めいでぃっしゅ” では、店員が、来店客と同席したりはしない。あくまで給仕がメインである。
対してこのホワイトホースでは、店員が来店客と思わしきご婦人方と同席し、お茶を楽しみながら談笑していたのだ。
「「「「 ???? 」」」」
どういう店なのか、実態が掴めず困惑する少女四人。
そんな彼女たちの元に、執事のようなタキシードを着用した青年が通りがかった。
「いらっしゃいませお嬢様方。ご新規様ですか?」
「は、はい」
「では当店のシステムをご説明いたします」
執事の説明によると、“騎士カフェ・ホワイトホース” は『貴族の令嬢と意中の騎士との一時の密会』をコンセプトにしている飲食店で、値段設定は割と高めだった。
席料や指名料などのシステムは “めいでぃっしゅ” と同じだが、ボトルキープなるシステムは“めいでぃっしゅ” には無い。
少し客単価は高いが、新規客は半額になるらしく、それなら彼女たちにも何とかなりそうで、思い切って入ってみることにした。
「それで本日は、誰かお目当ての騎士はいらっしゃいますか? それとも指名なしでお入りになりますか?」
「ユーゴってやついるでしょ?」
パレアの言葉を聞いた執事風の青年は、気まずそうに頬をかいた。
「ええっと、ユーゴさんはですね、その、いるにはいるんですが、忙しいというか何というか……。今は指名なさっても難しいかと」
「どういうことよ?」
「あ、いた。ユーゴだ」
フィールエルが指さした先には、ユーゴの姿が確かにあった。しかし───
「ねぇ、ユーゴ様ぁ。わたくしのお父様にはいつ会ってくださるの?」
「だから、そういうのはまだ早いって言ってるだろ?」
「でもぉ……」
「レナ、お前のことは大切だ。だが俺もこの店で働き始めたばかり。トップに立つためには、いま頑張らなくちゃいけないんだよ。男として夢を持つのは大切だって、理解ってくれるだろ?」
「……はい」
「よし、いい子だ。俺、レナと約束する。絶対にナンバーワンになるぜ」
「じゃあ、わたくし、ドンキー・ペリカンのピンクを入れますわ」
「おいまじか。アレ高価いんだぞ。あんまり無茶は……」
ドンキー・ペリカンはこの世界でも高級な部類に入る酒である。その中でもドンキー・ペリカン・ピンクというグレードは、さらに高価なものになり、一般人では手がでないレベルである。
「良いの。ユーゴ様のためだもの。わたくしこう見えても希爵家の娘ですもの。余裕よ」
「レナ……ありがとうな」
そこにいたのは、しなだれて甘えてくる上品そうなご令嬢の頭を、わざとらしい笑顔を浮かべて撫でるユーゴの姿だった。
ボックス席に近づいた執事がユーゴに耳打ちする。
「ユーゴさん。次のお時間です」
「悪いな、レナ。ちょっと行ってくる」
「ええー。さっき来てくれたばかりなのに……」
口を尖らせたレナという令嬢を置いて席を立って別の席に移動したユーゴ。彼のかわりに、助太刀として別の騎士がついた。ユーゴとは別種の、線の細い優男だ。
「初めましてお嬢様。しばらく私がお相手いたします」
しかし彼を一瞥したレナは、
「……あっそ」
と、けんもほろろな態度だった。
ユーゴが移動した先のボックス席では、
「きゃあああっ、ユーゴ様ぁ!」
「また来ちゃったぁ!」
と二人組の、これまた身分の高そうなご令嬢が、黄色い声で彼を迎えた。
いま、私達は何を見ているのだろうか?
目を点にし、口を四角形にあんぐりと開けたネルたち。
それはフィールエルたちの知るユーゴとはかけ離れた姿だったのだ。
そんな彼女たちの近くのボックス席で、三人組の令嬢たちが恍惚とした表情で語っている。
「はぁ……やはりユーゴ様は素敵ですわ」
「本当に。これまでの慇懃で優しげな騎士たちも良いけれど……」
「ユーゴ様のあの、私達に対するぞんざいな態度。私にあんな態度をとる男性なんて、社交界には存在しません。シビレます」
どうやら女性に丁寧に接する騎士然とした男たちとは一線を画すユーゴの接客態度が、それまで男性から紳士的な態度でした接してこられなかった令嬢たちにとって、ひどく新鮮かつ刺激的に感じられるらしい。
ご令嬢達を相手に接客しているユーゴは、先程からチクチクと視線を感じていた。
視線自体はこの店で浴びるほど感じているが、これは異質でありながらも、何故か慣れ親しんでいるような気配がするのだ。
流石に気になってその方向を視ると、
「うぉぉっ!?」
そこには見知った少女たち───即ちフィールエル、ネル、パレア、雪の四人が、何を考えているか判らない猫のような目でじっとユーゴを見ていたのだった。
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