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chapter※13※

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「朱鷺様、結果的に柏木様にもご褒美のような企画になりましたね」

美鳥が休みの月曜日、西田と遠藤が各店舗からの様々な報告メールを捌きながら言う。

佐井と食事をしてもらうという俺の遊びに、しっかりとした対策と対応を練ってきた柏木専務は結果的に、国内のNinagawa Queen's Hotelの半分の懐石料理店からの受注を受けたらしい。

「それはそれでかまわない。俺から見ても面白い情報を持っていたんだな、柏木専務は。ワインが何本売れてもいいんだ。うちはただ、それを宿泊や宴会に繋げていかないといけない」
「おっしゃる通りです。今日、美鳥様は?」
「紅茶講習。来週と2回受けるらしい」
「近頃、なんとも逞しくイキイキとされていますね…やはり美鳥様には朱鷺様ということだったんですね」
「西田、今さらだな」
「朱鷺様、失礼致しました」
「明日は予報通り雨が上がったら、朝、イングリッシュガーデンのあるテラスで朝食を取ってから来る。美術館併設で10時オープンだから昼前になるな」
「朝活デートですね?かしこまりました」
「美鳥の仕事半分だがな。美鳥が一緒なら俺は英気を養えるから…美鳥が紅茶の話ばかりしていようが、庭ばかり眺めていようがいい」

美鳥の出張から1ヶ月ほど経ち今は梅雨の真っ最中だが、明日は雨が上がるらしい。
だから、イングリッシュガーデンで美鳥が最近どっぷりはまっている紅茶を一緒に飲むというささやかなデートをしてから出勤することにした。
美鳥にしても半分仕事で、俺は週2日も休んでいないからいいだろう。

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