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再び現在
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「ここにチューリップを飾る日が来るとはな…」
先にパスタを食べ終えた玲央が、チューリップの入ったピッチャーを少し自分の方へ寄せて呟く。
「私も…玲央の作ったものを玲央の部屋で食べるとはな…」
「真似できてるか?それ…」
「第三者目線なら似てるって言うよ」
「ふっ…今度、聖にも壱にも会ってみるか?変わらないぞ、二人とも」
「二人とも特に親しいわけではなかったけど、10年以上経って‘ご活躍さま’の二人に会ってみたいな」
「オフィスまで来ればいい。聖は出ている時があるけど壱は大抵オフィスにいる。あっ、来月…クリスマスイブに壱の結婚式だ。行ってくる」
私は最後の一口を口へ入れながら、うんうんと頷いた。
「このチューリップさ…」
「うん、何?」
「108本送ろうかと思ったけど、足掻いている真っ最中の乃愛に断られるのが目に見えてるから止めた…プロポーズ断られるなんて立ち直れないだろ?」
「全くそんな顔してないけどね」
「バレてるな…断られたらyesと言われるまで続けるだけだが…乃愛」
「うん?」
「乃愛自身が作りながら踏みしめてる道に横槍を入れるつもりはない」
「うん」
「プロポーズしなくても、ここで一緒に暮らすことはできるが今はそれもしない」
「うん」
「キーだけは渡しておくから自由に出入りはしてくれ。でも乃愛の城は店とあの裏のアパート」
「うん」
「3月までな?」
「うん?」
「4月にはここへ引っ越しだ。店へも通えるだろ?それまでは自分で踏ん張れよ」
先にパスタを食べ終えた玲央が、チューリップの入ったピッチャーを少し自分の方へ寄せて呟く。
「私も…玲央の作ったものを玲央の部屋で食べるとはな…」
「真似できてるか?それ…」
「第三者目線なら似てるって言うよ」
「ふっ…今度、聖にも壱にも会ってみるか?変わらないぞ、二人とも」
「二人とも特に親しいわけではなかったけど、10年以上経って‘ご活躍さま’の二人に会ってみたいな」
「オフィスまで来ればいい。聖は出ている時があるけど壱は大抵オフィスにいる。あっ、来月…クリスマスイブに壱の結婚式だ。行ってくる」
私は最後の一口を口へ入れながら、うんうんと頷いた。
「このチューリップさ…」
「うん、何?」
「108本送ろうかと思ったけど、足掻いている真っ最中の乃愛に断られるのが目に見えてるから止めた…プロポーズ断られるなんて立ち直れないだろ?」
「全くそんな顔してないけどね」
「バレてるな…断られたらyesと言われるまで続けるだけだが…乃愛」
「うん?」
「乃愛自身が作りながら踏みしめてる道に横槍を入れるつもりはない」
「うん」
「プロポーズしなくても、ここで一緒に暮らすことはできるが今はそれもしない」
「うん」
「キーだけは渡しておくから自由に出入りはしてくれ。でも乃愛の城は店とあの裏のアパート」
「うん」
「3月までな?」
「うん?」
「4月にはここへ引っ越しだ。店へも通えるだろ?それまでは自分で踏ん張れよ」
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