チューリップラブ~甘い支配の始まり:榊原玲央の物語~【R18】

まぁ

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頃来

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「玲央は知ってる?名前の由来とか」
「玲が、玉や金属がふれ合って鳴る美しい音を表すとか、透き通るように美しい様子らしい。で、母親が真央だから央。女の子だと思って名前を考えてたけど生まれたのは男の俺。でも、親バカなことに…美しい子だと思ったらしい」
「それでそのまま玲央って名付けた?」
「そう」
「「ぴったりだ」」
「お前らが息ぴったりだな」

 声の揃った光里ちゃんたちに玲央が笑い、ますます楽しく飲む。

「二人も知ってる?」
「聖ってさ、耳と口と王って書くだろ?」

 三鷹くんの言葉に指で宙に大きく聖と書いてみる。

「そうだね」
「神のお告げを聞く耳、神へ祈る口、そして君主…漢字は調べると大層なものだと思うけど、親は賢い、聡いという意味を込めたって」
「その通りに育ったんだね、三鷹くん」
「ははっ…乃愛さん、ワインお注ぎしましょうか?」

 ワインを入れてもらいながら

「光里ちゃんは知ってる?」

 イチゴを食べている光里ちゃんに聞いてみる。

 すると……私が光里ちゃんの名前を‘クリスマスを連想できる’と言ったことが正解だと言い、その私の言葉で昨日のクリスマスイヴが誕生日だったと思い出したと言う光里ちゃん。誕生日を知らなかったらしい三鷹くんが言えなかった?と聞くが彼女は忘れてたと言い

「誕生日もクリスマスも…この5年間は無縁だったもの…」

 静かにそう言った。私は思わず息を飲み息を止めると玲央が私の背中を撫でる。玲央の手に合わせて音を漏らさないようゆっくりと息を吐く…玲央の手は優しいが話の本質を聞き逃さないように鋭い視線を二人に突き刺している。玲央にとって三鷹くんは苦楽を共にした、親友以上、戦友以上のかけがえのない存在だから。玲央は光里ちゃんでなく、三鷹くんの心配をしているんだ。
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