199 / 203
chapter※13※※※
しおりを挟む
「朱鷺、私…朱鷺のことちゃんと好きだからね」
「知ってる」
「…私の…情欲的な愛、深い友情、無償の愛、永続的な愛、自己愛、家族愛…全部朱鷺のもの…朱鷺に向けられていると自分で感じる」
「俺…82億人の中で一番…断トツで幸せ。自己愛が入っていたところが最高に嬉しい」
「そう?どうして?」
朱鷺は私と指を絡めて手を繋ぐと、水滴をたっぷりと纏ったままのグリーンを眺めて口を開いた。
「自己愛とは自分自身への愛や思いやりだと思う。だからまず…美鳥がそれを持っていることが嬉しい。古代ギリシャの人の話だったか…自分を愛せるということは、すなわち他人を愛する能力も持ち合わせているとか、他者への友好的な感情は、すべて自身に向けた感情に起因するとか…確か言っていた…美鳥は自分のことが後回しの傾向があるからな。自分を愛して、その上で俺を愛してくれるならこれ以上の幸せはないな」
「…アリストテレスじゃないかな…私、アリストテレスの‘Friendship is a single soul dwelling in two bodies.’が好き」
「…友情とは、二つの肉体に宿る一つの魂のことである…だな。俺と美鳥にもぴったりじゃないか」
「うん…どんな種類の愛も全部当てはまるのよ、朱鷺に向けては…全て」
朱鷺はぎゅうっと私の手を握ると
「俺が今美鳥に向けて何かを言うならば…愛してる以上の言葉が必要だ」
そう微笑んだ。
その微笑みがとても幸せそうで私は全身の細胞一つひとつが至福に包まれた。
「知ってる」
「…私の…情欲的な愛、深い友情、無償の愛、永続的な愛、自己愛、家族愛…全部朱鷺のもの…朱鷺に向けられていると自分で感じる」
「俺…82億人の中で一番…断トツで幸せ。自己愛が入っていたところが最高に嬉しい」
「そう?どうして?」
朱鷺は私と指を絡めて手を繋ぐと、水滴をたっぷりと纏ったままのグリーンを眺めて口を開いた。
「自己愛とは自分自身への愛や思いやりだと思う。だからまず…美鳥がそれを持っていることが嬉しい。古代ギリシャの人の話だったか…自分を愛せるということは、すなわち他人を愛する能力も持ち合わせているとか、他者への友好的な感情は、すべて自身に向けた感情に起因するとか…確か言っていた…美鳥は自分のことが後回しの傾向があるからな。自分を愛して、その上で俺を愛してくれるならこれ以上の幸せはないな」
「…アリストテレスじゃないかな…私、アリストテレスの‘Friendship is a single soul dwelling in two bodies.’が好き」
「…友情とは、二つの肉体に宿る一つの魂のことである…だな。俺と美鳥にもぴったりじゃないか」
「うん…どんな種類の愛も全部当てはまるのよ、朱鷺に向けては…全て」
朱鷺はぎゅうっと私の手を握ると
「俺が今美鳥に向けて何かを言うならば…愛してる以上の言葉が必要だ」
そう微笑んだ。
その微笑みがとても幸せそうで私は全身の細胞一つひとつが至福に包まれた。
25
お気に入りに追加
119
あなたにおすすめの小説
アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
桜井 響華
恋愛
派遣受付嬢をしている胡桃沢 和奏は、副社長専属秘書である相良 大貴に一目惚れをして勢い余って告白してしまうが、冷たくあしらわれる。諦めモードで日々過ごしていたが、チャンス到来───!?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる