16 / 77
再び現在
1
しおりを挟む
「すっごく美味しい」
「これも焼けてる」
「玲央も食べなさいよ」
「食ってる。俺、器用だから焼きながら食える」
「…私には出来ないような言い方ね」
「誰しも得て不得手というものがあるから気にするな」
私が心の支えにし、励みにしてきた男が11年前と同じように私の目の前にいる。おじいちゃんおばあちゃんになって再会出来れば…なんて想像したことはあるけど、こんな風に玲央曰く‘デート’なんて想定外だ。
「うまいよな…壱、いい店知ってるな」
そう言いながら白米を頬張る玲央に
「イチ…?」
と聞き直す。
「乃愛と同い年の法科の長谷川壱」
「ああ…長谷川くん。まだ付き合いあるの?」
「大有り」
「自己完結しないで説明して。私が焼くから」
「焼きながら説明できる。壱は俺たちの会社のビルのオーナー。以上」
「はぁ?長谷川くんってビル持ちなの?」
「そう」
「この都心で?」
「そう」
「で、彼に焼き肉店を聞いて教えてもらった?」
「そう」
「…そうって言う度に1枚ずつお肉が皿に舞い降りてる…いただきます」
「ぷっ…食え食え」
玲央は上機嫌で網に肉を置く。あーこの会話のテンポ…最高。
「これも焼けてる」
「玲央も食べなさいよ」
「食ってる。俺、器用だから焼きながら食える」
「…私には出来ないような言い方ね」
「誰しも得て不得手というものがあるから気にするな」
私が心の支えにし、励みにしてきた男が11年前と同じように私の目の前にいる。おじいちゃんおばあちゃんになって再会出来れば…なんて想像したことはあるけど、こんな風に玲央曰く‘デート’なんて想定外だ。
「うまいよな…壱、いい店知ってるな」
そう言いながら白米を頬張る玲央に
「イチ…?」
と聞き直す。
「乃愛と同い年の法科の長谷川壱」
「ああ…長谷川くん。まだ付き合いあるの?」
「大有り」
「自己完結しないで説明して。私が焼くから」
「焼きながら説明できる。壱は俺たちの会社のビルのオーナー。以上」
「はぁ?長谷川くんってビル持ちなの?」
「そう」
「この都心で?」
「そう」
「で、彼に焼き肉店を聞いて教えてもらった?」
「そう」
「…そうって言う度に1枚ずつお肉が皿に舞い降りてる…いただきます」
「ぷっ…食え食え」
玲央は上機嫌で網に肉を置く。あーこの会話のテンポ…最高。
74
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる