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chapter※12※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
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「お品書きを頂いたときからこれを楽しみにしていました‘鮑とフカヒレ東寺寄せ’恥ずかしながら‘東寺寄せ’がわからなかったので調べたんです。そしたら東寺蒸しという料理があるそうですね。湯葉の別名として使われる言葉で京都の東寺で湯葉が作られたことから名付けられたと」
担当者が料理の写真を撮る横で、俺は話ながら白ワインをグラスに注ぐ。
「白ワインのポリフェノールの総量は赤ワインに比べて少ないのですが、赤ワインのポリフェノールに比べて分子量が小さいので胃や腸内で吸収されやすく抗酸化作用が早く現れます。つまり量は少ないのですが性能がいいわけです。さらに白ワインの中でも‘樽’で熟成させたタイプのものは、ポリフェノールの含有量が少し増えます。樽に使われる木に含まれるポリフェノールがワインに移るためです。こちらは樽で熟成させたものです」
「フカヒレはたんぱく質が豊富ですし、東寺寄せ?が湯葉なら湯葉も良質なたんぱく質が豊富ですから体にいいですね」
「……」
フカヒレは美容効果も有名だし湯葉は大豆なんだから当然だな…近所から来てくれるパートさんがブドウの収穫をしながら大きな声で話しているのと同じレベルのトークだ。
次にワインの殺菌効果を説明しながら刺身を食べつつ、もう担当者も佐井に期待していないことを感じとる。
「柏木専務、このボトルの写真もいいですか?」
「もちろんです。お願いします」
「お話を聞いていると最近和食に白ワインを合わせる人が増えてきている理由がわかる気がします」
「そうですね。でも次の焼きものは照りと聞いているので赤ワインですよ…あっ、山椒が添えられている調理法でしたら…こちらで」
俺が担当者にそう言うと料理長が
「赤ワインを使った照り焼きもあるんです。懐石ではお出ししませんが美味しいですよ」
と様子を覗きに来た。
「そのレシピは教えて頂けますか?ワインが残った場合のアドバイスとしてワイナリーのホームページに載せたいです」
「では、お帰りまでには書いておきます」
「柏木さん。柏木さんはお料理されます?」
「佐井さん、そんなことは今日のこの仕事にどうでもいいです」
担当者が料理の写真を撮る横で、俺は話ながら白ワインをグラスに注ぐ。
「白ワインのポリフェノールの総量は赤ワインに比べて少ないのですが、赤ワインのポリフェノールに比べて分子量が小さいので胃や腸内で吸収されやすく抗酸化作用が早く現れます。つまり量は少ないのですが性能がいいわけです。さらに白ワインの中でも‘樽’で熟成させたタイプのものは、ポリフェノールの含有量が少し増えます。樽に使われる木に含まれるポリフェノールがワインに移るためです。こちらは樽で熟成させたものです」
「フカヒレはたんぱく質が豊富ですし、東寺寄せ?が湯葉なら湯葉も良質なたんぱく質が豊富ですから体にいいですね」
「……」
フカヒレは美容効果も有名だし湯葉は大豆なんだから当然だな…近所から来てくれるパートさんがブドウの収穫をしながら大きな声で話しているのと同じレベルのトークだ。
次にワインの殺菌効果を説明しながら刺身を食べつつ、もう担当者も佐井に期待していないことを感じとる。
「柏木専務、このボトルの写真もいいですか?」
「もちろんです。お願いします」
「お話を聞いていると最近和食に白ワインを合わせる人が増えてきている理由がわかる気がします」
「そうですね。でも次の焼きものは照りと聞いているので赤ワインですよ…あっ、山椒が添えられている調理法でしたら…こちらで」
俺が担当者にそう言うと料理長が
「赤ワインを使った照り焼きもあるんです。懐石ではお出ししませんが美味しいですよ」
と様子を覗きに来た。
「そのレシピは教えて頂けますか?ワインが残った場合のアドバイスとしてワイナリーのホームページに載せたいです」
「では、お帰りまでには書いておきます」
「柏木さん。柏木さんはお料理されます?」
「佐井さん、そんなことは今日のこの仕事にどうでもいいです」
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