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chapter※12※※※※※※※※※※※※※※※

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「さらに無責任な、数字など考えもしない旅行客目線ですけど…」
「貴重ですね」
「平日にエグゼクティブ以上のお部屋に連泊するお客様にウェルカムフラワーがあったら嬉しいなぁ…と」
「なるほど。その通りですね‘私は特別’‘ここは特別’と感じて頂けるように努力すべきですから」
「フラワーショップでもう咲いてしまったお花なんかは花束に出来なくても、小さなアレンジメントにして客室のウェルカムフラワーにはなると思ったんです」
「別会社ですが相談する価値はありますね。あとは?」
「北海道にはたくさんワイナリーがあるようで、昨日私も見学に行ったんですけどどうしてレストランには北海道のワインがないのですか?」

今この和食に地酒を合わせているのにますます不思議だと思うこと。
同じ土地のものは相性がいいのではないかと聞いてみる。

「コスト…それが一番の理由です」

北海道内なのに何故?と聞くと、全国に展開しているレストランの多くは、食材の仕入れは店舗ごとだが、アルコールなど日保ちするものはまとめて安く購入することが多い。
またメニューに載せるからには同じものを確保し続ける必要があるが、国産ワインは生産数が少ないものも多いそうだ。

「オークワイナリーさんは大手で生産数が多いので何の心配もありませんが、それでも一年を通して在庫で持っておくには高いですね。今回は一皿ごとにワインを選ぶという特別な一杯なのでうちの在庫をそれほど心配することがありませんから本当に特別な1ヶ月ですよ。もう宿泊予約時にレストラン予約をされる方が出てきています」
「嬉しいです。川崎さんに報告します」
「はい。客室予約数は執務室で確認出来ますよね?」
「はい、出来ます」
「ぜひ楽しみに見ていてください。北海道ワインは7月の企画のように使えるか、検討したいと思います」
「いえ、無理には…でも北海道のものって全国ですごく人気なんですよね?初めて物産展のニュースを見た時に、私驚きました」

そこからは、ガーデンウェディングは可能かなど思いつくまま話をしてバーへと移った。

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